『松戸競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月14日
 松戸競輪開設63周年記念「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」が15日に開幕します。S級S班からは成田和也、山崎芳仁、浅井康太の3名が参戦。海老根恵太、鈴木誠、石毛克幸、小埜正義ら地元千葉勢が強豪を迎え撃ちます。また、初日12Rは来日中のぺルビス、ビノクロフ両選手と日本のトップレーサーが激突するワールドステージin松戸も行われます。
 松戸競輪場ではファンサービス、イベントが多数企画されています。先着入場のお客様にオリジナルクオカードが当たるクジ付きうちわを配布。場内では山口健治さんによる予想会(3R、6R発売中)、SAKIベリーダンスショー(5R、8R発売中)、地元選手トークショー(9R発売中)、選手会千葉支部によるイベント(10R発売中)などイベントも盛りだくさん。ぜひ、松戸競輪場にてレースとともにお楽しみください。
<1R>
中曽直彦選手
中曽直彦選手
 田中勝仁、中曽直彦の千葉両者がオープニングレースに登場する。その後の千葉勢へといい流れを作れるか、田中は朝一番のレースで重責を担うこととなった。
 「地元記念は初めてなんです。朝のレースからとは、責任重大ですね。前回のレースから中1週間は、ここに向けてやってきたし、その成果をしっかり出して二次予選に勝ち上がりたいです」
 中曽直彦(写真)は前回の大垣2日目に勝利。1月の大宮記念で勝って以来となる久々の勝利を喜んだ。
 「7カ月ぶりくらいの勝利だったからね。うれしかったですよ。地元記念の前にひとつ良い結果を残せて良かったです。大きなギアも踏めるようになっていると思うし、チャンスが来たときにまた勝てるように頑張りたい。細切れだし、粘りそうな人も居るので集中して頑張ります」
 黒木誠一は現在の通算勝利数が498勝。今シリーズは追加を受けての参戦となる。
 「誕生日(9月12日)までに500勝達成の目標を立てているので、追加を受けてチャンスが広がった。ラッキーだね。初日はうまく流れにのって勝てるように。このシリーズ中に1勝は挙げておきたいです」

<2R>
 田中孝彦は地元2車を背に積極策で一次予選突破を狙う。
 「普段から朝の時間帯にきつい練習をやっているので初日は丁度いい時間帯ですね。モガキの練習を始めてから段々と調子がよくなっています。地元が付くし、積極的に頑張りたい」
 佐藤幸治は2月の落車で肩鎖関節を痛め、8月和歌山で約半年ぶりに実戦に復帰。今節は追加を受けての参戦だ。
 「松戸は移籍するまえから何度も走らせてもらっているし、記念も何度か走らせてもらってました。追加がきてうれしかったですね。半年の間にレース形態も大きく変わってて戸惑いもあるけど、持ち味が出せるように頑張りたいです」

<3R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
 市田佳寿浩(写真)が3月いわき平記念の落車から約5カ月ぶりにレースに復帰。初日は一次予選からのスタートとなった。
 「まわりの皆さんのおかげで、また戻ってくることができました。長い間、離れてましたので、以前の“市田佳寿浩”とは違う部分もあると思います。でもレースを走らないことには戻せない部分もあるし、またここから一生懸命頑張って、GIの舞台で勝負できるようになりたいと思ってます。6月に練習を再開してみたけど、その時はまだダメでした。7月に入ってから練習を再開して、そこからの期間は短いですね。あせっても良くないし、ひとつずつ戻していきたいと思ってます」
 古性優作は市田に前を任された。
 「プレッシャーよりも、まずは自分との戦い。今期S級に上がってきたばかりだし、自分がやるべきことは誰が後ろでもひとつしか無いと思ってます。昇班してすぐの頃よりはS級の走りに慣れてきたし、最近はリズム良くレースを走れるようになったと思います」

<4R>
 猪俣康一は初日のレースに限ると10場所連続で連対が続いている。FIシリーズでは決勝進出も増えており、一次予選は人気を集めそうだ。
 「最近は踏むポイントなどをしっかり意識するようになって、良い成績が残せるようになってきました。初日に一緒の一ノ瀬(匠)君もレースが積極的ですが、自分も先行にはこだわっています。うまく自分の展開に持ち込めるように、考えて走りたいですね」
 高谷雅彦は怪我から復帰して徐々に調子を取り戻している。
 「病気じゃなくて怪我だったので、少しずつ良いほうに向いていると思います。怪我が肩甲骨だったけど、可動域も広がってきているし、走る分には大丈夫。昔と違って特別競輪に出るのは難しくなったけど、地元(青森)記念のあっせんが来たし、今はそこで良い結果をだせるように、やれることをやっています」

<5R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 石丸寛之(写真)はFIシリーズでの優参が増え、競走得点が上昇中だ。
 「ようやくですね、良いときの8割くらいの調子に戻ってきました。今のレースは昔のレースと違ってスピードがあるから、まくるのは難しくなっているけど、その辺は位置取りなんかでカバーしながら頑張ります。いける所から目一杯踏みたいですね」
 箱田優樹はバック本数で断然リード。ここも積極策で勝ち上がりを狙う。
 「松戸は走りやすくていいイメージです。身体の状態もよくなっていると思いますよ。でも、自転車のセッティングが決まらなくて、最近はレースごとにいじってます。たまたま良いほうに出ることもあるけど、なかなかコレだという感じが見つかりませんね」

<6R>
 屋良朝春はFIシリーズが主戦場だが、予選、準決勝での連対が多く、近況は高いレベルで成績を安定させている。
 「変わったことをしてるつもりはないんですけどね。良い成績を続けることが出来ています。この成績が続けば、競輪祭に出られそうだし、今回も結果を残して行きたいですね」
 小原太樹は屋良との対戦と知り苦笑い。
 「今、屋良さんはめちゃくちゃ強いですからね。自分が後方に置かれると太刀打ちできない。まずは先行できるように頑張りたいですね。先行できなくても後手は踏めないし、前へ前へ意識を持っていきながら走りたいです」

<7R>
天田裕輝選手
天田裕輝選手
 天田裕輝(写真)は前橋記念で決勝3着など目覚しい活躍を見せている。
 「前走の高松の準決勝は展開もあるので、勝ちあがれなかったのはしかたないです。引き続き調子は良いと思うし、もっと上の舞台ではまだまだ通用しないと思っているので、一戦一戦頑張るだけです。松戸は久しぶりなんだけど後手を踏むとどうしようもないし、良く考えて走りたいですね」
 柳詰正宏は7月に昇級して初めての記念開催に参戦となる。
 「S級のレースはA級と全く違うレースで楽しいです。何場所か走ったけどスピードでは負けていないと思うし、自分の中ではやっていけると思ってます。東の開催に来ることも増えると思うし、雰囲気を楽しみながら頑張りたいですね」

<8R>
 予選のメインレースは矢口大樹と石毛克幸の地元両者がタッグを組む。
 「ウェイトトレーニング中に怪我をしてしまい、何場所か休んだんですが、影響は少なくなってると思います。地元記念の前に岐阜で実戦を走ったので、前回よりは良い状態だと思います。持ち味をしっかりだして、一次予選を突破したいですね」
 石毛克幸は絶好の目標を得て、初日の白星スタートを狙う。
 「矢口君は強いですからね。サマーナイトの後は時間があったし、練習は普通にやってきました。松戸バンクのレースが久々だけど、初日は自力ではないので、付いていくことに集中したいと思います」

<9R>
鈴木誠選手
鈴木誠選手
 ここからは初日特選レース。鈴木誠(写真)は山崎芳仁を目標に優秀戦出場を目指す。
 「この年になれば体調面の大きな変化はないですよ。いつも通りの調子だし、いつも通りにレースに入れそうです。山崎君とは何度か連係しているけど、最近はなかったから久しぶりだね。彼らしく走ってくれれば自分にもチャンスがあるでしょう」
 山崎芳仁はサマーナイトフェスティバルで2日目に1勝を挙げている。
 「親王牌で落車したけど、サマーナイトを走った感じだと大丈夫そうですね。サマーナイトの後は地元に残って久々に地元でゆっくり過ごしました。夏休みなので家族も沖縄からこっちに来てたんです。33バンクはどちらかと言うと苦手だけど、誠さんが付くし力を出せるように頑張りたい」
 井上嵩は追加を受けての参戦。自身初となる記念の初日特選スタートを喜んだ。
 「日程が空いていたので、何かしら追加がくるとは思ってましたけど、まさか記念でしかも初日特選からスタート出来るなんて思ってませんでした。一次予選の時は負けられないのでレースが小さくなるけど、特選からなので思い切った競走で今の力を試してみたいですね」

<10R>
成田和也選手
成田和也選手
 S級S班の成田和也(写真)は早坂秀悟が目標。松戸バンクには2011年5月、東日本大震災の直後にSSシリーズ風光るを制して以来の登場となる。
 「最近の夏場は暑すぎて体調管理が難しいですね。でも体調は崩すことなくここにこれたと思います。早坂君とは何度か連係してるけど、前に連係したときはすぐにまくられてしまってると思います。富山記念を見てても思ったけど、大ギアになってから33バンクのレースは特に難しくなった。しっかり考えてレースに臨みたいです」
 井上昌己は今年に入り調子を上げていたが、前走の8月青森の準決勝で落車している。
 「去年とは比べ物にならないくらい調子が上がってきてたので前回の落車は痛いですね。外傷は大したことは無かったんですが、見えない部分にきっとダメージがあると思うし、この後に大きなレースも控えているので、今シリーズは力を出しながらその部分を確かめていきたい」
 藤田竜矢は高知記念で自身初となる記念優勝を飾ったが、その後は体調を崩していたようだ。
 「高知の後に40度くらいの熱が出てしまい。それからは寝込んでました。体調が戻ってから少しは自転車に乗ってますし、今回も頑張るだけ。高知記念はたまたま勝たせてもらっただけだと思いますし、上の人たちとの差はまだまだある。今回も強い人に挑戦する気持ちで頑張りたいです」

<11R>
小埜正義選手
小埜正義選手
 小埜正義(写真)は松戸記念に初参戦。昨年の千葉記念では決勝進出を果たしており、今シリーズも気合が入る。
 「松戸記念は初めてなので、千葉の小埜正義という名前を少しでもたくさんの方に覚えてもらえるように頑張りたいです。松戸も千葉県内なので地元だし、ここに向けてやってきた。今回は新フレームだし、色々と考えながら競走に臨みたいです」
 海老根恵太は小埜と連係。小埜を目標に上位進出を狙う。
 「サマーナイトの後は北海道に行って練習してました。涼しいので練習はしやすかったですね。帰ってきてからは暑さにびっくりしてしまいましたけど。初日は小埜君が目標だし、自分は番手で頑張るだけ。今の小埜君は行くだけ行って負けて良い選手ではないので、最低限のサポートはしたいです」
 浅井康太はサマーナイトフェスティバルの2日目に落車しており、状態面が気がかりだ。
 「この時期の落車は先のことを考えると痛いですね。身体をずっと休めていたので自転車に触るのはサマーナイト以来。初日のレースを走ってみて、身体の感じを確かめたいです」

<12R>
ペルビス選手
ペルビス選手
ビノクロフ選手
ビノクロフ選手
 初日最終レースは一発勝負の“ワールドステージin松戸”。外国勢2名と日本勢7名が激突する。ペルビス(写真)は4月に来日してここまで昨年とならぶ4度の優勝。ワールドステージではビノクロフを目標に優勝を狙う。
 「いつものFIシリーズと違って、日本の選手もトップクラスがそろっているし、中々勝つことは難しいと思います。でもレースを走るからには優勝を狙いたい。賞金も魅力的ですし、一生懸命頑張りますよ」
 ビノクロフ(写真)は今シーズンは優勝こそないが、パワーを駆使して活躍が続いている。
 「ここに向けては疲れもなくコンディションは抜群ですね。日本の選手はいつもと違って強いレベルの選手ばかりと聞いてますが、自分も勝つためにここに来た。ペルビス選手はどちらかというとまくりが得意。自分は先行が得意だし、自分が前で走ることになりました」
 対する日本勢は、脇本雄太、新田祐大、中川誠一郎がラインの先頭で走ることに。3者はともに川崎FIシリーズから中2日での転戦だ。
 脇本雄太は川崎決勝で先行して3着に粘った。
 「日程が詰まっててちょっと体調を崩したけど、一発勝負だし、とりあえずこの一走までと思って頑張ります。自分は積極的にレースを組み立てるしかないですよね」
 新田祐大は川崎で未勝利に終わり、身体の重たさを感じさせたが、話を聞けば「川崎の時より調子は良い」とのこと。
 「中2日だけど、今回のほうが身体の感触が良いですね。難しいレースになるけど、レースの展開を良く考えて、集中して走りたいです」
 中川誠一郎は川崎で決勝進出に失敗したが、最終日は珍しく先行して2着に粘った。
 「川崎は初日、2日目と内容が良くなかったので、最終日はとにかく力を出し切ろうと思った。先行して身体に刺激を入れられたのは良かったですね。ここも難しいレースになるけど、出し惜しみしないように頑張りたいです」
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