『千葉競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:10月9日


 千葉競輪場開設60周年記念「滝澤正光杯」がいよいよ今日から開幕しました。台風の影響からか強風が吹き荒れた初日は、1Rから20万車券が出る大荒れの幕開け。特選では海老根恵太が3着に敗れる波乱もありました。
 なお、二次予選と優秀戦が行われる明日も先着1000名様に餃子が無料配布されるほか、ケイリンアイドルユニット「LOVE9」が登場。さらに大好評の滝澤正光氏、吉井秀仁氏、山口健治氏によるフラワーライントークショーも引き続き開催されますので、こちらもお楽しみに。


<1R>
齋藤将弘選手
齋藤将弘選手
   オープニングレースからいきなりの大波乱。最終ホームでカマした鈴木孝征の三番手から伏兵・齋藤将弘(写真)が直線で鋭く伸びて1着。3連単20万車券の高配当を演出した。
 「まさか勝てるとは…。盆と正月が一気に来た感じです。鈴木君は予想以上に早く仕掛けてくれたけれど、ホームから一角まで風が強かった分脚を使ってしまったみたいですね。僕は國廣君の後ろでしっかり脚を溜める事が出来ました。それにしても記念競輪で初日突破なんて本当に久し振り。初日で負けてしまうと4日間が本当に長いですからね…。ホッとしてます」


<2R>
 大沼孝行がマイペースで先行。松島伸安が番手絶好のチャンスをきっちりモノにした。
 「大沼君は風の影響を受けてきつそうな感じでした。4コーナーからすごい向かい風だったし、油断すると外から一気に行かれてしまうと思い、踏ませてもらいました」
 四番手を確保した菊谷信一はまくり不発に終わり、首を傾げる。
 「思い切りが足りないですね。いつもは詰まったら仕掛けるのに、今日はバックを踏んでしまった。それでも行けると思ったけど、全然車が進まなかったです」


<3R>
服部克久選手
服部克久選手
   三上佳孝の先行を外併走からまくった服部克久(写真)が快勝し人気に応えたが、レース後は反省の弁が口をつく。
 「ずっと三上君に見られていたのでなかなか仕掛けるタイミングがつかめなかった。今日の展開ならホームからカマすべきだったし、ホームで光岡さんを入れてしまった事も失敗。後ろの選手に迷惑掛けたのでレース内容は納得できません。でも外併走からまくりきれているし脚の状態は悪くないんじゃないですか。S級復帰後は初の記念だし、魅せるレースはできたと思います」


<4R>
 先行態勢に入った小林信晴が流しているところを太田良政が単騎でカマす意外な展開に。これを追った小林に乗って冨岡健一が鋭く抜け出した。
 「誰が来たか分からなかったし、カマされたときはびっくりしました。でも、3コーナーで前を見たら差がかなり縮まっていたので大丈夫かなと。今日は余裕がありました。2場所前に落車したり、最近はあまり良くないんですが、久々に1着を取れて嬉しいです」
 冨岡に続いた松村順之が2着に入った。
 「今回からギアを上げたので道中は楽ですね。展開が良かったし、余裕もありました。前回の落車の影響は全くないと思います」


<5R>
 道中で坂本匡洋にからまれながらも、山本健也の番手を死守した荻野哲が、直線で前を交わし2着入線。中田健二の失格で1着へと繰り上がった。
 「繰り上がりだから、素直には喜べないけれど、今日は坂本君に内をしゃくられたところでアドレナリンが出ましたね。僕は競りが売りのマーカーだし地元地区のファンの前でぶざまな姿は見せられない。あれで闘争心に火が付きましたよ」
 最終ホームから仕掛けた山本健也も逃げ粘り2着で予選突破。地元ファンの期待に応えた。
 「今日はホームの向かい風がきつかったから、本当はあそこで動きたくなかったんですけどね。展開的に自分の順番だったし、身体が勝手に反応しました。出切ってからは緩めるところがなく最後は一杯だったけれど、後続がもつれてくれた分、何とか残れました。緊張したけれど、初日突破は素直にうれしいですね」


<6R>
松崎貴久選手
松崎貴久選手
   松崎貴久(写真)が前団のもつれを豪快にまくり切り、後続を千切って圧勝した。
 「今日は冷静に走れたし、レースも見えていました。前場所が消極的なレースで悪かったので、思い切った仕掛けをしようと考えていたし、ここしかないというポイントで踏んでいけました。500バンクは久しぶりなんですが、4回転(ギア)は合ってますね」
 後方からしぶとくまくり上げた井上辰也が2着。
 「行こうかな、というときに(伊藤)大志が踏んでいったので、付いて行こうか迷ったけど、ダメそうだったから自分で外を踏んでいきました。倍数をかけて練習しているので、ちょっとオーバーワークですね。今日は4倍よりも軽いギアを使ったのが良かった」


<7R>
 上手く四番手を確保した小橋秀幸が2センターから早めに追い込んでゴール直前で突き抜けた。
 「福田君が上がってきた時に、別ラインがどこも付いて来てなかったので、すんなり四番手が取れました。福田君もかなりふかしていたので、最後まではもたないと思っていたし、後は三谷君の動きだけを警戒して、彼の仕掛けに合わせて2センターから踏み出しました。千葉は前回落車で肩を骨折したバンク。今日も踏み出しと共にあおりを受けて怖かったけれど、1着を取れたことで悪いイメージも払拭できる。明日からも頑張れそうです」


<8R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
   激しいスタートけん制の末、前受けに回った岩本俊介(写真)だが、この日は豪快なまくり劇を披露。最終バック七番手から仕掛けると川口満宏の強烈なブロックをしのぎきり圧勝した。
 「本当は後ろから押えて駆けるのが僕のスタイルだけど、あそこまで牽制が長引いたので気持ちを切り替えて前受けに回りました。3コーナーで川口さんのブロックをもらった時に後輪を滑らせてしまった。そのあたりはまだまだ技術不足ですね。それでも何とか1着が取れたし、今日は落ち着いて競走できました。周りも良く見えていたと思います。松山オールスターで悔しい思いをした後なので『今回こそは』の気持ちが強い。僕は挑戦者の立場だから、明日以降も思い切った競走をするだけです」
 岩本に続き2着入線を果たした飯田辰哉もその強さを絶賛する。
 「前受けは考えてなかったので『どうするのかな?』と思いながら付いていったけれど、岩本は落ち着いて組み立てていたね。最後も川口さんにあんなブロックを食らったら普通の選手は終わってしまうのに、そこから踏み直してあれだけ伸びるのだから、あの強さは本物だね」


<9R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   渡邉晴智(写真)が会心の勝利。最終バックで目標の石毛克幸が内に詰まると、後方からまくった富弥昭―山口幸二の後ろに瞬時に切り替え、直線で鋭く突き抜けた。
 「市田と石毛が絡んで僕も隊列からはみ出していたので、すんなり切り替えられました。僕の動き自体は悪く無いけれど石毛には申し訳ないことをしたね。最後の伸びはギアをあげた効果だと思うけれど、まだ自分のモノにしたという感覚はないので、もう少し乗り込みが必要かな? ただ、久し振りに1着が取れたことは素直にうれしいですね」
 先行の番手という絶好位を得た成田和也は懸命に番手の仕事を見せるも、最後は渡邉との踏み比べに屈し2着まで。
 「小野は頑張ってくれていたんですけど、僕自身が最後に思いのほか伸びませんでしたね。後ろからみんな来ていたので少し早めに踏んだつもりだったけれど、知らぬうちに疲れがあったのかな…。今日は良いレースが出来なかったけれど、明日は修正して頑張りますよ」
 市田ライン三番手から、自力まくりの奇襲策に出た富弥昭も末を欠き6着。
 「躊躇しながら踏んだ分、伸びを欠いたね。もうちょっとすんなり駆けていたら、3着まではあったはずだし、そこが悔やまれます。ただギアをあげた効果は実感できましたね」
 初めての特選スタートに、思い切った先行策を見せた小野大介だが、最後は力尽きシンガリに沈む。
 「自分の競走は出来たけれど、結果9着じゃ何の意味も無い。最後は踏み直す間もなく後ろからこられてしまいました。自分は結果を重視したいタイプだし、最下位は悔しすぎますよ」


<10R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   ただただ伏見俊昭(写真)の強さだけが際立った10レース。半年振りに自力の競走となった伏見だがバック七番手からまくりを打つと、瞬く間に前団を飲み込み別線を一蹴。自力脚健在を強烈に印象付けた。
 「久々に気持ちの良いレースができましたね。今回は武田(豊樹)さんの真似をして3.85にギアをあげているけど、感触は悪くない。今シリーズはこのギアで勝負していきますよ。最近はいろいろな事が噛み合わずスランプ気味だったけれど、状態自体は悪くなかった。流れは自分で引き戻すしか無いですから、今日のレースがきっかけになれば良いですね」
 番手絶好の有坂直樹も前を交わせず2着。伏見の強さにはお手上げ状態だ。
 「差せないねー。多分あと半周あっても差せてないと思う。伏見とは何度も連係実績があるし、あいつの仕掛けはスムーズだから付けやすいのは付けやすいんだけどね…。まー2着を守れた事を良しとします」
 金子貴志のまくりを合わせきるなど好気合を見せた吉本卓仁も伏見のまくりにはなす術なく7着に沈む。
 「力負けです。伏見さんとはスピードの差が歴然でしたね。合志さんが後ろで仕事してくれていたのはわかっていたので、何とか僕も頑張りたかったんですけどね…、でも脚の状態は悪くなかったし、このメンバーでバックを取れたことは自信になりますよ」


<11R>
稲村成浩選手
稲村成浩選手
   最終11レースは松岡貴久と海老根恵太で激しくもがき合う展開。脚を溜めていた稲村成浩(写真)が直線外を鋭く伸び切り、激戦を制した。
 「最終バックはニュートラルで踏めていたし、外を踏んでどこまで届くかというレースをしました。ちょうど松永君も踏んでたので、それに乗っていく感じになりましたね。最後はバタバタになったけど、四角までのペダリングは良かったと思います」
 地元コンビの三番手を回った松永晃典が軽快な動きを披露。最終2センターから外をまくり気味に追い込んで2着に入った。
 「海老根を1人にできないし、追い上げるつもりで踏んでいきました(笑)。自分で踏み込めたので、調子はいいと思います。身体の反応も良かった。前回はオーバーワークだったけど、その分、今回は軽く感じますね」
 人気を集めた地元の海老根恵太は3着で辛くも優秀戦に駒を進めた。
 「もうちょっと早く仕掛けるべきでしたね。踏み出しで行ける手応えはあったけど、コーナーが全然伸びなかった。でも、状態は悪くないと思います」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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