『川崎競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月17日
 川崎競輪場で川崎市制100周年・開設74周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」が、1月18日に幕を開ける。一昨年4月に郡司浩平と松浦悠士が同着で優勝を分け合って以来の川崎記念に、その両雄が今シリーズも参戦する。グランプリ王者の24年の始動となる松浦をはじめ、S級S班の深谷知広、佐藤慎太郎、清水裕友の4人が4日間のシリーズを熱くする。地元勢は郡司を中心に北井佑季、松谷秀幸、佐々木龍らが盛り上げる。すでに24年の走り初めをすませている選手も多いが、冬晴れの前検日はバンクでの感触を確かめる選手もたくさんいて、翌日からの戦いに備えた。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着で開門プレゼント、伊藤勝也さん、江藤みきさんによる予想会、バンク内観戦ツアー(HP事前予約制)、キッチンカーの出店などが予定されています。また、1月18日の初日には、「西原綾美、ニレンジャー」のトークショーもあります。川崎競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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 直近の5場所で7勝を挙げて近況も順調に勝ち星を重ねている松岡貴久は、前回の平塚FIを1236着から中12日。連続の4日制のシリーズはオープニングを務める。
 「(前回は)前半の2日間は普通に走れた。けど、後半の2日間がイマイチで修正点が多かった。(修正点は)体調的なものですね。(そのあとは)結構、空いていたんでトレーニングをしてきた。練習はいつも一人でやるんで、よくわからない。実走を1走してみてからですね。(初日に連係する東矢圭吾は)内に詰まるレースさえしなければ大丈夫だと思います」
 ホームバンクの四日市から24年をスタートした柴崎淳は、そのFIシリーズを717着。決勝は果敢に先行策に出たもののシンガリに沈んだ。
 「(前回は初日と最終日の)自力でやった時は問題外でしたね。時間が掛りそうな感じがします。(数年前に大きな)怪我をしてからはずっとですね。番手のレースが多くなって、その時はゴマかしながら1着が取れたりもしているけど自力だと…。去年が一番悪かったし、(前回の)自力はショックでした」


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 12月の伊東記念で落車に見舞われた山岸佳太は、昨年は不本意なまま終了。そこから約1カ月半のブランクがあって、ここから24年のスタートを切る。
 「(落車の怪我は)ろっ骨とろく軟骨、あとヒザの半月板ですね。ろっ骨の方が痛かったんですけど、(練習で)乗り始めたらヒザの方にきた。ヒザに違和感があって、(練習は)考えながらやってきた。走れるかなっていうのはあるけど、自信をもってとは。ただ、直前に(吉田)拓矢と小畑(勝広)とバンクでやってきたんですけど、拓矢には問題ないんじゃないかって言ってもらえた」
 香川雄介は、前回の高知FIで久々の決勝進出。準決はカマシ気味に仕掛けた太田竜馬マークから、抜かりなくチャンスをモノにして今年の初勝利を収めた。
 「(前回の感触は)悪くはなかったと思います。(そのあとは)体調を崩したんで、あんまり(練習が)できてない。予定通りではないですね。走ってみないとっていうのはある。(初日に連係する晝田宗一郎は昨年10月の京王閣でワンツーで)強かった」


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簗田一輝選手
簗田一輝選手
 簗田一輝(写真)は、昨年11月の競輪祭でGI初のファイナルに進出。大舞台を経験したあとは、FIシリーズを3場所消化して、久々の9車立てを迎える。
 「(前回の岸和田153着は)動けてたんで、そんなに悪くないかなと。初日は1着で準決は大石(剣士)に任せていたんで、その辺はしょうがないかなと。(そのあとは)しっかり練習をしてきました。多少、疲れがあるかもしれないけど大丈夫だと思います」
 前回の平塚FIは予選1で白星の好発進も、2日目以降を657着と大きな数字が並んだ堤洋が、こう口を開く。
 「初日の着は良かった。(久田裕也が)押さえ先行をしてくれて、なんとか1着が取れたけど。病み上がりだったのもあって、カマシ、まくりには離れている。今回はそのあたりを修正してきた。セッティングもいじったりして良くなったと思います」


<4R>

 直近の4場所で3度の優出と近況はFIで成績をまとめている杉森輝大は、初日で同県の早坂秀悟とタッグ。シャープな差し脚で、一次予選突破を目論む。
 「(前回の四日市FIは)しっかり踏めるようになった。体の状態も良くなってきている。ケアのやり方を変えたり、練習も少しずつ内容を変えたりしている。あともう一声ですね。(前回から中3日なので)ケアして1日だけ自転車に乗ってきた」
 前回の小田原FIは特選スタートから443着と一息だった久米良は、中4日も変わり身がありそうだ。
 「(前回は)悪かったですね。(前回の)直前に腰を痛めて不安のままだった。こんなものかなっていうのもあったけど、開催中にリカバリーしたかった。体の状態は日に日に良くなってきている。今回は楽しみにしてきた。自分の感覚としては、元に戻っているかなと」


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橋本瑠偉選手
橋本瑠偉選手
 3場所前の平FI完全Vを含めて白星ラッシュの橋本瑠偉(写真)は、前回の伊東FIでも初日予選をまくりで1着。昨年10月の伊東FIを皮切りに、初日は6連勝中と、ここもラインの横山と人気を集めそうだ。
 「年末に体調を崩して、あんまり練習ができてなかった。だけど、(前回は)思ったよりは走れたかなと。(そのあとは)練習ができたんで大丈夫だと思います。(21年の当所GIIIは4685着で最終日は)一般戦を走っていると思うんですけど、その時よりも脚がついていると思う」
 今年初場所となった前回の伊東FIでは2日目に落車再乗の6着。最終日は欠場を余儀なくされた横山尚則は、その時に連係していた橋本と一次予選で再タッグ。
 「(落車して)大きな怪我はなかった。ここまでしっかりトレーニングしてきた。自分なりには調整もしてきた。やり切れていない部分もあったけど、(練習で)モガいた感触として悪くない。(橋本とは前回の)準決で転んじゃったので、その時のリベンジですね」


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新村穣選手
新村穣選手
 川崎がホームバンクの新村穣(写真)は、初めての川崎記念にも気負う様子もなく、シリーズを通して自分のスタイルでファンにアピールしたい。
 「(前回の京王閣までは)競走の間隔が詰まってたので、しっかりと疲れを取って(練習を)やってきた。(川崎はバンク改修したあとに)風も強くなって、天候に左右されやすいかなっていうのもある。ただ、自分はどんな天候でも練習をしているので、不安なく走れると思います。地元記念だからって絶好調っていう感じはなくていつも通りですね。4日間、自分のスタイルで楽しめたらと」
 近況の戦績をまとめている福田知也は、前回の四日市FIから中3日も疲れはなさそうで手ごたえを得ている。
 「成績よりも感じはいいし、だいぶ上がってきている。(中3日なので)1日休んで、2日間は刺激を入れる程度の練習。ウエートトレーニングですね。地元記念だからといって気持ちを入れるとかないんで、恵まれたらチャンスを生かせるようにしたい」


<7R>

 高久保雄介は4日制の岸和田FIを1562着からおよそ2週間空いた。2連対と成績はまずまずも、自身はこうコメントする。
 「(前回は)あんまりピリッとせんかった。疲れている感じでした。そのあとはちょっと(日にちが)空いていたんで、しっかりと追い込んできました。ここに来る前の練習は、調子が良かったです」
 前回の京王閣FIを316着の竹内智彦は、茨栃勢の上位独占になった決勝は致し方なかった。が、感触的には悪くなさそうで、酒井雄多とタッグの初日も侮れない。
 「(前回の)手ごたえは良かったです。決勝はどうしようもない展開でした。一応、行ってみたけどダメでした。(そのあとは)いつも通り(練習を)やってきたし、数値的にもいいものをキープできていると思います」


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村田雅一選手
村田雅一選手
 落車明けで正月の京王閣FIシリーズを迎えた村田雅一(写真)は、752着で思うような走りができなかった。そこから約2週間のローテーションで立て直してきた。
 「(前回は)痛みがあって、体がしっかりと動かなかったところもあった。状態的には悪くないと思ったんですけど、いざ走ってみると力が入らなかった。そのあとはしっかり練習をしてきました。一からケアをして、ウエートトレーニングもやったんでいいかなと思います。(練習での)タイムも悪くなかったんで、状態はいいかなと」
 前々回の大垣FIをまくりでV奪取の山田諒は、前回の岸和田FIを122着。決勝は金星こそならなかったが、郡司浩平に次ぐ2着の準VとFIで抜群の成績を残している。
 「比較的、調子はいいかなと。ちゃんとレースをつくれていると思います。(そのあとは)普通に練習していつも通りにやってきました。(調子は前回と)同じくらいだと。記念が久しぶりなので、9車立ては流れが違う。そこをうまく対応できれば結果が出てくれるかと」


<9R>

 渡邉一成は、前回の佐世保記念から1カ月ぶりの実戦。その佐世保記念では連勝を含む3連対を果たしたが、その後は体調不良もあったようで強気にはなれない。
 「体調を崩して、ちゃんとできるようになったのはここ3、4日くらいですね。ちょっと走ってみないとわからないところもある。レースでの負荷は、やっぱり練習とは違うところもある。でも、(初日は別線の)若い子に負けないように頑張ります」
 昨年11月の2場所連続での落車が尾を引いているようで、佐々木雄一はコンディションが思うように上がらない。
 「落車明けから状態が上がってこないっていうのが、実際のところですね。思ったようには上がってきてくれない。ただ、(前回のあとの)中3日でいいところもあった。それがうまく出てくれれば」


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鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 昨年12月の広島記念を2123着、続く立川のグランプリシリーズを739着で優出の佐々木悠葵が、今年の初戦を迎える。
 「(前回から2週間以上)空いたんで練習をやって体力をつけるのをメインでやった。でも、バンクには乗れていないので、明日(初日)走ってみてからっていうのもある。去年は(その練習を)1個もやらなかったので、体力はついたかなと思います」
 近況もコンスタントに勝ち星を重ねている鈴木竜士(写真)は、順調にトレーニングを重ねていることが大きな要因のようだ。
 「去年から練習がしっかりとできてたんで、それを引き続きやっています。(調子を)キープできているし、多少の上積みもできているかなと。怪我が治って、10月くらいから同期の新山(響平)に聞いて、新山がやっている練習に取り組んでいるのがいいのかなと」


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佐々木龍選手
佐々木龍選手
 一次予選のトリはホームバンクの佐々木龍(写真)が務める。前回の四日市FIから中3日も、臨戦態勢はすでに整っている。
 「中3日だったので、特別なことはしないで、いつもと変わらずに過ごした。地元記念なんで気持ちは整えてきました。地元はいつも以上に気持ちが入ると思う。あとは目の前のレースに集中して、結果がついてくればいい」
 渡邉雄太は、昨年11月の競輪祭での落車から復帰した2場所で勝ち星がない。
 「(前回の感触は)微妙ですね。競輪祭の落車からちょっと感じが悪い。(前回の後は静岡競輪場が)開催していたので、月曜、火曜日と練習はしてきました。(前回と比べても)たぶんいいと思います」


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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 昨年末にグランプリを初制覇した松浦悠士(写真)は、賞金王にも輝いた。そこから体調不良もあったようで、24年はこの川崎記念からスタートする。
 「(グランプリ優勝は)過去のGIのタイトルとも違った。たくさんの人に喜んでもらえたのが、一番うれしかった。(グランプリのあとに)体調不良が長引いて、練習再開が遅れました。(感触としては)そこまで悪くはないけど、練習量をこなせてない不安はある。ただ、一緒に練習をやった大川(龍二)さんよりも良かったところはある」
 一昨年4月の川崎記念では松浦と同着優勝の郡司浩平は、川崎記念を3連覇中。自身5度目のホーム川崎記念Vに、今年も主役の座は譲れない。
 「(前回の岸和田FIの完全Vは)しっかりと行くべきところで(仕掛けて)行こうっていうレース運びはしたつもりです。9車立てよりも短い分、仕掛けやすかった。仕掛けた感じも良かった。そのあとはしっかり練習をして、そのなかで調整も入れた。悔いなく走れるようにやってきたつもりです」
 初日特選は地元3車とは別線になった深谷知広。単騎での昨年末のグランプリの動きも良かっただけに、ここも脅威になることは間違いない。
 「(前回の大宮記念は)いいところと悪いところの両方が出た。集中力がなかった。疲れがあってイマイチだったので、そこがしっかりとしてなかった。(そのあとは)疲れ自体はだいぶ取れた。ただ、いい練習はできなかったので、そこがどうかなと。(初日は地元3人がいて南関勢が4人なので)自分が前か、4番手か別でかと(の選択だった)。初日っていうこともあるので別でやります。(南関が同じメンバーで上がったら)決勝はまた考え直します」