『川崎競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:4月21日

 川崎競輪場で開催されている開設76周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」は、4月20日に2日目が行われた。二次予選では、初日特選を制した地元の郡司浩平が連勝。また、脇本雄太は上がり10秒5のバンクレコードを叩き出すまくりを披露した。4月21日のシリーズ3日目には、ファイナルをかけた準決で激戦が展開される。
 記念開催中は毎日、先着来場プレゼント、VR競輪、予想会、未確定車券ガラポン抽選会などが予定されています。また、4月21日の3日目は、アイドルライブ、平日ナイトタイムのドリンク券倍返しキャンペーンなどもあります。川崎競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

栗山和樹選手
栗山和樹選手
 福岡コンビが前団。梶原海斗が赤板過ぎに磯島成介を突っ張り、磯島は3番手の栗山和樹(写真)の外で併走して打鐘。再度、3コーナー過ぎから磯島が叩きに出るが、梶原が合わせて駆ける。4コーナーから最終ホームにかけて浅井康太と黒沢征治がからむ。不発の磯島が後退して、3番手の栗山が2コーナー手前からまくる。逃げる梶原と車間が空いた園田匠を乗り越えた栗山が、逃げる梶原をとらえる。直線で詰める浅井を振り切った栗山が1着。
 「(打鐘)3コーナーで磯島君が行ったけど、梶原君もヤル気だった。それで自分は内々でした。園田さんがキツそうだったので、先まくりしました。そこまでサラ脚だったのでしっかりと踏み切れた。浅井さんを振り切れたのはうれしいです。(S級になってからは)長い距離をモガくようにしている。600mを行くようにしているので、練習でも600mをモガくようにしている」
 栗山の番手で別線の反撃の芽を摘んだ浅井康太は2着も、その仕事ぶりが目を引いた。
 「栗山君が落ち着いてレースをしてくれた。黒沢君が来たらさばいてだったし、脚を使って苦しい展開にはなった。けど、栗山君がしっかりと仕掛けてくれた。(最後は栗山を)抜けるかと思ったけど、あれ以上踏み込むとバランスを崩すかなっていうのもあった」


<7R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 赤板1コーナーで佐々木眞也が先に切って出て、鈴木竜士は3番手に下げる。6番手の小森貴大が踏み込んで、打鐘3コーナーで先頭に立つ。そこを木村弘が叩いて主導権。小森が3番手を手に入れて、最終周回。5番手の佐々木、7番手の鈴木は仕掛けられず、小森が2コーナー過ぎに踏み込む。4コーナー手前でまくり切った小森を追走した稲川翔(写真)が、余裕をもって差し切った。
 「(小森が)本当にうまくレースをつくってくれましたし、みんなが動いたなかで、まくりですけど主導権を握るレースをしてくれた。僕は割られないようにだけ気をつけていました。まくりだったんで、なんとしてもワンツーは決めたいと思っていた。レースに集中できているけど、まだまだ甘いところもある。もっと緊張感をもって集中していきたい」
 タイミング良く踏み込んで3番手を確保した小森貴大が、まくりで稲川とワンツー。
 「イレギュラーな流れにはなったんですけど、しっかり状況判断できた。窪木(一茂)君の追走が甘かったんで迷ったんですけど、誰も来てなかったんで3番手でいいなと。無理やりの仕掛けだったけど、ラインで決まったんで。結果が出ているし、調子は問題ない」


<8R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 赤板過ぎに外の神山拓弥と接触した中野慎詞が、車体故障で棄権。前受けから長島大介を突っ張った土生敦弘が、そのまま主導権。長島が3番手に入り、目標を失った松谷秀幸(写真)は5番手。7番手で反撃のタイミングをうかがっていた上野雅彦は、打鐘3コーナー過ぎに仕掛ける。上野が最終ホーム過ぎに叩き切って主導権を奪う。5番手の長島が2コーナー手前から踏み込が、吉本卓仁のけん制で長島のスピードが鈍る。神山は4コーナーで内よりのコースを突く。直線で外を追い込んだ松谷が、伸び切って突き抜けた。
 「(中野が車体故障で棄権して)どうしようかと思った。加賀山(淳)に(前後を)代わってくれって(笑)。9番(上野)が行った時にスイッチできれば良かったけど、一番後ろになっちゃった。あとは長島君が仕掛けてくれれば、自分は内か外をと。カミタク(神山)が内に行くだろうと思ったんで(自分は外のあのコースを)。伸びてくれたんで良かった。中野君がいなくなって、1着が取れてるんで悪くないかなと。昨日(初日)がすごいスピードだったんで、それで刺激が入りました」
 長島のまくりが不発になると神山拓弥は、内のコースを選択して追い込んだ。
 「(長島が)突っ張られたんで、位置を取ろうとした。そしたら中野君も上がってきてぶつかっちゃった。そのあとは長島君が仕掛けてくれて、自分も対応することができた。最後はコースを見てっていう感じだったけど、長島君の外はキツいなと。昨日(初日)よりも良くなっている感じがあるし、(このあとも)たぶん良くなってくると思います」


<9R>

西田優大選手
西田優大選手
 中団の坂井洋、後方の根田空史もアクションを起こすが、前受けの西田優大(写真)が赤板過ぎに突っ張り気味に踏み上げる。坂井は前との車間を大きく空けて4番手に戻り、根田が7番手で打鐘を迎える。西田がそのままペース駆けに持ち込むかに思われたが、最終ホーム手前から坂井が発進。坂井が出切り、西田も懸命に内で抵抗する。その上を根田が2コーナーから襲い掛かる。先頭に立った坂井が、2センターで根田を外に振る。空いたインを西田が踏んで抜け出した。
 「(赤板は)引きたかったんですけど、(坂井、根田の)2人で切りに来てたんで、走りながら状況判断をして突っ張った感じです。後ろでけん制してる感じだったし、脚を使わずに駆けられた。(坂井に)出られたと思って、番手と思ったんですけど、内が空いたんで出られた。展開が向いたと思います。調子はいい方だと思います」
 まくった根田のスピードが鈍ると、東龍之介は直線で外のコースを選択して伸びた。
 「車番が良くなくて、(周回中は)後方からになったんですけど、切らせてくれるかと。そしたら坂井君がうまくあおりをつくって、叩かせてくれない感じになった。前2人(坂井、西田)がやり合ってて、根田さんのスピードが勝ってたし、越えられるかなと思ったんですけどね。1つ前のレースの松谷(秀幸)さんとか、昨日(初日)の(佐々木)龍をお手本にして、伸びるコースを踏めました」


<10R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 赤板過ぎに櫻井祐太郎が犬伏湧也(写真)を押さえて、そこを2コーナー過ぎに幸田望夢が出る。幸田が先行態勢を取るが、犬伏の巻き返しが早い。すかさず踏み込んで抵抗する幸田をねじ伏せて、犬伏が力の違いで主導権を奪う。那須久幸は付け切れず、犬伏、桑原大志で出切り、最終バックで山本勝利が3番手に切り替えるが、直線は中四国勢の勝負。4分の3車輪まで迫った桑原を退けた犬伏が1着。
 「(別線の機動タイプ)全員を動かして、先行を意識してできた。その点は良かった。主導権が取れて1着なんでいいかなっていうのもあるけど、あんまりスピード感がなかった。(仕掛けたあとは)幸田君の動き見ながら、(最終)ホームで出切れればいいかなと。あとはまくりに来られないように。ただ、最後の踏み直しが甘かった。たぶんGIだといかれている。バンクが重いのもあるけど、もうちょっと良くなってほしい」
 人気のワンツー決着。桑原大志は犬伏の成長を肌で感じながら、感謝を口にする。
 「(犬伏は)全部、突っ張るか、引いてすぐに行くっていう感じだった。それで自分の気持ちもだいぶ楽でした。(犬伏は)ペースに入れつつ、いつでも出られるっていう感じだった。緩急がすごく上手だし、こんな感じだったかなと。(S級S班になって)責任をもって、こんなに変わってくるかなと。すばらしいですね。犬伏君に関しては、すごい気をつかってくれる。一緒に決めたいって気持ちがありがたい」


<11R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 打鐘で高橋晋也が押さえて出て、先行態勢を取る。4番手に久米康平が追い上げ、鈴木浩太は6番手に下げる。脇本雄太(写真)は、一本棒の8番手。4コーナーから高橋が徐々に踏み上げて逃げる。久米、鈴木浩がそれぞれ車間を空けて、脇本も大きく置かれる。最終2コーナー付近で詰める勢いで久米がまくり、脇本もスパート。椎木尾拓哉は付けられない。久米がまくり切るも、次元の違うスピードで脇本がのみ込んで1着。17年に原田研太朗がつくったバンクレコードを塗りかえる上がり10秒5を脇本が叩き出した。
 「突っ張っても良かったのかなって、終わってから思いました。けど、自分のスタイルじゃないし、受けて立つのはしょうがない。中団争いもなかったし、しょうがない。昨日(初日)と同じ感じで踏めたらと思ってた。自分のタイミングから踏みました。(感触は)普通ですね。(バンクレコードは)全然、興味ないところ。伸びてはいるけど、仕掛けどころがいいわけじゃないし、ラインで決まってないので、なんとも言えない」
 うまい立ち回りからまくりで仕留めた久米康平が2着。
 「(高橋が)ゆったり出る感じだったんで、すぐにスイッチしました。先行したラインをまくり切るイメージ通りに動けて、あとは脇本さんが来る前にゴールできるかどうかだけだった。自分の勝負をしようとした結果だし、感触は良かった」


<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 山岸佳太、片岡迪之の順番で切って、赤板2コーナー過ぎに中西大が出て先頭に立つ。7番手で間合いを取った郡司浩平(写真)は、打鐘過ぎに仕掛けて力勝負。中西もペースを上げて駆けるが、郡司が前団に襲い掛かる。最終1コーナーで藤井昭吾と当たった佐々木龍は、郡司の加速に遅れ気味。最終1センターで出切った郡司を佐々木が追いかけるも、2コーナー過ぎから山岸がまくる。郡司はセーフティーリードで、離れた後ろがもつれる。直線で山下渡も追い込むが、3車身差で郡司が完勝。
 「(周回中の並びが)後ろが中西だったので、ポンポンって(別線が切って中西の先行の)展開になっちゃうかなと。それであとはしっかりと行くところでいってと。中西も全開で駆けているところを仕掛けたんで苦しかった。その分、出切るのもキツかったんで、後ろがからまれる展開になっちゃいました。出切ってからもうちょっと楽に回せるといいけど。力を使って踏み上げる感じになったんで、それで末が良くなかった」
 佐々木が、外の山岸を三度ブロックも直線ではいっぱい。山岸の外から山下渡が追い込んで2着。
 「(周回中は)後ろになっちゃったけど、山岸は組み立てが上手なんで任せていました。すかさず(地元勢の)4番手に切り替えて、前に踏んでくれたんで、自分にもチャンスがあった。ただ、佐々木も絶対にもってくるだろうと。内も見てたけど、まだ余裕があったんで外を踏んだ。道中、余裕をもって進められているんで、その分、最後が踏めているのかなと」