『川崎競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月22日

 川崎競輪場で開催されている開設76周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」は、4月21日に3日目を迎えた。S級S班4人をはじめとしたトップ選手による準決では、激しい戦いが繰り広げられた。ホームバンクの郡司浩平が、無傷の3連勝で優出。同じくホームバンクの佐々木眞也も白星で決勝に進み、地元勢は松谷秀幸とともに3人が勝ち上がった。ナイターでの記念シリーズもいよいよ大詰め、4月22日の最終日には、郡司、脇本雄太、犬伏湧也のS級S班3人ら豪華なメンバーによる決勝で優勝が争われる。
 記念シリーズは、最終日の4月22日も様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。神山雄一郎さんのトークショー、先着来場プレゼント、VR競輪、予想会、未確定車券ガラポン抽選会、平日ナイトタイムのドリンク券倍返しキャンペーンなどが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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佐々木眞也選手
佐々木眞也選手

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 後方から上昇した根田空史が、赤板過ぎに栗山和樹を押さえる。単騎の和田圭が南関勢に続くが、栗山は3番手でなかなか下げない。そこを6番手の犬伏湧也が、2コーナーで踏み込む。犬伏の加速に桑原大志が徐々に遅れて、打鐘4コーナーで犬伏が1人で叩き切る。根田が番手に収まり、佐々木眞也(写真)、和田で最終ホームを通過する。5番手で外の桑原を張ってまくった栗山だが進まない。2センターから追い込んだ根田を犬伏が合わせるが、その外を佐々木が伸びて1着。ホームバンクの記念ファイナルを白星でつかんだ。
 「連日(声援が)すごかったし、期待に応えられて良かったです。(犬伏の後ろが)空いているのが見えたんで、根田さんが踏んでくださったんで良かった。あとは後ろを確認して、ゴール前勝負ができて良かった。番手戦だったんで、脚もたまっていたんで最後は伸びた。感覚は今日(3日目)が一番良かった。連日、前でやって今日は番手だったんで、多少、余裕はありました」
 桑原が連結を外して、ラインを失った犬伏湧也(写真)だったが、踏ん張って2着に逃げ粘った。
 「(周回中は)前中団が取れたんで、(別線が)切って、切ってドンかと思った。そしたら山岸(佳太)さんの動きが想定外だった。こうなったらジャンからカマしていけば、チャンスがあるかなと。あとは根田さんの横までいければ出られるかなと。(桑原が離れて)1人だっていうのがわかった。昨日(2日目)より良かった感じがあるけど、佐々木眞也さんにいかれているし体の状態はもっと良くなってほしい。(落車の怪我の影響で)背中、腰の周りの張りがまだある。もっとスピード良くいけるイメージがあるんで、良くなってほしい」
 自身でハイペースをメイクした根田空史が、犬伏の番手にハマる。追い込み勝負で伸びを欠くも3着は確保した。
 「栗山君が突っ張らなくて、そこが想定外だった。自分はジャンのところで全開で踏んでいた。(犬伏に出られても)中団に付けられるかと思ったら、桑原さんが離れていたんで番手に入れた。そのあとはニュートラルに入ったけど、いざ踏み込んだら全然、出なかった。ジャンのところが全開だったからですかね。今日(3日目)が一番、反応が良かった。(犬伏を)抜ける脚があれば良かったけど、現状はここまでだなって」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手

小森貴大選手
小森貴大選手
 埼玉トリオが前団に構える。赤板過ぎに上野雅彦の上昇を阻んだ黒沢征治が、そのまま先行態勢を取る。脇本雄太(写真)は引いて、上野が4番手に入る。後方の脇本の反撃を警戒して、黒沢は打鐘3コーナーからペースを上げて駆ける。4番手の上野も車間が空いて最終ホームを迎える。上野が詰める勢いで2コーナー手前からまくり、ほぼ同じタイミングで脇本も仕掛ける。上野が平原康多を乗り越えるが、その上を脇本がスピードの違いでまくる。稲川翔は付け切れず、小森貴大だけが続く。2センターで前団をとらえた脇本が、小森を連れ込んで1着。
 「スローな流れになって、内に詰まるくらいなら外でしっかりタイミングを取ろうと思って、後方まで引きました。ジャンを過ぎて、踏もうと思ったタイミングで黒沢君も踏んだんでまくりだなと。無理やり踏んだ感じで、タイミングは取れてなかった。なんとかでした。自分のなかで納得できていないところはあるけど、そこは今節中にはどうにもならないと思う」
 脇本の後輪に全神経を注いでいた小森貴大(写真)は、驚異の加速にも対応した。
 「すべて脇本さんにお任せして、僕は踏み出しだけに集中していました。今年から自分でやる時も、自力自在とコメントしていた。そのなかで上位をもう一度目指すって考えた時に、GI上位の選手とは自力として渡り合えない。福井の上位の選手の後ろを守れる選手が出れば、層が厚くなると。そういう思いがあって、稲川さんに番手を回らせていただいた。ずっと集中して、結果として付いていけて最低限のことはやれました。次は抜くことを目指したい」
 上野のまくりがのみ込まれると、久米康平が福井コンビを目標に追い込んだ。
 「上野君は関東勢をしっかりまくっていたし、脇本さんが飛んできたのは仕方ない。1車で来てほしかったけど、小森さんまで付いていて、稲川さんがいなくて僕は恵まれただけ。前回が終わってから練習も見直して、試行錯誤していたことがやっとハマった。状態に関して不満はないです」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 赤板1センターで山本勝利が切って、そこを西田優大が押さえる。大方の予想通りレースは流れて、郡司浩平(写真)は、7番手でタイミングを計る。しかしながら、打鐘を通過して詰まった4コーナーでも郡司は仕掛けない。主導権の西田が、そのまま踏み上げて逃げて、最終周回。4番手の山本が2コーナー手前から仕掛けるが、吉本卓仁が阻む。が、その上をまくった郡司の勢いがいい。直線の入口で前団をとらえた郡司が、3連勝で人気に応えた。
 「昨日(2日目)のタイミングで(仕掛けて)行っても良かった。(西田優大に)だいぶペースに入れられちゃってるんで。自分のタイミングっていうよりは、山本(勝利)の出方を見て勢い次第でと。(仕掛けが)遅くなっちゃいました。上のレースじゃ、これでは勝てない。次につながるレースをしないと」
 呼吸が合わず最終ホーム手前で郡司の内に差し込んだ松谷秀幸(写真)だったが、郡司のまくりにはきっちりと追走した。
 「(郡司)浩平は昨日(2日目)だったら、(打鐘4コーナーで)行くのに。その前にも行くところがあった。珍しくというか、(ああいう郡司は)初めてっていうくらいじゃないかな。堅くいったんですかね。離れそうになったし、キツかった。東(龍之介)もいつも番手勝負してるのに、回してもらったんでワンツースリーを決めたかった。何回もバックを踏んで、浩平のまくりに付いていけてるんで悪くはないですね」
 3着に入った吉本卓仁だが、自身の番手での立ち回りを反省してこう振り返った。
 「(周回中の並びは)一番、理想でした。ただ、自分がヘタクソすぎた。もっと我慢してってやれれば…。技術もないし、郡司君も見えていた。番手まくりみたいになって、気分は良くないですね。(西田に)引っ張ってもらって、瀬戸(晋作)君にも固めてもらっている。もうちょっとやりようがあったかなと。(練習を)計画的にアクシデントなくやれているので、(状態的には)いいですね」