『平塚競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月27日
 平塚競輪場開設67周年記念「湘南ダービー」は10月28日に幕を開ける。稲垣裕之、武田豊樹のS級S班2名をはじめ、三谷竜生、吉田拓矢らトップレーサーが参戦。地元勢は郡司浩平を中心に一丸となって迎え撃つ。4日間に渡って繰り広げられるハイレベルな戦いから目が離せない。
 平塚競輪恒例イベント「湘南バンクに沖縄がくる~!?」が今年は記念競輪イベントとして開催されます。ステージイベントは毎日6ステージ、フードキッチンカーや物産店も充実のラインナップです。初日の28日は普天間かおりによる音楽ライブ、しゃもじのお笑いライブなどが予定されています。ぜひ、平塚競輪場でお楽しみください。

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 今回が2回目のGIII参戦となる中西大。初戦となった8月川崎ナイターGIIIでは、2日目に落車の憂き目。今回こそ積極的な走りで存在をアピールする。
 「(優出した10月)広島(FI)はよかったんですけど、(前回の)弥彦(FI、146着)は競走が4場所続いていて、練習ができなくて。でも、ここまではしっかり練習ができました。川崎(GIII)で帰ってしまったし、今回は名前を売りたいですね。ややこしい奴と思われたいです」
 畑段嵐士が中西の番手を回る。共同通信社杯で怪我から復帰を果たすと、9月小倉FIを優出。気になる状態も「平塚はたぶん初めて走ると思います。初日は中西君に任せて。けっこう練習もしているし、よくなっていると思いますよ」と上向いてきた。
 調子を上げていた吉田裕全だったが、前回の奈良FIを959着と叩いてしまった。当所で再度浮上を試みる。
 「前回は4人しか抜いていないですからね(笑)。徐々に点数を上げていたのに、一気に落としてしまいました。ここで頑張らないと。状態は前回よりはいいと思います。(目標の)市川(健太)さんと相性はいいですし、平塚も相性はいいので」


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嶋津拓弥選手
嶋津拓弥選手
 当所をホームバンクとする嶋津拓弥(写真)。ここに向けて準備してきた成果を一気に爆発させよう。
 「練習はやったので、あとは疲れがどうか。走ってみないことにはわからないけど、疲れが抜けていれば問題はないと思います。状態は良くなってきているのかな。まずは初日をクリアしたい。そして、いいレースをしたいです」
 佐藤一伸は番手飛び付き策で中井俊亮らを撃破して8月千葉FIを制覇。その後も9月弥彦FIを118着など、夏場から成績が向上している。
 「流れはいいですね。でも、ここまで台風とかであまり練習ができなかったです。ずっと雨が降っていて、止んだと思ったら地区プロで。平塚はけっこう久しぶり。でも、相性はいいですし、好きなバンクです。何とか頑張りますよ」


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 櫻井正孝は10月富山FI、続く前回の川崎FIを優出といい流れ。ここは点数上位の意地を見せよう。
 「もともとハンドルを広くしていたんですけど、狭くしたら成績が上がりました。(川崎の決勝は)吉田(敏洋)さんも早いタイミングできていたし、(3番手が取れたが)いっぱいでしたね。状態は悪くないけど、ここまで地区プロもあって(競輪の)自転車に乗っていないんですよ。廣田(敦士)君は函館記念の初日にやられている。ペースで駆けると強いので、気を付けます」
 対する廣田敦士は、前回の奈良FIを連日の先行策で282着。力強い走りを見せた。
 「やっぱり駆けないとダメですね。(積極的に仕掛ける)気持ちが重要。初日も先行を基本に走ります。平塚は一回走ったくらい。でも、そのころよりも成長していると思うので。櫻井さんとの対戦はあるけど、村上さんとは走ったことがないですね」
 村上直久も、前回の四日市FIで逃げ切り1着など状態を上げている。
 「前回は、久しぶりに逃げられました。たぶん、(怪我から)復帰してから初めて逃げ切れたと思います。だいぶ感じはいいですね。初日はメンバーが難しいので、しっかり考えます」


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 6月に特別昇級した佐伯辰哉は、今回が初の記念出走。グレードレースでどんな走りを見せるか注目だ。
 「6月からS級なんですけど、やっと記念に呼ばれました。(目標は)決勝に乗れたらいいなと思っています。今回からセッティングをガラッと換えました。この後に広島記念があるので、そこで成績を残すために。平塚は初めて走るんですけど、らしく頑張ります」
 柴崎淳は、9月防府FIの優出を皮切りに調子上向き。前回の10月豊橋FIでは、石塚輪太郎の番手から抜け出して今年初Vを手にした。
 「前回は石塚君が強かったですね。自分の状態も戻ってきました。豊橋が終わってからは、ずっと雨で。止んだ時に乗ってきました。状態は維持できていると思います。でも、レースになると、不思議と何か違う時があるので。乗ってみてどうかですね」


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 戸田康平は夏場から成績が下降線を辿っている。それでも前回の京王閣FIでは2度の確定板入り。復調気配がうかがえる。
 「いつも使っている街道のコースが工事で使えなくなって、それから調子があんまりよくないんですよ。練習グループのみんなも池田憲昭さん以外はそんな感じなので、それが原因ですね。でも、前回は感じがよかったので、状態は上がっていると思います」
 小原唯志は9月松戸記念で2勝。スランプを乗り越え、力強さを取り戻している。
 「脚は悪くないですね。直前は雨が多くて、そんなに練習できていないんですが、状態は上がってきています。レースをちゃんとやれば大丈夫だと思います。みんな積極的なんですけど負けないように頑張ります」


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松坂洋平選手
松坂洋平選手
 松坂洋平(写真)は9月豊橋FIの決勝で伊藤裕貴の先行を豪快にまくって圧勝。今年2度目の優勝を飾った。前回の千葉記念はパッとしなかったが、地元の今シリーズは初日からパワー全開だ。
 「ここに向けて、練習はしっかりやってきました。千葉記念は追加だったので、その疲れがありました。状態は悪くないので、今回は大丈夫です。油断せずに行けるところからしっかり行きます」
 長尾拳太は8月の落車から立ち直り、スピードが冴えている。
 「落車の影響はまったくないです。状態的には普通ですね。前回の奈良からけっこう空いたんですが、雨も降ってそんなに練習はできなかったので、走ってみないと分からないです。自分のレースをしっかりします」


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島川将貴選手
島川将貴選手
 島川将貴(写真)は8月の練習中に大怪我を負ったが、復帰後は順調にリズムを回復している。
 「脳挫傷だったんですが、すぐに退院して、今はもう影響ないです。今回からギアを初めて3.93に上げます。今までは86だったんですが、周りもみんなかけてきているので、これぐらいのギアを踏めるようにしていきたいですね。どれだけやれるか楽しみです」
 新山将史は10月奈良FIで準Vと好走。その後も好調を持続している。
 「最近の成績はタマタマです。(6月)川崎で落車したんですが、(8月)西武園からその影響がなくなって、よくなってきています。前回(熊本記念in久留米)は追加で、練習もしていたので、ちょっと疲れがありましたけど、今回は大丈夫だと思います。アタリもついてきたので、しっかり頑張ります」


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 上野真吾は前回の小松島FIで決勝2着と大健闘。好ムードのなかで地元記念を迎えた。
 「ようやく成績をまとめられるようになりました。小松島の初日はラインの3番手から差せているので、状態はいいですね。ここに向けてセッティングをずっと試していて、それがある程度、しっかり固まりました。長い距離をもがけなくなって、人の後ろを回ることが増えたんですけど、自力も戻ってきたので、戦法はこれからどうするか考え中です。簗田(一輝)君とは初めてなんですが、脚はあるので信頼して付いていきます」
 簗田一輝は直前の熊本記念in久留米でシリーズ3連対。二次予選の落車は大きなダメージはなかった。
 「肘は少し痛いんですが、自転車に乗っているぶんには大丈夫です。久留米の3日目に追加を受けました。前回の(8月)平塚は(初日落車で)いいところがなかったので、今回はいいレースをできるように。ライン3人で決めたいですね」


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元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 元砂勇雪(写真)はここに来て急成長を遂げた。今シリーズは約1カ月ぶりの実戦で不安を抱えながらの参戦だ。
 「(9月)防府の2日目に対戦選手のペダルと接触して、左足を痛めました。歩くのも痛くて、ほぼ1週間は何もできなかったです。2週間ぐらい前から練習を始めて、いい頃に比べるとまだ物足りないですね。レース勘も心配です。記念は特進してから初めてなんですよ。前にS級にいた時もほぼ勝ち上がれていないので、ここで悪いイメージを払しょくしたいです」
 伊代野貴照は追い込みに転向して成績の安定感が増している。
 「前期のA級から自力というよりも自在で人の後ろも回ってきました。S級もこういう風にやりたいっていうビジョンを持ってやってきたし、今はもう追い込みですね。元砂君とは初めて。しっかり付いていくだけですね」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は今年の賞金ランキングで11位につけている。獲得賞金額で年末の地元グランプリ出場の可能性もまだ残されている。今シリーズは地元エースとして結果を出すことしか考えていない。
 「(賞金争いは)気にしなくなってきました。結果が出ればいいなって感じで、(最終的に)フタを開けてどうかなって。グランプリに出れなくても悔いなく終われればいいですね。今回は結果が求められると思うし、持ち味を出せば結果はついてくると思います。上向きの状態なので、最終日に向けて上げていければ」
 林雄一は前回の弥彦FIで今期初優出。決勝でも2着に入るなど、鋭い切れ味が戻ってきた。
 「弥彦は優勝できるような感じで突っ込めたし、久しぶりに出せたなって思います。状態は上がってきています。6番車なんで強気なことは言えないんですが、ホームバンクは2、3割増しで走れますから。郡司君の番手でしっかり頑張ります」
 三谷竜生は夏場に落車が続いたが、本来のリズムを取り戻している。
 「ここまで順調にはきているんですけど、調子はボチボチですね。フレームを替えたりはしていたんですけど、今のフレームを替える予定は今のところないです。いいメンバーですが、自力で頑張ります」


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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 近畿コンビが人気の中心だ。稲垣裕之(写真)は10月前橋の寛仁親王牌で準決勝敗退。その悔しさをバネに練習量を増やしてきた。
 「次(競輪祭)を見すえて、ウエイトに重点を置いて、トレーニングはきつめにやってきました。松本(整)さんは昔からウエイトって言ってましたし、それが世界の主流ですから。松本さんがいろいろと調べて教えてくれます。測定値も上がっているので、その力をうまく自転車に伝えられるようにしたいですね。まだ時間はかかりそうですけど、手応えはつかめてきています」
 稲川翔は寛仁親王牌の二次予選Bで敗退。敗者戦で連勝しているが、満足はしていない。
 「親王牌はダメだったし、もっと頑張れっていうことでしょう。もう競輪祭しか残ってないので、1からやるつもりで練習してきました。稲垣さんとしっかり決められるように」
 神山雄一郎は前回の千葉記念の準決勝で鋭く伸びて1着。記念で3場所連続の優出を果たした。
 「今年前半で苦しんだぶん、先を見すえてやった成果が(9月)青森(記念)ぐらいから出ている。(千葉)記念の準決勝で1着が取れたのは先につながりますね。感覚はつかめてきました」


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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹(写真)は10月前橋の寛仁親王牌で骨盤骨折の大ケガから復帰。まだ完璧な状態ではないが、徐々に上向いている。
 「体は万全じゃないけど、走りながら戻していくしかないですね。レース勘もあるので、感覚を戻すのが大変です。まだまだなんですが、一戦ごとによくなってます」
 吉田拓矢は寛仁親王牌で一次予選敗退となったが、敗者戦で3連勝を飾った。状態面に不安はない。
 「(寛仁親王牌は)ちゃんとリカバリーはできたので、よかったと思います。練習は普通にしっかりできたので、問題はないですね。いい感じなので、自信を持って走ります。相手は強いですが、しっかり力を出し切ります」
 高橋和也は前回の地元名古屋で決勝進出を逃したが、直前の地区プロのケイリンで優勝を飾った。
 「地元戦で大失敗してしまいました。地区プロのケイリンはたまたま番手にはまって優勝することができました。それから日にちはなかったんですが、状態は悪くないと思います。相手はかなり強力ですけど、細切れなんで、どこかでチャンスはあると思ってます」
 園田匠は後半戦に入って落車続きだ。寛仁親王牌も3日目、最終日と2日連続で落車に見舞われた。
 「落車はいつものことなんで。ケガもそんなに気になりません。落ちないにこしたことはないけど、(5月和歌山の)全プロから流れが悪くなりました。レースの間隔が空いてしまったのが心配なんですが、ここでしっかりアタリを見つけて、自分が納得するレースをしたいと思います」