『小田原競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:8月27日

 小田原競輪開設71周年記念「北条早雲杯争奪戦(GIII)」が8月27日に開幕した。厳しい暑さの中、33バンクを舞台にスピードレースが展開された。メインの特選は地元の郡司浩平が逃げ切って完勝。当地記念3連覇へ好スタートを切った。2日目はオール予選2。準決勝進出を巡って、激しいポイント争いが繰り広げられる。
 今シリーズは有観客での開催となりますが、ご入場の際は検温やマスク着用、手指の消毒をお願いしています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ご協力をお願いいたします。

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 赤板で飛び出した奥村諭志に対し、前受けから5番手に下げた中井俊亮が打鐘前から反撃に出る。奥村に合わされていったん3番手に降りた中井が2コーナーから力強くまくり切った。
 「奥村君と坂本(周輝)さんがどう動くか様子を見ながら行けるタイミングで行こうと思ってました。ちょっと迷って中団併走にはなったんですが、余裕はありました。状態は問題ないし、脚の状態も悪くないです」
 原誠宏にからまれながらも耐えた藤田勝也が2着に流れ込み、近畿ワンツー決着となった。
 「(中井は)位置を取って、すぐまくってくれた。2コーナーで原さんと目が合って持ってくるのは分かっていたんですけど、それでちょっと離れたのは反省点ですね。重く感じました。セッティングをいじって、修正します」

<2R>

 後ろ攻めの佐々木豪が抵抗する河合佑弥を最終ホーム前に強引に叩いて逃げる。余裕を持って番手を回っていた三宅達也が別線の巻き返しを警戒しながら抜け出した。
 「バンクが重たかったのに(佐々木)豪ちゃんがめっちゃいいレースをしてくれた。自分も付いているだけでも重く感じましたからね。3人で出切った後は一応、後ろを見て警戒しながら最後は踏みました」 
 佐々木豪は力強い逃走劇でラインを上位独占に導いたが、ゴール寸前で失速して3着に。
 「キツかったですね。でもあそこで行かないと中団で(佐藤龍二に)車間を空けられて合わされてしまうと思ったので。ダサいレースをするよりはと思って前々へ攻めました。踏み直したつもりですけど、無茶苦茶重たかったですね。準決に上がりたいので明日(2日目)は1着を目指して」

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吉武信太朗選手
吉武信太朗選手
 後ろ攻めの高橋晋也は中団の吉武信太朗(写真)にフタをしてから赤板で飛び出して主導権を取る。これで6番手となった吉武は最終ホーム前からスパート。人気の北日本勢を豪快に飲み込んだ。
 「正直、終わったと思いました。ああなったら(中島将尊が高橋の後位に)粘ってくれることを期待したんですけど、すんなり行かせてしまったので。詰まった勢いで行けるところまでと思って踏んだんですが、意外に前まで行けました。番手(の高木翔)が持っていきにくいところで行けました。脚の感じは悪くないと思います」
 好マークの中村昌弘が2着に続いて中四国ワンツーが決まった。
 「(吉武は)脚をためていると思っていたので、行けるところまで行ってくれるだろうと。ビリビリしました。差せる余裕はなかったけど軽かったです」

<4R>

中本匠栄選手
中本匠栄選手
 高橋築と地元の佐々木龍で4番手を取り合い、鶴良生がレースを支配する。高橋が中団を取り切るが、脚力を消耗してまくりは不発。逃げる鶴の番手から中本匠栄(写真)が、直線で楽に抜け出した。
 「(鶴とは)初連係だったんですけど強かったですね。いいペースでしたし、最後もタレてはこなかった。誰か来ればそのスピードに対応しようと思っていましたけど来なかった。自分も1走した感じは悪くないですね」
 中団のもつれをしり目にマイペースで逃げた鶴良生は、ラインを上位独占に導いて2着に踏ん張った。
 「先行主体には考えていましたけど、中団がもつれたのでそのままペースで駆けられました。33バンクは得意な方じゃないんですけど、小田原だけは成績がいいですね。長い距離を踏んで粘れているので、悪くないと思います」

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吉田茂生選手
吉田茂生選手
 赤板前に先頭に立った渡邉雄太の後位で古川宗行が粘って成田健児と併走に。前団がもつれたところを吉田茂生(写真)がタイミング良く叩いて打鐘で主導権を取る。そのまま力強く押し切って金星を挙げた。
 「(古川が)引いて来たらすかさず行くつもりだったけど、粘ったので行けるところから行こうと。出る時もペースに入れて、終始、落ち着いて行けました。最後は交わされたかと思ったんですが、踏ん張れました」
 好アシストから迫った原真司は2着。43歳のバースデー勝利はならなかったが、岐阜ワンツーの結果に満足げ。
 「吉田君も僕の誕生日を知ってくれていたので頑張ってくれました。来る前は乗り込み重視の練習で疲れは少しあるけど、結果的に2着だったので良かったです。前回が悪くて今回はセッティングを変えて思ったよりも良かったです」

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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 内山雅貴を突っ張った蕗澤鴻太郎が、主導権をキープして風を切る。番手の吉澤純平(写真)は打鐘の3コーナー過ぎから反撃に出た吉川起也をけん制。早めの追い込みで人気に応えた。
 「蕗澤君が突っ張って駆けてくれた。内山君がなかなかやめなくてキツかったですね。吉川さんには直線で来られてしまったので、止められる感じじゃなかったので踏ませてもらいました。もっとうまくやれれば良かったですけど、VTRを見て反省するところはしっかりしないと」
 関東ライン3番手の小林圭介は、内を締めてソツなく2着に流れ込んだ。
 「蕗澤君が頑張ってくれたのが大きいですね。とにかくもう離れないように(吉澤の)後輪だけを見てと。対応はできましたけど、余裕はまったくなかったです」

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小松崎大地選手
小松崎大地選手
 前受けの小松崎大地(写真)は5番手に下げて赤板からすかさず巻き返す。打鐘で菅原大也をねじ伏せた小松崎が最後までしっかり踏み切り、ラインで上位独占を決めた。
 「行けるタイミングがあれば、どこからでも行こうと思ってました。タイミングは良かったんですが、後輪がスライスしてしまったのは課題ですね。バランスを崩すくらい踏めているのかなとも思います。(2日目も)ポイントのことは考えずに、自分のレースをして1着を取りたいですね」
 佐藤和也はわずかに交わせず2着。小松崎の強さに脱帽する。
 「なんか緊張しました。前を取って、(小松崎に)あとはお任せしてました。(仕掛けが)思ったより早かったけど反応はできてます。抜けると思ったけどレベルが違いました。強い人は最後の踏み直しもしっかりしてますね」

<8R>

和田真久留選手
和田真久留選手
 5番手の松井宏佑が、赤板1センターから仕掛ける。スピードの違いで泉谷元樹を叩いた松井に、和田真久留(写真)、鈴木良太と南関ライン3車で出切る。冨尾享平が4番手に切り替えるも別線の出番はなく、和田が逃げる松井を交わして地元ワンツー。
 「松井君は頼もしくもありドキドキする選手なので、うまく決めたいなって思っていました。最終ホームで3人で出切れたのがわかったので安心しました。(松井は)相当かかっていたので、(別線は)来られないだろうと思いました。体の状態はオールスターよりもいいと思う」
 さすがのスピードで果敢に風を切った松井宏佑が2着。
 「出切るまでに脚を使ったので満点とはいかないですけど良かったと思います。疲れはありますけど、日に日に良くなっていくと思う。明日(2日目)もラインで決められるように頑張りたい」

<9R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 古性優作、松浦悠士の順で切ったうえを打鐘で郡司浩平(写真)が叩いて主導権を奪う。そのままハイピッチで駆けて別線は手も足も出ない。マークの佐藤慎太郎も振り切った郡司が文句なしの白星スタートを決めた。
 「前受けでももう1回叩くチャンスはあると思ってました。あそこで反応できて、仕掛けることができて、押し切れている。自分の中では上出来のレースでした。初日に1着を取れると楽なんで良かったです」
 2着の佐藤慎太郎は郡司の強さを称える。
 「(郡司が)強かったですし、タイミングも抜群でした。先行してもいい気持ちで思い切って仕掛けられるのはさすがですね。後ろで強さを肌で感じさせてもらいました」
 飛び付いて3番手を確保した松浦悠士は仕掛けられず、そのまま3着に流れ込んだ。
 「先行したかったんですけどね。切って郡司君に合わせたかったけど、見たらもう来ていました。強かったです。完敗ですね。飛び付いてもうキツかったので、戦い方を考えないといけない」