『小田原競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:8月28日

 小田原競輪開設71周年記念「北条早雲杯争奪戦(GIII)」は28日にシリーズ2日目が行われた。オール予選2の9個レースが終了し、準決勝進出の21名が決まった。後半の4個レースはS班の4名がそれぞれ貫禄勝ち。初日特選から連勝を飾った郡司浩平が合計14ポイントでトップ通過を果たした。3日目は準決勝3個レースでファイナル進出を目指して熱戦が繰り広げられる。
 今シリーズは有観客での開催となりますが、ご入場の際は検温やマスク着用、手指の消毒をお願いしています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、ご協力をお願いいたします。

<1R>

 赤板から主導権を取った高橋築の後位に奥村諭志が飛び付く。前団がもつれたところを中本匠栄が打鐘の2センターからロングまくりで襲いかかる。最終2コーナーで中本が高橋を抜き去ると、続いた松尾透が鋭く追い込んだ。
 「最高の展開でした。半年くらい前からずっと調子が良くて、ずっとその状態を維持できています。明日(3日目)も確定板に上がれるように頑張ります」
 高橋の番手を死守した吉澤純平は九州コンビの後位にスイッチしてから追い込んで2着に。
 「番手なんで粘られることも頭にありました。決着がついてない時に(中本に)まくりに来られてしまったので対処できなかったです。申しわけなかったですね。(2日間は)自力じゃないんで、いいか悪いか分からないです。練習の感じは悪くなかったので、悪くはないと思いますけど」

<2R>

 正攻法の構えから引いて巻き返した吉武信太朗が打鐘前に先頭に立つ。すかさず反撃に出た泉谷元樹に合わせて吉武は踏み上げるが、中団を確保していた渡邉雄太が残り1周で内を突いて主導権。番手の和田真久留がゴール寸前でとらえてワンツー決着。
 「スタートから全てを任せていました。連日、番手回りは競輪人生で初めて。自力を出せていないので確かなモノはつかめていないですけどいい形で走れている」
 渡邉雄太は初日の反省を踏まえて積極策に出て不安を払拭した。
 「昨日(初日)の感じじゃヤバいと思いましたけど、何とかですね。和田さんと決まって良かったです。(最終ホーム手前で内が空いて)ラスト1周だったので駆けてもいいかなって感じで踏みました」

<3R>

香川雄介選手
香川雄介選手
 内山雅貴が赤板からハイピッチで駆ける。前受けから6番手まで下げた佐々木豪は最終ホーム前からまくり上げるが、成清貴之が外に振りながら前に出る。3コーナーで内山と成清の間を突いた香川雄介(写真)が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「(佐々木)豪は何テンポか早く仕掛けられたと思うけど、任せているからしょうがない。僕としては1着に行けて良かったですけど。空いたところを狙うしかなかったですね。成清が降りてきたら外を踏もうと。入ったら締められてコケそうになったけど、コケなくて良かった」
 最終バック最後方から小林圭介がしぶとく伸びて2着に入った。
 「メンバー見ると厳しいんですが、どこかで古川君が必ず仕掛けてくれるので、チャンスはあると思ってました。ハンドルさばきはあんまり上手いほうじゃないけど、空いたら入っていこうと。運が良かったです」

<4R>

蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 赤板の2コーナー手前で先頭に立った中井俊亮が、そのままペースを上げて駆ける。一本棒の6番手に構えた蕗澤鴻太郎(写真)は、最終2コーナーからまくりを打つ。蕗澤は東口善朋のけん制を受けるも、乗り越えてゴール前できっちりとらえた。
 「前を取って緩んだところから仕掛けようと思っていましたけど、(勝ち上がるには)1着権利だと思っていたので狙いました。タイミングが良くなかったので、東口さんに止められそうになった。でも、モノにできて良かったです」
 逃げた中井が5着に沈んで、2着の東口善朋はこう振り返る。
 「(蕗澤に)まくり追い込みみたいな感じで来られたので対処できなかったですね。自分の技量不足でシュン(中井)をかばいきれなかった。調子自体はいい」

<5R>

古性優作選手
古性優作選手
 前受けから6番手まで下げた古性優作(写真)が打鐘から一気に巻き返す。ホームで大矢崇弘を叩いて別線は沈黙。古性が力強く押し切って圧倒的な人気に応えた。
 「前を取れれば前からで、取れなければどこからでも良かった。昨日(初日)、レースが終わってダイジェストを見たら、思っていた乗り方と全然、違った。脚見せでフォームを確認して、昨日よりも全然、良かったです。もうちょっと煮つめていきたいですね」
 藤田勝也がしっかり続いて2着。またしても通算200勝はお預けとなったが、近畿ワンツーを決めた。
 「(古性に離れないように)それだけでした。昨日、前に離れているんで、セッティングをいじって、少し良くなりました。もう少し煮つめたいですね」

<6R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 鶴良生を突っ張って菅原大也が主導権。鶴が中団の外に浮くと、中川誠一郎(写真)は鶴を深追いせずに後方で脚をためる。最終1コーナーからまくった高橋晋也を目標に、自力に転じた中川が鮮やかにのみ込んだ。
 「南関勢があそこまでやる気だとは思っていませんでしたね。(最終ホームで)高橋君が下がってきたので車体故障したのかなって思ったら、また仕掛けていった。ちょっとそれを見ていて、(仕掛ける)タイミングが遅くなってしまいました」
 高橋晋也は逃げる菅原マークから番手まくりを打った佐藤龍二を最終バックでとらえて2着。
 「1着を狙って仕掛けたけど、最後はタレてしまいました。警戒はしていたんですけど、一番怖かった中川さんが最後に来ましたね。脚の感じは悪くないと思います」

<7R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 打鐘前に先頭に立った中島将尊を小松崎大地が強引に叩いて逃げる。そのままスピードに乗せて別線は出る幕なし。最後は佐藤慎太郎(写真)が粘る小松崎をきっちり交わして人気に応えた。
 「前を取って、あとは(小松崎に)全部、任せる形で。すんなりだったんで余裕はありました。(人気が集中して)走るほうはプレッシャーもあるんですが、そのなかでしっかり人気に応えて勝てたのは良かったです。準決勝もどうにか突破して、決勝に乗りたいですね」
 小松崎大地は危なげない先行策で佐藤とのマッチレースに持ち込んだ。
 「取れた場所から、あとはレースの流れに乗って仕掛けようと思ってました。少し強引な形にはなったんですが、あそこで構えても良くないですからね。(ライン)3車というのを考えると、あそこが仕掛けどころだったと思います。踏んだ感触は悪くないけど、もうちょっと煮つめないといけないところもあります」

<8R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 赤板手前から踏み込んだ松井宏佑が主導権を握って、地元3車のラインが出切った時点ですでに勝負あり。別線に出番はなく、逃げる松井を楽に交わした郡司浩平(写真)が初日特選に続く連勝で人気に応えた。
 「すべて松井に任せていましたし、(地元ライン)3人で決まって良かった。余裕をもって付いていって、みんなでゴール前勝負ができたので一番いい形で決められましたね。初日もですけど、やっぱり地元なので気合は入ります」
 別線をクギづけにした松井宏佑は、ラインでの上位独占をメイクして2着に粘り込んだ。
 「初日みたいに前を取って引いて、行けるところから仕掛けようと思っていました。(坂本)周輝さんが切ったので、すんなり出られました。感触は初日よりも良かったですね」

<9R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 後ろ攻めの山本巨樹が赤板で先頭に立つが、中バンクに上がった隙を逃さず松浦悠士(写真)が内をすくって打鐘前から駆ける。絶妙のペース配分で最後まで踏み切った松浦が他を寄せ付けずに押し切った。
 「基本的に先行しか考えていなかった。初日の郡司(浩平)君くらいのところから駆けたいと思ってました。セッティングと乗り方を変えたんですけど、絶好調とは言えないですね。ちょっとまたいじって考えます」
 しっかり2着に流れ込んだ三宅達也は松浦とのワンツーが決まって安堵の表情を見せる。
 「(人気になっていたので)絶対に付いていかないといけないと思って緊張しました。しびれますね。余裕のあるふりをして、余裕はなかったです。(松浦が)よく踏み直してました」