小田原競輪場で開催された開設73周年記念「北条早雲杯争奪戦(GIII)」は、8月28日に最終日が行われた。大挙6人が勝ち上がり南関勢が2つに分かれた決勝は、田中晴基が落車のアクシデント。1人になった深谷知広が、大ガマシで後続をちぎって優勝。17年9月の青森以来、通算17回目、昨年1月静岡に移籍してからは、初めてとなるGIII制覇を遂げた。
決勝戦 レース経過
号砲で大外枠から浅井康太が飛び出し、浅井-坂口晃輔の三重コンビが前受け。以下は、単騎の清水裕友、深谷知広-田中晴基の南関別線コンビで、郡司浩平-和田真久留-松谷秀幸-佐藤龍二の長い地元勢は後攻めとなって周回を重ねる。
青板バックを迎え、深谷が前との車間を空け始めて警戒する中、郡司がダッシュ。だが、2センターで郡司が深谷の横あたりまで上がったところで田中が落車してしまう。このアクシデントに全員が気を取られたのもあってかレースは一気にスローペースのけん制状態に。赤板入り口で誘導が退避し、押し出される格好で前に出た浅井は、外バンクを走行する郡司を睨んだままでペースを上げない。2コーナーで、がら空きとなった三重コンビの内を突いて清水が前に出ると、地元勢もそっくり乗っていく。そこへ最後方まで下がっていた深谷が怒涛のカマシで襲い掛かる。瞬く間に後続を千切った深谷を、清水、郡司、和田、そして深谷の動きに反応して内をすくった浅井の順で追っていく。だが、ハイペースで駆ける深谷と、追う清水の車間は全く詰まらない。1周以上過ぎた最終バックまで来て、清水を交わして郡司が追いかける形に変わるが、深谷は悠々セーフティーリードを保って圧勝のゴール。2着は郡司で、和田、浅井が流れ込んでの3、4着。

深谷知広選手
レースが動き始めたばかりの青板の2センターで、予想だにしないアクシデントが襲った。深谷知広(写真)の後輪に接触した田中晴基が落車。赤板手前では混乱ぶりをあらわすように別線の隊列も乱れた。ラインを失った深谷が誰よりも動揺していたはずだったが、冷静に後方でワンチャンスにかけた。
「(スタートで)郡司(浩平)が後ろにこだわった。(地元勢は)切って自分たち待ちかなと。(そしたらフタをされたんで)想定外だった。それで(田中)晴基さんと呼吸が合わなかった。そこが残念ですね。(田中と接触した)衝撃が結構あったんで、自転車が大丈夫かなって確認した」
単騎の清水裕友が先頭に立つ。郡司は自身の態勢を整えながら、ラインを確かめてペースは上がらない。赤板2コーナー。踏み込んだ深谷に迷いはなかった。
「(赤板の)ホーム線くらいで(先行の)覚悟をもってた。前団がけん制してたんで、ここがチャンスかなと。全開で行きました」
スピードに乗った深谷は、打鐘ではすでに清水を大きく離してグングンと加速。最終ホームではすでにセーフティーリードに思われたが、深谷に確信はなかった。
「手ごたえとしてはカマし切った感じだったんですけど、メンバーがメンバーなんで、もう誰も来ないでくれって」
清水の後ろにいた郡司が最終2コーナー過ぎから踏み込むが、深谷は遥かに前。まくりで猛追したが、郡司をもってしてもその差は7車身。深谷のひとり旅で、夏の小田原記念は幕が閉じた。
「先行して逃げ切れているので、落車がなければ、100点満点ですね。落車があったので複雑な思いもあるけど、優勝できて良かったです。トレーニングのスケジュール自体は(11月の)競輪祭に向けて組んでいます。(グランプリ出場も)まったく圏外というわけではないので、しっかり頑張りたい」
久々の記念Vの優勝賞金を上積みして、賞金ランクも12位(決勝終了時点)にアップ。5年ぶりとなる6度目のグランプリ出場も視界に入ってきた。
4車の地元ラインの先頭を務めた郡司浩平は、単騎の清水を警戒して仕掛けのタイミングをうかがっていたその間隙を突かれた。離れながら追いかける清水の余力を見極めて最終2コーナー過ぎからまくったが、深谷を追い詰めることはできなかった。
「清水もフワッと前に出た。普通に切りにいったら粘るかなと。(和田)真久留も内に差してたんで、飛び付かれないようにカマして行こうと思ってたら(深谷にカマされた)。清水も追いかけたんで、(最終)ホームですかさず行けるスピードじゃなかった。あらためて深谷さんの強さを痛感しました。後ろには迷惑を掛けてしまいました」
真横で落車が起きた和田真久留は、「僕が乗り上げかけて、あれで半分以上脚を使った」と、間一髪でアクシデント避けて郡司と再連結。3着に入った。
「早い段階で(郡司)浩平が出ていれば、深谷さんの番手にはまって優勝争いができてかもしれない。でも、深谷さんは1人になったんで、構えてくれるかなっていうのがあったんじゃないかなと…」




青板バックを迎え、深谷が前との車間を空け始めて警戒する中、郡司がダッシュ。だが、2センターで郡司が深谷の横あたりまで上がったところで田中が落車してしまう。このアクシデントに全員が気を取られたのもあってかレースは一気にスローペースのけん制状態に。赤板入り口で誘導が退避し、押し出される格好で前に出た浅井は、外バンクを走行する郡司を睨んだままでペースを上げない。2コーナーで、がら空きとなった三重コンビの内を突いて清水が前に出ると、地元勢もそっくり乗っていく。そこへ最後方まで下がっていた深谷が怒涛のカマシで襲い掛かる。瞬く間に後続を千切った深谷を、清水、郡司、和田、そして深谷の動きに反応して内をすくった浅井の順で追っていく。だが、ハイペースで駆ける深谷と、追う清水の車間は全く詰まらない。1周以上過ぎた最終バックまで来て、清水を交わして郡司が追いかける形に変わるが、深谷は悠々セーフティーリードを保って圧勝のゴール。2着は郡司で、和田、浅井が流れ込んでの3、4着。

深谷知広選手
「(スタートで)郡司(浩平)が後ろにこだわった。(地元勢は)切って自分たち待ちかなと。(そしたらフタをされたんで)想定外だった。それで(田中)晴基さんと呼吸が合わなかった。そこが残念ですね。(田中と接触した)衝撃が結構あったんで、自転車が大丈夫かなって確認した」
単騎の清水裕友が先頭に立つ。郡司は自身の態勢を整えながら、ラインを確かめてペースは上がらない。赤板2コーナー。踏み込んだ深谷に迷いはなかった。
「(赤板の)ホーム線くらいで(先行の)覚悟をもってた。前団がけん制してたんで、ここがチャンスかなと。全開で行きました」
スピードに乗った深谷は、打鐘ではすでに清水を大きく離してグングンと加速。最終ホームではすでにセーフティーリードに思われたが、深谷に確信はなかった。
「手ごたえとしてはカマし切った感じだったんですけど、メンバーがメンバーなんで、もう誰も来ないでくれって」
清水の後ろにいた郡司が最終2コーナー過ぎから踏み込むが、深谷は遥かに前。まくりで猛追したが、郡司をもってしてもその差は7車身。深谷のひとり旅で、夏の小田原記念は幕が閉じた。
「先行して逃げ切れているので、落車がなければ、100点満点ですね。落車があったので複雑な思いもあるけど、優勝できて良かったです。トレーニングのスケジュール自体は(11月の)競輪祭に向けて組んでいます。(グランプリ出場も)まったく圏外というわけではないので、しっかり頑張りたい」
久々の記念Vの優勝賞金を上積みして、賞金ランクも12位(決勝終了時点)にアップ。5年ぶりとなる6度目のグランプリ出場も視界に入ってきた。
4車の地元ラインの先頭を務めた郡司浩平は、単騎の清水を警戒して仕掛けのタイミングをうかがっていたその間隙を突かれた。離れながら追いかける清水の余力を見極めて最終2コーナー過ぎからまくったが、深谷を追い詰めることはできなかった。
「清水もフワッと前に出た。普通に切りにいったら粘るかなと。(和田)真久留も内に差してたんで、飛び付かれないようにカマして行こうと思ってたら(深谷にカマされた)。清水も追いかけたんで、(最終)ホームですかさず行けるスピードじゃなかった。あらためて深谷さんの強さを痛感しました。後ろには迷惑を掛けてしまいました」
真横で落車が起きた和田真久留は、「僕が乗り上げかけて、あれで半分以上脚を使った」と、間一髪でアクシデント避けて郡司と再連結。3着に入った。
「早い段階で(郡司)浩平が出ていれば、深谷さんの番手にはまって優勝争いができてかもしれない。でも、深谷さんは1人になったんで、構えてくれるかなっていうのがあったんじゃないかなと…」




次回のグレードレースは、岐阜競輪場開設73周年記念「長良川鵜飼カップ」が9月1日~4日の日程で開催されます。
松浦悠士、平原康多、佐藤慎太郎のSS班3名をはじめとして、眞杉匠、犬伏湧也ら強力な自力型が参戦。地元勢は山口拳矢が中心となって強豪を迎え撃ちます。豪華メンバーによる熾烈な優勝争いが予想されます。
また、最終日第9レースにて第121期生による「ルーキーシリーズ2022プラス」が一発勝負で争われます。こちらも目が離せません。
8月21日時点の出場予定選手データを分析した、岐阜競輪GIII「長良川鵜飼カップ」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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松浦悠士、平原康多、佐藤慎太郎のSS班3名をはじめとして、眞杉匠、犬伏湧也ら強力な自力型が参戦。地元勢は山口拳矢が中心となって強豪を迎え撃ちます。豪華メンバーによる熾烈な優勝争いが予想されます。
また、最終日第9レースにて第121期生による「ルーキーシリーズ2022プラス」が一発勝負で争われます。こちらも目が離せません。
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