『東日本大震災被災地支援競輪 花月園メモリアルin小田原(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月23日
 本日(23日)から神奈川県・小田原競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・花月園メモリアルin小田原(GIII)が開幕いたしました。午前中はかなり激しく雨が降っていましたが、レースが進むごとに天気は回復。午後からは晴れ間も見えるバンクコンディションとなりました。初日のメイン・初日特選3個レースはそれぞれ順に十文字貴信選手、中澤央治選手、松岡健介選手が1着で好スタート。2日目のメインは優秀「Lucky花月くん賞」です。主力級が勝ち上がって、今シリーズの優勝を占う意味でも、大事な一戦となりそうですね。また二次予選にも松岡孔明選手をはじめ優勝候補が揃っているので、要チェックです。
 2日目のイベント・ファンサービス情報です。先着1500名様には、こころあったかプレゼントと題して「被災地復興支援宮城県袋詰めあられ」をプレゼント。毎日やります!未確定車券を提示して抽選に参加できるガラポン抽選会は、小田原名産品や加トちゃんグッズが当たります。場内イベントとしては神出鬼没!大道芸パフォーマンスや4レース後からはスピードチャンネル解説者によるレース展望会が開かれます。さらに日本競輪選手会神奈川支部による競輪グッズ販売特設ブースが設置されています。この機会にぜひ。
 開催2日目も、小田原競輪でお楽しみ下さい。
神出鬼没!大道芸パフォーマンス。
神出鬼没!大道芸パフォーマンス。
小田原バンクは午後から晴れ間も。
小田原バンクは午後から晴れ間も。
<1R>
玉木勝実選手
玉木勝実選手

 西村光太が主導権を取り、番手絶好となった玉木勝実(写真)が差し切って1着。オープニングは中部ワンツーからスタート。1着の玉木は「結果オーライでしたね。城(幸弘)君にフタされたときに前をすぐ叩くという作戦通りでした。西村君が積極的にいってくれたおかげですね。ホームですかさず城君が来たけど、そこはピクッとだけ牽制しました。西村君はちょっとケガで感じがなかなか元に戻ってこない時期があったけど、年末にも連係したし、元々いいものを持っているし強いですからね。明日も頑張ります」

 先行した西村光太(2着)は「後ろ攻めの作戦でしたけど、真ん中で切ってもらおうと思いました。城(幸弘)も出させてくれる感じで踏んでいったし、順番が来た感じでした。逃げ切りたかったけど、調子が上がってくると、気持ちも攻める気持ちにもなってきますね。雨は冷たくてきつかったですよ」

 最後方から平田崇昭が直線外から3着に突っ込む。
「ホームでは後ろだったし、ダメかと思いましたよ。最後も富永(昌久)君が外にいくかと思ったけど、内にいったので、腹をくくって外を踏みました。そうしたら思いの外、脚が良かったですね(笑)。外に飛んでこなかったのも良かったです」


<2R>
阿部康雄選手
阿部康雄選手

 捲りとなった橋爪亮を追走した阿部康雄(写真)が直線一気の差し脚を披露。
「(橋爪に)頑張れ!と思っていましたよ。信頼してついていきました。最後は7番(嶋貫高大)と合った感じだったけど、一杯で持ってこられそうにないと思ったから(コースが)あいたと思いました。もっと(橋爪が)出ていたら、外にいけたんですけどね。けっこう踏んだり止めたり、最後に伸びているので良いかもしれないです。久しぶりにこういうレースが出来ました。明日以降も、ココ(太ももを叩きながら)で頑張ります」

 中団から先捲りを打った小谷田公則が2着。
「展開に恵まれましたね。なんだか前が微妙なペースだったので、カマシが来るのかと思っていました。それならもう行っちゃおうと。踏み上がっていくところでいったとしても、自分が行った方が勝ち上がれると思いました。嶋貫(高大)と勝ち上がれたことは良かったです」

 橋爪亮(5着)は「ホームでいこうと思ったんですけどね。2番(小谷田)が先にいくし、先行選手が駆けているから緩むところがなかったです。藤野(光吉)さんの煽りも効きましたね。阿部さんが1着だったのは良かったです。(感触は)良かったですよ」


<3R>
松田優一選手
松田優一選手

 中団を奪取した松田優一(写真)が好スピードの捲りで抜け出し1着。
「なるべく後方にならないように、と思っていました。中団を取れたし、落ち着いて仕掛けられたと思います。あそこでいかないと、かぶってどうしようもなくなってしまいますし、出切ってしまえば森田(進)さんが(牽制を)やってくれると思っていました。踏み出しもすぐ出たし、重くも感じませんでした。体調的にも良いですね。やっと勝ち上がりで勝てたので、良かったです」

 8番手におかれた中村美千隆だったが、捲りで迫り2着。
「余裕はあったから、いこうと思ったんですけど、ちょっと戸伏(康夫)がやる気満々でびびってしまいましたね。それに中団入れるかと思って、松田(優一)の動きも見てしまいました。後手を踏みましたけど、古田(義明)さんは付いてくれていたから、いけるところまでいこうと思って踏みました」

 中村美千隆マークの古田義明が3着。
「(勝ち上がりは)良かったです。任せていたし、ミッチー(中村)が強かったですね。9番手になったときは、ヤバイと思ったんですけど、何とか楽に付いていけました。最後は抜けそうで、抜けませんでしたが、今日の感じは良かったです」


<4R>
北村信明選手
北村信明選手

 筒井裕哉が先行態勢に入ると、北村信明(写真)がイン粘り。番手を奪取して、逃げる筒井をゴール前で捕えた。3連単は16万円を越える高配当決着となった。北村は「近藤(誠二)さんにも任せてもらっているから、前々にいこうと思っていました。放置されても仕方ないし、自力では通用しないから、ああなったらハコしかないと思いました。たまたま取れたし、抜けるとは思わなかったけど、良い感じで回せました。頑張っていけるところまでいきたいです」

 2着の筒井裕哉は「重たかったです。(大塚)玲が消極的で、楽に駆けさせてもらったから、まだマシでした。玲が駆けて、関根(幸夫)さんの番手捲りが一番怖かったので、何が何でも後ろからと決めていました。この寒さの中で逃げているので、明日以降、もっと良くなると良いです」

 3着の大塚玲は「中途半端になってしまいましたね。地元戦という意識もあって、緊張もしたし、8番(北村信明)が一緒に上がってきてしまって、迷ってしまいました。(一次予選を)クリアできたのは良かったですが」

 5着入線だった関根幸夫は固唾を呑んで一次予選の結果待ち。8R終了後、二次予選への勝ち上がりが確定し「良かった。これは大きいですよ。競輪の神様がついていてくれましたね(笑)」


<5R>
伊藤信選手
伊藤信選手

 主導権を握った伊藤信(写真)がそのまま押し切り、今シリーズ最初の逃げ切り勝ちをおさめる。
「顔見せから軽く感じていましたよ。内が詰まっていたのも見えていたし、すかさずいこうと思っていました。1周半もいったわけではないし、短かったから展開は楽でしたね。駆けてからは、変に後ろを見て内をあけてもと思って、後ろを見ずに踏みました。踏み切れると思ったし、最近は弱気なレースもあったけど、2車でラインは短くてもいつも通りにいくという気持ちでした。ラインが長いときよりは仕掛けは遅くなりますけど。こういう記念もあまりないので、良かったです。明日も穴をあけられるように頑張ります」

 伊藤マークの鷲見逸喜が2着。
「最高の展開になりましたね。抜くか、抜けないかのレースになったし、(伊藤が)踏みあげておけば、来ても大丈夫と思っていました。(伊藤は)強いですからね。抜ければ問題なかったけど力通りでした。(調子は)見ての通りです」

 3着の相良勝美は「(小泉俊也が)前々に踏んでくれましたし、その通りにやってくれましたね。様子を見て、自分は内に踏みました。(勝ち上がりは)良かったです」

 人気を背負った柴田竜史(6着)は「細切れ戦は得意なはずなんですけど…。スタートからこだわっておけば良かったかも。仕方ないです。また明日から頑張ります」


<6R>
田中晴基選手
田中晴基選手

 中団を奪取した田中晴基(写真)が捲りで1着。今年初勝利に安堵の表情を見せる。
「後ろで粘っているのも分かったので、うちを空けないように走りました。踏んだときにはいけると思いました。だいぶ外を走りましたけどね。疲れも大丈夫だし、練習の成果が出ています。今年は2着が多かったんですけど、勝てて無くて。これが初勝利なので良かったです。また明日も頑張ります」

 中村敏之輔マークの荒澤貴史が2着入線。
「(田中を)止められなかったですね。1回目の牽制で止まったかなとは思ったんですけど、そのあとの下りを使ったスピードに対処できなかったです。それに1番の石井(毅)さんが遅れながら付いてきていると思って。もっと早く1車だと分かっていれば…舘(泰守)さんも来るのが分かっていたし、何とか4着までに中村(敏之輔)が残って欲しかったけど…」


<7R>
松岡孔明選手
松岡孔明選手

 中団外並走から松岡孔明(写真)は捲りで仕留めて好スタートを切った。
「きつかった~。五日市(誠)君がギアをかけているから、ダッシュで内が離れたら中団に入ろうとも思っていましたけど、内よりも外は緩んだら仕掛けられますしね。でも外並走からの捲りで一杯だったし、出切ってからは、これから半周以上あるからどうしようと思いましたよ。後ろから来られると思って、3コーナーから踏み直しました。残ることが出来て良かったです。一戦一戦、頑張るだけですね」

 柿沼信也マークの戸邉英雄が松岡後位に飛びついて2着入線。
「駆けてくれた柿沼のおかげですよ。ダラダラ駆けてしまうと後ろが付いてきてしまうし、飛びつけないですから。反応できたし、悪くないですね。僕は一戦一戦が勝負だし、勝ち上がっていかないと点数も維持できないので良かったです」

 松岡マークの吉良勝信(3着)は「俺が弱かっただけ。孔明は外並走からの捲りも作戦にあったし、人気になっていたから決めたかった。踏んだり止めたりがあって脚に来ていたのもあったけど、バックから全く脚が回らなかった。3番手キープで一杯だったし、俺の問題ですよ。気合いで修正します」


<8R>
松谷秀幸選手
松谷秀幸選手

 松谷秀幸(写真)が逃げる舟元権造を好ダッシュの捲りで捕えて圧勝のゴールを決めた。
「自分のレースをしようとそれだけ思って走りました。悪くはなかったけど、ちょっと2回くらい増原(正人)君と当たって止まってしまったのが。あれでは、二次予選や準決勝はきついですよ。うまく対応して、ああいう展開にならないようにしていかないと。前に出切ってからは自分のペースで踏めました。地元だし、嬉しいですね。松山(学)さんも車体故障しながら3着はスゴイですね。3着師匠と走れるように、明日からも頑張ります」

 混戦の中、古川孝行が捲りで追い上げ2着に入線。
「追い上げていったけど、決まり手は捲りかな(笑)。松山(学)さんは接触があって、落車があると思って避けてしまいました。大丈夫かなと思ったけど、いくしかないと思って、いかせてもらいました。結果的には3人で決まって良かったです。初日から脚を使いすぎました(笑)」

 松山学は松谷との連係が崩れるも、古川を追って3着に入線。
「持ってきたときに接触したのか、落車したかと思いましたよ。危なかった…。でも、古川がいってくれたので助かりました。あそこでいかなかったら、俺たちはパンク(大敗)してましたからね」


<9R>
十文字貴信選手
十文字貴信選手
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手

 主導権を握ったのは矢口啓一郎。その番手から十文字貴信(写真)がきっちりゴール前で交わして1着。落車あけの不安を払拭した。
「矢口(啓一郎)君がすんなり先行するレースになったし、あとは後ろからきたら、という感じでした。落車あけだったから、やっぱり走る前には不安があったんですけど、今日の感じは良かったですね。もちろん、矢口君が強かったことが一番ですけど。腰の感じも良いですね。もっとベテランの先輩達のような渋い走りを勉強していきたいです」

 先行した矢口啓一郎(写真)は内容と結果を両方手にして笑顔を見せる。
「今日はちょっと今まで出し切れていないレースが多かったので先行しようと思っていました。でも特選だし、うまく3着以内に入りたい気持ちもあったので、すごい葛藤がありました。でも結果的には、先行も出来たし、残れたし、ワンツーも決まったので、最高ですね」

 中団から捲った岡村潤マークの内藤秀久が3着も、岡村が落車に終わったことで複雑な表情を浮かべる。
「オカジュン(岡村潤)が中団を取って仕掛けてくれたおかげですから。だからオカジュンが落車してしまったことが…。もっと僕が6番(坂本英一)の牽制にうまく対処していれば、煽りもなかったと思うので、本当に申し訳ないです。自分の感触は悪くないですよ。今までずっとギアは92でやってきたけど、85にしたんです。ちょっと他の選手ではあまり無いことだと思うんですけど、僕は回転でギュインと踏みたいので。それも正解でした」


<10R>
中澤央治選手
中澤央治選手
伊藤保文選手
伊藤保文選手

 近畿両者が魅せた。今井裕介と村上直久の先行争いは村上が制するも、ホームから伊藤保文が捲り一閃。伊藤を追走した中澤央治(写真)が差し切って1着。検車場でも中澤節が炸裂する。
「前が脚を使っていて展開が向いたし、伊藤(保文)がエエところで仕掛けていってくれましたね。いつも頑張ってくれますから。でもまさか抜けるとは自分でも思っていなかったですよ。もし僕が車券を買える立場だったとしても、裏は買ってなかったかも(笑)。走る前はお客さんからのヤジも『離れるなよ!』だったのに、ゴールしたら『抜くな~!』でした(苦笑)。でも何年かに1回はこういうことがあっても良いですよね。小田原は記念の決勝も乗ったことがあるし、良いですね。今回は近畿の自力型も多くいるし、明日以降も頑張ります」

 大捲りを決めて2着の伊藤保文(写真)は「後ろになったら、早めにいこうと思っていたんですよ。前のレースで大西(祐)を見ていなかったら、いかなかったと思います。あれで早くいこうと思いましたから。それに6番(馬場勇)にしゃくられたときに、腹をくくってましたよ。捲っていくときは、『佐々木(龍也)さん、気付くな、気付くな!』と思ってました(笑)。抜かれましたが、良く残ったと思います。お客さん、喜んでくれたかな」

 村上直久マークの佐々木龍也は3着入線。
「誰か来るだろうなとは思っていたんですけど、伊藤(保文)君が思っていたよりも早く来ましたね。スピードが違いすぎました。踏みっこになっちゃったけど、村上には悪いことをしてしまいましたね。(体調は)大丈夫。また明日、頑張ります」


<11R>
松岡健介選手
松岡健介選手
伊藤健詞選手
伊藤健詞選手

 先行態勢の岸澤賢太を抜群のスピードで叩いた松岡健介(写真)が人気に応えて最終レースを締め括った。
「良かったです。何だかキレがなかったから、不安だったんですけど、意外に出てくれました。もう少し栗原(厚司)さんがごちゃつかせると思ったんですけどね。流すだろうと思っていたし、早めにいきました。噛み合った感じでした。1つ前の伊藤(保文)さんのレースを見ていたのが大きかったですね。小田原は相性が悪いんですけど、伊藤さんに聞いたら『お前向きのバンク』と言ってくれましたし。伊藤さんのおかげです。明日も力を出し切れるように一生懸命頑張ります」

 松岡健介をマークした伊藤健詞(写真)が2着。
「粘ってくるのかなと思ったときに、降りていきました。締めたときに(松岡が)またいったけど、何とか付いていけて良かったです。(松岡の)かかりが違かったし、強かったです。踏み出した瞬間にいけると思いましたよ。(感触は)立川のときよりも上向きで、良くなってきていると思います」

 3着は有坂直樹。岸澤賢太マークから、中近ラインを追って優秀戦への進出を決めた。
「(岸澤も)踏んでたんですけどね。バックでは1車しか来ないと思って、それだったら(岸澤を)入れようと思って様子を見ていたんですけど、2車でイトケン(伊藤健詞)が来たから、これは入れちゃマズイと思って。あれだけ踏んでいたのに、あの外をいくんだから、(松岡が)すごいな」

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