『施設整備等協賛競輪in伊東温泉(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月18日

 伊東競輪場で開催されている第6回施設整備等協賛競輪in伊東温泉「花と海といで湯賞(GIII)」は2月18日に3日目が行われた。激しいレースが続いた準決は隅田洋介、佐藤愼太郎、山口拳矢がそれぞれ1着をゲット。佐藤は連日、高配当の立役者となった。ファイナリスト9名が出そろい、最終日の19日にはいよいよ大会覇者が決まる。
 19日の伊東競輪場には、昨年引退したレジェンドレーサー村上義弘さんが登場。山口幸二さんや中野浩一さんとのトークショーが予定されています。また、伊東市内のペア宿泊券などが当たる未確定車券ガラポン大抽選会や予想会なども実施されます。なお、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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隅田洋介選手
隅田洋介選手

久保田泰弘選手
久保田泰弘選手
 周回中に坂本紘規が武田亮にフタをする。石塚輪太郎が青板バックでその上を切って前に出て、近畿勢を追った坂本が赤板で押さえる。そこをすかさず武田が叩いて主導権を奪い、隅田洋介(写真)は8番手で最終周回を迎える。石塚がホームから仕掛けると、坂本も3番手から合わせるように発進。まくり合戦となったその上を、隅田がまくりで豪快にのみ込んでいく。2センターで出切った隅田が押し切った。
 「誰も出なきゃ前からと思ってました。石塚君と行くタイミングが被ったけど、スピードをもらえれば良いなと思ってた。ラスト1周の段階で届くだろうなとは思ってました。ただ、自分だけになりそうだったし、(最終)3コーナーでは仕留めたかったですね。重かったけど、暖かくて体は動いた。セッティングはまだ煮詰めている段階だし、もうちょっとだけいじって修正したい。前に先行してた時のフレームだから、今の戦法だとパンチはないかな」
 久保田泰弘(写真)は隅田と車間が空きながらも、内の畑段嵐士に当たり負けせずに必死に食らい付いて2着をキープした。
 「集中して付いて行こうと思ったけど、千切れましたね。隅田さんはなにもかもが違う。(畑段に)外に浮かされちゃうかなと思って、飛ばされないように当たっていった。(隅田と)ワンツーでめちゃくちゃ嬉しいです。感触は良いですけど、隅田さんが強過ぎて体が千切れるかと思った」
 自ら動いて位置を取った石塚輪太郎が先まくりで3着。
 「セオリー通りに、後ろ攻めが切った所を叩いて先行か、受けて3番手と考えていました。けど、フタしてたので、あのまま様子を見ると8、9番手になると思って一旦動いた。スカスカする感じはあるけど初日、2日目よりは良い。周りのアドバイスで乗り方を意識して、ウォーミングアップで乗ってるうちに良くなってきた」

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佐藤愼太郎選手
佐藤愼太郎選手

青野将大選手
青野将大選手
 黒沢征治、林昌幸の順で押さえると、青野将大は間髪入れずに巻き返す。赤板2コーナーではキレイにライン3車で出切って青野のペース。4番手から林がまくるが、竹内智彦が最終バックでブロックして1発で止める。2センターでは池田憲昭、林、黒沢が絡んで落車し、4コーナーを回ってからは青野ライン3車の争い。竹内と青野の間を割った佐藤愼太郎(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「余裕はなかったです。竹内さんが上まで上がったので池田さんが入ってくるかと思って踏んでしまった。落車の音も聞こえて、前に踏んだ。GIIIの決勝は初めてです。伊東は相性がいいですね。僕なんかが決勝に乗って、これから先練習もしっかりして精進していかないと」
 積極型がそろった一戦で、主導権を握ったのは青野将大(写真)。2着に粘って久しぶりのGIII決勝へと駒を進めた。
 「昨日(2日目)がいい内容ではなかったし、今日は後ろが誰でも行くところで頑張りたいと思った。2人、徹底先行がいたけど、自分の順番では行こうと思った。スピードが出ている状態から行くのは嫌ではない。すんなり出させてくれてよかったです。今日は長い距離を踏んで、こんなにきついんだと思い出しましたね。(GIII決勝は昨年6月)松戸以来です。なかなか勝ち上がれなくてラインのおかげ。優勝を狙っていくほどの実力ではないし、しっかりとしたレースをしたい」
 まくりを止めた竹内智彦だが、最後は伸びを欠いて3着。
 「青野は自信もあるだろうし、先行態勢に入った時に大丈夫だと思った。意外にタレて、待ってから踏んだ。連日、前は抜けていないけど、そのまま付いていってというのでもないので。(前回落車の怪我は)日に日に良くなっている。自転車にも乗り慣れてきて今日(3日目)は楽に回せた」

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山口拳矢選手
山口拳矢選手

川口聖二選手
川口聖二選手
 周回中に中団を取った阿部将大が、後ろ攻めの齋木翔多よりも先に動いて山口拳矢(写真)を切る。阿部が齋木の巻き返しを受けて中団を確保し、山口は7番手に置かれる。阿部が最終ホームから仕掛けるが、山口はその上を高回転でまくり上げる。スピードの違いでまくり切った山口が、ゴールまで加速し続けて圧勝した。
 「(齋木と阿部が)モガき合う展開が理想でした。阿部君は引いたんですけど、残り1周で行ってくれたから展開が向いたと思う。スピードが上がっていてキツかったけど、踏んだ感じで出切れると思って、(川口と)ゴール前勝負だなと。(車輪は)昨日(2日目)よりも馴染んで、良くなっていますね」
 マークした同県の川口聖二(写真)がピタリ続く。後輩とのワンツーで決勝進出を決め、喜びもひとしおだ。
 「本当に後輩のおかげ。全部(山口)拳矢に任せていました。楽に付いて行けたけど、抜ける感じは全くなかった。すごい選手だなと思うし、頼もしい。悪かった時はアップから苦しい感じがあったりしたんですけど、今回は楽でした。でも緊張感はすごかったです。こんな点数で拳矢の番手を回るのがおこがましくて。決勝もサポートできれば」
 阿部将大の組み立ては完璧だったが、冷静さを欠いて仕掛けのタイミングをミスした。
 「僕と齋木君でモガき合って、まくり頃になるのが一番嫌だった。先に出て、齋木君が行く気なら出させて中団を取ろうと思ってました。落ち着こうと思っていたし、(最終)1センターで行こうと思ったけど、(山口)拳矢さんが怖くてホームで行ってしまった。拳矢さんはどこからでも来れるので。力負けだし、スピード差はすごいなと思った。踏み出してしまえば良いんですけど、踏み直しのキレがない」