ナイターシリーズで開催されてきた伊東競輪場開設73周年記念「椿賞争奪戦(GIII)」は、12月5日にいよいよ最終日を迎えた。注目の決勝戦は松井宏佑がレースを終始支配。別線を一切出させることなく南関ラインでの優勝争いに持ち込む。最後は3番手中割りで和田健太郎がズブリ。キャリアの違いを示した和田の記念優勝は21年12月佐世保以来で通算4度目となる。
また、第9レースで実施されたレインボーカップA級ファイナルは、人気の南関勢がまくられて波乱の決着。張野幸聖、山本修平、菅原大也が1~3着に入ってS級への特別昇級を決めた。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると、スタート争いを制して最内枠の松井宏佑が誘導員の後ろを占めた。松井宏佑-佐々木龍-和田健太郎-五十嵐力の南関勢が前を固め、中団は林慶次郎-伊藤旭の九州勢。単騎の渡部幸訓がこの後ろ。吉澤純平-武藤龍生が後攻めとなった。
青板前から吉澤-武藤が上昇を開始。バックで吉澤が正攻法の松井に並びかけるも、松井が突っ張る。吉澤は踏み合うも中団まで車を下げる。するとすかさず赤板で林がスパート。ジャンで先頭の松井に並ぼうとするも、松井はここでも突っ張って出て、林は後退。南関勢がそっくりと出切った態勢で最終ホームを通過。2コーナーから吉澤が再び仕掛けるが、松井のカカリが良く車が進まない。松井が先頭のまま4コーナーを回ると、3番手の和田が中を割って直線で鋭く伸びてのV。2着は松井が逃げ粘り、番手を回った佐々木は伸びを欠いての3着。南関勢が確定板を独占した。

和田健太郎選手
南関ラインの先頭を任された松井宏佑が、鬼神のごとき迫力で突っ張り先行に出る。誰も出させない気持ちのこもった競走に、ラインの仲間たちがそれぞれ応えた。最後に1着をつかんだ和田健太郎(写真)が、ラインの勝利だと強調する。
「(自分の優勝は)みんながやることをやった結果だと思います。一番は2周半先行してくれた(松井)宏佑。(佐々木)龍も番手の仕事をしてくれたし、五十嵐(力)さんが自分に3番手を譲ってくれた。みんなのおかげだと思います」
前を取った松井に、残り2周半でまず吉澤純平が襲い掛かる。吉澤を退けても、間髪入れずに林慶次郎がカマしてくる。佐々木龍の援護もあって、林は出切れない。和田は内に降りてきた伊藤旭に絡まれても、3番手を死守。五十嵐も和田に続いて、ハイペースの中でも南関4車の連係が乱れることはなかった。
「他のラインは、前受けが一番怖いだろうなと思った。突っ張りでも、引いても、どちらにしろ怖いだろうなと。宏佑がとにかく力を出し切りたい、先行したいって感じだったし、龍も番手のやることをしっかりやりたいと。伊藤君に降りられたのは僕のミスだけど、しっかり対処できた」
二の脚を使って仕掛けた吉澤のまくりも、4番手外でストップ。ゴール前は、前の3車の争いだった。松井と佐々木の間を割った和田が鮮やかに突き抜けて、21年佐世保以来4度目のGIII優勝を成し遂げた。親王牌での落車から、完全復活を目指す途中で結果が表れた。
「最後は勝負なんで、中(のコース)を行かせてもらいました。出来すぎですね。前の2人がレースを作ってくれたことが大きい。結果だけは良かったけど、僕としては中身がなかった。練習をしっかりして、感覚を取り戻していきたい」
歓喜のグランプリ制覇から、3年の時が過ぎた。和田にとってゲンのいい年末のこの時期に、復活の狼煙が上がった。
松井宏佑は、完全にレースを支配して、4車ラインの先頭でこれ以上ない仕事をやってのけた。結果以上に価値のある準Vだ。
「今日(最終日)は4車だったので、全部突っ張ってラインで決まるようにと。ずっと踏みっぱなしで全開でした。最後は気合だけでした。初日は何もできずに、2日目、3目目も魅せるレースではなかった。最後は熱くなるような魅せるレースをしたかった。深谷(知広)さん、(渡邉)雄太さんが欠場した分も頑張ろうと。(今開催は)きつかったです。(体調は)万全ではなかったし、競輪祭を獲りたかった中で完全に気持ちを切り替えられたわけではなかったので。(南関を)深谷さん、郡司(浩平)さんに任せっきりというわけにはいかない。自分も引っ張っていけるように」
松井マークの佐々木龍は、ゴール前でいっぱいで3着。記念初優勝は、すぐ目の前に迫っていたが。
「今の実力ですね。最高の形を作ってもらったのに。(記念初優勝は)意識せずに、決勝とかではなく、1つのレースとして集中して挑んだ。力が足りなかった。(前検日の追加だったが)そこは関係なく、与えられた仕事をするだけと。決勝に来れたのも前の選手のおかげ。(決勝も)いい位置を回れてチャンスをつかみきれなかった。次はつかめるように。毎年、上積みがあるようにコツコツやってきた。(記念の)準決、決勝に進めるようになってきたし、次の佐世保記念も頑張りたい」




青板前から吉澤-武藤が上昇を開始。バックで吉澤が正攻法の松井に並びかけるも、松井が突っ張る。吉澤は踏み合うも中団まで車を下げる。するとすかさず赤板で林がスパート。ジャンで先頭の松井に並ぼうとするも、松井はここでも突っ張って出て、林は後退。南関勢がそっくりと出切った態勢で最終ホームを通過。2コーナーから吉澤が再び仕掛けるが、松井のカカリが良く車が進まない。松井が先頭のまま4コーナーを回ると、3番手の和田が中を割って直線で鋭く伸びてのV。2着は松井が逃げ粘り、番手を回った佐々木は伸びを欠いての3着。南関勢が確定板を独占した。

和田健太郎選手
「(自分の優勝は)みんながやることをやった結果だと思います。一番は2周半先行してくれた(松井)宏佑。(佐々木)龍も番手の仕事をしてくれたし、五十嵐(力)さんが自分に3番手を譲ってくれた。みんなのおかげだと思います」
前を取った松井に、残り2周半でまず吉澤純平が襲い掛かる。吉澤を退けても、間髪入れずに林慶次郎がカマしてくる。佐々木龍の援護もあって、林は出切れない。和田は内に降りてきた伊藤旭に絡まれても、3番手を死守。五十嵐も和田に続いて、ハイペースの中でも南関4車の連係が乱れることはなかった。
「他のラインは、前受けが一番怖いだろうなと思った。突っ張りでも、引いても、どちらにしろ怖いだろうなと。宏佑がとにかく力を出し切りたい、先行したいって感じだったし、龍も番手のやることをしっかりやりたいと。伊藤君に降りられたのは僕のミスだけど、しっかり対処できた」
二の脚を使って仕掛けた吉澤のまくりも、4番手外でストップ。ゴール前は、前の3車の争いだった。松井と佐々木の間を割った和田が鮮やかに突き抜けて、21年佐世保以来4度目のGIII優勝を成し遂げた。親王牌での落車から、完全復活を目指す途中で結果が表れた。
「最後は勝負なんで、中(のコース)を行かせてもらいました。出来すぎですね。前の2人がレースを作ってくれたことが大きい。結果だけは良かったけど、僕としては中身がなかった。練習をしっかりして、感覚を取り戻していきたい」
歓喜のグランプリ制覇から、3年の時が過ぎた。和田にとってゲンのいい年末のこの時期に、復活の狼煙が上がった。
松井宏佑は、完全にレースを支配して、4車ラインの先頭でこれ以上ない仕事をやってのけた。結果以上に価値のある準Vだ。
「今日(最終日)は4車だったので、全部突っ張ってラインで決まるようにと。ずっと踏みっぱなしで全開でした。最後は気合だけでした。初日は何もできずに、2日目、3目目も魅せるレースではなかった。最後は熱くなるような魅せるレースをしたかった。深谷(知広)さん、(渡邉)雄太さんが欠場した分も頑張ろうと。(今開催は)きつかったです。(体調は)万全ではなかったし、競輪祭を獲りたかった中で完全に気持ちを切り替えられたわけではなかったので。(南関を)深谷さん、郡司(浩平)さんに任せっきりというわけにはいかない。自分も引っ張っていけるように」
松井マークの佐々木龍は、ゴール前でいっぱいで3着。記念初優勝は、すぐ目の前に迫っていたが。
「今の実力ですね。最高の形を作ってもらったのに。(記念初優勝は)意識せずに、決勝とかではなく、1つのレースとして集中して挑んだ。力が足りなかった。(前検日の追加だったが)そこは関係なく、与えられた仕事をするだけと。決勝に来れたのも前の選手のおかげ。(決勝も)いい位置を回れてチャンスをつかみきれなかった。次はつかめるように。毎年、上積みがあるようにコツコツやってきた。(記念の)準決、決勝に進めるようになってきたし、次の佐世保記念も頑張りたい」





9RレインボーカップA級ファイナル

張野幸聖選手
「(組み立ては)特に考えていなかったです。最後に仕掛けた人に付いて行くか、緩んでいれば残り1周くらいでカマしても、3着には残れるかなって。その場で臨機応変に走ろうって思ってました。人任せな展開になったけど、1着で良かった。(山本が仕掛けたタイミングは)全体的に緩んでて、(仕掛けに)行けるかなと思ったところだった。そこで山本さんが行ってくれた。抜けるかは分からなかったけど、コーナーを立ち上がったところでは抜けるかなと。(前回落車しても)練習はしてきたし、それが間違っていなかった」
山本修平は、単騎でもチャンスを逃さず自力を発動。内容の伴った走りで2着に入り、S級への切符をつかみ取った。
「単騎では下手に動けないけど、チャンスは必ずあると。悔いの残らないようにと思ってました。佐伯さんはラインがあるし、踏み合いもあるなと思ってた。そこを見極めて自分の間合いを図ってました。脚がたまってたんで、行けるかなと。優勝もあるかなと思ったけど、ちょっと同期(の張野)にやられましたね」
南関ライン3番手の菅原大也が、番手まくりの菊池を交わして3着。
「(望月は)前を取って、誰も出させないと思ってました。(佐伯に出られたが)落ち着いて、行けるタイミングでももう一回いくのかなと思ったし、ジャンですかさず行くのは想定外。そこで口が空いて、追いついて緩んだ瞬間に大西君が来た。1センターで止まったように見えたし、そこから僕の所を狙ってくるのかと思って負けないように追っていた。単騎勢が強かったです。(望月)一成の気持ちが強かったし、頑張ってくれた」




次回のグレードレースは、別府競輪場開設73周年記念「オランダ王国友好杯」GIIIが、12月7日~10日の日程で開催されます。
今シリーズは新田祐大、松浦悠士、守澤太志のSS班3名をはじめとして、浅井康太、北津留翼に関東勢も好メンバーがそろい、全国各地から強豪が参戦します。
勝ち上がり戦からハイレベルな戦いが繰り広げられるのは必至で、興味津々の4日間です。
11月29日時点の出場予定選手データを分析した、別府競輪「オランダ王国友好杯」GIIIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは新田祐大、松浦悠士、守澤太志のSS班3名をはじめとして、浅井康太、北津留翼に関東勢も好メンバーがそろい、全国各地から強豪が参戦します。
勝ち上がり戦からハイレベルな戦いが繰り広げられるのは必至で、興味津々の4日間です。
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