『伊東競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月14日

 伊東温泉競輪場で開催されてきた開設75周年記念「椿賞争奪戦(GIII)」は12月14日に最終日を迎えた。注目の決勝戦は、中野慎詞が先行する展開で、3番手をキープした深谷知広が鋭くまくって1着。当所記念2度目、静岡に移籍してからは初の優勝を飾った。これで今年の深谷は2月静岡記念と合わせて地元記念を共に制覇。なお、深谷のGIII優勝は今年3月の名古屋記念以来で通算24回目となる。
 第9レースに行なわれたレインボーカップチャレンジファイナルは、藤田楓のカマシが決まってラインでワンツースリー。優勝した伊藤涼介、2着の中田拓也、そして藤田の3人が12月15日付で2班への特別昇班を決めた。

決勝戦 レース経過

 号砲が鳴ると最内枠を生かして深谷知広が誘導員を追う。深谷-簗田一輝の地元勢が前を固め、清水裕友-松浦悠士の中国勢がこの後ろ。後ろ中団が三谷竜生-村田雅一-椎木尾拓哉の近畿勢。中野慎詞-成田和也が後攻めで周回を重ねる。
 中野は、青板ホーム手前から上昇を開始し、バック過ぎに深谷を押さえて先頭に飛び出す。北勢を追って上昇した三谷を簗田がけん制し、深谷はすんなりと3番手を確保。中野が少しペースを上げたことで外に浮いた三谷は、4番手外併走から車を下げるも、清水のけん制を受けて赤板の2コーナーで7番手に後退。中野は後方の動きを警戒しながら打鐘でさらにペースを上げ、3番手の深谷は前との車間を開け始める。最終1センターで深谷が一気に踏み込んで、3コーナーで逃げる中野をとらえると、直線は詰め寄る簗田、清水の追撃を振り切って地元記念制覇。2着には簗田が入り、地元コンビでのワンツーが決まった。地元勢のまくりを追う形になった清水は3着まで。


深谷知広選手
深谷知広選手

 地元のスター選手である深谷知広(写真)が、静岡籍になって初の伊東記念制覇を達成。今年ラストを最高の形で締めくくった。
 1番車の深谷は初手を正攻法で構える。後ろ攻めの中野慎詞が押さえにくると、簗田一輝のアシストもあり、深谷は3番手を確保して理想的な展開を作った。
 「前回は愛知籍だったので、静岡籍で優勝できて良かった。中野君が来るなって思っていて、簗田君が位置を確保してくれた」
 先頭に立った中野は赤板から徐々にペースを上げて先行策。深谷は清水裕友や三谷竜生を後方に置いて絶好のポジションをキープしながら、徐々に車間を空ける。後ろからの仕掛けがない中、深谷は最終2コーナーから一気にまくりを繰り出した。
 「清水君が仕掛けてくるのは警戒していた。成田(和也)さんも車間を空けていたし、仕掛けていくタイミングは難しかったけど、脚も溜めつつ踏み出していけたので良かったと思う」
 3コーナーで逃げる中野を捕らえると、4コーナーからは番手の簗田との直線勝負。1車輪差で追撃を振り切って、通算24度目のGIII制覇を成し遂げた。
 「4日間通して先行もまくりもできて、充実した開催でした。3日間簗田君と決められたので、静岡でそういう連係ができたことも貴重ですし、良い大会だったと思う。(1年振り返って)前半良くて、そのあとケガがあって上手く機能しない1年だったので、来年は上手く付き合えるようにしたい。膝の状態がここ数週間で良くなったので、また来年戦えるように練習をしていきたい」
 今年は2月の静岡記念を制し、全日本選抜、ウィナーズカップ、高松宮記念杯、共同通信社杯とビッグレースで4度決勝に乗り、賞金額でグランプリ出場を争いながらも、涙をのんだ深谷だったが、最終戦となる地元記念で優勝。来年に繋がる良い形で今シリーズを走り終えた。

 深谷をマークした簗田一輝は最終4コーナーから踏み込むも2着。地元コンビでワンツーを決めたことは喜びながらも、悔しさを滲ませながらレースを振り返った。
 「サラ脚の深谷さんのまくりは抜けないですね。強すぎました。差さなきゃいけないけど、悔しいですね。2人で勝負権のある走りをしてくれたのでゴール前勝負と思った。(深谷が仕掛けたときに車間が)普通に空いちゃいましたね。成田さんも気になったし、後ろも気になって。(優勝までは)ちょっとじゃないです。だいぶ遠いですね。でもあれを抜けるようになりたいですね。連日、しっかり付け切れてはいたので。上を目指すならもっと練習をしろっていうことですね。また頑張ります」

 清水裕友は残り1周で5番手。静岡勢を追い掛けながら、最後外を踏み込むが、3着が精一杯だった。
 「難しかったですね。(赤板過ぎに三谷に)入られそうで、危なかったですし。1コーナーで仕掛けたかったけど、行ったら合される感じでしたよね。深谷さんが車間を空けたので、緩んだなって思ったんですけど。不発なりには伸びたので、ああなったら溜めるしかなかった。昨日(準決)のレースが自信になりましたし、割と手応えはつかんだ開催だった。まあ、もうちょっとですね」







レインボーカップ・チャレンジファイナル

伊藤涼介選手
伊藤涼介選手

 大分勢が前受け。単騎の大塚城が残り2周半過ぎて誘導を降ろすと、同じく単騎の池田充槻が赤板で叩いて先頭に立つ。唯一ライン3車を率いる藤田楓は赤板の2コーナーから巻き返すと、打鐘の2センターで池田を叩いて主導権を奪う。そのままグングンと藤田が逃げて最終バックを先頭で通過。番手で車間を切っていた伊藤涼介(写真)は4コーナーを絶好の番手で迎え、最後はきっちり抜け出した。
 「(ライバルの動きは)想像の範囲内で、藤田君が落ち着いてやってくれました。強かったです。自分は余裕を持って走れました。いいスピードだったので、最終バック以降に(まくりには)これないだろうなって思っていました。余裕を持って車間を切って走れました。駆け出しはタイミング良く付けられたんですけど、最終4コーナーはもう少し引き付けても良かったのかなって。藤田君がこれ以上ないレースをしてくれました」

 ライン3番手の中田拓也がゴール前で迫って2着。広島勢でワンツー決着となった。
 「大塚君が内からきていましたけど、藤田君が冷静でした。一発あるなら水澤(秀哉)君だと思っていたので気になっていたんですけど。ペースが上がったけど、藤田君は楽そうでした。(打鐘前の)2コーナーから行ってくれて、藤田君のスピードも良かった。ラインでつかんだワンツースリーだったと思います。3番手回りをやったことがなかったけど、渾身のハンドル投げは松浦(悠士)さんに習わないとですね。藤田君が全てでした。この2週間、緊張していたんですけど、結果が出て嬉しい。広島記念、ヤンググランプリにいい流れを作れたと思います」

 積極的な走りを見せた藤田楓は3着に粘り込んで、ラインで上位独占に導いた。
 「フタをされるのが嫌だったので警戒していました。(内から大塚にこられたが)全然余裕はあって落ち着いていた。水澤君と土井(慎二)さんを警戒しながら、緩んだらすかさず行こうと思っていました。ライン3車で一番警戒されると思っていたけど、伊藤さんも中田さんも仕事をしてくれると思ったので。養成所の頃から信頼関係は築けていたと思うので、信じていきました。叩くことはできると思ったけど、力んじゃうとタレるので。キープすることを意識して力まず進ませるというか、スピードを落とさないように練習してきたので良かったです。だいぶ自信にはなりました。ラインに感謝です。もっと練習して上の舞台で父(昌宏・82期)と戦えるように。父が強いので。ライバルだと思っているので。今のままじゃ負けるので。父はGIに1回出ているので、僕は2回でられるように」





次回のグレードレースは、「ひろしまピースカップ」が12月20日~23日、広島競輪場において開催されます。

松浦悠士、犬伏湧也、新山響平、岩本俊介のSS班4名が参戦する豪華メンバーです。人気を集めるのは、この大会では4Vと圧倒的な存在感を示している地元エースの松浦でしょうが、強豪ぞろいで一筋縄ではいきそうにありません。今年のGIII最終戦を制するのは果たして誰なのでしょうか?

12月10日時点の出場予定選手データを分析した、広島競輪「ひろしまピースカップ(GIII)」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
プロスポーツ号外版は"こちら"