『被災地支援競輪伊東競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:12月15日
 伊東温泉競輪場開設66周年記念「椿賞争奪戦」が今日から開幕。短走路を舞台に、オープニングから激しいバトルの連続だった。メーンの特選は芦澤大輔、山崎芳仁、深谷知広の実力者3名が勝ち名乗り。明日は優秀「いで湯賞」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 明日2日目も先着1,008名に11レースの2車単車券(100円券)をプレゼント。場内では緒方浩一氏、伊藤勝也氏による予想会や選手会サイクルタイムトライアルなどが予定されています。ぜひ伊東温泉競輪場でお楽しみください。
<1R>
 オープニングレースを制したのは小川真太郎だ。レースが篠原忍が赤板過ぎに一気に叩いて主導権。4番手を確保した小川が後方から巻き返してきた箱田優樹に合せて力強くまくり切った。
 「ホントは赤板で行かなきゃいけなかった。一緒に両方(箱田優樹と篠原忍)から出られていたら終わっていた。踏んでいて出られるならわかるけど、さーっと出られてしまったので。結果は結果だが、自分のやりたいと思ったことと全然違う。脚的には練習したぶん、いけてると思う」
 野本翔太は一旦小川に離れたが、3コーナーで島野浩司の内に斬り込んで2着に続いた。
 「(最終バックで)箱田(優樹)にかぶると思い、後ろを気にしていたところで小川君が行ってしまったので、タイミングが合わなかった」
 最終3コーナーで野本に内をすくわれた島野浩司だが、懸命に態勢を立て直して3着をキープした。
 「篠原君がいいタイミングで仕掛けてくれた。ただ、小川君がまくってきたのを止めようとして内を空けてしまったのは下手でした。付いていって余裕はあったし、脚的には悪くない」

<2R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
 高木翔、堀内俊介で赤板から壮絶な踏み合いに。前団がもつれたところを山形一気が一気にカマして最終主導権を握る。番手絶好となった三ツ石康洋(写真)が鋭く追い込み、通算300勝のメモリアル勝利を飾った。
 「300(勝)は簡単にはできないね。とりあえずよかった。考えてないぐらいのいい展開になった。ギアを55×14に換えて、走った感じはすごいよかった」
 山形一気はタイミングを逃さずに好スパートを決めた。
 「緩んだら先行も考えていたし、タイミングよく行けました。体の反応もよかったですね。森下(忠夫)さんまで連れ込めればよかったんですけど。ちょっと踏みすぎて、出し切れてなかった感じがします。末脚が足りなかったですね」
 堀内俊介は突っ張られながらも粘り強く踏み続けて3着に食い込んだ。
 「突っ張られてバランスを崩したけど、落ちなくてよかったです。あれでもしっかり前に出れるぐらいのダッシュがほしいですね」

<3R>
 赤板で飛び出した小林則之が後続の出方をうかがいながら先行策に出る。中団の城幸弘のまくりを海野敦男が止めて南関で上位独占かに思えたが、中野彰人が直線で外を鮮やかに突き抜けた。
 「落ち着いていた。最後はどこか行こうと思って、決めていたコースに突っ込めた。人の後ろで余裕があったのもあるけど、自分でもびっくりするぐらい伸びた」
 地元の小林則之は果敢に攻めて2着に逃げ粘った。
 「先行は最初から考えていた。ラインが3車だったし、自分のデキを確かめる上でも。城(幸弘)君がまくれていないので、(状態は)いいのかも。地元のトップバッターとして役割は果たせたし、後輩にも良いところを見せられた」
 小林を献身的に援護した海野敦男は大外を伸びてきた山口貴弘との3着同着。
 「残り1周ぐらいからの先行という作戦だったが、残り2周から行ってくれてうれしかった。(城のまくりを止めて)あれだけ(小林に)行ってもらっているので、行かせるわけにはいかないでしょ。小林君が気持ちの入ったレースをしてくれた」

<4R>
 赤板過ぎに飛び出した中田雄喜がそのままハイピッチで駆ける。番手の岡部芳幸が余裕を持って追い込んだ。
 「作戦はすべて中田に任せてました。気合が入ってましたね。練習は申し分ないぐらいやっていたし、あとは展開だけだと思っていました。流れが向きましたね」
 最終バック7番手から好スピードでまくり上げた筒井裕哉は2着まで。
 「菅原さんが中団に降りたのは誤算でしたね。でも、冷静に走れたし、余裕はありました。ホームで行ければよかったんですけどね。突き抜けられなかったけど、2(着)でよかったです」

<5R>
 早めに押さえて前に出た片折亮太が吉田茂生の反撃を封じて先制。8番手で脚を溜めていた山本奨が強烈なまくりで前団を仕留めた。
 「練習をたくさんできたので、その成果が表れた。前受けから中団、中団で考えていた。(吉田)茂生が仕掛けて、片折(亮太)さんが合わせて、ワンテンポ置いてからしっかり仕掛けることができた。調子はいいので、頑張りたいです」
 番手絶好の後閑信一は2着。人気に応えられず、表情は冴えない。
 「(片折を)残してやりたかった。もう一度けん制にいけばよかったけど情けない…」
 西岡拓朗は4着で勝ち上がりを決めたが、山本には続けなかった。
 「後閑さんがけん制した時に、内に差し込んでいればよかった。その辺は反省点なので、修正して明日に繋げていきたい」

<6R>
津村洸次郎選手
津村洸次郎選手
 赤板前に先頭に立った荻原尚人に対し、4番手をキープしていた津村洸次郎(写真)が打鐘で一気にカマして襲いかかる。最終ホームで荻原を抜き去った津村が力強く逃げ切った。
 「最近は感じがよかったんですけど、記念の初日はけっこう飛んでいるので、緊張しました。久しぶりにいい感じで行けましたね。距離をなるべく短くして、流さず全力で踏みました。最後まできっちり粘れてよかったです」
 安東宏高が完璧マークで2着に流れ込み、九州ワンツー決着となった。
 「津村君が頑張ってくれました。強くて抜けなかったですね。塚本(大樹)君は残念でしたけど、ワンツーが決まってよかったです」
 叩かれた荻原尚人はなんとか3着に踏ん張った。
 「今日は先行が残っていなかったし、駆けそびれましたね。打鐘前の2コーナーぐらいから上げていかないとダメ。(津村は)4番手だから来ないと思って、8番手(藤田大輔)ばかり見てました。(津村の)ハコにもタイミング的に行けなかったですね。車の進みが悪かった」

<7R>
高橋和也選手
高橋和也選手
 真船圭一郎が赤板から先行。合わせて動いて中団をうまく確保した高橋和也(写真)が最終ホームから力強くまくって完勝した。
 「初手があの位置(4番手)だったので、ずっとフタされてもダメだし、別線に脚を使わせて組み立てていこうと思った。最低でも4番手は確保したいと思っていて、冷静に組み立てられたけど、前と後ろを見ながらきつかったです。ホームから早めに仕掛けられたし、出た感じもよかったですね。変わらず調子はいいです」
 坂本健太郎は7番手の窮地も懸命にまくり上げて2着に入った。
 「ずっと脚には余裕があったので。高橋が行かないなら1コーナーから(仕掛けようと)考えていたけど行ってくれたので。バックで思ったより進んでくれたし、いける感じはあった。できれば小林(弘和)まで連れ込みたかったけど。(勝ち上がれて)まぁ一安心」
 古閑良介は坂本に食い下がり、3着で勝ち上がりを決めた。
 「一瞬終わったかなと思ったけど、坂本が強かった。前回は着が悪かったけど、それ以上に感触はよかったので千切れることはないと思ったので」

<8R>
渡辺十夢選手
渡辺十夢選手
 才迫開が打鐘前の2コーナーから一気のカマシ。4番手で態勢を立て直した伊藤裕貴が最終2コーナーからまくる。乗った渡辺十夢(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「引くか粘るか微妙なタイミングで才迫君が来ましたね。引いて厳しいかなって思ったけど、伊藤君がやっぱり強かったです。伊藤君の組み立てと頑張りのおかげです。最後は久しぶりに外を踏んだら意外と伸びました。前回よりもいいですね」
 中団まくりの伊藤裕貴が2着で中近ワンツー決着。それでもレース後は反省ばかり。
 「才迫さんに出られてしまって、しょうもないレースをしてしまった。あのタイミングで仕掛けても(3番手の)田中(俊充)さんは包まれてしまいますからね。疲れもあったのか、しっくりこなかった。でも、しっかり調整すれば明日は大丈夫だと思います」

<9R>
 青板前から動いた佐藤和也が積極策に出て、赤板前からペースを上げる。それでも打鐘前の2コーナーから強引に仕掛けた吉田拓矢が佐藤を力でねじ伏せて最終主導権を握る。これで別線は手も足も出ない。圧巻のパワーで人気に応えた。
 「赤板で行ければよかったけど、前も踏んでいて行けなかった。少し(仕掛けが)遅かったので、その辺は修正したい。全部突っ張って逃げ切れれば、明日に繋がったけど、(レースが)3周前から動いてしまっては。あまり脚の感触もよくないので、修正していきたいですね」
 地元の新田康仁が吉田に食い下がってワンツーを決めた。
 「オッズどおり(吉田が)強かった。踏み直しがすごかった。(残り)1周半からなら突っ張ると言っていたので全て任せていったけど、3周前から(別線)が行ってるので。吉田がいつ行くんだと思い、(踏み出しに)集中していた」

<10R>
芦澤大輔選手選手
芦澤大輔選手
 赤板で斬った松岡貴久が緩めているところを木暮安由が打鐘過ぎに叩いて先制。番手絶好となった芦澤大輔(写真)がきっちり勝機をものにした。
 「松岡君が斬ってくれて、木暮君は仕掛けやすくなりましたね。前回落車しているのに気持ちで行ってくれたのが伝わってきました。正直、後ろはあんまり見えてなかったんですけど、木暮君の頑張りでなんとか勝てました。この1着はでかいですね」
 先行で長い距離を踏んだ木暮安由は3着。落車明けの不安を一掃する走りを披露した。
 「落車明けだったので、感触を確かめる意味でもしっかり仕掛けようと思ってました。松岡君が斬ってくれて、行きやすくなりました。逃げて3着ならやった方ですよ」
 最終バック最後方から大外をまくり上げた単騎の安部貴之が2着に入り、波乱を演出した。
 「展開ですね。松岡君のラインに切り替えたかったけど、びびって行けなかった。一人でちょっと責任感がなかったですね。ダメもとで仕掛けたんですが、前団がちょっとゴチャついていたので、届いた感じですね。状態は分かんないですけど、2着でよかったです」

<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 赤板前に黒田淳を押さえて前に出た飯野祐太に対し、すかさず渡邉雄太が襲いかかる。飯野に突っ張られた渡邉雄は黒田と3番手を取り合う。最終ホーム前、3番手外併走の態勢から渡邉雄が再び仕掛けると、これをブロックした山崎芳仁(写真)が2コーナーから番手まくりを敢行。後続の追撃を振り切り、白星スタートを決めた。
 「今日は飯野が判断よく思い切って行ってくれたおかげですね。1度ブロックして出られてしまいそうだったので、出るしかなかった。体調は前検日よりはよくなってます」
 渡邉雄が不発と見るや、渡邉晴智は巧みに山崎の後位に切り替えて2着に続いた。
 「雄太は慌てて仕掛けるタイミングが狂ったみたい。自分も内に6番(黒田淳)がいて2番(筒井敦史)にもこられてきつかったけど、展開に恵まれました」
 地元勢の後ろを固めていた松坂英司が渡邉晴を懸命に追って3着に流れ込んだ。
 「飯野が押さえるのがうまかった。自分は少し最初の踏み出しで離れてしまったけど、なんとか付け切れました。脚の感触はいいですね」
 渡邉雄太は叩けず、まくれずで凡走した。
 「脚自体には余裕があったけど、組み立てが少し甘かった…」

<12R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
 最終レースは深谷知広が魅せた。レースは赤板前から飛び出した近藤隆司がハイピッチで飛ばしていく。後方7番手に置かれた深谷だが、最終2コーナーから豪快にまくり切った。
 「きつかったですね。回すのも大変でした。ホームで行けるタイミングはあったんですけど、見てしまいました。結果オーライですね。直前にセッティングをいじって、あんまりいい感じではなかったので、修正したいです」
 柴崎淳(写真)は好マークから詰め寄ったが、交わせなかった。
 「(踏み出しは)きつかったけど、いい感じで付いていけました。最後は意外に追い込めましたね。力まずにゴールまで行ってしまった感じだったんですが、力んで踏めれば差せたかも」
 3番手から先まくりを決めた山田義彦は3着。深谷の強さに脱帽する。
 「ずっと踏みっぱなしで、車間を空けて、タイミングを取れなかったですね。和田(健太郎)さんを抜ければチャンスはあると思っていたけど、上の方からミサイルが飛んできました。でも、優秀戦に乗れてラッキーです」
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