『静岡競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:2月6日
静岡競輪場開設57周年記念「たちあおい賞争奪戦(G3)」も今日(6日)で三日目を終了しました。準決勝ではSS班の伏見俊昭と海老根恵太が勝ち上がりを逃す波乱はあったものの、地元勢からは渡邉晴智と新田康仁が勝ち上がりを死守。決勝メンバーにはSS班が5人と豪華な顔ぶれとなりました。
なお、最終日の7日も先着入場3000名様にソースせんべいが配布されるほか、錦野旦さんによるトーク&ライブショー(1回目11:50頃、2回目14:05頃)や、お子様向けにはお菓子つかみ取り、バルーンアートプレゼントなど盛りだくさんのイベントやファンサービスが用意されていますので、決勝戦はぜひ本場でご観戦ください。
<8R>
稲村成浩選手
1着権利の狭き門を突破したのは
稲村成浩(写真)
だった。鉄の結束を見せた関東勢は上原龍が発進すると、最終バックから志村太賀が番手まくりを敢行。若手二人がお膳立てを整えると、直線で稲村が満を持して抜け出した。
「今日は全部、龍と太賀のおかげ。僕は4角から踏んだだけですから。直線では山城さんに中を割られないように内を締めつつ走りました。僕が決勝に乗れたのは今日の二人や、篠原(忍)が頑張ってくれたおかげ。嫁の実家である静岡だから、決勝に乗れて最低限のノルマは果たせたし、明日は頑張ってくれた若手の分も頑張りたいですね」
直線で鋭く中を割った
山城光央
だったが、アタマまで突き抜けることはできず。無念の2着で地元記念優参はならず。
「今日は小島(雅章)の頑張りに尽きる。最後は小島が外を踏むだろうから、僕は志村君と稲村君の間と決めていたけど、稲村君はさすがに格が違う。僕に中を割らせないように、わざと踏み出しを遅らせていたからね。今日は点数上位の郡司さんが前を回してくれたし、地元でこんなチャンスは滅多にないから、何とかものにしたかったけどね。力は出し切れたけど悔しいね」
果敢な発進を見せた
上原龍
もさばさばとレースを振り返る。
「僕は僕で、自分が残れるところから仕掛けたつもりだし、その結果が9着だから力不足ということ。このクラスの選手と一緒に走ると勉強になりますね。小島さんが先に前を斬ってくれて仕掛けやすくなったけど、とにかく風が強くてきつかったです」
<9R>
石丸寛之選手
山田裕仁選手
渡部哲男が最終ホームからカマして風をきると、直線で番手から抜け出した
石丸寛之(写真)
が1着ゴールで決勝へと駒を進めた。
「今日は全部哲男のおかげ。この強風の中、思い切って仕掛けてくれたからね。本当は哲男が2着ならよかったけど、今の自分の状態では今日の結果が精一杯かな。ずっと調子が良くなかったけど、一番良い所で久し振りに1着が取れました。今日はギアを落としたことで、だいぶ昨日より感じが良かったし、決勝に乗れたことは自信になりますね」
自在に立ち回った
山田裕仁(写真)
は、最終バックでまくる伏見俊昭の番手に飛びつくと、直線で内を伸び2着に入線した。
「難しい展開だったけど、とにかく勝つために何でもしようと思っていました。最終バックで伏見がまくって来たところに上手く飛びつくことができましたね。最近はしっかり練習もできているし、それが自信となって、気持ちの入った競走が出来ています」
決勝を逃した
渡部哲男
もレース内容には納得の様子。
「後ろが脚のある二人だから、自分が残れないのは仕方ない。それでもこれだけ風が強い中で、先行して3着に残れているのだから、自分の状態も悪くないという自信になる。マルさんが決勝に乗ってくれたのだから、良しとしましょう」
伏見俊昭
は4着で決勝進出はならず。レース後は悔しさを滲ませる。
「何度も山田さんと絡んでしまい、全く自分のタイミングでレースを進めることができなかった。気持ちは入っているし集中はできているんですけどね…」
<10R>
菊地圭尚選手
渡邉晴智選手
スタートで前を取った北勢が、そのまま突っ張り先行を敢行。佐藤幸治がケレン味なく全開で駆けると番手から早めに踏み込んだ
菊地圭尚(写真)
が直線で鋭く伸びて、見事に北作戦を決めた。
「今日はとにかく佐藤がかかっていたし、また全開で踏んでくれる気持ちがうれしかった。自分も今まで前で頑張ってきて、今日は佐藤が僕のために頑張ってくれて。こうやって北の結束が強くなっていけばいいですね。僕自身も脚の感じは良かったし、明日も気を引き締めて狙っていきますよ」
2着は北勢追走から内を鋭く突いた
園田匠
。連日、鋭脚を発揮し遂に決勝まで上りつめた。
「最終バックで海老根さんがヨコにいて外は無理だなと思っていたら、勝手に身体が反応してくれました。佐藤君のダッシュが凄くてホームで離れかけたけど、逆にその車間を詰める勢いでスピードに乗れたし、結果的に海老根さんを牽制する形にもなりましたね。最近は実戦に近い練習ができているし、その成果が競走に出てきましたね」
3着で決勝進出を死守した
渡邉晴智(写真)
もその表情は複雑。
「自分ひとりでは喜べない。やっぱりラインで決めたかったですね。僕自身は3角で園田君と尾崎君が絡んでるのも見えていたし、冷静に外に車を持ち出せた。最後も伸びたし、大宮記念の時よりはデキは良いですよ」
まくり不発に終わった
海老根恵太
は悔しさを隠しきれない。
「前が2段駆けではね…。それに後ろ攻めの吉村さんが前を押えにいかないのが誤算だった。だったら自分でもっと早く動くべきでしたよね。後ろに迷惑かけたし力不足としか言いようがないです」
<11R>
山崎芳仁選手
新田康仁選手
11レースも、北日本勢がレースを制圧した。先頭の中村敏之輔が赤板過ぎから誘導を斬って突っ張り先行をみせると、最終バックからは
山崎芳仁(写真)
が小嶋敬二のまくりをブロックしつつ、番手まくりを敢行。そのまま押し切って決勝の切符をもぎとった。
「僕らが2段駆けなら、後ろも仕掛けを躊躇するかと思ったけど、小嶋さんは流石ですね。僕もブロックしようと思ったら外に逃げられ、最後はアタマで押し込んだ感じです。それにしても今日は中村君が強かった。付きバテするかと思いましたよ。僕にも良い流れが向いてきているので明日も頑張りたいですね」
小嶋敬二が3角で力尽きると、俊敏に切り替え山崎を追った
加藤慎平
が2着に続いた。
「小嶋さんの仕掛けがもうワンテンポ早ければ、ラインで決められたんだけどねー。惜しかった。僕自身はしっかりレースが見えているし、今回は自分が思っている以上に身体も動いている。明日は自分が前のレースになるけど、状態が良いだけにどういうレースが出来るか楽しみです。自分の嗅覚を信じて立ち回りたいですね」
地元勢は後方に置かれる苦しい展開も、
新田康仁(写真)
は直線で内を強襲し3着。地元記念の決勝進出だけは守りきった。
「周回中から北日本勢は突っ張る気配がプンプンしてたからね。昨日の優秀戦の仕返しをされた感じだね。先行した選手のペースが凄かったので、僕も付いていくだけでもしんどかった。それでも最後は何とか3着までに届いたし、何とか決勝に残れて良かったですよ。僕もだいぶ調子は戻ってきていますね」
果敢な先行策で山崎を好アシストした
中村敏之輔
は「とにかく全力で踏みました。自分の仕事はしっかりできたて良かった」と納得の表情。
一方、勝ち上がりを逃した
石橋慎太郎
は「仕掛けどころで小嶋さんに中団に入られてしまったことが全てです…」とガックリうなだれる。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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