『静岡競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月24日

 静岡競輪開設66周年記念「たちあおい賞争奪戦」は2日目。二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われた。原田研太朗の脱落はあったが、主力組は順当に準決勝へ。南関勢はこの日も大活躍し、地元勢5名をはじめ9名が準決勝へと勝ち上がった。
 3日目は鈴木美教選手、梅川風子選手によるガールズケイリントークショー(7R発売中)。市田佳寿浩、後閑信一(8R発売中)や吉井秀仁、鈴木誠、後閑信一(5R発売中)、小川美咲(4R発売中)と元選手が多数来場してトークショーを行います。白熱する「たちあおい賞争奪戦」をぜひ本場でお楽しみください。

<6R>

桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 中団の桐山敬太郎にフタをした水谷好宏が打鐘前から誘導員を下ろすが、前受けの矢口啓一郎が内を盛り返して3コーナーで前に出る。前団がゴチャついたところを逃さず桐山敬太郎(写真)がカマシ先行。力強く押し切って準決勝進出一番乗りを決めた。
 「出ちゃえば初日と同じでまくって来る選手はいないんで。バックから思い切り踏み直してペースでした。(レースも)見えてたんで落ち着いて駆けられたかな。7番手からホームガマシを覚悟してたけど、短くなった分行くのは早くなったけど楽になった。ラインで決まって言うことないですね」
 佐藤龍二は桐山の男気あふれる仕掛けに感謝しきりだった。
 「さすがですね。タイミングはあそこだけど、行かなくてもいいと思ってたら…。うれしかったですね。内がいなくなるのを確認してから車間を切った。絶対沈めちゃいけないと思って、何とか桐山さんを2着までにと思ってました」


<7R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 打鐘で飛び出した真船圭一郎が、すかさず巻き返してきた和田禎嗣を合わせて切る。最終ホームで後方から北津留翼(写真)が一気に仕掛けると、軽々前団を飲み込んでバックを通過。詰め寄る松尾信太郎を振り切って快勝した。
 「初手で前から2番目のラインの位置を取れたし、それが良かった。ホームは向かい風だったので、真船君もキツいだろうなって。だからホームで仕掛けてしまえばいいかなって。上がりのタイムも悪くなかったし、脚は悪くない。ただ、また初日みたいな(タイヤが滑ってしまう)雰囲気があるので、ステムとかハンドルとかを換えて昔使っていた旧仕様のセッティングにしたい」
 北津留マークの松尾信太郎が2着。福岡ワンツーでしっかり人気に応えた。
 「翼の後輪だけを見てました。翼のダッシュに付いていけて良かったです。いいタイミングで仕掛けてくれました。最後は抜きに行ったけど、(北津留が)ゴール前で踏み直してました。初日終わってから、サドルの違和感があったので、(昨年7月の)小倉で優勝した時のセッティングに戻したら感じが良かった」


<8R>

伊東翔貴選手
伊東翔貴選手
 前受けから掛水泰範が突っ張るが、それでも松井宏佑が強引に叩いて主導権。掛水は番手で粘り、松井の後ろが併走になる。隊列が短くなったところで、伊東翔貴(写真)が間隙を突いてカマす。伊東ラインの3車が出切って、4番手で立て直した松井だがまくり不発。ラインを上位独占に導いた伊東が、柴田洋輔を振り切って逃げ切り勝ち。
 「松井君とあたった時点で(力)勝負しようって。前が踏み合ったところを落ち着いていけた。展開ですね。他地区が(ラインで)付いた時ばっかり先行してるからヤバいですよ(笑)」
 「流れがきてますね」とは、前回の取手FIで久々に優出した柴田洋輔。続く記念シリーズでの準決進出に笑みを浮かべる。
 「(伊東が仕掛けたタイミングは)サイコーでした。カマシがヤバかったし、後ろに安部(達也)さんがいるのかもわからなかった。自分の状態は問題ない」


<9R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 松本貴治が赤板ホームから先行態勢に入ると、6番手の吉田敏洋、8番手の吉澤純平はお互いを見ながら動けない。ペースで駆ける松本に対し、最初にアクションを起こしたのは渡邉豪大。2コーナーまくりで前団に迫ると、その外を吉田が、さらに外を吉澤純平(写真)が突き抜けた。
 「吉田さんが俺のこと見てたんでヤバいなと思った。緩んだらカマす気持ちもあったけど、あおりを作られてタイミングが取れなかったですね。初日よりは感触がいい気はするけど、(踏んだ)距離も短かったんで」
 直線の伸びは良かった吉田敏洋だったがゴール寸前で吉澤に1着をさらわれた。
 「普通だったら8番(渡邉)も行くんだろうけどね。ああいう並びになったら、(吉田、吉澤で意識し合って)ああなるのはしょうがない。松本がガンと駆ければ2コーナーから行けたけど、ケツを下ろしての先行だったから。重たいね。バックで流れるかと思ったけど全然。初日とは違う重さがある。自分だけだけどしっかり勝ち上がれてるんで悪くはないと思う」


<10R>

根田空史選手
根田空史選手
 中井俊亮が打鐘で飛び出し、中団に阿部拓真、根田空史(写真)は8番手で最終ホームを通過する。根田が1コーナー手前から仕掛けると、合わせて番手から出てくる古性優作を一気に飲み込んで無傷で準決勝へ駒を進めた。
 「あの展開は見えていたので、直線で古性君に並びたかったので、それに合わせながら仕掛けていった。とにかく新車がいい感じです。デビューしてから今が一番感覚良く踏めていると思う。準決勝は南関も多いし、楽しみですね。またラインで決まるように頑張りたい」
 根田の後ろで岡村潤と古性がからむと古性マークから外を回した南修二が2着に突っ込んだ。
 「前2人のおかげです。根田君のスピードが良かったですよ。最後は突き抜ける感じはしなかったけど、一時期に比べたらまだマシです」
 根田マークの岡村潤は古性とからみながらも3着に食い込んだ。
 「根田君が強かったです。出切ってから横に古性君がいると思ったので、差して回っていないと浮かされるって思った。根田が強かったし、付いていけて良かった。体調は変わらないので、あとは付いていけるかどうかですよ」


<11R>

渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 稲毛健太を押さえて打鐘手前で飛び出した杉森輝大は、緩めることなく先行の腹を固める。関東勢を叩きに出た渡邉雄太だったが、瞬時の判断で中団取りに変更。4番手キープからのまくり追い込みで人気に応えた。
 「ジャンで行こうかと思ったけど、(杉森が)すごい踏んでいった。そしたら稲毛さんが(中団で)離れていたから、そこ(関東ライン)に突っ込んでいった。(4番手を取ってからは)稲毛さんが全然、後ろにいたから、まだ(仕掛けなくても)いいなって思ってた。(武田豊樹のブロックが最終)3コーナーでバシッと来ちゃうと止まるかなと。それで3コーナー過ぎあたりで並べればって。(脚の感じは)まぁ、良かった」
 渡邉晴智(写真)は、最終4コーナーから内に降りてゴール寸前のハンドル投げで2着に入った。
 「欲をかいちゃいました。(渡邉雄に)付いていきゃいいのに、中に入っていったのが…。(渡邉雄は)甥っ子のわりには、(仕掛けて)行くのが遅かった。ビックリした。あれが(最終)2コーナーで行っていればね。三上(佳孝)もダメだったし、結果オーライではないですね」



<12R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 前を任せた川口聖二が原田研太朗の突っ張りにあって出切れず。それでも浅井康太(写真)は2コーナーから自力に転じると鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「ハラケン(原田)が強かったですね。あそこまで突っ張るとは思わなかった。僕はあれ以上待ったらまくれないし、コーナーで香川(雄介)さんと重なってしまう。お客さんに温かい声援をもらって、それが頑張れる材料になってる。結果も出さないといけないって気持ちを持って準決勝も走りたいなと思う」
 ホームでうまく中部ラインにスイッチした堀内俊介がそのまま浅井のまくりに続いて2着に入った。
 「川口君が行くと思ってスイッチした。自分でまくりに行こうと思ったところで浅井さんが踏んだんで。そこまでにけっこう脚を使ってたので、もういっぱいでした。初日は感じが悪かったけど、少しずつ良くなってる感じはありますね」