『
一宮
競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:11月24日
本日から一宮競輪、開場56周年記念「毛織王冠争奪戦」が開幕した。明け方には雨が降ったものの、1Rの号砲を迎える頃にはすっかり青空が広がり、開催初日は好天に恵まれた。
今日のメインは、シリーズを引っ張るシード選手達による特選3個レース。明日の優秀競走「織姫賞」進出を賭け、激しい争いが繰り広げられた。
なお、本場では、ロイヤルルームを除く特別観覧席半額サービスをはじめ、競輪グッズ販売が四日間を通して行われています。また、明日25日には先着1,500名様に「携帯電話充電器」がプレゼントされる予定です。
<1R>
オープニングの1Rは、
旭啓介
が1着。舞うような一宮独特の強風を物ともせず、堂々と逃げ切り勝ちを収めた。
「前回の二日目から4.17にギアを変えました。普段ウエイトをやっている感じで踏んで、一周駆けてみようと思ってはいたけど、まさか逃げ切れるとは。あの風だったし、全く踏み切れていなかったんだけどね」
<3R>
玉木勝実選手
3Rは、10月に3場所完全VでS級に返り咲いた
玉木勝実(写真)
が、まくる村上卓茂に乗って直線追い込んだ。
「自分はあまり風が当たらないところを回っていたんでね。皆、条件は一緒だけど、風が強くて周回中ボディーブローのように効いてくるんだよね。そんな中を村上君が行ってくれた。彼のおかげだよ」
果敢に逃げた
瀬戸貴志
だが、あえなく7着に沈んでしまった。
「風がすごくて…。どこを回っても全部向かい風。流すところは流して、マイペースで行けたんだけど。とにかく、風がキツかった」
<4R>
4Rは、巻き返しに出た岡本英之に合わせて踏んだ
西村豊
が、番手の山崎俊光を振り切って逃げ切り勝ち。
「岡本君をうまく引き付けて駆けることができたし、ラインで決まってよかった。スタートで誘導を追った時に、ちょっと腰を痛めてしまった。今日は安静にしてます」
敗れた
岡村英之
は「簡単に合わされてしまいました。力不足です」とポツリ。
<5R>
5Rも、強風を切り裂いて果敢に先行した
小川将人
が逃げ切り勝ち。
「仕掛けのタイミングもバッチリだったし、会心のレースでしたね。風が強くてキツかったけど、地元の気合で頑張れました。地元で初戦ということもあり緊張したけど、(山田)圭二さんは自分以上に緊張してましたよ(笑)」
<6R>
松本一成選手
強風の条件下では先行有利でまくりは苦しいか。6Rも主導権を握った
松本一成(写真)
が逃げ切り1着。人気を集めた小橋秀幸―相原健樹の東北勢を沈めた。
「後ろの競りは気にせずに、自分のタイミングで仕掛けてうまくペースに持ち込めた。でも、風が強くて重たかったし、かかりも今ひとつでした」
小橋秀幸
は「松本さんが強かったし、車が全く出なかった。バックまで競りが続いていれば、それを目標にする形でまくっていけたんだけどね」と悔やむ。
松本の番手を巡っての競り合いは、
守田秀昭
が制して2着に流れ込んだ。
「3場所前からギアを上げてみたけど、今日は特に重たかったね。競り勝ったのは良かったけど、(前受けの)6番(梅沢)が粘ってきたら苦しかった」
<7R>
垣外中勝哉選手
小川将人に続き、
垣外中勝哉(7R・写真)
が地元で嬉しい1勝を挙げた。レースは佐藤朋也を突っ張って渡辺秀明が先行。もつれたところを八谷誠賢がまくり、垣外中がゴール前で八谷を捕らえた。
「もがき合う展開になって、八谷君の好きな展開になりましたね。前回落車してまだ首が痛いけど、地元の気合で走りました」
八谷誠賢
は「佐藤君がもっと踏んでいれば出切ったんだろうけど、渡辺(秀明)さんも結構踏んでいたから、踏み合いになって展開が向くと思った。調子ですか?後ろに地元が付いていたし必死だったから…」
「まさか渡辺(秀明)さんが先行するとは思っていなかった。 100%の力で踏んでいれば出切れたのに」と
佐藤朋也
が悔やむ。
逃げた
渡辺秀明
は「戦法を以前のスタイルに戻そうと思って。先行も頭の中にあったし、出られたら粘ろうと思っていました。体重が90㌔あるから、(スピードに)乗せるのがキツいね(笑)」
<9R>
金子真也選手
9Rは、後方八番手からまくった三宅達也に乗り、番手の
金子真也(写真)
が直線鋭く伸びて節目の200勝を遂げた。
「200勝ですか?忘れてました。あまり言わないで下さい、恥ずかしいから(笑)。200勝よりも、1着が取れたことの方がうれしい。考える前に体が反応しているし調子は良いですよ」
2着には逃げた外山三平に乗った
山口富生
が入った。
「外山がジャンから良い感じで踏んでいた。新田が外を踏んでいたから止められるかな?と思ったけど、3コーナーからもう一度外山が踏み直してまくらせなかった。強かったよ」
外々をまくり4コーナーでは更にふくれたものの、
三宅達也
が踏ん張って3着に食い込んだ。
「1、3着でもラインで優秀戦に上がれてよかった。前に突っ掛かったし、上りの3コーナーから行った割りには、よく最後まで持ちこたえられたね。八番手になってしまったけど、(前の)新田さんなり澤田さんが仕掛けるだろうから、その勢いを貰おうと思っていた。結果的に自分から仕掛けたけど、澤田さんに合わされるんじゃないかと不安だった」
<10R>
鈴木誠選手
10Rは、三番手から早めにまくった志智俊夫がそのまま押し切るかと思われたが、
鈴木誠(写真)
が番手の山内卓也をどかして差し返し、好気合を見せた。
「思い切って行ってくれた岡村(潤)君のおかげ。志智君が早めに来たから、ワンテンポ反応が遅れてしまった。でも、練習の成果は出ていると思う」
勝ちは逃したものの、変わらず動きが良い
志智俊夫
は「流れの中で(早めに)仕掛けただけ」と言いながらも、「2角の出口から向かい風が急だから、その前に仕掛けた」と冷静な判断力が明日の優秀戦の権利を導いた。
岡村潤
は「志智さんを7番手に置くのが理想だったし、後ろの展開が予想と違った。思いの外(志智の)巻き返しが早くて、気づいたときには横まで来ていた。慌てて踏んだけど間に合いませんでした」
<11R>
佐々木則幸選手
最終11Rは、矢口啓一郎に叩かれた高城信雄がインで粘ったところを佐々木則幸がひとまくりし、
小川圭二
がキッチリと差し切った。
「ノリは強いし、最後は思いっきり踏んだけど、まくりだしまさか抜けるとは思わなかった。車を外にはずしたときに風を受けて苦しかったね。あれを差したんだから調子は良いと思う」
佐々木則幸(写真)
は、レース後なかなか呼吸が整わない。
「まくりなのに、こんなに苦しかったのは初めてかも。400(バンク)なのに直線が長く感じたね。周回中は楽だったんだけど、風を受けてからキツかったし、4コーナーを立ち上がってすぐ、小川さんに抜かれると思った。今日苦しんだ分、明日は体が楽になるでしょう」
3着には
後閑信一
が滑り込んで明日の「織姫賞」に駒を進めた。「練習では(新フレームの)感じが良いんだけどね。これからセッティングの微調整をしてみます」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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