『岐阜競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:9月21日

 岐阜競輪場で開設70周年記念「長良川鵜飼カップ(GIII)」が、9月21日に幕を開けた。メインの初日特選は、番手まくりの浅井康太を金子貴志が交わして白星発進。また、一次予選では地元の山田諒と志智俊夫が1着で二次予選へコマを進めた。22日の2日目は、二次予選のAとBに分かれて準決勝進出が争われる。
 本場では、先着有料入場者1000名様に岐阜競輪場オリジナル「カニチップ」をプレゼント。クオカードが50名様に当たる「ラッキー7カード」も1000名様に配布します。さらに、山口幸二さんと後閑信一さんによるレース展望(3R・5R発売中)や、日本競輪選手会岐阜支部によるトークショー&イベントステージ(2R・4R発売中)も開催中の毎日、行われます。また、22日の2日目には、メイプル超合金による爆笑ミニライブ(7R・9R発売中)、岐阜信長公おもてなし集団による響緑パフォーマンス(6R発売中)も予定されています。ぜひ、岐阜競輪場でお楽しみください。

<1R>

湊聖二選手
湊聖二選手
 打鐘でハナに立った堀内昇を、最終ホームで取鳥雄吾が叩いて主導権を奪取。4番手まで追い上げた小林史也は2コーナーからまくり出すが、湊聖二(写真)の横で失速する。絶好の展開が向いた湊は、直線で鋭く抜け出してオープニングレースを制した。
 「自分に余裕がなくて(取鳥)雄吾を残せなかったですね。畑段(嵐士)が見えたんで、怖くて踏んでしまった部分もある。ただ、雄吾もいつものカカリじゃなかったね。オレが差せないくらいが本来の力だし、最後はタレてましたね」
 湊マークの大崎飛雄馬が2着に続いた。
 「前の2人でワンツーで、自分は3着争いかなと思ったんだけど、(取鳥)雄吾が思った以上にタレたんですかね。(自分の状態は)分からん。自分は付いていくことに集中していたんで」


<2R>

 打鐘過ぎ4コーナーで堀内俊介に叩かれた吉田茂生が番手に飛び付くと、北日本勢にとっては最高の流れに。1コーナーから仕掛けた佐藤雅春が抵抗する堀内に並びかけると、続いた伊藤勝太が直線鋭く突き抜けた。
 「雅春さんが1コーナーから行ってくれたおかげです。ダッシュが良かったから行き切ると思っていたけど、3コーナーで合わされそうな雰囲気だったので見ながらでしたね。2センターでアタマ取れるのはわかったけど、後ろの五日市(誠)さんが内を踏むなら空けて、外ならそのまま踏もうと。踏み出し以外は余裕がありました」
 2着には五日市誠。堀内との踏み合いにゴール前で決着をつけた佐藤雅春が3着に入って北日本勢が確定板を独占した。
 「自分の出脚も良かったけど、前がもつれてくれたのが大きい。きつかったけど、ここしかないっていうところで仕掛けられているので」

<3R>

 赤板の1センターから動いた蕗澤鴻太郎が、山本直を一気に叩いて先制。単騎の磯田旭が3番手に続き、4番手以降を大きく突き放して逃げる。最終ホーム7番手から高久保雄介がようやく巻き返しに出るが、磯田がバックから先まくりを放つ。2センター過ぎで蕗澤をとらえると、そのまま迫る後続を振り切って白星スタートを切った。
 「キツかったです。余裕はなかったですけど、良い位置を取れたのが大きいです」
 最終バックで近畿コンビの後ろに切り替えた桑原大志は、直線で磯田と岡田の間のコースを踏んで3着に入った。
 「ジャン過ぎくらいにハイピッチやなと思ったら、(蕗澤が)もうかけてました。キツかったですね。3コーナーで(稲川)翔君より先に外かなって思ったけど、ブロックもありそうだったし、ひるみました」


<4R>

関貴之選手
関貴之選手
 前受けの長島大介を押さえてハナに立った保科千春を、永井清史が打鐘の3コーナーで叩いて主導権を握る。7番手になった長島は最終ホームから反撃に出るが、永井のカカリが良く、車はなかなか出ない。芦澤大輔は長島が不発と見るや、内のコースを踏んで直線へ。最後は芦澤の後ろから関貴之(写真)が伸びて白星を挙げた。
 「長島君が浮いてしまったので、芦澤さんにしっかり付いていこうと。抜けると思って踏んでいないんですけど、思った以上に伸びてくれましたね。いろんな人に練習方法を聞いたり、セッティングをいろいろ変えて、最近はリズムが合ってきました」
 目標の長島大介が力尽きるも、芦澤大輔は自ら踏み上げて2着に入った。
 「脚に余裕はあったんですけど、少し焦ってしまいました。もっとスーっと車が出るイメージはあったんですけど、出はイマイチでしたね」


<5R>

 赤板の1センターから早坂秀悟が踏み上げると、合わせて踏んだ佐藤龍二が飛びついて1センターで番手を奪う。8番手に下げた伊藤信は1センターからのまくり。好回転で佐藤のけん制を乗り越えると、三谷将太とワンツーを決めた。
 「前がもつれたのが大きいですね。正直、前回から中3日で疲れが残っています。でも佐藤君のブロックを見ながら届かないだろうと思って踏めたし、余裕はありましたね」
 早坂の番手を奪い伊藤を張りながら抜け出した佐藤龍二は3着で一次予選を突破した。
 「(飛び付いたのは)スタートの位置取りと流れですね。でも飛び付きますよって感じで踏んでも(早坂)秀悟さんは降りてこないだろうと、ちゃんと切らないとって思わせるように踏みました。あれで伊藤さんが来れば秀悟さんをしゃくって3番手を取ろうと思っていました。あれだけ踏んで3着なら悪くないでしょう」


<6R>

山田諒選手
山田諒選手
 野田源一、磯島康祐の順で前を押さえた上を、山田諒(写真)が叩いて先制。中部ライン3番手の舛井幹雄は踏み出しで離れてしまい、磯島が3番手。野田は5番手で最終回へ入る。ハイスピードで逃げる山田に、野田がバックから反撃開始。好回転で前団に迫るも、山田が最後まで粘り強く踏み切って、地元記念で白星発進を決めた。
 「タイミング良く行けましたね。切ったら全開で行こうと決めていました。(前回の)富山記念で浅井(康太)さんを付けて、失敗しているんで、それだけはしっかりやろうと思っていました。正直、4コーナーでヘロヘロだったんですけど、お客さんの声援が聞こえて頑張れました。最後は少しタレたので、明日(二次予選A)はそこを意識して走ります」
 バックまくりで山田に迫った野田源一が2着でゴールした。
 「前を切る時に、ある程度スピードを乗せたけど、磯島君が来たんで後方になってしまいました。前(山田)を抜く余裕はなかったけど、道中はそんなにキツくなかったので、状態は良いと思います」


<7R>

 赤板手前から森山智徳が上昇し、前受けの根田空史を押さえる。根田は3番手まで下げるが、追い上げてきた門田凌と併走状態で打鐘を迎える。外併走の門田は2センター手前から踏み上げようとするが、森山もペースを上げて最終回へ。合わされた門田は3番手に降りて、下げた根田はバックから反撃開始。直線で一気に前団を飲み込んで白星を挙げた。
 「車の出が悪かったですね。3番手かなとは思っていたので、簡単には引かないで(普段と)違うところを見せようと。ただ今日(初日)はキツいレースでした。体調は前回(福井FI)よりも良かったですね」
 伊勢崎彰大が根田にしっかりと続き、千葉ワンツーを決めた。
 「根田がよく行ってくれたね。途中で負けパターンに入ったかなと思ったけど(笑)。ちょっと脚が違いましたね。最後まで付いていって良かったです。自分は余裕もあったし感じは良かったですよ」


<8R>

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 中団から先に切った伊原克彦を赤板2コーナーで林慶次郎が叩いて主導権。打鐘2センターから小松崎大地も巻き返すが、林のかかりと田中誠のけん制でスピードが鈍る。小松崎マークの佐々木雄一(写真)はバックから自力に転じて激戦を制した。
 「(小松崎は)ダッシュは良かったけど、コーナーの下りで伸びていく感じがなかったし、田中君に持ってこられて完全に止まったと思った。後ろに(高橋)雅之もいたし、あのまま待って伊原君にまくられてもつまらないでしょ。だから踏むしかないと思った。難しい判断でしたけど、仕方ないのかな」
 伊原が2コーナーから内に詰まると、番手の筒井裕哉はバックで自ら踏み上げて2着に食い込んだ。
 「小松崎君の巻き返しが早くて(伊原)カツも焦ってましたね。(伊原が)あそこからまくれる感じなら良かったけど、内に差し込んでいたし仕方ない。佐野(梅一)さんも連れ込めたし判断は良かったと思う」


<9R>

石毛克幸選手
石毛克幸選手
 8番手の徳永哲人が赤板の1センターから中団の廣田敦士ラインをすくって4番手まで上がる。前受けの野口裕史は打鐘から一気に踏み上げて、別線に何もさせずに最終回へ。その後も野口が快調に逃げて、そのまま力強く押し切った。
 「誰も来ないから、周回を間違えているのかと思いました(笑)。ジャンでも誰も来ないから、もう突っ張ろうと思って。今日(初日)は先行がみんな潰れていたんで、どうかなって思ったんですけど、僕は逆に踏めましたね。疲れもないし、感じも良かったです」
 野口マークの石毛克幸(写真)が2着。千葉ワンツーが決まった。
 「(別線が)赤板で来るかと思ったけど、来なかったから(野口が)行っちゃいましたね。自分はバックくらいで脚がいっぱいでした。最近、外国人選手の後ろに付くレースが多いっていうのもあって、なんとか付いて行けました」


<10R>

 赤板過ぎに大関祐也が先行態勢に入ると、中団は石塚輪太郎、八谷誠賢で併走に。打鐘過ぎ4コーナーで外の八谷をさばいた石塚は2コーナーまくり。張りながら番手から出てくる山田幸司をあっさり飲み込むと、続いた志智俊夫がゴール前で逆転した。
 「石塚(輪太郎)がいいレースをしてくれた。自分はしっかり付いていって、最後は交わせているし1着で良かった。セッティングもバッチリだし体の状態もいいですね。(地元勢)みんなで勝ち上がって地元を盛り上げたいですね」
 差されはしたが、しっかり位置を取ってまくった石塚輪太郎の動きも悪くなかった。
 「すんなり引いてしまうと7番手になってしまうし、位置にはこだわりました。自分的には会心のまくりだったんですけど、やっぱり差されてしまいましたね。志智(俊夫)さんが強かったです。ただ前回(共同通信社杯)から引き続き調子はいいですね。先行屋にとっては(二次予選)Aに上がれるのは大きい」


<11R>

中村一将選手
中村一将選手
 赤板過ぎに月森亮輔が切った上を藤井昭吾が叩いて打鐘から先制。7番手まで下げた鈴木竜士は最終ホーム手前から巻き返しを狙ったが、月森に中団から合わせて踏まれてスピードが鈍る。藤井をリードしつつ後ろの状況を確認した中村一将(写真)が最終バックから番手まくりに出て、約4カ月ぶりの勝利を手にした。
 「(名古屋の落車で鎖骨を骨折してから状態的に)苦しい状況ですけど藤井君が頑張ってくれました。自分がヨコに振れればいいんでしょうけど、できないので踏ませてもらいました。まだまだ苦しい状況は変わらず続くと思いますけど、精一杯モガいていきたい」
 別線の包囲網に苦しめられた鈴木竜士は外々を踏み続けるも3着に入るので精一杯であった。
 「前受けから突っ張るか正直、迷いましたけど引いて行けるタイミングから巻き返そうと。体が重かったですね。前回(共同通信社杯)の疲れは残っていないけど、もうひと山乗り越える脚がなかったですね」


<12R>

金子貴志選手
金子貴志選手
 前受けの山崎賢人を押さえて赤板の1コーナー手前でハナに立った竹内雄作が、打鐘前からピッチを上げて逃げる。最終1センター6番手から岩本俊介が反撃に出るが、4番手の南修二も合わせてタテに踏み込む。しかし、浅井康太がバックから番手まくりを放ち、最後は中部ライン3番手の金子貴志(写真)が鋭く伸びて初日特選を制した。
 「一瞬、詰まった感じがあったけど、浅井が仕掛けたので、そのまま付いて行きました。(最終2センターで南をすくった)武田(豊樹)さんが見えたので、浅井がどう踏んでもいいように、3番手のレースをしました。(竹内)雄作と浅井のお陰です。流れが良いですね」
 番手まくりの浅井康太が2着でゴールした。
 「(竹内)雄作のスピードが3コーナーくらいで落ちたので、雄作には悪いけど踏ませてもらいました。太田(竜馬)君も、山崎君もいるんで、止まったら絶対に来るし、その前に仕掛けないとって思ったので」
 レースを支配した竹内雄作は8着に沈んだが、2日目以降につながるレースをした。
 「みんなスピードがあるから緩んだら叩かれるんで、あれくらい踏んどかないとって思いました。でも、このクラスで戦ったのが久々で、ちょっと焦って踏み過ぎましたね。最低限レースは作れたし、力も入るようになっているんで修正しながら頑張りたいです」