『岐阜競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:9月3日
 岐阜競輪場で開設76周年記念「長良川鵜飼カップ」(GIII)が9月4日に開幕する。メンバーの大幅な入れ替えがあってS班は犬伏湧也、清水裕友の2人だけになってしまったが、菅田壱道、坂井洋、松井宏佑、嘉永泰斗ら全国の強豪が集結。ファンに絶大な人気を誇る佐藤慎太郎も追加で参戦する。迎え撃つ地元勢は志田龍生を軸に結束。まだまだ残暑厳しい中で行なわれる熱戦に注目だ。
 記念シリーズは開催中の毎日、山口幸二さんと後閑信一さんによる予想会が実施されるほか、先着1000名様に「グリコPRETZ」をプレゼント、選手会岐阜支部によるステージイベント、キッチンカーによる「FOODフェスティバル」が予定されています。また、4日には、JRAジョッキーの岩田康誠さん、高田潤さんのトークショーもあります。岐阜競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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木村佑来選手
木村佑来選手
 木村佑来(写真)は、前回の松戸記念を3、3着で勝ち上がってグレードレースで初めての準決勝進出。半年間のA級戦で力を付けて、S級に上がってきた。今回の初日は、1レース1番車に推されて、周囲からの評価も高まっている。
 「(前回は)連日しっかり自力で動けたと思います。準決まで行けたし、あのクラスの選手と一緒に走れることはないんで、良い刺激になりましたね。あとは、脚力を上げていけば、(上位とも)いい勝負ができるかなって感じました。1レース1番車は初めてだと思う。同期の窪木(一茂)さんに任せてもらえたんで、迷惑をかけないように頑張りたい」
 今年は落車禍で苦しんだ林大悟だが、地元の小倉GIIIで復帰すると大活躍。決勝では慶次郎との兄弟連係から、ラインの柳詰正宏のVに貢献した。その後もFI戦は2場所続けて優出し、前回の8月岸和田FIは、先行で準Vと、好調をキープしている。
 「短期間で2回も落車して、レースを走ってなかったのが逆に良い方向に出たのかもしれません。やっぱり、小倉記念(GIII)に向けて、兄弟3人でめっちゃ練習して仕上げていたので、それが今の結果にもつながっていると思う。あの(小倉GIII決勝の)レースは良い経験になったし、今の良い流れを切らさないように頑張っていきたいです」


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 立て続けに落車してなかなか調子が整わなかった伊藤颯馬だが、ここに来て徐々に本来の姿を取り戻しつつある。西武園記念から中2日での追加配分と、タフな日程ではあるが、初日は力の違いを見せつけたい。
 「(中2日で)疲れはあるけど、問題ないと思います。背中の痛みがまだあるんですけど、最近は踏めている感じが出てきた。親王牌には出られないんですけど、来年の全日本選抜の権利を取れるように今は頑張っています。でも、今は上げていくだけなんで、一戦一戦ですね」
 地元のトップバッターは横関裕樹。前々回の富山記念は2、9、1、9着と、好走と大敗と隣り合わせの結果だったが、そこからはゆとりある配分に恵まれて、地元記念に向けて練習は十分だ。
 「前回からは中4日なんですけど、その前がかなり空いていた。その期間で、ここに向けてめっちゃ練習してました。ただ、前回があんまり良くなかったんで、デキに関しては走ってみてですかね」


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 酒井雄多は、7月弥彦FIから前回の8月岸和田FIまでの3場所で、5勝の固め打ち。特に、前回は連勝で勝ち上がると、新田祐大の優勝に大きく貢献する先行を見せており、シリーズを通して存在感を放っていた。
 「(前回は)オールスターの裏開催っていうのもあったけど、しっかり動けてはいました。自分でもびっくりするくらいの感じで自転車が出ていたので、仕上がっていましたね。ここ2年ぐらい落車してないっていうのが大きくて、調子は上がっています。記念の方でも、目立てるようにしたいですね。やっぱり、9車立てで立ち遅れると後方になっちゃうんで、詰まったら行くっていうのは、7車立ての時以上に意識したいですね」
 伊藤信は、今期に入って絶好調。7月防府FI、同月奈良FIで連続Vを飾ると、直前の8月大宮FIは、決勝で単騎カマシに出て準V。好調をキープしたまま、今節に挑む。
 「今は年間で2回ピークを持っていけるようにコーチをつけてやっている。その成果も出て、まだまだ伸びているっていう感じがありますね。岐阜は走りづらいイメージはない」


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 纐纈洸翔は、点数を落としてしまっている現状だが、そろそろ巻き返しといきたいところ。戦法の幅を広げながら、復調を狙う。
 「オールスターは自力をあんまり出せなかったし、大敗も多かったんで良くなかった。次の宇都宮も結果は良くなかったけど、体自体は動けていたんで、オールスターの時よりは良い感じでした。基本的に自力だけど、徐々に戦法も変えていきたいし、レースの中でなんでもできるように、(コメントは)自力自在です」
 このレースでの競走得点トップは河村雅章。8月前橋FIを欠場して、競走が1カ月空いての復帰戦だ。
 「前回は家事都合で休んだんで、体は全く問題ないです。間にピスト6も走ってますし、レース勘の部分でも問題ない。ただ、ちょっと初日はメンバーがきついですね。激戦になりそうだし、踏み遅れたりっていうのがないようにしたい」


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道場晃規選手
道場晃規選手
 道場晃規(写真)は、今年はここまで全てのGIに出場し、徐々に戦うステージを押し上げている。未勝利に終わったオールスターでも、収穫はあったようだ。
 「GIに出て脚力差を感じた。課題も見つかったし、脚力を上げていかないと。自分が得意なのはまくりだけど、それを生かすためにも先行していかないといけないとって思っています。前回の宇都宮は500バンクっていうこともあって苦手でしたけど、体調自体は今も問題ない」
 島川将貴は、前回の松戸記念から中1週間で今節を迎える。初日は、師匠の室井健一と同乗になり、自然と気持ちがたかぶる。
 「松戸は、乗り方とかを試行錯誤してやってたし、帰ってからもそこを意識して練習をやってきたんですけど、(状態は)あんまり変わってない気がします。人に聞いたり、自分で考えたり、いろんな意見をミックスして考えてやってるんですけどね。(初日は)師匠と一緒なんで、頑張らんとですね。一緒に走るのはかなり久々ですけど、一緒の時はほぼ良い結果だと思う。誰が付くかで気持ちが変わることはないんですけど、自然と気持ちが入りますね」


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 栗山和樹は、推薦で選出されたオールスターでGIデビュー。結果こそ振るわなかったが、トップレベルを肌で感じて、経験を積んできた。
 「(オールスターはGI初出場で)力が足りないと思ったけど、いい経験になった。(6日制で)長かったですね。オールスターからはだいぶ空いたので、鎖骨のワイヤーを抜いてきた。練習の感じは悪くなかったです。今はできれば先行したいと思っています。今回は地元記念で走り慣れているバンク。決勝進出を目標にしていきたい」
 栗山マークは川口公太朗。前回の岸和田FIは、胃腸炎で欠場したが、大事な地元記念には気合で出場する。
 「(前回は欠場したが)地元記念には出たかったし、頑張れると思ったので来ました。練習はそれなりにできたし、精一杯気持ちを入れて頑張りたい。あとは展開ですね」


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 西田優大は、小松島記念を制して一躍名前を轟かせた。GI初出場だったオールスターでも、連日アグレッシブに攻めた。
 「オールスターは、一走目で負けちゃったのが駄目だったんですけど、2日目からは自分のやりたいレースができたと思います。次のGIでは勝ち上がれるように。終わってからずっと練習してたけど、練習中のトラブルがあって自転車が壊れた。ケガとかは大丈夫なんですけど、新車なので走ってみてですね」
 今期未勝利の福永大智は、復調のきっかけをつかもうと試行錯誤の真っただ中にある。前検日も丁寧に自転車を整備して、初日の競走に備えていた。
 「体は大丈夫だけど、自転車と噛み合っていない。セッティングをいじったりして迷走している。落車とかもあって自転車がつぶれちゃったりして、まだ新車も届いていないので。そのなかでも毎回、何かつかめるものはある。寺崎(浩平)さんは頑張ってきて、GIを獲ったし、自分も頑張りたいですね」


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村田祐樹選手
村田祐樹選手
 村田祐樹(写真)は、前々回の地元記念が途中欠場で終わってしまい、そこから立て直したいところ。昨年は決勝3着と、相性の良い当大会で勢いに乗りたい。
 「ここ1、2カ月は調子が落ちちゃってましたね。腰痛があったり、全体的に疲れがたまってました。セッティングも噛み合ってない感じがあった。オールスターが終わってから、セッティングをいろいろ変えながら練習してきたんで、走ってみてですね。岐阜は去年の記念が良かったけど、FIで飛んだこともあるんで、なんとも言えないです」
 村田の番手は、川口聖二。前回の松戸記念は、まさかの一次予選敗退を喫して、そのまま未勝利に終わってしまったが、地元記念では変わり身に期待できる。
 「岐阜が開催中で使えなかったんで、名古屋で練習してました。そしたら、疋田敏さんがいて、セッティングを見てもらえたんですよ。松戸の時よりも、かなり良くなった気がしますね。昨日(前検日前日)は岐阜にも入れたし、バンクの感じも確かめられました。村田君には、去年の岐阜記念で離れているんで、集中して付けたいですね」


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青野将大選手
青野将大選手
 青野将大(写真)は、オールスター、松戸記念と、連戦が続くが、状態面の不安はない様子。初日は格上の機動型として、意地を見せたい。
 「開催が続いても、疲れは気にならないですね。(あっ旋が)詰まってると練習不足になりがちですけど、今回は普通に練習できたので。川崎が開催中で使えなかったので、平塚に行って練習してました。いつもの川崎のメンバーと、松井(宏佑)さんとかと練習できて、充実してました。岐阜記念は去年、師匠と(小原太樹)決勝に乗っているけど、僕はバンクの相性とかはないんで」
 福田稔希は、8月名古屋FIIで9連勝目を決めて、S級に特進。追加を受けて、ここが初めてのS級戦だ。
 「緊張感はあんまりないですね。A級に上がった時の方が緊張しました。普段お世話になっている栃木の先輩もいるんで、心強いです。長島(大介)さんは、僕がデビューしてからずっとお世話になっているし、いきなり前で頑張れることになったので力を出し切りたい。とにかく先行して、名前を売りたいですね」


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志田龍星選手
志田龍星選手
 地元の志田龍星(写真)は、富山記念で落車して、オールスターで復帰。幸いにも骨折などの大ケガにはならなかったが、本調子とはいかなかったようだ。ただ、その後はしっかりと練習できたようで、地元記念への準備はできた。
 「(オールスターは)全然もがけていなかったですね。ケガは擦過傷だけだったんですけど、いざレースってなると全然駄目だった。終わってから、同期の堀江省吾と、長野の美鈴湖に行って一緒に練習してきました。めちゃくちゃ涼しくて、やりやすかったですね。本格的な練習をだいぶやれました。前回よりは良くなっていると思います」
 一時の勢いこそない坂田康季だが、秘めるポテンシャルは高くこの先が楽しみな選手。目先の結果だけを追い求めず、今は先を見据えたトレーニングに励んでいる。
 「調子は良くも悪くもないと思います。もう、最近は開催に合わせて調整していないんで、ある程度は仕方ないのかな。かなり練習を詰め込んでいて、半年先とかを見据えてやっています。疲れがあるのはしょうがないし、そのなかでどう戦うかですね」


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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 松井宏佑(写真)は、直近4カ月で112点以上の点数を持ちながら、今節は予選回り。ここでは負けられない立場だ。
 「記念の一次予選はいつ以来か分からないくらい久しぶりですね。でも、初日特選を走る時も緊張感を持って走っているし、気持ちの面は変わらないです。川崎が終わってから胃腸炎っぽくなって、練習は軽めに1日だけしかできなかった。でも、配分が詰まってるし、そんなにきつい練習をするつもりもなかったんで大丈夫だと思う。前回から新車にして、重いフレームにしたので、流れのない7車立てだとあまり良くなかった。9車の流れのある競輪なら合うかもと思うけど、走ってみてですね。違うフレームも持ってきたので、良くなかったら開催中に変えるかもしれないです」
 上杉嘉槻は、8月京王閣FI、同月名古屋FIと、FI戦で続けて優出。練習環境の変化もあり、本格的に調子が上がってきている。
 「7月くらいは調子が悪かったし、取りこぼしも多くて点数が上がらなかった。ずっと落車してないっていうのもあって、8月に入って調子も上がってきましたね。最近は、練習環境を変えて、今回も一緒の高田修汰とかと練習しています。自分で考えながらやっているし、それが身になっているのかなと思う」


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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 犬伏湧也(写真)は、オールスターから、共同通信社杯まであっ旋がなく、今回は追加配分。中16日とゆとりのある日程だけに、問題はないだろう。
 「オールスターは単騎戦もあったりして微妙な感じだった。準決勝とかも噛み合わない感じだったんで。でも、そのなかでまだ自力が甘いなと。組み立ても大事だと思った。今回は練習をやってこれたし、S班は2人だけなので頑張りたい」
 オールスターで復調のきっかけをつかんだ嘉永泰斗は、次の川崎FIを完全V。明らかに好調時の動きを取り戻している。
 「函館では結構良い感じに状態は戻っていました。でも、前回はオールスターの疲れが残ってたのもあるし、そこまで状態は良くなかった。中3日ですけど、疲れは抜けてきたし、川崎に比べれば調子は良いです」
 菅田壱道は、オールスターの勝ち上がりこそ二次予選Bまでだったが、結果的にシリーズ2勝を挙げて4度の確定板入り。サマーナイトでの落車の影響もなく、好調そのものだ。
 「(オールスターは)二次予選で負けたのが悔しいですね。それでも、最終日優秀を走れたし、運はまだ残っているかな。脚自体も良かった。2週間空いてて、追加が欲しくて走れる準備はしていました。今回から新車。寸法とかは前のと変わらないけど、前に乗っていたフレームは何回かこけているし、新車の方が良いと思う」