『岐阜競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月5日

 岐阜競輪場で開催の開設76周年記念「長良川鵜飼カップ(GIII)」は9月5日に2日目が行なわれた。台風通過に伴い各地で大荒れの天気となったが、幸いにも岐阜は晴天。二次予選はS班の清水裕友、犬伏湧也ら実力者が順当に勝ち上がっていって、10レースでは川口聖二、横関裕樹、志田龍星で地元ワンツースリーが決まった。6日にはファイナリスト9名を決する準決が実施される。
 記念シリーズは開催中の毎日、山口幸二さんと後閑信一さんによる予想会が実施されるほか、先着1000名様に「グリコPRETZ」をプレゼント、選手会岐阜支部によるステージイベント、キッチンカーによる「FOODフェスティバル」が予定されています。また、9月6日のシリーズ3日目には、「ママタルト」のお笑いライブ、寺澤百花さん、三川華月さんによるリンカイ!声優トークショー、FC岐阜GGGのチアダンスステージもあります。岐阜競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

晝田宗一郎選手
晝田宗一郎選手
 周回中に5番手の林大悟が、中団先切りを狙って上昇。前受けの菅田壱道は赤板で抵抗せずに下げて、林が切った上を棚瀬義大が2コーナー過ぎに押さえる。中近勢3車がすんなり出切って、林が4番手。菅田は6番手で、晝田宗一郎(写真)は8番手で最終周回に入る。栗山和樹が前と車間を切り、林や、菅田はなかなか仕掛けられない。晝田は、2コーナー過ぎから持ち出して、仕掛けをちゅうちょしている別線をどんどんのみ込んでいく。けん制した栗山に並ぶ間もなく、2センターではまくり切って、後ろに1車身半の差を付けて快勝した。
 「車番が悪かったんで、出てみてでした。真ん中らへんの位置が取れればと思ってたけど、気付いたら後ろになってました。とりあえず持ち出してみたら、前が良い感じに車間を切ってくれててスピードに乗った。どこかで降りようかとも考えたんですけど。過去一悪いぐらいの調子で来たんですけど、練習できていないのが逆に良かったのかもしれない」
 林に先切りされた菅田壱道は、勝負所で6番手。前に警戒されて仕掛けのタイミングを逃したが、一車でまくってきた晝田を追いかけるようにまくって2着に入った。
 「後ろ攻め以外で、前の方からで考えてました。栗山君が車間を空けてて、林君も空けていて、番手まくりか、中団まくりに行くのかと思って、見過ぎてしまったのが反省点。晝田君が、逆に腹をくくりやすい展開だった。晝田君が見えて、すかさず踏んだけど合わせ切れなくて、スイッチして最低限(渡部幸訓と)2、3着だった。(新車は)寸法も変わってないし、変えたところは車輪ぐらい。それも乗り味は変わってないです」


<7R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 久保田泰弘が周回中に追い上げて、3、4番手は、外に中国勢、内に栃木勢で併走となる。前受けの村田祐樹は、中団の併走を確認しつつ、赤板過ぎに自ら誘導を降ろす。久保田は、1コーナーからさらに追い上げて、今度は志智俊夫と併走。激しい競り合いの末に、4コーナーで踏み勝った志智が番手を死守する。隊列が短くなった6番手の坂井洋(写真)は、併走の決着がついた最終ホームから持ち出す。じわじわと位置を上げた坂井は、大洞翔平のブロックを受けながらも、バックからさらに加速。村田の番手から抜け出す志智をゴール前でとらえて、1着をつかんだ。
 「(久保田が)スタートも出ていなかったし、(追い上げられたが)入れるわけにはいかなかった。脚は回せている感じがあって、志智さんが持ってくるだろうという想定もできていた。でもここ(打鐘4コーナー)で行かないとダメでしたね。(福田滉と)ワンツーを決めたかった。昨日(初日)はフワフワした感じだったけど、今日は昨日より全然いい。(自転車は)またいじってみます」
 佐藤博紀は、8番手でジッと脚をためて戦況を見極める。栃木勢を追いかけて勢いをもらい、2センターから外を伸びて2着に突っ込んだ。
 「(久保田が)坂井の所にいたし、自分は後ろで見ながら余裕を持ってと。あの展開なら村田も駆けるだろうし、あとは久保田の動きを見てと。調子はそんなに(良くない)って感じですね。短い距離でやっとって感じです。何とか2着に届いた感じなので。もっと早く行けば(窪木一茂と)2人で決まったかもしれない」


<8R>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 後ろ攻めから平尾一晃が押さえに動くと、前受けの西田優大は赤板過ぎに突っ張って主導権を渡さない。平尾は後方に下がって、福永大智は6番手で動かず、松井宏佑(写真)は労せずして3番手を確保する。西田は後ろの様子を気にしながらペースに入れて、打鐘はスローな流れで通過。後ろの動きがないとみるや、松井は4コーナーから一気に踏み上げる。西田は合わせてペースを上げるが、松井が最終ホーム過ぎに叩き切る。だが、杉森輝大は松井に離れ気味で、飛び付いた西田が番手を取り切る。単騎逃げとなった松井は、流さず踏んで最終バックを先頭で駆ける。最後は西田が番手から迫ったが、松井が末良く踏み直して逃げ切った。
 「西田君が前を取ると思わなかったけど、誰かが前を取りにきたらその後ろからと思ってた。でも、(並びは)意外でした。西田君が(突っ張ってから)流していたし、他に動きもなかったんで、積極的に仕掛けたんですけど、ラインの2人を連れ込めなくて反省しています。(体調が)不安だったけど、昨日(初日)より良かった。自転車も戻したんで、満足はしていないけど、良い感覚ではありました」
 杉森をさばいた西田優大が2着。前々戦で勝ち上がりを決めた。
 「前から突っ張れば、松井さんに誰かかぶせてくれるかなと思ったんですけど。そうならなくて、どうしようって思った。松井さんなら、3番手からでもカマしてくると思って、自分なりにペースを作ってたんですけど、合わせ切れなかった。たまたま(杉森とスピードが)合って、飛び付けたけど、今後はうまくいかないだろうし、(松井を)合わせられるようにしたい。体調は良いけど、自転車がイマイチ。乗った時の感覚が合ってない気がするし、いじってもこれ以上は良くならないと思う」


<9R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 前受けの稲毛健太が早めに車を下げて、後ろ攻めから上昇した嘉永泰斗(写真)は、赤板手前で誘導後位に収まる。纐纈洸翔が1コーナーで嘉永を切り、2コーナー過ぎに酒井雄多が押さえる。稲毛は8番手で動かず、6番手の嘉永は打鐘過ぎに持ち出す。嘉永は、纐纈が庄子信弘をさばいたあおりを受けて2センターで外をう回してしまうが、4番手の小嶋敬二をキメてリカバリー。態勢を立て直した嘉永は、最終2コーナーからまくり上げる。逃げる酒井を2センターでまくり切って、連勝のゴールを駆け抜けた。
 「(初手は)車番も悪いし、後ろからは想定していた。結構、ジャンで緩んでいたので行ったんですけど、前も駆けたので4番手に入りました。踏んだ感じも(前団を)とらえれるだろうなと。余裕はあったけど、ちょっと踏み直しはイマイチでした」
 園田匠が、呼吸を合わせて嘉永をマークした。
 「(嘉永が目標で)安心して付いていたし、自分は連係を外さないようにと。あとは纐纈のスイッチと(佐藤)慎太郎さんが持ってくるのを(対応して)と。それに対処できる余裕はありました。(嘉永)泰斗はゴール前まで伸びていった。自分はやるべきことをやれました。仕上がりも問題ない」


<10R>

川口聖二選手
川口聖二選手
 伊藤颯馬が、磯島康祐を赤板過ぎに突っ張る。内に降りた佐藤一伸が九州勢後位を確保し、周回中に3番手の志田龍星は、一旦7番手に下げ切る。伊藤信が中団から内に切り込み九州勢をすくったことで隊列がもつれ、志田は打鐘手前から踏み上げる。4コーナーの下りで加速した志田は、伊藤颯を最終ホームで叩き、1センターでは地元ライン3車がきれいに出切る。4番手以降は車間が空いて、3車の争いに絞られる。4コーナーから追い込んだ川口聖二(写真)が、最後は余裕を持って志田を交わした。
 「志田君にはこれまでも1着を取らせてもらっているし、好きなように走ってもらうだけでした。長い距離を行ってくれて、最後は苦しそうだった。もう、僕は志田の後輪しか見てなくて、状況は正直よく分かってなかった。抜群のタイミングで仕掛けてくれたなって感じです。1着を取らなきゃって思ったけど、早めに踏んじゃったのが申し訳ない。(連勝は)去年(の岐阜記念)と同じ流れなので、気を引き締めたい。まだ喜べないですね」
 横関裕樹は、ライン3番手でも志田の加速にしっかりと対応。川口に続く形で2着に入った。
 「付いていくだけと思ってたけど、赤板過ぎくらいからゴチャ付いて、前がどうなっているかは分からなかった。休みつつ行くのかなと思ったら、すごい勢いで加速していったんで、かなりきつかった。絡まれる以外で離れるのはって思ってたんで、付いて行けてよかった。最後は後ろもいないのが分かったし、外を踏んだ。感じ自体は良いけど、ただただ前が強かっただけですね」


<11R>

青野将大選手
青野将大選手
 前受けの木村佑来が、坂田康季を赤板過ぎに突っ張る。坂田の上を仕掛けて青野将大(写真)がカマシに行くが、木村はこれも突っ張って踏み上げる。だが、内藤宣彦が踏み遅れてしまい、青野が木村の番手にハマる。清水裕友は6番手で最終周回に入る。青野は、別線の仕掛けが来る前に2コーナーから番手まくり。清水もまくりで反撃するが、前は遠く、青野がそのまま押し切った。
 「細切れだったので、スタートはどうなるのかと。緩んだ所を行こうと思ったけど木村君(のダッシュ)がすごかった。(木村の後ろで)間が空いていたので入っちゃった。せっかくいい位置を取れたので、被る前に早めに行こうと思った。自転車と体の感じは問題ないし、あとは気持ちを入れて走りたい」
 最終2コーナーからまくりを打った清水裕友は、内藤秀久のけん制をしのいで2着。
 「誰が前でも自分が突っ張られる展開はおもろくないなと。青野君が(木村の)番手に入って4番(菅原裕太)と、5番(内藤宣)がちょこちょこやっていたので、それを見ながらだった。(仕掛けてからは)もうちょい初速が欲しかったし、(スピードの)乗りがあまり良くない。何とか我慢はできたし、調子は悪くないんだけど。今回は練習で使っているフレームを持ってきた。重い感じなので、これで踏み切れればって感じなんですけど」


<12R>

道場晃規選手
道場晃規選手
 7番手から道場晃規(写真)が上昇すると、前受けの貴志修己が赤板過ぎに突っ張る。道場が下がると、今度は犬伏湧也が上昇。だが、貴志は犬伏も出させまいと踏み上げる。犬伏も緩めず打鐘では踏み合いになる。最終的には犬伏が踏み勝って、最終ホーム過ぎに出切るが、番手の島川将貴は内に降りて連結を外してしまい、貴志が犬伏後位にハマる。道場は、7番手から最終ホームで持ち出して一気に加速していく。凄まじいスピードでまくり上げた道場は、3コーナーで犬伏をとらえて勝利。得意の一撃を決めて、SS班を撃破した。
 「後ろになるのは車番的にしょうがないし、あとは、(犬伏と貴志の)どっちかが前を取るかの二択だけだったんで。貴志さんがやる気で、出られなかったけど、(打鐘で)6番(棚橋勉)に切り替えないと駄目だった。犬伏さんが叩き切ると思ってたんで。(7番手になり)あとは思い切り行くだけでした。昨日(初日)は、人気になっていたのにもったいないレースをしてしまった。でも、ジャンで構えずに行こうっていう気持ちは出せた。いつもなら構えちゃうけど、今日も前々に行こうって気持ちが出て、ホームで仕掛けられた。そこが結果につながったと思います」
 踏み合いの末に主導権を握った犬伏湧也だったが、ラインの援護がなく道場に上を行かれた。
 「中団から、ラインで決まるようにと思ってたんですけど。貴志君が突っ張ったんで、そこを目掛けて踏み上げながら出ようと思ったら、(貴志が)全開で踏んでいた。踏み上げたところが向かい風だったんで、末脚が甘かった。3コーナーも、(道場を)しっかり合わせないと意味がない。(最終2センターで付け直した)島川さんのサポートがあって残れたと思います。連日長い距離は行けているけど、押し切れてないのが」