『岐阜競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:12月20日
岐阜競輪場開設59周年記念「長良川鵜飼カップ」もいよいよ大会三日目。加藤慎平が当日欠場する大波乱の戦いとなったが、濱口高彰が決勝戦に勝ち上がって地元の面目を保った。勢いを取り戻した石橋慎太郎が率いる南関ライン、流れに乗れている山口貴弘など好調な選手がファイナルに駒を進め、明日の決勝戦は目の離せない一番となった。
明日(21日)は場内で「岐阜の朝市」を開催。アマチュア選手による「アマチュアケイリングランプリ」も行われます。イベント盛りだくさんの岐阜競輪場で、ぜひ決勝戦の行方を見守ってください。
<8R>
紫原政文選手
大槻寛徳選手
「自らにプレッシャーを」と意気込んで臨んだ
紫原政文(写真)
だが、コースが空かず2着止まり。
「残念! 7番(大槻)がこのまま駆けちゃうのかもと思って見ちゃいましたね。志智君と位置の取り合いになるとは思わなかった。早めに外をドカして単独になっておかないと。ずっと脚に余裕はあったんだけど、変に突っ込んじゃうと落車させる可能性もあるし、ビビリながら入ってしまった」
初の記念優参を果たした
大槻寛徳(写真)
は初日の勝利で完全に流れをつかんだようだ。
「今日は7割方、番手勝負と思ってました。あの流れになっても駆けるつもりは全くなかった。はまった時点で『あとは落ち着かなきゃ』って感じ。絶好の展開で失敗したら目も当てられませんからね。あまり早く踏んでも中を割られちゃうし、遅かったら外を来られちゃう。迷ったけど、ここから踏んで食われたら脚がないだけと、腹をくくって踏みました。もちろん記念の決勝は初めて。そんなに調子がいい訳じゃなかったけど、本当に流れが向いてくれたみたいですね」
成田直喜
は「いやぁ、夢見ちゃいましたね。4コーナーで後ろに紫原さんが来てたので締めながら回った分、伸びなかった」。
志智俊夫
は地元で優参ならず。
「あの展開なら前を取るべきだったかな。坂木田君と一緒に踏めば番手に入れると思ったんだけど、出切れてない時点でもう駄目。全然自転車が進んでいない」
<9R>
村上博幸選手
桐山敬太郎選手
岡部芳幸、石丸寛之はともに不発。桐山敬太郎と菅原晃が激しく先陣を争ったが、4コーナーから内を突いた
村上博幸(写真)
が久しぶりのG3決勝進出。
「ホームで菅原君が内から行ったとき、これは空いてないんじゃないかと瞬時に判断したのが今日のレースの全てですね。4コーナーで内が空いてくれたのはラッキーだった。体の状態は、全日本の頃に比べると大分良くなってます。しっかりアイシングもするようになったし、体のケアに気を使うようになりました。明日もレースに臨む気持ちをしっかり持って優勝を目指します」
桐山敬太郎(写真)
は「(内を)空けた覚えはないんだけどな。それにしても菅原さんのダッシュには驚いた。同じ倍数のギアだから大丈夫だろうと油断してましたよ。今日は駆けるつもりだったんですけどね。出られてからは、わざと車間を詰めずに追走してました。このギアだと、前がタレちゃうと対処のしようがないから。今年5月に初めて記念の決勝に乗ったのが大垣なんです。岐阜は相性がいいみたいですね。初日にポカしてるんで、今回は三日制だと開き直って走ってるのが結果に繋がってるのかも」。
石丸寛之
はガックリと肩を落とす。
「前の岡部さんに見られて仕掛けられなかった。昨日も今日もバックを入れてるから車が出ない。何のために3.92のギアを使ってるのか分からないですよ。賞金争いも明日で終わり。早く楽になりたい」
岡部芳幸
も「車の出が悪すぎます。石丸に仕掛けられる前に行こうと早めに踏んだけど、自分のタイミングじゃないから…」と下を向く。
<10R>
石橋慎太郎選手
山口幸二選手
松尾淳と池崎太郎がともに先行屋のプライドを賭けて炎が出るような先行争いを演じた。これを
石橋慎太郎(写真)
が冷静にまくる。
「後ろでけん制が始まったので、打鐘では突っ張ってみようかなという考えもちょっとあったんだけど、下手に脚を使うことはないと思ったのでやめときました(笑)。今日は展開に恵まれての勝ちですね。良い時と比べちゃうと、今の状態はまだ物足りないけど、全日本からひと場所で良く立て直せたと思います」
石橋マークの
武井大介
は山口幸二に飛び付かれたが、辛くもハンドルを投げ勝って3着。
「(ゴール後落車は)大丈夫です。軽い擦過傷程度。ハンドルを投げなきゃ食われちゃうから思い切りハンドルを投げたんですけど、バランスを崩しちゃいました。山口さんのブロックはある程度予想していたし、石橋が通過した時点で、次は僕のところを放り上げてくると思いました。出脚で一瞬置いていかれたのが反省材料ですけど、何とか決勝に乗れてホッとしてます」
山口幸二(写真)
は地元優参を逃して渋い表情。
「うまく逃げられちゃったね。松尾はいいレースをしてくれた。地元で乗れなかったのは悔しいけど、とりあえずS級S班が確定したみたいなのでホッとしました。周りは4日間ちゃんと走れば大丈夫だと言ってくれてたけど、やっぱり気になるものだからね」
手島慶介
は、やはり今日も結果より内容に不満な様子。
「先輩に行ってもらったのに何もできなかった。かなり早い段階でペースが上がったから、ホームではすでに一杯の状態でした」
<11R>
浅井康太選手
山口貴弘選手
加藤慎平が当日欠場と、発走前から波乱の気配が漂った最終レース。だが、地元ラインがキッチリ締めた。メイチで駆ける金山栄治を浅井康太が強引に叩いて先行。番手から
濱口高彰
が差して今開催初勝利。前二走は不本意な動きだったが、地元記念連覇に向けて明るい材料を得た。
「浅井は強いね。強引に出て行ったから、4コーナーではちょっとタレてきちゃってたみたい。思ったよりも8番(川崎)が強くて、それをけん制するので脚を使ってしまったけど、何とか残せて良かった」
浅井康太(写真)
は「今日は、今までで一番に近いキツさだった。金山さんは駆け方がうまいから、僕が仕掛けたくなるポイントでペースを上げてくる。久しぶりにレース直後は動けなくなるぐらい力を出し切りました。最後はバタバタで脚が四角に回った。今回は地元勢を引っ張れればという楽な気持ちで参加したんですけど、連日厳しいレースばかりですね」
乗れている
山口貴弘(写真)
は金山栄治と即席ラインを組んだ。
「香川さんが任せてくれると言ってくれたので、金山さんの後ろを回ろうと決めました。最後は香川さんが良いコースに入っていったのが見えたので、(3着かどうか)微妙でした」
渾身のまくりを放った
川崎健次
だが、初の記念優参はお預けとなった。
「いい展開だったんですけどね。あと1メートル進めてたら乗り切れたはず。あれで勝てないのは脚がないってこと。出直してきます」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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