『岐阜競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:9月6日
 岐阜競輪場を舞台に織田信長公岐阜入城・岐阜命名450年・開設68周年記念「長良川鵜飼カップ(GIII)」が、9月7日に熱き戦いの火ぶたを切って落とす。平原康多、浅井康太、中川誠一郎のS級S班3人をはじめ、地元からは竹内雄作、森川大輔、濱口高彰、志智俊夫らが参戦してシリーズを盛り上げる。前検日の6日は、曇り空の下、多くの選手がバンクで汗を流し感触を確かめ、翌日から始まる4日間の激戦に備えた。
 本場では開催中の毎日、クオカードなどが当たる450スクラッチを配布します。山口幸二さんによる「レース展望」、地元予想屋さんによる「早朝予想会」など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。また、7日の初日には日本競輪選手会岐阜支部による「選手会イベント」なども予定されています。ぜひ、岐阜競輪場へ足をお運びください。

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新山将史選手
新山将史選手
 新山将史(写真)は、8月西武園FIの326着を皮切りに、好走を続けている。調子を上げて、グレードレースでも暴れるか。
 「徐々にですね。(状態も)悪くはないです。でも、まだミスレースがあります。ミスで大敗しているので、そこらへんをしっかりしたいです。(1レース1番車は)べつになんとも思っていません。(ここまでは)休んできました。(谷口遼平とは8月函館FIの初日で対戦して)待っていたんですけど、泳がされました」
 谷口遼平は前回の向日町記念で2連対など、落車の怪我も癒えて徐々に復調。しかし、今シリーズは中2日の過密スケジュールだけに、疲労が心配される。
 「(6月富山記念で落車して)それがしんどかったですね。肩がいかれてしまって、腕が上がらなくて。いくしかないと思って走っていたけど、レースができなかったです。でも、肩が動くようになってきたし、上向いてきましたね。(怪我も治ってきて)ここからだと思っています。(向日町から中2日だが)しんどいけど、なんとかなるかなと」


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 地元勢のトップバッターは川口公太朗。5月広島FI以来勝ち星から遠ざかっているが、気合は十分に入っている。
 「前回(7月当所)は797着だったので、今回は気合を入れ直して頑張ります。(怪我で欠場した)加藤(慎平)さんからもメールをもらって。気兼ねなく優勝してこいと書いてありました(笑)。地元なので、少しでもいい着を取れるように。状態は普通に悪くないと思いますよ。ダッシュ練習をしたらいい感じでした。初日に流れをつかみたいです」
 望月永悟は8月名古屋FIから3場所連続で決勝に進出とリズムは良好。一次予選は、蒔田英彦を目標に、このメンバーで競走得点最上位の意地を見せる。
 「やることをやろうってことだけは意識しています。(結果が付いてくる)それが一番いいですよね。蒔田君は気持ちの入ったレースをするので、言うことはないですよ。ラインで決められるように」


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 志村太賀は、前回から投入した新車を念入りに組み立てる。
 「前回(前橋FI644着)から換えたんですけど、(セッティングが)難しい。なかなかセッティングが合ってこないですね。(新車の感触は前回が)前橋だったから、いいのか悪いのかもわからない。でも、体は一応(良くなってきた)」
 津村洸次郎は、今期からS級にカムバック。前回の高松FIの2日目では打鐘過ぎから先行して押し切りと、力強い走りを見せた。
 「2日目は逃げ切れましたけど、初日と最終日にいい展開を作れなかったです。それもあるので、今回は自分のレースをしっかりしたい。(体の)感じは大丈夫です。S級の方が相手が強いけど、A級よりも面白いですね。(A級とのスピード差も)違和感はありません」


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 相川永伍は、8月川崎ナイターGIIIを1553着。続く弥彦FIでも163着と感触をつかみだしている。
 「ちょっとずつ良くなってきましたね。でも、(良かった時は大ギアなので)前とは違うし、あのころには戻らないですから。このギアでどう戦っていくか。ここまでは休んで普通に練習をしてきました」
 渡部幸訓は8月川崎ナイターGIIIの初日に落車。今シリーズが約1ケ月ぶりの実戦となる。
 「(落車して)鎖骨にヒビが入ってしまって。怪我する前に戻っているかと言われたら、8割くらいですね。(このメンバーなら)展開が向いてくれることもありそう。そうなれば、チャンスはあると思う。展開任せになるかもしれないけど、前々に攻めて。後方には置かれないようにします」


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 6月大垣GIIIで落車した地元の森川大輔。復帰後は“らしさ”を見せられず苦しい日々が続いている。
 「自分の中では落車の影響はないと思っていたんですけど。引っ張っているのかな…。でも、ここまで練習をしっかりできました。(目標は)決勝に乗るのが一番ですけど、まずは予選をクリアしないと。いつもは緊張しないんですけど、(今回は)地元記念だし、緊張しますね」
 片寄雄己は8月豊橋記念2453着から動き一変。前回の前橋FIでも決勝に進出と気配良好だ。
 「ウエイトをやったり、バンクに入ったりと先月くらいから1日も休まずに体を動かしています。体重は変わっていないんですけど、ダイエットもして体脂肪を落としました。練習では競技用の自転車でモガいています。そっちの方がスピードも出るし、違和感なくできていますね。(状態も)だいぶ良くなってきました」
 南関ラインの先頭を任された本多哲也も「脚的には今が一番いいですね。ここまでは練習も普通にやってきて、脚力は落ちていないと思います」と、好調をアピールした。


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 7月は地元の福井記念を3連対。続く玉野FIを322着の準Vと乗れていた鷲田幸司だったが、ここに来て失速気味。首をかしげて、口を開く。
 「なにも変わってないんです。7月は調子も良かったし、気合を入れてやったのはあるけど…。(調子は)ずっといいのに成績が悪くなった。前回は新車で、今回それを良くしてきたつもりです。フレームを硬くしたから、ギアで帳尻を合わせないとと思っている。前回はブフリと一緒でトレーニングのやり方を聞いてきた。そうは言っても(前回から)中3日なんでね」
 4月高知記念の落車で大怪我を負った吉本哲郎は、およそ4カ月の長期の戦線離脱を余儀なくされて8月に復帰。3場所目の今シリーズで復帰初の記念を迎える。
 「まだ(首は)痛いですけど、大丈夫です。もうそんなもんらしいんで。前回(高松のFIの最終日に山中)貴雄とワンツーを決められたし、今回も思い切って行きます」


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伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 前回の小田原記念は一次予選5着ながら、繰り上がりで準決まで進出した伊藤裕貴(写真)。今シリーズの一次予選も同じく内容にこだわり、スッキリ勝ち上がりたい。
 「一次予選は走りの内容をしっかり。それが2日目からのレースにつながってくるんで。ここ最近、あんまりできてなかったんで、(今回は)普通に練習ができた。乗り込めたかなと。支部合宿でも1日で200周くらいはやった。そこから休養もとって、調整もうまくできたかなと思います」
 石毛克幸は、前回の小田原記念を1824着。初日の一次予選は目標の簗田一輝が不発になると、自力に転じるまくりで大崎和也と1着同着と上々の動きを見せた。
 「初日なんか最悪でした。前がいなくって…。3日目は9番手ですから。展開がいいところがない。練習もしているし、(調子は)悪くないですけどね」


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伊早坂駿一選手
伊早坂駿一選手
 6月の富山、前回の豊橋と記念の初日は連続して白星発進の伊早坂駿一(写真)が、2週間空いたゆとりのローテで仕上げてきた。
 「ちょうど2週間あったんで、しっかり練習ができた。疲れもないし、あとはそれをレースで出せればいいかと。自分の力を出せなかった時が弱い。そこを力で行けるようにっていうのが、これからの課題のひとつです」
 前回の立川FIで優出を果たした武藤龍生は、昨年11月以来の決勝進出でキッカケをつかみたい。
 「やっと(決勝に)乗れたんで、ここからコツコツと乗っていきたい。立川も追加なんですけど、ここの追加もなかったら3週間くらい空いていたんで、追加が来てよかったです。余裕はないですけど、なんとかできてる感じがある。でも、こうやって成績が残せているのは自力選手のおかげですね」


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野原雅也選手
野原雅也選手
 前回の小田原記念でも3連対と野原雅也(写真)は、近況順調に勝ち星を積み重ねて高い連対率を誇っている。
 「福井も一時に比べたらだいぶ涼しくなって、練習をしやすくなりました。小田原記念は連日、キツかったし、重く感じました。理由ですか? 練習不足だと思います。小田原が終わってからは体調を崩したのもあったけど、風邪が治って練習もできました」
 野原とタッグを組む志智俊夫が、言葉を選びながら慎重なコメント。
 「(前々回のオールスターは)良くなかったですね。そこからある程度はここに向けてやってきた。(地元で)思いも強いので頑張ります」
 今期S級にカムバックした高木翔は、前回の立川FI991着を象徴するように乱調ムード。
 「(S級に)上がってきて、気持ちに余裕がもててない。(脚力は)変わってないと思うんで、あとは落ち着いて走れればと思っています。なんとか(この流れを)乗り越えられるようにしたい」


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神山拓弥選手
神山拓弥選手
 山崎芳仁は前回の地元、平のオールスターを2117着。決勝にコマを進めたが、ワンツーだった渡邉一成、新田祐大に続くことができなかった。
 「ここまで空いていたんで、トレーニングはできました。(3週間空いてたんで)1週間休んで、2週間(練習を)やった感じです。オールスターまでが走りっぱなしだった。今回は福島と沖縄でやってきました」
 新車を投入する神山拓弥(写真)は、前回の広島FIで初日落車の憂き目。気分一新して初日を迎える。
 「今回から新車なんですよ、ちょっと換えてみました。フレーム自体は前のとそんなに変わってない。なんとなくです。ただ、悪い感じはしないし。間違いなく良くなると思う。(前回の初日に落車して)体は大丈夫だし、感じは良かった」
 前々回のオールスターがいまひとつだった大塚健一郎は、前回の青森FIを417着。久々の白星で光は差したのか。
 「セッティングをいじって徐々には、(いい方向に)近くなっているとは思う。ただ、行ったり来たりですね。エンジン(脚)自体が、まだなんで、そこですかね。トレーニングはしているけど、いろいろ怪我なりの蓄積がある。ただ、それはみんなそうですからね」


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竹内雄作選手
竹内雄作選手
 浅井康太は前回の豊橋記念で2日目以降を欠場。オールスターから豊橋記念までの中2日の強行ローテが響いたのか、気になるところだ。
 「前回が終わってからは普通に練習をやってきた。。良くなる兆しはみえたかなと思います。(初日連係する竹内)雄作は自分の援護がなくても勝手に残る選手ですから」
 初日特選で逃げ切り快勝と好スタートを切った竹内雄作(写真)だったが、シリーズの正念場の準決を8着で優出ならず。最終日はまくりで勝ち星を挙げた。
 「前回の小田原は準決が情けなかった。最終日は思ったように走れなかった。それでも1着だったんで、そこはプラスに考えたい。ここは何年か前に迷惑を掛けてしまっているんで、しっかりラインで決められるようにやりたい」
 オールスターは8576着と振るわなかった井上昌己は修正必至。3週間で立て直してきた。
 「オールスターは全然ダメだったんで、そこからはしっかりやってきました。夏バテで体調を崩していたこともあったけど、もう大丈夫です。涼しくなったんで練習はしやすかったです」


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平原康多選手
平原康多選手
 平原康多(写真)は、前回のオールスターの準決で落車失格を喫した。小田原記念の欠場を余儀なくされて、気になる状態はどうか。
 「(落車をしたが)体は崩れてないので、日を置かずにいままで通りの練習ができた。小田原が走れなかったので、そのぶんもっていう気持ちですね。前回のオールスターではハンドルを狭くしすぎて、それが合ってなかった。準決は失格したけど、ハンドルを元に戻して感触良く踏めていた。(それまでが)失敗したんで、自転車の不安はないです」
 金子幸央は前々回の高松FIを優勝。続く豊橋記念では特選スタートから、2日目に優秀を経験と競走得点をアップさせながら順調に進化の過程を示している。
 「自分としてはいい傾向だと思います。走っていていい感じだし、手応えもあります。前回は内容が良くなかった。それでも初めて(初日)特選に乗って、いきなり(2日目に)優秀に乗れたんでうれしかった。山岸(佳太)さんが記念優勝して栃茨がいい流れでいるんで、ここで自分もいい競走をしたい」
 北津留翼の番手になった池田良は、例によって淡々としたものの上積みがありそうだ。
 「練習を強めにやってきた。それでも疲れは大丈夫だと思います。今回はいつも(調子が)いい時の練習をやってきたんで、楽しみではありますね」