『施設整備等協賛競輪in大垣(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月18日

 大垣競輪場で開催されている「第9回施設整備等協賛競輪in大垣(GIII)」は11月18日が3日目。脚力伯仲のシリーズだけに大荒れの1日となった。準決も波乱が続き、3連単10万円超えの高配当が2本飛び出した。準決3個レースでそれぞれ1着をゲットした青野将大、片岡迪之、阿部大樹や、ただ一人地元から勝ち上がった志田龍星をはじめファイナリスト9名が出そろい、19日の第12レースでは大会覇者を決する決勝戦の号砲が鳴らされる。
 シリーズ最終日も来場者サービスとして、場内共通お食事券(先着100人様)などをプレゼント。選手会岐阜支部によるガチャガチャ、グッズ販売など。山田裕仁さん、山口幸二さんによる大予想会、キッチンカーの出店などが予定されています。また、どりあんずのステージ(第7レース発売中)もあります。大垣競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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青野将大選手
青野将大選手

成松春樹選手
成松春樹選手
 前受けの青野将大(写真)は、赤板前から誘導と車間を切って車を下げ、上昇した橋本瑠偉が誘導後位に収まる。松岡辰泰が1センターで橋本を切るが、松岡篤哉は九州勢の動きには乗っていかない。九州勢にスイッチした青野は、2コーナーから仕掛けて打鐘で松岡辰を叩いて先行態勢に入る。3番手を確保した松岡辰は、最終バックで松岡篤に合わせて先まくりを打つ。だが、近藤保がこれを好ブロックして松岡辰の勢いは止まる。援護を受けた青野が力強く踏み直して、逃げ切りで決勝進出を決めた。
 「取れた位置からで考えてました。先行するつもりだったんで、後ろから2周駆けるよりは、出てから取れた位置からで。(松岡辰が切った後に)後ろ(の松岡篤)が来なかったんで迷ったけど、出るタイミングを逃したらロングまくりになっちゃうと思って、悔いのないように仕掛けました。最後にがっつき過ぎて、近藤さんを連れ込めなくて申し訳なかった。まっすぐ走れなかったし、ガムシャラ過ぎました。いつもそんなに調子の波がないですし、今回も大丈夫です」
 松岡辰がブロックされると、成松春樹(写真)は近藤が空けた内に進路を取る。直線で青野に内から迫って2着に食い込んだ。
 「(松岡辰が)前々に踏んでくれてチャンスを作ってくれました。阪本(和也)君も点数が上なのに番手を回らせてくれて、感謝の一言ですね。被る前に仕掛けてくれたけど、僕は反応が遅れて被ってしまった。内を見ちゃって、あとはイチかバチかでした。自分の状態とかは分からないし、気持ちの余裕がないけど、流れはいい」
 松岡篤は、仕掛けを合わされて3コーナーで外に浮いてしまう。松村友和は松岡篤の内から切り替えて、4角から外を伸びて3着に入った。
 「(松岡篤は)昨日(2日目)はあの展開で行けてるし、乗り越えるだろうなと思って待ってたんですけど、3コーナー過ぎくらいで怪しくて。松岡(辰)も仕掛けてたし難しかったね。最悪の展開は考えていたし、どこに降りようかとか準備はできてた。体調はすごく良いですね。乗り方もみんなからアドバイスをもらって良くなってます」

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片岡迪之選手
片岡迪之選手

山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 誘導と車間を空けた菊池岳仁は、赤板で踏み込んで後藤大輝の上昇を突っ張る。一旦下げた後藤は、6番手外で再度踏み込むタイミングをうかがい、2コーナー過ぎからスパート。菊池も再度突っ張って、打鐘からハイペースになる。主導権争いは菊池に軍配が上がり、後藤は最終ホームで後退。周回中から4番手を回っていた片岡迪之(写真)は、小笠原光に合わせて2コーナーから仕掛ける。山賀雅仁のけん制をかいくぐった片岡が、3コーナー過ぎに先頭に出切って勝利した。
 「初手は難しかったですね。菊池君が前受けしてくれて、突っ張ってくれれば自分にチャンスがあるなと。そう思ってスタートで山賀さんに入ってもらった。もし、下げるようなら自分で動こうかなと思っていた。付いていて余裕もあったし、良かったと思う。状態も悪くない。今日(3日目)が一番軽かったので、(決勝に向けて)しっかりと休みたい」
 片岡の踏み出しに車間が空いた才迫開は、さらに小笠原と絡んで離れてしまう。片岡に上を行かれた山賀雅仁(写真)だったが、3コーナーで前に踏み込んで2着は確保した。
 「菊池君が前から行きたい感じだった。前から突っ張った方が良いんじゃないかと思って、スタートは取りにいった。どうあれ、前が取れれば突っ張ると思った。菊池君が気持ちの良いレースをしてくれたけど、片岡君のスピードが良くて止められず、シビアに踏ませてもらった。絶好調ってわけではない。良いところを回らせてもらっているだけ」
 山賀を追った白戸淳太郎が3着。
 「この歳で(GIII決勝に)乗れるとは思わなかった。前2人のおかげです。ぶっ千切れるかと思って不安だったので。モガき合いになっていたら離れていたと思う。何とかついていけましたね。山賀君との距離が空いていたけど、何とか追っかけた」

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阿部大樹選手
阿部大樹選手

志田龍星選手
志田龍星選手
 志田龍星は赤板前から誘導と車間を取り、上昇した阿部将大が誘導後位に入る。照井拓成が1センターで切ってペースを上げ、古屋琢晶が2コーナーからカマシを狙う。古屋が打鐘4コーナーで照井を叩き切るが、志田が8番手から仕掛けて猛然と襲い掛かる。志田は最終バックで古屋をまくり切ったが、山口富生が離れてしまい、スイッチした阿部大樹(写真)が志田を追っていく。阿部大は空いた車間を徐々に詰めていき、ゴール寸前で志田をとらえて1着をゲットした。
 「(古屋の)先行だとは全く思ってなくて、できるだけ前々に行くだけだと思ってました。あんだけ踏んでくれるとは思わなかった。(志田は)下りでスピードが違ったし、(自分は)あんまり確認せずに踏んだ感じになった。古屋さんに申し訳ない気持ちが強いです。腰と膝をケガして、セッティングをいじりすぎて悪くなったんですけど、ここに来る前に練習グループのみんなにセッティングを見てもらった。明らかに前に踏めてるんで、そのおかげですね」
 寸手のところで阿部大に交わされた志田龍星(写真)が2着。未勝利ながら、地元GIIIの決勝へとこぎつけた。
 「みんなに1回脚を使わせてから、最後に仕掛けようと思ってました。余裕がなくて、前がどうなってるかはあんまり分からなかったです。風がすごくて、昨日(2日目)よりも寒いし、出切ることだけ考えてました。(調子は)良くはないかな」
 勝負所で後方に置かれた阿部将大は、1コーナーで外から山口に絡まれて苦しい展開に。押し込まれた勢いのままにスルスルと内から位置を上げると、4コーナーから外を踏んで3着に食い込んだ。
 「後ろ攻めになったんで、無理くり行かずに、行ければ先行ぐらいで考えてました。できれば志田君の後ろに入りたかったけど、あんまり見えていなくて。視野が狭かったです。(山口に)締め込まれてヤバいなと思ったけど、前がどんどん車間が空いて行ってくれて助かった。自在みたいな動きをしたけど、自分はヨコもできるんで、そこを生かしながら走っていきたい」