『大垣競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月28日

 大垣競輪場で開催の開設73周年記念「水都大垣杯(GIII)」が、2月28日に始まった。S級S班の3人も含めて全国を代表するような強豪によって争われたメインの特選は最後方で脚を溜めて一気にまくった嘉永泰斗が勝利。晴天ながら強風が吹き荒れる厳しいコンディションの初日だったが、一次予選では橋本優己、松岡篤哉、志田龍星が次々に勝利を収めるなど地元勢は参加10名のうち9名が勝ち上がる大活躍ぶりだった。3月1日の2日目は準決進出を懸けた二次予選をメインに実施される。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着入場者プレゼント、オリジナルグッズが当たる「あたり付車券場内キャンペーン」、キッチンカー、大予想会、選手会岐阜支部ステージなどが予定されています。さらに3月1日には、中日ドラゴンズOBの山本昌さんのステージも実施予定です。大垣競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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松崎広太選手
松崎広太選手
 後ろ攻めの松崎広太(写真)が赤板1コーナーで押さえて先頭に立つ。そこを打鐘前に土生敦弘が押さえて出るが、阿部英斗もすかさず巻き返す。阿部は最終ホーム前に土生を叩ききって主導権を握る。攻防戦を見極めた松崎は2コーナーから仕掛けると、出足の鋭いまくりで前団をのみ込んだ。
 「できれば後ろ攻め以外で先行勝負をしたかったけど、後ろからになってしまったので、ああいう(まくる)展開になってしまった。土生君と阿部君がやる気だったので自分には展開が向くかなと思いました。ホームでは届く感じがありました。まくりなので評価するところはないですね。鎖骨を骨折してからまだ完治していないし、良くない。ダッシュ戦は厳しい。(セッティングは)前回からずっといじっているので、もう少し煮詰めたい」
 椎木尾拓哉は目標の土生が九州勢に叩かれて牧剛央への飛び付きに失敗すると、最終バック5番手から自ら踏み上げる。外をまくった松崎を追っていって直線は中バンクを伸びて2着に入る。
 「(気を付けたのは)初手の位置だけでした。(土生は)先行するのか飛び付くのか悩んでいたかなと。昨日(前検日)と違って風があり、重く感じたけど、(感触自体は)悪くないと思う。サドル周辺の収まりを求めて、セッティングを若干いじってみる」


<2R>

 照井拓成、原田研太朗が動いたところを寺沼拓摩が出て先行態勢に入る。寺沼は尾方祐仁のカマシを合わせて主導権を渡さない。竹内雄作は最終ホームで宿口陽一の後ろに切り替えた。3番手を確保した竹内は2コーナーから仕掛けていくが、宿口のけん制もあり、勢いが止まる。竹内を追った原田が大外を強襲した。
 「風が強すぎて3番手に飛び付こうとしたが、どうにもならなかった。(竹内)雄作さんは自力選手の間合いをしていたし、仕掛けるかわからなかったけど、アテにはしました。自力を出していないですし、風が強くて感触はわからないですね。今日は恵まれました」
 宿口陽一は先行争いを制した寺沼を援護してから、抜け出して2着での勝ち上がり。
 「尾方君が切りに来るのが遅くて(寺沼)拓摩の気合がすごかった。竹内君がまくって来たのは止められたが、原田も来ていて止められなかったですね。若手でもがきあっていたのでハラケンの一発もあるなと。中3日で疲れはあるが、セッティングはいい方向に向かっています」


<3R>

纐纈洸翔選手
纐纈洸翔選手
 中部勢は初手で3番手の位置〝前中団〟からレースを進める。村田祐樹は川越勇星、河端朋之が動いたところをセオリー通りに叩いて出て打鐘を迎える。後方から巻き返しを狙う小池千啓は外に浮き失速。3番手を取った河端は前との距離を空けてタイミングを図って3コーナーからまくり出たが、纐纈洸翔(写真)が外に張って動きを止める。返す刀で踏み込んだ纐纈が村田を交わした。
 「(村田は)ジャンからがすごくて、内に差し込んでしまったけど何とか修正できました。河端さんが後ろで車間を空けていたので、どこから来るかと3コーナーぐらいまで待っていたけど、来なくて想定外でした。(河端をけん制して)内にも誰も入って来なかったので良かったです。やっぱり9車の方が走りやすいし、楽しい。(自転車は)少し乗りにくさがあったので、スムーズに体重移動ができるようにいじりたい」
 打鐘先行で2着に逃げ粘った村田祐樹。11月の富山で左鎖骨を骨折し、復帰後は本調子ではなかったが、復調の兆しを見せた。
 「掛かりはまずまずでした。バックの3コーナーが一番強烈に風を感じたけど、重いなかではペースで踏めたと思う。ホームから駆け始めて、余裕はなく、全開だったので、後ろを気にする余裕はなかった。最近は連戦で積み重ねの練習はできていないので、レースを走りながらですね。調子自体は悪くないと思う。昨日(前検日)までサドルとハンドル周りをいじって、(いいように)はまった感じがあったので、さらに馴染ませていきたい」


<4R>

 後ろ攻めの加賀山淳から動いて、小松崎大地、浮島知稀の順番に切っていく。橋本優己は前受けから後ろまで下げたが、関東勢の仕掛けを追う形から一気に前に踏み込んで先制攻撃。橋本の主導権で最終ホームは一本棒で通過。バックを迎えても別線は仕掛けられない。力強く踏んだ橋本が上田国広にも差し込ませないで逃げ切った。
 「風が強かったので、(初手は)前から行こうと思っていました。今日(初日)は先行して勝ち上がれれば、明日以降にもつながると思って行きましたけど、結果、押しきれているし、自信になります。いまの練習がいい方向に向かっていますね。体調は問題ないし、長い距離を踏んで押しきれているので良かった」
 橋本マークの上田国広には絶好の展開が訪れる。別線の動きを警戒して波を作りながら橋本を交わしにいくも、抜くことはできなかった。
 「橋本君が強かったですね。長い距離を行ってくれたので、絶対に残さないといけないと思っていました。(抜けなくて)感覚のずれがあるのかもしれない。2センターの風がきつくて、周回中も脚を削られていました。抜きたかったです。この一戦で変わってくれればいいですけど、(状態は)前回の方が良かったかもしれない」


<5R>

福田稔希選手
福田稔希選手
 青板バックで上昇した小森貴大は福田稔希(写真)にフタをして赤板過ぎに誘導を切りにいく。才迫開の抵抗を受けるが、小森は先頭に出切り、そこを間髪入れずに福田がスパート。村田雅一が武藤篤弘をさばいて、小森は杉本正隆の後ろに入った。小森は最終2コーナーから仕掛けていくが、杉本のけん制で失速。村田は2センターで空いた内に入り、杉本をすくう。軽快に駆けた福田は後続のもつれもあったが、力強く逃げ切った。
 「ちゃんと3車で出切れるようにしっかり叩くべきだった。(逃げ切れたのは)杉本さんが仕事をしてくれたおかげ。踏み直す脚が全然足りないです。疲れもないし体調自体はいいと思うけど、気持ちの面ですね。やらなきゃいけないことと、勝ちたい気持ちがあって、前々回の立川で神山拓弥さんにも相談しました。年配の方はどうすればいいかというのはわかっていると思うけど、自分はデビューしてまだ1年半だし、どうしていいのか、わからない。上に上がるにつれて、先行で勝つのは厳しくなるし、最近は勝ちを意識して小さいレースになってしまうことも多い。今日(初日)に関しては(先行できて)次につながったのかなと。残りの3日間もバックを取れるようにしたい」
 村田雅一は前の小森をアシストして位置を確保。武藤にからまれたが、そこをしっかりとさばき切り、最後はコースを見極めながら内を突く。追い込み選手として技量の高さを見せた。
 「自分も内で重くて踏み出しも遅れているので、もしかしたらちぎれていたかもしれない。アップは良かったけど、乗り方とかを試しながらやっていて、まだ本番ではそれを出せていない。(全日本選抜競輪から中3日で)正直疲れはあるし、気疲れもあるので日に日に取れたらいいですね」


<6R>

和田圭選手
和田圭選手
 前受けの渡邉一成は赤板で山本直を突っ張る。山本が中団の4番手に降りる一方、岩井芯が一気の巻き返し。打鐘で出た岩井がペースを緩めると、山本が外から追い上げて岩井の番手を不破将登から奪う。渡邉は前団の攻防戦を見ながらスパート。単騎逃げになった岩井を直線でつかまえると、追走した和田圭(写真)が交わした。
 「道中はあまり良くなかったですね。自転車のセッティングを変えたけど、道中がもっと楽になればいいですね。常に踏んでいる感じで負荷がかかっているときつい。自分のいいところにはまっていないですね。そこを改善できれば。体調は問題ないです」
 渡邉一成は展開に応じた立ち回りを披露。勝負所を逃さずに仕掛けてラインの3人全員が勝ち上がった。
 「(山本)直が来たら突っ張ろうと思っていましたし、そのあとも僕のところで勝負だったら、対応しようと思っていました。(山本が)追い上げていって6番車(吉川嘉斗)と8番車(岩本和也)の位置が微妙なところで、邪魔にならないコーナーの出口から踏みました。1コーナーくらいですね。向かい風で、踏んでも、踏んでも進まない感じ。朝練や、ウォーミングアップは状態が良かったけど、風のせいで(感触は)よくわからない。体調というよりも風が整ってくれれば面白いと思う」


<7R>

 原口昌平の上昇に合わせて、前受けの中釜章成が赤板過ぎに突っ張る。原口は3番手の外で止まり、バック手前から再び踏み込む。しかし、中釜が再度突っ張って応戦。打鐘2センターでは九州勢を警戒した近畿勢がイエローライン付近まで上がったことで、松岡孔明が切り替えて東口善朋の内に切り込む。しかし東口は、松岡をキメて番手を守り切り、そこを最終ホームを目がけて鈴木浩太がスパート。鈴木は最終1センター手前で中釜を叩き切るが、望月永悟が離れ、番手には中釜が収まる。中釜はバック過ぎから車間を詰めていき、ゴール前で鈴木を8分の1輪とらえた。
 「(鈴木は)見えていたし、(望月が)千切れたのも見えていた。勢い良く来たので出させた感じですね。(最終)2コーナーから行ければ良かったけど、風が強かったのでそれまでに思ったより脚を使っていて行けなかった。しんどかったけど、(ラインの)全員で勝ち上がれたのは良かった」
 中釜、原口の踏み合いを一気にカマした鈴木浩太が2着に逃げ残った。
 「まさか中釜さんが突っ張ると思っていなくて、踏み合ってもらって展開が向きました。(望月と)ワンツーが決まればと思っていて、(後ろに中釜がはまったのは)わかっていなかった。みんなもきつくて自分の先行もタレていて、他の人もタレていたと思う。最後は中釜さんの方が脚が上でしたね。(大垣は)松戸と似ている感じで違和感なく走れる」


<8R>

松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 伊藤颯馬が赤板で誘導を切り、そこを藤田周磨が押さえて先頭に立つ。栗山和樹は前受けから6番手の位置まで下げ、打鐘をめがけて巻き返す。栗山は抵抗する藤田を最終ホーム前で叩き切り、中部勢が3車で出る。後方からまくり出た伊藤は2センターで勢いが止まる。松岡篤哉(写真)は番手で絶好の展開を生かして抜け出す。
 「(弟子の栗山と初連係で)緊張しました。師匠の(山口)富生さんと連係したときとはまた違う感じですね。(栗山は)よく頑張ってくれました。残せると思ったけど、3番車(中村圭志)が来ていたので、2着ではダメだと思って踏みました。ウォーミングアップや、顔見せの時から行ける感じがありましたね。自力の準備をしているけど、(出場)メンバーが決まった時から番手の可能性もあると思って来ています」
 中村圭志は目標の伊藤の勢いが止まると、2センターからは伊藤と松岡の間を踏み、2着に突っ込む。
 「(伊藤は)行ってしまうと思ったが、風が一番強いところで踏んでいったのもあると思う。(踏んだところは)間だったので、無風で行けたのでよかったです。踏み出しに口が空いていたし、疲れがある」


<9R>

青野将大選手
青野将大選手
 前受けの青野将大(写真)は、上昇してきた小川三士郎を突っ張らずに送り出す。その上を牧田悠生が叩くが、打鐘でまだペースを上げない牧田に対し、7番手から青野が一気の巻き返し。4コーナー過ぎには牧田を悠々と叩き切って、ライン3車で先行態勢に入ると、そのまま後続を離していく。中団は牧田がキープしたものの、前との差が縮まらない。小川は進路を内に取り、牧田の番手の金子哲大との併走が長引いて万事休す。そのまま快ペースで逃げ続け、ラインで上位独占を決めた青野が押し切って1着。
 「初手で中団に関東勢が入ったし一番いい並びになった。ジャンぐらいで行きやすくはなったけど、もうワンテンポ早く行ければ良かった。体の具合は問題ないです。(前回の落車で)セッティングがずれたし、部品が壊れたりしたのでそこですね。あとはレースが詰まっていて練習不足というのもあるので。2日目からもしっかりお客さんと南関の先輩の信頼に応えられるようにしたい」
 4コーナー過ぎに車を外に持ち出した石毛克幸は、ゴール前で青野に迫るも、及ばず2着に。
 「追走で70%ぐらい使ったしいっぱいでした。風も強かったし、離れたらまずいと思って何とか付いて行きました。(差せるかどうかは)微妙な感じでした。でも(車が)出てなくはないかなと。調子は変わらずです」


<10R>

 圧倒的な人気を集めた志田龍星。正攻法からレースを進め、佐藤壮志、鈴木涼介が動いたところを打鐘から巻き返す。志田は最終ホームで鈴木を叩き切って山口富生は懸命に追走するが、3番手の鈴木伸之は離れてしまう。岐阜コンビで3番手以下を大きく離してバックを迎え、直線でもセーフティーリードを保ったまま志田が押し切った。
 「(前団が)まばらな感じになっていたし、いい感じで踏み込めなかったですね。自転車は定まってきたので、前回よりはいいと思います。お客さんの(山口)富生さんへの声援がすごかった。踏んだ感じは前回よりも、いいですね」
 山口富生は志田の踏み出しに集中。呼吸を合わせながら追走をして2着をキープ。
 「肉体的、精神的にもすごくきつかった。地元で声援があったので、食らいつきたいと思っていました。(二次予選以降)ここから先は自分の実力以上の自力選手(との連係)になる。地元の気合で頑張りたいです。大垣、岐阜は、これからの若手が出てきているし、中部地区は楽しみになりますね。感覚はいいけど、いかんせん、自転車が進まない」


<11R>

 赤板過ぎに立部楓真、原大智が順に切る。後方になった吉田有希は、2コーナー手前から動き出し、打鐘2センター手前で原を叩いて主導権を握る。関東ラインの3車が出切り、立部が中団に追い上げて、4番手が原と立部でからむ。立部は原に振られながらも、最終2コーナー付近から踏み込むが、進みは鈍く3番手の外まで。直線は逃げる吉田と神山拓弥の一騎打ちとなり、神山が吉田を2分の1輪交わして白星発進。
 「吉田君に全部任せていた。みんなが前々に踏んでいたので、ここを行くのかなと思っていたけど行ってくれました。掛かりも良かったし、要所、要所で踏み直して最後も残ってくれました。(立部が中団にいるのは)わかっていたし、余計な動きはせずに最後は天田(裕輝)さんのコースを開けるように外に踏んだ。(前回から中3日で)疲れはあるけど、一走したので良くなると思う」
 強風のなか、主導権を握った吉田有希が2着に粘り、栃茨両者でワンツーが決まった。
 「先行したかったし、今日(初日)は後半以外、先行が残っていなかったので、前から(切って切っての)順番で行った方がいいかなと。でも、出てからは風が強すぎて後悔しました。全部が向かい風の感じでした。(声援が多く)ここは取手だっけと思って走っていました。スピードがある立部さんを合わせられたのは良かったと思うし、悪くはないのかな。(一走して)アタリもついたので明日(2日目)から良くなるかなと」


<12R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)がタイトルを獲った寬仁親王牌の決勝を彷彿とさせる鮮やかな単騎まくりで激戦を断った。レースは、青板バックから上昇した古性優作が前受けから突っ張る郡司浩平に対して強引に切りにいく。そこを町田太我が叩いて先制。山口拳矢は中国勢を追い、古性は4番手の位置を確保。坂井洋は郡司と外併走の状態から仕掛けていくが、2コーナーで清水裕友のけん制を受けて失速。最後方にいた嘉永だったが、1センターから仕掛けると、大外を一気にのみ込んだ。
 「流れを見て一発狙っていました。仕掛けたタイミングは悪くなかったです。(中4日で)ちょっと重いですね。風が吹いていたのもありますけど。1着でいいスタートはきれました」
 清水裕友は坂井のまくりを止め、その外を嘉永がまくると、4コーナーから外を回して踏み込んだ。
 「(町田)太我がしっかり踏んでくれたし、強かった。(嘉永は)見えた時には止めにいけなかったですね。気づくのが遅れました。坂井が止まってからの外は見えづらかったです。疲れか、わからないけど、(強風で)バンクコンディションもきつかったです」
 山口拳矢は先手の3番手を確保したが、前は清水、後ろは古性という隙のない選手たちの動きもあり、道中で脚力の温存はできなかった。だが、状態には問題ない様子。
 「道中で脚を削られていた。蛇行があったり、内にも気を使ったりして、すんなり(3番手)ではなかったので、仕掛ける脚が残っていなかった。踏んだけど進まなかったです。これは自分の状態のことではないし、問題はないです」