『大垣競輪開設55周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:5月4日


   大垣記念開場55周年記念競輪『水都大垣杯』はいよいよ4日に開幕!昨日までの平塚記念に勝るとも劣らない白熱のレースが繰り広げられた。特選レースでは人気の地元勢が惜しくも勝てなかったが、山田裕仁は優秀戦に勝ち上がり、山口幸二、富生兄弟は二次予選からの仕切り直しとなった。
  開催2日目の5日もファンサービスが盛りだくさん。先着2000名様にスピードくじが配布され、抽選で200名様に大垣競輪売店利用券(500円分)が当たる。また、先着500名様に「カキじゃん」タオルがプレゼントも。ゴールデンウィーク後半は是非とも大垣競輪場まで足を運び、トップレーサーによる迫力のレースを生でお楽しみ下さい。
 



<2R>
内村泰三選手
内村泰三選手
   まずは2Rの一次予選からレポートを。先行する阿部秀樹の後ろがもつれたところを一気にまくったのは内村泰三(写真)。流れ落ちる汗を拭いながらも笑顔が絶えない。
  「本当は緩んだところをカマシ先行で行く作戦だったが、阿部君が後攻めになってたからね。モコモコしたまくりになってしまい、お客さんから『ピュッとまくれ』って怒られちゃいましたよ(笑)」
  2着強襲は内村ラインの三番手から伸びた丸本孝人。一次予選突破にホッと胸を撫で下ろす。
  「最近は点数を落としてたので必死ですよ(苦笑)。四角で国村君とからむかと思ったけど、うまく中のコースが空いてくれたね」


<3R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   続く3レースは記念初参戦の新田祐大(写真)が力強い逃げ切りで一次予選突破を果たした。
  「2月宇都宮Sで落車して、その後もう一度練習に落車して、それ以降、ちょっと空回りでした。記念は初めてだし、ドキドキでしたよ(笑)。勝つには勝てたけど全然余裕がなくて、必死に踏み続けてました」
  2着にはバック手前からまくった梅沢謙芝が堪えに堪えて伸びた。
  「前受けの作戦だったが、うまく取れなかった。それでも岡田(茂人)さんが前を取りに行ってくれたのでその気持ちが伝わってきた。苦しかったけど諦めずに踏みました」


<6R>

杉山剛選手
杉山剛選手
   6Rから選抜戦がスタート。レースは一旦主導権を取った鷲田佳史が流したところを石橋慎太郎が一気のカマシ先行。この石橋ラインを追った杉山剛(写真)が嬉しい100勝を達成した。
  「石橋君はダッシュがいいし、行っちゃうと思いましたね。僕が少し遅れ気味に付いていった事で、鷲田君もバック踏むし、苦しかったんじゃないかな。記念の勝ち上がりで100勝を決められて最高ですね」
  3月からS級に特進し、前走西武園記念では大暴れの鷲田佳史は仕掛けられずのレースに反省しきり。
  「出てから流し過ぎですね…。3着だけど逃げて7着よりダメなレースです。まだ体の反応がA級戦の時と変わりきれてないのかな。この悔しさを二次予選以降にぶつけます」


<7R>
山口貴弘選手
山口貴弘選手
   7Rは藤田竜矢が、以前の対戦でやられている外山三平を出させずに果敢に逃げまくる。最後は差されたとはいえ約2周モガキ切った。
  「外山さんを押さえた時に引いてくれたので、動きが見えて良かった。外山さんのまくりに合わせて踏み直そうと思ってたが、山口さんが、いいブロックをしてくれましたね。僕の感触としてはちょっと練習不足なのか、競走ギヤが踏み切れてない感じです」
  別線をキッチリ止めて藤田とのワンツーを決めたのは山口貴弘(写真)。これからは追い込みで勝負するというのを実戦で証明した。
  「まだ余裕がないので、外山君の巻き返しがもっと早かったら対応できなかったかもしれません。これからは追い込みでやっていきたいので、こういうレースで結果が出て良かった」
  3着には外併走で苦しみながらも田島高志が食い込み、二次予選Aへの勝ち上がりを決めた。
  「山口君がブロックした時に郡司(盛夫)さんも一緒に上がってきたのが、キツかったですね。あれで郡司さんが内を締めてれば、僕が内に入って山口君を追い掛ける形に持っていけたかも」


<8R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   8Rは金子貴志(写真)が会心のカマシ先行を決めた。地元玉木勝実との中部ワンツーを決めて安堵の表情を浮かべるが、脚の感触はイマイチか。
  「周回中から重かったなあ…。出切ってからバックで流れるかと思ったら、そうでもないしね。前検日に練習した時は凄く流れたんですけどね。でもまあ、少しづつ良くなっていくんじゃないかな」
  勝った地元玉木勝実は金子に感謝しきり。地元選手初の1着を決めて特選組にバトンを渡す。
  「地元はファンの声援も多くて励みになります。今日は全て金子君の駆け出しに尽きます。踏み出しが緊張したけど、出切ってからは余裕もありましたね。急に暖かくなったから、軽くなるかと思ってるけど、体が付いていってないから、重く感じちゃうね」


<9R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   9Rからは特選が始まる。地元勢はじめ、トップクラスの選手によるスピード溢れるレースが展開された。地元コンビが思い切りよく逃げるも、伏見俊昭がまくり、その外を更にまくったのは村上博幸(写真)だった。
  「作戦的には中団、中団からでした。松尾(淳)さんがくるのがもう少し遅かったら、番手飛び付きも考えたが…。練習で使ってたが、競走は初めてのフレームだったので、自力で感触をつかみたかった。デキよりも、レースの流れが冷静に全部見えてたのが良かった」
  外併走からのまくりで地元勢を飲み込んだ伏見俊昭は険しい表情で引き揚げてきた。
  「幸二(山口)さんのブロックが効きました。あれがなければもう少し余裕を持っていけたが…」
  伏見を止め切れずに、優秀戦への勝ち上がりに失敗した山口幸二は新車の感触が悪そう。
  「練習で少しだけ乗っただけのフレームを持ってきたが、重く感じた。2日目からはいつものフレームに戻しますわ」


<10R>
有坂直樹選手
有坂直樹選手
 

 10Rは最終バック過ぎからもつれたところを、一気に大外を突き抜けた有坂直樹(写真)の脚色が別格。謙遜しながら話すが、自信ありそうだ。
  「あっ、と思ったら井上(昌己)君がきてたね。三角から内がごちゃごちゃしてたし、タレてきてたので、外を踏めば3着はあるかなと(笑)。思った以上に車の伸びが良かったね」
  果敢に主導権を取った吉田敏洋は3着に粘って2日目優秀戦『麋城賞』へ勝ち上がった。
  「僕の踏むタイミングが悪かったのか、井上君が仕掛けやすくなってしまったね。ホームは向かい風だし、バックでも流れないから、最後は必死でしたよ」
  井上不発と見るや、山口富生の内を突いた合志正臣に一瞬Vロードが見えたように思えたが…。
  「(山口)富生さんの内に入っても、外に張ると井上君がいたからね。無理やり上げられないし、どうしても富生さんとからみ合う形になってしまう。それでもいい時なら吉田君は交わせたと思う。これが僕の現状なのかな」



<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   最終11Rは永井清史が最終ホームから強烈なカマシを決めて主導権を取り切った。ゴール前は末脚を欠いたが、山田裕仁が2着に入った事で役目は果たしたという表情で振り返る。
  「出切れるスピードだとは思ったが、バックが流れなくて苦しかった…」
  大井啓世のブロックで一旦永井から離れた山田裕仁(写真)だったが、さすがに地元の意地で自ら踏み込んで永井と再びドッキング。
  「大井さんのブロックは来ると分かっててダメだったね。それにしても永井君のダッシュは凄すぎる。離れるかと思ったよ。こういう強い若手と走るのは大変です(苦笑)」
  激戦を制したのは新田康仁。うまく山田を追って直線で伸び切り快勝した。
  「予想してた流れになりましたね。永井君がカマせば三番手は離れるだろうと。山田さんを追う形になったが、自分で仕掛ける準備もできてましたよ。デキも良さそうだね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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