『大垣競輪開設55周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:5月6日


   開催3日目を迎えた大垣競輪開場55周年記念『水都大垣杯』は決勝進出を賭けた準決勝をメインに全11個レースが行なわれた。あいにくの雨模様となったが、地元勢を始め、精鋭のトップレーサーが熱戦を繰り広げた。準決Aに大挙して勝ち上がった地元勢は10Rこそ順当に勝ち上がるも、11Rでは松尾淳が新田祐大に突っ張られ山田裕仁、山口幸二らが脱落する波乱となった。
 最終日の7日も先着2000名様にラッキーカードを配布、抽選で10名様にデジタルカメラをプレゼント。また先着500名様への「カキじゃんタオル」プレゼントも行なわれる。
 さらにビッグなファンイベントは吉岡稔真氏が来場し、トークショー、サイン会が行なわれる予定。7日は天気の回復も見込めるだけに、本場で決勝戦をご堪能ください。
 



<8R>
吉岡篤志選手
吉岡篤志選手
   8Rの準決Cは1着のみの勝ち上がり、優参を狙う選手はシビアなレース運びでチャンスを狙う。先行一車となった伏見俊昭が最終ホームから先行態勢に入り、押し切るかと思われたが、差されての2着にガックリ。
 「力は出し切ったが…。普通なら先行して2着なら十分なのに、準決Cじゃ勝ち上がれない。芦沢君が本気で突っ張るのか、飛び付きなのかちょっと迷ったね。芦沢君との踏み合いで脚を使ったかな。仕掛けも強引だったし、ゴール前では余裕がなかった」
 その伏見を差し切ったのは吉岡篤志(写真)。赤板で伏見後位に追い上げると番手奪取に成功。芦沢の飛び付きも凌いでゴール前で伏見を捕らえた。
 「狙ってはいましたが、うまく行き過ぎた感じ(笑)。芦沢君は内で踏み遅れてた感じなので、僕はキメずに走れた。記念の決勝は3回目、準決Cからは初めてですね」
 連日飛び付き策で番手を獲り切っていた芦沢大輔は踏み負けてバックで後退し夢を絶たれた。
 「踏んだり止めたりは得意パターンのつもりだったけど、脚にきてたんでしょうね。1センターで当たりたくても踏み遅れてて無理でした。もっと脚を付けないとダメですね」


<9R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   2着権利の準決Bは9R。格上の有坂直樹が人気の中心も、カマシ先行を決めた石橋慎太郎(写真)が押し切り、静岡ワンツーを決めた。
 「今日は無欲で行く気持ちだったのが良かったみたい。あれこれ考えずにカマすつもりでした。記念は2回目の決勝です。終わってから脚が痛くなるほど踏みましたよ(笑)」
 石橋を好追走した萩原孝之が2着キープで、優参を決めた。四角では接触のアクシデントもあったが、ワンツーにホッとする。
 「作戦は中団、中団からのカマシだったが、誰も前を取らなかったからね。四角でからんで、ビックリして一瞬踏み止めたが、石橋君と決まって良かった。今日はほんとに石橋さまさまですよ」
 静岡ライン追走から、展開次第ではまくりも辞さない構えだった有坂直樹は外々をまくり上げるも、3着一杯で優参を逃した。
 「スタートの牽制で結構脚にきたね。無理無理踏んで行ったが重かったし、一杯だった」


<10R>
山口富生選手
山口富生選手井手健選手
井手健選手
   10Rは昨日同様に永井清史が豪快な先行策で押し切り、連勝で決勝進出を決めた。ゲストできていた加藤慎平からも「良いレースだった。決勝も頑張れ」と激を飛ばされた。
 「昨日の逃げ切りでだいぶ自信が付いたので、今日も思い切りのいいレースができましたね。今日もゴールまでタレずに踏み切れました。タイム? 雨の分、昨日よりチョイ悪じゃないですかね(笑)」
 昨日同様迫りながらも交わせずの山口富生(写真)だが、まずは優参を決めて安堵の表情でレースを振り返る。
 「昨日の事もあるから、より真剣に抜きに行ったが…。駆け出しでちょっと口が開いた分、僕もきつかったけど、永井が強いんじゃないかな。自力型がドンドン強くなれば、今をときめく福島に対抗できると思うよ(笑)」
 一旦は地元勢後位を大井啓世に割り込まれた井手健(写真)はゴール前で大井を差し返して、嬉しい記念初優参を決めた。
 「恵まれましたね。初めての記念決勝だし、最高ですね。井上君も勝ち上がってくれたし、決勝戦も精一杯走ります」
 連日力強いまくりを決めていた新田康仁は吉田敏洋の突っ張りに合い、万事休す。態勢を立て直した時はすでに遅かった。
 「あれじゃどうしようも…。レースの読みとしては永井君が先行する形になったところを稲垣君が叩きに行って踏み合いになるだろうと思ったが。中部は並んでなかったが、作戦だったのかな。1センターで前を見たら永井君は遥か彼方でしたよ(苦笑)」


<11R>
村上博幸選手
村上博幸選手富弥昭選手
富弥昭選手
   最終11Rは一番人気となった山田裕仁―山口幸二が敗れる波乱。新田祐大が松尾淳を突っ張って駆けると、三番手キープの村上博幸(写真)がバック手前からのまくりを決めた。
 「新田君が突っ張るようなら三番手で様子見、引いてきたら切り替えるつもりでした。あれ以上待つとかぶる可能性もあるから仕掛けました。体の反応も、動きもいいし調子は問題ない」
 村上のまくりに乗る形となった井上昌己がゴール前で差し切り1着ゴール。ニンマリとした表情で引き揚げてきた。
 「今日は恵まれましたね。同期に助けられました。『行ってくれ』と思ったところで仕掛けてくれたしね」
 井上追走の富弥昭(写真)も決勝進出を決めて笑顔が絶えない。
 「ラッキーの一言。人の後ろは楽ですねぇ。四角を回っても余裕があったし、内、外を気を付けながら踏みました。後ろを回るのがクセになりそう(笑)」
 人気の山田裕仁は松尾が不発で最終ホームは七番手。2センターから懸命に強襲するが、届かずの4着に涙を呑んだ。さすがに言葉少なだ。
 「キツかったね…。新田君も松尾君をスンナリ出させないだろうとは思ったが…」
 地元勢の夢を砕いたのは新鋭新田祐大だった。赤板から上昇の松尾を牽制しながら突っ張り先行を敢行した。
 「作戦は伏見さんに立ててもらいました。松尾さんは打鐘前からドカーンと来るのか思って、全開で踏む覚悟でしたが、それほど無理に叩きに来ないので、僕のペースもちょっと狂ったかな。ホーム手前から全開で踏みましたが、伏見さんに『まだ早い』と言われて(苦笑)。やっぱり上のレースは違うし、もっと力を付けないと」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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