『大垣競輪開場62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:10月2日
 今日から大垣競輪開場62周年記念「水都大垣杯」が始まった。1次予選から繰り広げられたスピードバトルは特選からさらに加熱する。特選は新田康仁、井上昌己に志智俊夫が快勝。明日、2日目は12Rの優秀をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出が争われる。
 明日は山口幸二さんによる予想会(3R、5R発売中)や山田裕仁さんをゲストにお招きして、伏見俊昭選手とのトークショー(8R、10R発売中)など様々なイベントが予定されています。明日もぜひ大垣競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
<1R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
 中団5番手を確保した近藤隆司(写真)がまくり快勝。オープニングレースの1番人気に応えた。
 「打鐘のところで思ったより踏めたんで、あそこがよかった。調子自体はいいですね。明日からもあまり欲を出さず一戦一戦。最近は自分の思った以上に点数が上がってるんで、見合った脚にしないといけないですね」
 2着には大木雅也がきっちり続いた。
 「近藤君は余裕がありますね。いつ行くのか構えっぱなしでした。付く分には問題ないけど、チャンスのときに1着取れないのが…」

<2R>
八谷誠賢選手
八谷誠賢選手
 鈴木庸之が打鐘過ぎにカマすと、八谷誠賢(写真)はこれを受けて中団を確保。伊藤信のまくりに合わせて2センターから踏み込むと粘る鈴木をとらえた。
 「仕掛けをミスったですね。直線で行かんといかんけど、鈴木君にビビッて行けなかった。直前に乗り込んだのがどう出るか怖かったけど、来る前に整体に行って疲れが抜けてた。勝ててよかったです」
 島田竜二はコースを外に選んだのが正解だった。
 「4コーナーで内に行こうかなと思ったけど、危なそうだったのでやめた。サドルを下げてみたんだけど、ちょっと低すぎますね。明日は半分戻します」
 ゴール後落車の鈴木庸之だが「落車した瞬間、フレームが…と思った(苦笑)。ヘコんでるけど使えるみたいなんで。体は大丈夫です」と気を取り直して2次予選を戦う。

<3R>
 押さえた小原周祐が流したところを松岡篤哉が叩くと、そこをすかさず屋良朝春がカマしてライン3車で出切る。最後は中村淳が番手絶好の展開をモノにした。
 「屋良の仕掛けがドンピシャでしたね。出足型だし、強いです。僕も前回からギアを4.42にしたから気持ち空けられたのかな。余裕はあったし、ワンツースリーでよかったです」
 屋良朝春は2着に粘った。
 「逃げ(の決まり手が)ついたっすか? ショックですね。要所、要所で体が動いてるんで、(打鐘の4コーナーも)反応できた。悪くないですね」
 地元の松岡篤哉は4着で何とか2次予選に。
 「8番(小原)も流しすぎてたし、ペースで行こうとしたら(屋良が)来たんで。中団に入ったけど、そこまで余裕はなかった。上がれたんで、修正して頑張りたいですね」

<4R>
 打鐘で先頭に立った河端朋之が絶妙なペース駆け。中団からまくり気味に踏み込んで来た竹澤浩司をけん制しながら、番手の吉永和生が抜け出した。
 「(河端が)きっちり行ってくれたのでよかった。2コーナーで踏み上げてたんで大丈夫だと思いました。まあ4コーナーは少しタレてたけどね。見た目は楽に差したように見えるけど、全然楽じゃなかったです」
 竹澤浩司は2着で久々に初日をクリアした。
 「河端がかかってたんで、まくるのキツいかなと思った。栗田(雅也)さんも外に浮いてたので行けるところからと思いました。気持ちは伸びてたけど、実際見るとそんなにでしたね。前回の1着で気持ちが変わったので今日も落ち着いていけました」

<5R>
 水谷好宏が最終ホームでカマシを敢行したが、番手の村田雅一が離れてしまい、根本哲吏が水谷後位にスッポリ収まる。そのまま番手で脚を溜めた根本がまくり気味に追い込んで白星スタートを決めた。
 「駆ける気持ちでいたけど。一車だったので番手に入りました」と冷静な立ち回りを披露し、初めて記念の1次予選をクリア。「番手にはまったあと、もっと早めに仕掛けられれば良かったが、周りが強いので(無理に仕掛けず)しっかり勝ち上がろうと。結果的にワンツーだったし良かったです」
 伊藤大志が根本にピッタリ続いて2着入線。「自分の体調があまり良くなかったので、しのげたのは大きい」と胸をなで下ろす。同支部の後輩については「前々へ攻めてくれたけど、欲を言えば(番手に入ったあと)もっと早く仕掛けられればベストだったね」。
 立て直して伊藤後位に入った村田雅一が3着だが「あおりもあったし一瞬内に差し込んだ時に踏み込まれて離れてしまい…。追い上げるチャンスもあったけど気持ちが弱くて動けなかった。一番信用を失くすレースをしてしまい、前後に申し訳なかった」と表情は冴えなかった。

<6R>
 逃げた魚屋周成を3番手から矢口大樹が先まくりで捕えたが、その上を及川裕奨が豪快にまくってラインでワンツースリー決着。立役者の及川裕奨は息を切らしながらも「行くべきところで行けたし落ち着いて走れました」と清々しい表情で振り返った。 「3車併走の一番外をまくり切れたし状態も悪くないですね。明日も精一杯頑張ってなるべく勝ち上がりたい」
 マークした永澤剛は及川の強さに感服した様子。
 「とにかく及川さんが強かった。僕が前だったらまくり切れなかったと思う。先輩に前を任せて良かった。ただ、最後差し切れたと思ったので2着は正直悔しいですね」
 好位から先まくりを決めた矢口大樹だったが、本線に飲み込まれて勝ち上がりを逃した。「前との車間を詰める勢いでまくっていければ良かったけど、バックを踏んで車間を切ってからまくりに行ったので出が悪かった」と敗因を分析する。ただ「レース勘とかは思ったよりも問題なかった」と話しており2日目以降の巻き返しに期待が持てそうだ。

<7R>
 大谷靖茂が打鐘から主導権。村上直久の巻き返しを封じると、力強く押し切った。
 「自分としてはこれ以上ない結果ですね。仕事をしてもらってだけど、力は出し切ったんで。まくられたら仕方ないぐらいの気持ちで行きました。体の調子もいいんで、出し切れるかどうかだけ。明日も狙っていきたいです」
 まくり不発に終わった村上後位から伊勢崎彰大が鋭く伸びた。
 「村上君は作戦会議から自信なさげだったから、みんなで盛り立てたんですけどね。止まっちゃったんで行くしかないかと思った。脚一杯です。千葉記念に向けていい練習になりました」
 バックまでかぶって仕掛けるタイミングがなかった東矢昇太だが、最後は中を割って何とか4着に。
 「外を行きたかったけど、ああなってしまった。ホームで行けばよかったんですけどね。最後はあのコースしかなかったし、後ろの柳詰(正宏)君に申し訳ない」

<8R>
守谷陽介選手
守谷陽介選手
 打鐘で上手く中団を確保した守谷陽介(写真)が鮮やかにまくって、近況のうっ憤を晴らした。
 「空かなければそのまま行こうと思ったけど、入れたから。前々に行こうとした結果ですね。ギア倍数を上げてなんで器用に走れるんですかね。記念は気持ちが入るし、明日もやれそうですね」
 逆転こそならなかった野本翔太だが、しっかりと2着はキープした。
 「舘(泰守)さんが持ってきたときに外に差して番手を確保できるようにと思った。守谷さんはよけてから伸びていってる分、差せなかった。強かったです。来る前もよかったし、僕の調子もいいです」
 3着の舘泰守は「もう1秒待っていけば…」と西村光太が僅差の5着に沈んだ結果を悔やんだ。

<9R>
長島大介選手
長島大介選手
 人気を集めたのは南関ラインだったが、好位をキープした長島大介(写真)が好回転のまくりを決めて他を圧倒し好スタートを切った。
 「良い位置が取れたし余裕もあったので、落ち着いて仕掛けられた。調子は良いですね。2次予選は相手が強くなるし、まくれないだろうから、積極的なレースを心掛けて見せ場を作りたい」
 目標不発のピンチに陥った渡邉晴智だったが、さすがのリカバリーを見せて連を確保。渡邉は後位を固めていた富澤洋祐を誉め称えた。
 「後ろがしっかりしていたから立て直せた。人によってはしゃくって来たと思うけど、あいつは内を締めながら俺を拾っててくれたからね。それに尽きますよ」
 3着には守安政雄が入り三連単と三連複は高配当の決着に。「思い切って逃げてくれた奥平(充男)さんが男気を見せてくれたおかげ。まくってくるスピードが良かったし、2人で8、9着するよりは良いかなと思い、申し訳ないけどタテに踏ませてもらいました。本当、奥平さんに感謝です」。
 見せ場を作れなかった鈴木裕だが、4着争いを微差で制し「首の皮一枚つながった」と辛うじて2次予選へ。「迷ってしまったのが敗因。打鐘でいけばよかったですね。ただポイントは分かったし、調子自体は良いので今度こそ」と巻き返しを誓った。

<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 竹内雄作が主導権を握ると、3番手確保の平原康多が2コーナーまくり。諸橋愛とワンツー決着かに、平原の仕掛けに乗った新田康仁(写真)が直線大外を伸びた。
 「ほんとはあの(平原の)位置がよかったけど、先に斬られたので。(竹内は)流してたらカマすぞと思ったけど、落ち着いちゃいました。平原は絶対仕掛けるだろうし、(林)雄一には申し訳ないけど3着はあると思った。そしたら意外に伸びましたね」
 先まくりの平原康多はゴール寸前で1着をさらわれた。
 「(竹内は)なかなか踏まないですね。駆け方が上手でした。まくれないかと思ったけど、僕も自力の看板を背負ってる以上はとりあえず行ってから考えようと思った。完調ではないけど、どんどん調子を上げていけるように頑張ります」
 踏み出しで口が空いた諸橋愛だが立て直して平原に続いた。
 「離れた。重かったなあ。(平原が)立ちこぎしてくれればタイミングが分かるけどずっと座ったままで仕掛けたから。久しぶりの競走だったし感覚が難しい。でも1走して、だいぶ変わってくると思います」

<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 北津留翼がダッシュよく叩いて出るが、そこを打鐘から石井秀治が一気にカマして出る。4番手の北津留が一杯で動けないと見るや、バックから自力に転じた井上昌己(写真)がハイペースの消耗戦を制した。
 「翼が頑張ってくれました。追いつきそうになかったからゴメンと思いながら行った。正直重かったけど、みんな重いと言ってたから。(レースが)2周から始まったし、キツかった」
 芦澤大輔にからまれ最終ホームを9番手で通過した村上義弘だったが、最後は意地で2着まで突っ込んできた。
 「必死ですよ。人気もしてたんで、とにかく1人でも(抜こう)と思いながら。今日のレースでは感じが分かりにくかった。セッティングも一戦一戦色んなことを試しながらやっていこうと思う」
 前々に攻めた芦澤の動きに乗った浦川尊明は村上に交わされたが3着で優秀戦に。
 「大輔が前々に行ってくれて、前のみんなが脚を使ってたので俺が生きた。大輔がすんなり引いたら、あの位置にはいられない。気持ちが伝わってきたし、嬉しかったです。状態も悪くないですね」
 5着に敗れた石井秀治だが「待ってもよかったけど、参戦して力を試したかった。3着までに入れなかったけど、明日修正して頑張ります」。動きは悪くなかっただけに、早々と次の戦いに気持ちを切り替えていた。

<12R>
志智俊夫選手
志智俊夫選手
 小林大介、山田英明の順で斬ったところを打鐘過ぎから浅井康太が叩いて主導権を握る。これで番手絶好になった志智俊夫(写真)が浅井をとらえて地元記念の好スタートを切った。
 「今日は展開がよかった。それに尽きますね。北の前受けは意外だったけど、逆に浅井君のペースになりましたね。山田君の勢いもよかったけど、2人で決まるなと思ったし、最後は自分が抜けるかどうかの勝負と思った。前回のこともあるしよかったです」
 逃げても強い。浅井康太はあらためてオールラウンダーぶりを発揮した。
 「北の前受けで自分のペースになるのかなと思った。あの距離(を踏むの)も想定内。飛びつきも警戒して上の方を走りました。明日もフレームはこれでいく。先行でも何でもできるんで」
 山田英明は中団4番手から鋭く前団に迫った。
 「小野(俊之)さんにもそういう風に走れと言われてたし、あの競走をさせてもらってるからにはしっかり位置だけは取ろうと思ってた。バックで緩んだけど行く勇気がなかったですね。雨が降ってなければ、もう少し出たと思います」
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