『大垣競輪開場63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月26日
 大垣競輪開場63周年記念「水都大垣杯」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。11レースでは3連単60万円台の大穴車券が飛び出すなど大荒れ模様だったが、平原康多、深谷知広、原田研太朗らベストナインが出そろった。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。
 最終日も稲垣裕之選手(京都・86期)トークショー、山口幸二さんによる予想会、スピーチーズライブなど場内イベントは満載。ぜひ大垣競輪場でお楽しみください。
<10R>
平原康多選手
平原康多選手
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 後攻めから上昇した鈴木謙太郎を前受けの佐川翔吾が赤板過ぎに突っ張って先行。3番手に鈴木を迎え入れた平原康多(写真)だが、鈴木が厳しいと判断すると、最終3コーナーから自力に転じる。直線で近畿両者を抜き去って貫禄を示した。
 「鈴木君が頑張ってくれました。2、3回仕掛けてくれましたから。3回目でさすがにもういっぱいと思って、最後は踏ませてもらいました。後輪が接触して壊れそうになったけど諦めないで良かったです」
 佐川の先行を利した藤木裕が2着に入った。
 「今日は佐川の頑張りに尽きる。1人で仕事をしてくれた。(平原が)見えても対処できないし、前に踏ませてもらった。(状態は)あまり良くないですね。流れが向いただけ。これが今後につながってくれれば。脚が上がって乗ったわけじゃないけど、明日は精いっぱい頑張ります」
 原田研太朗(写真)は厳しい展開をしのいで何とか3着に食い込んだ。
 「自分のダッシュのなさを痛感しました。きつかったけど気持ちを切らさずに最後まで走れました。最後は(内藤秀久に)差されたと思ったけど、何とか3着に入れました。でも、後ろに迷惑をかけてしまった」
 突っ張り先行の佐川翔吾は持てる力をすべて出し切った。
 「前を取るつもりはなかったんですけどね。引こうか迷ったんですが、(鈴木が)中途半端だったし、一番強いラインを逃がしても厳しいので突っ張りました。力は出し切りました。残れれば良かったけど、どこからでも平原さんは飛んでくると思ってました」

<11R>
友定祐己選手
友定祐己選手
小林大介選手
小林大介選手
 赤板で出た矢口大樹はいったんペースを落として、竹内雄作が7番手に引き切るのを確認してからペース上げて逃げる。最終ホーム手前から反撃に出た竹内だったが、中団の櫻井正孝に合わされて不発。竹内ラインの3番手にいた友定祐己(写真)は2コーナーで切り替えると、直線の入り口でビクトリーロードが開けて鮮やかに突き抜けて高配当を演出した。
 「竹内が仕掛けてくれたから、自分もあそこまで来ることができた。4番(荒澤貴史)のところで内に行くか、外に行くか迷ったけど、きれいに(荒澤の内が)開きましたね。竹内は一回ちゅうちょしたけど、あそこで行っていれば竹内らしさが出たと思う。やっぱりマークされるから、竹内は戦いづらいでしょうね」と、ホームバンクの竹内を気遣った。
 逃げる矢口との車間を大きく切った小林大介(写真)は、櫻井のまくりに合わせて番手発進。櫻井に踏み勝って2着での優出に、うれしそうに汗をぬぐう。
 「キツかったです。櫻井も来てたけど、(ブロックしても)外に逃げられちゃう感じだったから、そのまま踏ませてもらった。自分で調子が上がってきたって感じた場所だったんで、そこで決勝に乗れたのはよかった。とにかく矢口君が頑張ってくれた」
 櫻井正孝は小林に合わされながらも、なんとか踏ん張り3着。記念初優出を振り返りながら、決勝へ向けて気を引き締める。
 「恵まれました。矢口君がすごく掛かっていたし、これだと(竹内)雄作が来ても無理やりだろうなっていう感じだった。俺が踏めば(ラインで)いけるかなっていうのがあったけど、(小林の)2段駆けは考えてなかった。それでヤバいと思って、あとはもうもつところまで踏もうって思った。フレームを換えて、ポンと結果が出ました。反省点は多いけど、この着は素直に喜びたい」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
新山将史選手
新山将史選手
 赤板過ぎに飛び出した新山将史を小原唯志が打鐘で叩いて先行策に出る。人気の中部SSコンビは後方に置かれる厳しい流れ。絶体絶命の7番手となった深谷知広(写真)だが、大外を豪快にまくり追い込んで1着まで届いた。
 「打鐘で行こうと思ったけど小原さんに見つかってしまった。前を見すぎましたね。新山君ももっと行くと思ったし、見誤りました。最後はなんとか届いたけど後ろに迷惑をかけてしまった。状態は悪くないと思うし、優勝を目指してしっかり頑張ります」
 5番手をキープしていた山田英明は最終3コーナーから内を進出。最後は番手の中村淳を飛ばして2着に入った。
 「ここのところ流れに乗れていなかったので、流れに乗ることだけ考えてました。北日本がもうちょっと積極的に行くと思ったんですけどね。落ち着いていたといえば落ち着いてました。最後は外を踏めれば良かったですけどね。脚の感じはそんなに良くないけど、だんだん良くなっています。決勝は単騎で頑張ります」
 小原を受けて3番手を確保した新山将史(写真)が3着。記念初参戦で決勝に進出した。
 「3番手を取ってまくりに行けたけど、飲み込まれてしまうと思って…。詰まってバックを踏んだときに、内から(山田英明に)来られてしまった。でも、からまれないようにして前に踏めました。恵まれました。決勝に乗れてびっくりしています。運を使いすぎですね」
 打鐘先行の小原唯志は直線で失速した。
 「相手が深谷君なんで全開で駆けました。バック線まではいい感じだったんですけどね。もう少し粘れるように。次につながる走りはできました」
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