『大垣国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月10日

 大垣競輪場で開催されている第5回「国際自転車トラック競技支援競輪」(GIII)はいよいよ3日目。今日は準決勝3個レースで決勝進出をかけた激しいスピードバトルが繰り広げられた。外国勢は3名全員が決勝へと勝ち上がったが、佐藤友和、佐藤康紀がボス、ドミトリエフの連勝を止めた。明日は決勝戦。9Rの「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」には初来日のバベクが出場する。
 明日は元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんが大垣競輪場に登場。ガールズケイリンの小坂知子選手をゲストにトークショー(7R、9R発売中)を行います。明日も決勝戦に「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」と見どころ盛りだくさんの大垣競輪場へぜひご来場ください。

<10R>

佐藤友和選手
佐藤友和選手

ボス選手
ボス選手
 後ろ攻めの取鳥雄吾の動きを制して5番手から箱田優樹が動くと、森川大輔にもけん制された取鳥は5番手に。8番手から打鐘で仕掛けたボスに対し、箱田は全開に踏んで抵抗。一度5番手に入ったボスがホームから巻き返すと、箱田マークの佐藤友和(写真)がこれをブロック。そのまま番手から踏み込んで、後続を振り切った。
 「箱田が強かったです。落ち着いていましたね。タレていたらあの対応はできなかったです。昨日はセッティングを失敗したので、今日は戻しながらアレンジした感じです」
 佐藤にけん制されたボス(写真)だったが、佐藤に続く形で2着に入線した。
 「佐藤さんが待っていて、彼のアクションが分からなかった。佐藤さんに行かれてしまったので、追い抜くことしか考えてなかったです。1、2コーナーのことはあまり覚えてないけど、脚を消耗しているときに(佐藤に)行かれてしまったのでキツかったです。今日はスピードアップのタイミングがズレてましたね」
 2センターで森川大輔が落車。これを避けて前に踏んだ小林信晴がGIII初優出を決めた。
 「森川君を何とかアシストできればと思った。(GIIIで)初めての決勝に乗れて嬉しいです。昨日、島野(浩司)さんにアドバイスを聞いてセッティングを変えた。練習の仕方を変えたのもよかったのかも」
 鈴木裕はボスを追走できずに決勝進出を逃した。
 「(打鐘の)3コーナーで(ボスが)行っててくれれば(ラインで)決まったと思うけど、時間差のある踏み方をされてめっちゃキツかったです。道中バックも踏んでいたしキツかったです。競輪は難しいですね」

<11R>

佐藤康紀選手
佐藤康紀選手

ドミトリエフ選手
ドミトリエフ選手
 逃げる川口聖二を打鐘過ぎ2センターからドミトリエフが一気に叩く。打鐘前にはドミトリエフに口が空いた佐藤康紀(写真)だったが、追いつき続くとゴール前で逆転した。
 「今日は前を取って引いての単純なレースと思ったんで落車がなさそう。プロテクターも全部外した。あれでも気をつかって行ってくれてるんでしょう。出切るまでもペースみたいな感じだったし、出てからは流してコーナーで踏んで、上手いですね。あれなら後ろも見なくて大丈夫なんで」
 連勝は止まったドミトリエフ(写真)だが力強い走りできっちりと決勝に駒を進めた。
 「明日を見すえての走り。悪くはないと思う。勝ちたかったけど、今日は(距離が)長かったからパワーが落ちた。今日の結果を元に修正します」
 4コーナーから空いた内を突いた東龍之介が3着に突っ込んだ。
 「今日は前を取る作戦はなかったんで。(堀内俊介が)ホームですかさず行ってくれたけどビリビリして、あそこ反省ですね。しっかり付いて行ってフォローできれば。でも、とりあえず決勝に上がれたんでよかった。昨日、ボスの後ろに付けたのは自信になった。脚的にはいいのかなと思ったので」
 8番手からまくり上げた鈴木竜士だったが惜しくも届かず4着まで。
 「組み立てミス。まさかあんな風になるとは思わなかった。あの並びじゃドミトリエフの先行になる。早めに動いてみたけど、あれなら前受けでもよかったですね」

<12R>

パーキンス選手
パーキンス選手

高橋和也選手
高橋和也選手
 先行態勢に入った久米康平を打鐘過ぎ4コーナーから仕掛けた鈴木庸之が一気に叩く。そこを1コーナーからパーキンスがまくって行くが合わせて高橋和也も仕掛けて2コーナーから雁行状態に。併走のまま4コーナーで鈴木を飲み込むと、直線でパーキンス(写真)が力勝負を制した。
 「今回来てる日本人の選手はすごいいいレースをしている。それを証明する1日だったね。(高橋とタイミングが)一緒になったけど、最後まで諦めることはしない。そこで迷ってしまったら負けだから。高橋が最後は流してたって言ってる? 勝ったとは思ったけど、流したつもりはない」
 敗れたとはいえ高橋和也(写真)は最後までパーキンスを苦しめた。
 「いいタイミングで行けたし、展開が向いたなと思ったけど。(鈴木が)行かなくても2コーナー目がけて、イチかバチか行ってた。勝ったかなと思ったんですけどね。感じはいいけど決勝は外国人3人なんで、どうなるかわからないですね」
 パーキンスの仕掛けに続いた伊勢崎彰大が3着で決勝戦最後の切符をゲットした。
 「相手は俺が離れるのを期待してるだろうし、離れるのは悔しい。そこだけでしたね。調子はいいと思う。(まくりの決着は)どっちかな?と思いながら、車券的には2着のほうがよかったけど。ゴール後にパーキンスに聞いたら、『100%(のダッシュ)』って言ってた。100%について行ければ問題ないね」
 打鐘過ぎ4コーナーから思い切った仕掛けに出た鈴木庸之。上がり11秒1なら十分なはずだが、「僕のキャパを超えてる」とレース後は呆然とするばかり。
 「パーキンスが引き切る前に無理やり出ればパーキンスは1車で来ると思ってた。だからあそこでフルスロットルで行きますんでと(後ろの2人に)言ってあった。3コーナーで後ろを見たらパーキンスの内にオレンジ(7番車の高橋)も見えて、これでも来るのかと思った。ダメだったっすね」

<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>

バベク選手
バベク選手

永井清史選手
永井清史選手
 最終日、9Rには「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が行われる。今回が初来日となるバベク(写真)の初出走がここ。慣れない9車の競輪と違い、勝手知った国際ルールでの戦いなら他を圧倒しそうだ。
 「競輪学校で十分なトレーニングを積んできた。ベストを尽くせばいいレースができると思う。調子はいいほうだと思ってるし、(今後)1カ月、2カ月を経て望んでるものになっていけば。今回は世界選で銅メダルを取ったときのフレーム。(来日して)4週間たって初めてのレースでエキサイティングしてます」
 永井清史(写真)は今回が3度目のエボリューション参戦。昨年7月の小松島記念最終日に開催されたエボリューションでは根田空史らを破っている。
 「しっかり練習はしてきました。普段からカーボンフレームで練習してるし、セッティングどうこうもないですね。感じもいいと思います。外国人はいるけど、前回の根田と入れ替わった感じ。(1番車で)位置も取りやすいので、やっつけたいですね」
 点数最上位の存在は岡部芳幸だ。
 「前回(6月高知)終わって、(平FIIの)誘導に行って、その後3日間バンクで乗ってきた。高知が終わってからそんなに日程はなかったし、最近は数字がよくないですけど、状態は悪くないんで気にしてない。カーボンフレームは何回も乗ってるので問題ない。あまりこっちの感覚に慣れてもと思って、(セッティングの)調整程度で乗ってきました」
 普段は追い込みの林雄一は上手い位置取りで上位を狙いたい。
 「雨谷(一樹)から買ったカーボンフレームもあるけど、サイズが大きくてセッティングも出ないので福田(知也)君に借りて来ました。一昨年の地区プロでもこのフレームでケイリン3位に入ってる。直前もこれに乗ってきたけど、僕は普通のフレームに乗るのとタイムが変わらないですね。位置取りは長けてると思うけど、ヨコができないのが厳しいな」