『大垣競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:11月10日
 大垣競輪場を舞台に、開設65周年記念「水都大垣杯(GIII)」が11月11日に熱戦の火ぶたを切って落とす。直後に控える競輪祭の行方を占う意味でも見逃せないシリーズ。稲垣裕之、武田豊樹のS班2名を筆頭に、山崎芳仁、吉田拓矢、地元の竹内雄作、郡司浩平ら豪華メンバーが参戦する。11日から始まるハイレベルな戦いに注目だ。
 なお、開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。11日の初日は、日本競輪選手会、岐阜支部によるお客様のお出迎えやイベント(3R、5R発売中)、「むすび@せんせーしょん」によるLIVE(6R、8R発売中)などを予定しています。11日から始まる「水都大垣杯」をぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 小川真太郎(写真)は10月小松島FIでの113着を皮切りに、3場所連続でFI戦を優出。ムード良好で乗り込んできた。
 「体は悪かった時より、いいとは思いますけど、すごいいいわけではないです。小松島からギアを換えたら、自転車が流れるようになりましたね。流れも悪くない。(1レース1番車を)引き当てました。そんな気もしていましたけど。頑張ろうって気になりますし、期待に応えられるように」
 窓場千加頼は9月小田原FIから白星が目立つなど、徐々に状態を上げている。
 「4月、5月くらいに椎間板ヘルニアになって。復帰してから悪かったです。そこから考えたら良くなってきましたね。でも、今は1着か大敗かになっていてよくない。9着を4、5、6着にできれば点数が上がっていくと思います。そういう、ささいなところですね」


<2R>

 片寄雄己は、前回の10月豊橋FIで落車。しかし、「怪我は大したことないです」と幸い大事には至らなかった。
 「(落車は)うっかりでしたね。(続く立川FIの欠場は)大事をとって。でも、すぐ自転車にも乗れたし、ウエートもやって。欠場したので、一から体を作り直そうと。体重も、あえて3キロ増やしました。練習もかなりやってきたし、あとは走ってみてですね」
 点数最上位の存在は箱田優樹。しかし、近況は一息の成績だけに、弱気なコメントに終始した。
 「(不調の原因は)わからないです。体は問題ないんですけど、練習の感触もそこまでよくないですね。(地区プロは)家事都合で欠場しました。(中27日空いたが)忙しかったので、練習は普通ですね」
 点数を落としている藤井昭吾だが、一発には警戒したい。
 「ぎっくり腰で(富山FIを)欠場したけど、治りました。ゆっくりは自転車に乗れたけど、痛くてモガけなかったです。でも、8日に地区プロがあって。負けたけど、思ったよりモガけましたね」


<3R>

簗田一輝選手
簗田一輝選手
 佐藤幸治は、前回の千葉記念で2712着と好走。勢いに乗って、今シリーズも暴れ回るか。
 「千葉記念はよかったですね。8月くらいから硬いフレームに換えて、それが良い感じです。ここまで結構空いたので、練習もできたし、地区プロもいい練習になりました。(優勝した地区プロの1kmTTは、タイムも1分)5秒台を狙っていたので、そのタイムが出てよかったです。このあとに地元記念も控えているので、この調子で頑張りたい」
 簗田一輝(写真)は、3場所連続で記念参戦。前回の平塚記念が一息だっただけに、当所での奮闘を誓った。
 「熊本記念で落車しているし、平塚が悪いのはしょうがないんですけど…。もう少し頑張りたいですね。(今シリーズは)積極的にいきたいってのはあります。大垣は初めて。(ここまでは)普通にできました。行けるところから先行もできれば」


<4R>

 近況はリズムがつかめていない川口聖二。大事な地元記念で流れを変えるか。
 「ちょっとGI(寛仁親王牌)くらいからセッティングとか、靴とかで悩んでしまって。自分の感じを崩してしまいました。でも、結局元に戻して。練習の感じもよかったし、(状態を)戻してきたと思います。(ここまで)1週間くらいあったので、大垣バンクにも入りました。目標は、もちろん決勝にのることです。ハードルを自分で上げて頑張りたい」
 対するは才迫開。10月熊本記念、続く防府記念で、それぞれ2勝と動きが冴える。
 「(状態は)変わらず。(強制帰郷はしたくないので)初日で楽になりたい。ここまでは練習をして、ケアをして。あとは蓋を開けてみてって感じです。いつも一矢報いたいとは思っている。一発を狙います」


<5R>

 6月に特昇した阿部拓真は前回の青森FIを223着など、順調なS級生活を送っている。記念開催でも好走をみせているだけに、今シリーズも注目が集まる。
 「(S級で好走しているが)まだまだですね。青森も、すかっとするレースがなかったです。ここまでは普通に練習をしてきました。寒くなってきたわりには動けましたね。(今シリーズの目標は)一戦、一戦ですけど、まだ準決にいけていないので(そこまで勝ち上がりたい)」
 大崎和也は、前回の防府記念を11着で準決勝に進出。キメ脚軽快だ。
 「防府はラッキーだっただけ。(連日、目標にした)佐々木(孝司)さんが強かっただけです。でも、急な追加ですけど、良い流れでこれましたね。防府の後は、青森に帰って。(新山)響平君とかとモガいて、リフレッシュしてきました。阿部君とはA級の時にワンツーが決まったことがあるけど、強くなっているので離れないように」
 近況はFI戦でV争いに参加している石塚輪太郎。記念でも結果を残し、さらに存在をアピールするか。
 「FIではコンスタントに決勝に乗れているので、あとは記念で。3日制の(2月)小田原(国際競技支援競輪GIII)は決勝に乗りましたけど、4日制(の記念)で結果を残したいですね。今の調子で自分のレースをすれば、勝ち上がれると思う。走るからには優勝を目指したいです」


<6R>

松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 松岡篤哉(写真)は、大事な地元記念に向けて、しっかり準備してきた。
 「先月くらいから、ここに向けてやってきました。(寛仁)親王牌はリズムに乗れなくて。でも、状態は上がっていると思います。力を出し切るレースに持っていければ、大丈夫だと思います。(ここまでの練習は)バンクにも入りましたけど、街道が多かったです。しっかり自分でレースを作って」
 松岡と同じく、当所がホームの吉村和之。気合の入る地元記念だが、いつも通りを強調する。
 「いつも入れ込んで、なぜか(地元記念で)落車しているのが気になって。特別なことはしなくて、今回はいつもと同じように。普通にしています。松岡君は離れているので苦手意識があるけど、離れないようにします」


<7R>

 10月向日町を制した中井太祐だが、浮かれることなく精進を続ける。
 「向日町は野原(雅也)君の番手だったので。課題はまだまだあるし、もっとレベルアップしていきたい。大垣は久しぶりですね。悪いイメージはないです。(直前の地区プロでは)スプリントに出たけどすぐダメで。2日前くらいに追加がきて、悔しいから出ようと思いました」
 小川賢人は、今回がS級での5場所目。前回の熊本記念では、一次予選を突破など感触をつかんだ様子。
 「熊本記念で、やっと力を出し切ることができました。脚力じゃなくてレースで。練習もできていたし、ようやくレースに対応できた。2回も確定板に乗れたし、その流れで頑張りたい。今回も練習はかなりやってきて、疲れが心配だけど、抜ければ大丈夫。まずは、力を出し切ることを心がけます」


<8R>

 山岸佳太は、8月小田原で記念を初制覇。前回の熊本記念でも武田豊樹の優出に貢献するなど1391着で好走を見せた。
 「直前に地区プロがあって。団体追い抜きで優勝してきました。いろいろ試しながらですけど、思ったような練習もできています。でも、もうちょっと落ち着いてレースを組み立てられるようになりたいですね。自分の中では少しずつ、よくなっているけど。もっとうまくレースを組み立てたい。山口(智弘)君も積極的だけど、いけるところで仕掛けたいです」
 山本健也は、地区プロの1kmTTを準V。本業でも結果を出したいところ。
 「(地区プロは僅差で加賀山淳に敗れて)みんなの期待を感じたけど、ダメでしたね。ちょっと、これまでにやってきた疲れがあって。ここまでは、さらっとやってきました。まだ、疲れが残っている感じがあるので、前検日に疲れを抜きます。(本業でも)いいところを見せられるように」


<9R>

元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 予選のメーンは、前回の平塚記念でも2度連係して2度ワンツーを決めた近畿コンビが人気になりそう。先頭を走る元砂勇雪(写真)は今期からS級に返り咲くと、FI戦をコンスタントに優出。競走得点を一気に上げている。
 「前までは点数を持っていなかったからわからなかったけど、(競走)得点が110点に近づいてきて、(競走得点を110点にする)すごさがわかりました。平塚は長欠明けだったけど、走ってみて体は問題なかったですね。今期は1班の点数を取りたいし、ここから厳しくなると思うけど、しっかり頑張りたい。畑段(嵐士)さんとは、高校の時から知っているし、相性も良いですよ」
 畑段嵐士は平塚記念を1271着。目標を献身的に援護するなど、巧みな番手技術を披露した。
 「直前は地区プロがあって。団体追い抜きとエリミネーションを走りました。ちょっと疲れがありますね。元砂君とは相性が良いですよ。状態も上向きです」


<10R>

竹内雄作選手
竹内雄作選手
 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。地元の竹内雄作(写真)は、前回の千葉記念から3週間以上空いたゆとりのローテで当所を迎えた。
 「しっかり休んで、追い込んできました。(当所に向けていろいろ試していたが)一回全部戻して。まずは、一戦してみてですね。初日は3車だし、それを生かして。力を出し切れるように」
 坂本亮馬は、寛仁親王牌を2191着など大舞台でも好走。しかし、求める理想には遠い。
 「去年の末から怪我が多いわりには、それなりに走れている。でも、結果はそんなに出ていない。親王牌も準決までしか上がっていないし、前回(京王閣FI1312着)も取りこぼしている。ただ、点数を持った状態で競輪祭に入れたのは大きいですね。大垣は久しぶりで、記憶にないです」
 山崎芳仁は、腰痛で青森FIを欠場。状態が気がかりだ。
 「初めてぎっくり腰をやってしまって。2週間、何もできなかったです。よくなってきたと思って乗ったら、また悪くなってしまって。初めてのことだから、わからなくて。今も少し張っている感じはあるけど、1週間は練習をやりました」


<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 平塚記念の決勝で落車した稲垣裕之。しかし、怪我も軽傷で、直前の地区プロではスプリントを優勝してみせた。
 「平塚のあとはケアを中心に。直前の地区プロで影響がないことを確かめられました。久しぶりにスプリントで優勝できて、嬉しかったですね。落車の影響はないと思うし、走るぶんには問題ないです。体作りもできたので、競輪でも調子を確かめて競輪祭に臨みたい」
 同じく平塚記念で落車した郡司浩平(写真)も、怪我の心配はなさそう。こちらも地区プロのチームスプリントを優勝して当所に弾みをつけた。
 「落車の影響はそんなにないと思いますね。地区プロは何とか優勝できました。練習は(カーボンではなく)普通の自転車をメインにやってきました。少しずつよくなっている感じはあるけど、もう一歩ですね。残りも少ないし、自分のレースをしっかりして、悔いがないようにしたいです」
 小松崎大地は、今年3月の当所で記念を初制覇。相性の良いバンクで、再び結果を出すか。
 「(大垣記念の優勝は)誰も覚えてないでしょ(笑)。ただ、自分がやってきたことが間違いなかったんだなと思いました。今回も計画的にトレーニングはできましたし、頑張りたいです」


<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 三谷竜生(写真)は、前回の平塚記念で5113着と“らしさ”を存分に発揮。徐々に状態が上がってきている。
 「ここまでは地区プロがあったので、その練習と、競輪の練習を半々くらいでやってきました。しっかりとできたので大丈夫です。チームスプリントしか走っていないので、疲れはないですよ。細切れ戦は好きだし、しっかり走って(村上博幸と)2人で決められれば」
 親王牌から結果が出ていない原田研太朗だが、今回はフレームを元に戻して巻き返しを狙う。
 「直前の2場所は新車を使ったけど、結果が良くなかったので元に戻します。共同通信社杯の時まで使っていたフレームです。これで成績が変わらなかったらフレームのせいじゃなくて、脚のせいなので。それが分かれば、それはそれで良い。ラインが3人なので1車でも長いのは心強いですね。流れを見極めてしっかり仕掛けたい。メンバーが凄くいいので、楽しみです」
 武田豊樹は、後輩の吉田拓矢を目標に勝ち上がりを狙う。
 「(前回の平塚記念は)自分で一勝懸命頑張った。(競輪祭に向けてというより)一戦、一戦、頑張っていくだけ。(地区プロは)一走走りました。普通でしたね。ここまでは練習をしてきました。(ケガの具合は)徐々に」