『豊橋競輪開場72周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月19日
 豊橋競輪場で開場72周年記念「ちぎり賞争奪戦(GIII)」が、1月20日からスタートする。郡司浩平、清水裕友、佐藤慎太郎のS級S班3人をはじめ、地元からは金子貴志、吉田敏洋らが参戦する。高橋晋也、取鳥雄吾、宮本隼輔、福永大智ら若手の機動タイプも多く激戦は必至だ。1月19日の前検日は、選手各々が翌日からの激戦に備えて入念な調整を行った。
 なお、豊橋競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。開催中の毎日、イベントステージでの総天然色予想会、あったかグルメ「マルシェ&スイーツ」、先着ファンサービスなども予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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中本匠栄選手
中本匠栄選手
 中本匠栄(写真)は、今場所が今年3戦目。今年は未だに勝ち星がなく、らしさが見られないがそろそろ調子を上げていきたいところだ。
 「今はフレームやセッティングをいろいろと試しているところです。調子自体は悪くないと思うんですけど、まだセッティングがハマっていないというか、ピリッとしてないです。今節もセッティングは変えながら、試しながらになると思う。でも、そろそろ結果を出していかないと駄目ですね」
 福永大智は、後ろに畑段嵐士、真田晃を連れての自力戦。より一層気持ちを入れてレースに臨む。
 「畑段さんとの連係は2回目ですね。1回目の時は決められなかったのでその分も頑張りたい。前回の地元戦は積極的には走れていたけど、やっぱり決勝に乗りたかった。積極的に走る中でも結果も残さないとダメなので。すぐには結果は出ないですけど、積極的なレースをして、その中での反省点をしっかり次に生かしていきたい」


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 嵯峨昇喜郎は持病の腰痛の影響もあり、なかなか成績が上がらない日々が続いたが、昨年は徐々に調子を取り戻していた。本来のポテンシャルを考えれば、まだまだ良化の余地がありそうだ。
 「自分の中ではまだ本来の状態には戻っていないです。腰は治療に行ってよくはなっています。勝ち上がりの権利は考えずに自分の競走をしたい。簗田(一輝)さんには前回勝ってますけど、そう簡単にはいかないですよ。豊橋は夏場に来たことがあってあまり風のイメージがない。冬場でコンディションがかなり違うらしいので1走して確かめたい」
 対する佐藤龍二は、嵯峨との前回の対戦を踏まえてこう語る。
 「相手は嵯峨君ですか。前回の静岡で簗田君が頑張ってくれたのに自分が嵯峨君のまくりを止められずにやられてしまった。リベンジしたいですね。今回は調整方法を変えてきました。あまり外では乗り込まずに室内練習がメイン。以前その調整をしてから競走を走ったら、意外と感触が良かったんですよね」


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松坂洋平選手
松坂洋平選手
 松坂洋平(写真)は昨年12月の伊東記念で決勝3着。今年初戦の1月静岡は2、1、2着と、得意の冬場で調子を上げている。
 「(伊東記念で)深谷(知広)君に付いて、あのスピードに付いていけて、最後も迫れたので自信にはなりました。そこから脚の調子もいいですね。自分は重かったり、風が強かったりっていうのは苦にしないタイプ。バンクのコンディションが悪ければ悪いほど、自分にとってはいいですね」
 藤井栄二は1月松山で、昨年6月青森以来の優出。3日間バックを取る持ち味全開の競走で存在感を放った。
 「今回は中4日なのでケアを多めにしてきました。前回は3日間バックを取れたし、次につながる競走ができました。去年の10月くらいからフレームを変えて、ずっとセッティングを試している感じだった。それが最近になってセッティングが出て、そのセッティングに合った乗り方をするようにしたんです。そうしたら力がしっかり自転車に伝わるようになりました」


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金子貴志選手
金子貴志選手
 ホームバンクの金子貴志(写真)は、当大会を57周年、64周年、68周年と3度制している。地元の重鎮が初日は藤井侑吾に前を任せて、まずは初戦突破を狙う。
 「状態はそんなに良くはないのかな。でも地元なのでしっかり頑張りたい。藤井君とは初連係だけど、直前に一緒に豊橋バンクに入ってモガきました。強かったですよ。まずは離れないように、集中して付いていきます」
 今期から初のS級1班に在籍する久木原洋が地元勢に牙をむく。ここも十八番のまくりが炸裂するか。
 「大宮記念を走りたかったけど、地元はいっぱいいたし仕方ないですね。みんな頑張ってる姿を見て刺激になりましたよ。初日からキツいメンバーですね。地元も先行したいだろうけど、菅田(和宏)さんがいるからそう簡単にはいかないでしょう。もつれれば面白いと思いますよ」


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 予選の1着が目立つ伊原克彦。経験値の差を見せて、若手に実力を示すか。
 「山根(将太)君や、加賀山(淳)君は積極的だけど、そこの踏み合いをあてにして立ち遅れないようにしたい。しっかり自力自在に動いて自分でレースを作れるように。調子自体は上向いているけど、油断せず頑張ります」
 山根将太はA級1、2班戦を9連勝で卒業し、戦いの場をS級に移した。初の記念でどんな競走を見せるのか注目だ。
 「S級はやっぱりスピードが違うしかなり難しいです。1着はあるけど、まだ決勝にいけていないので。今の脚力だと、今の成績が精いっぱいなのかなって思う。そこはもう練習していくしかない。9車のS級戦は初めて。走ってみないと分からないけど、4日間、次につながる開催にしたいです」


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 岡本総はマーク堅実なタイプだが、前回は前との連結を外すなど一息入った印象だ。地元記念でどこまで立て直してきているかがカギになる。
 「前回は寒すぎたのもあるし、体が動いていなかったです。ちょっと久々に前にちぎれました。アップの感じは悪くなかったし、調子自体は問題ないとは思うんですけどね。しっかり調整はしてきたつもり。初日から(竹内)雄作なので、しっかり集中して付いていきます」
 竹内雄作は前回の地元戦で昨年8月松坂以来の優出。今節は地元地区の先導役として大きな期待がかかる。
 「前回は地元で番組に恵まれた部分もあるけど、感触的にもよくなっていますよ。去年の豊橋記念は散々な結果で終わってしまった。その分も今年は頑張りたいです」


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高橋晋也選手
高橋晋也選手
 高橋晋也(写真)は昨年のヤンググランプリで小原佑太とワンツーを決めて21年を締めくくった。気持ちも新たに、今年の初戦に挑む。
 「体調を崩して1本休んだんですけど、そこまで影響はなく練習できました。しっかり追い込めました。豊橋は初めてだけど、自分は初めてのバンクとかはあまり気にならないタイプ。今年は一戦、一戦しっかり戦って、GIで先輩方と一緒に上のレースに勝ち上がることが目標です」
 その高橋と同期対決となるのが宮下一歩だ。S級デビュー戦だった前回の立川記念では、とにかく先手を狙う積極的な競走が光っていた。
 「S級でどこまで自分の力が通用するかまったくわからなかったし、立川は自分の競走ができたので、気持ち的にはプラスでした。高橋君とは今まで走ってきたレースが違うので自分と比較はできないけど、対戦できるのは単純に楽しみです。風が強いって聞くし、みんなが仕掛けを躊躇してくれたら自分はやりやすいですね」


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 小林泰正は昨年12月伊東記念を2日目途中欠場。復帰した1月向日町は4、1、6着とまずまずの成績だった。
 「伊東記念を潰瘍性大腸炎で途中欠場してしまって、去年はそれで煮え切らないまま走り納めになってしまった。そこから体調が戻って、調子もかなり戻ってきましたね。芦澤(大輔)さんとはかなり相性が良くて、連係した時はほとんどどちらかは確定板に乗っていると思う。すごくやりやすいので出し切れるように頑張りたい」
 藤根俊貴が一昨年の全日本選抜競輪以来、2度目の豊橋バンクに登場する。
 「前回(1月名古屋)は初日にやらかしてしまったんですけど、2日目と最終日に立て直すことができた。調子は上向きですよ。豊橋は風が強いイメージ。強風と言ったら立川か、豊橋ですよね。でも、全日本選抜の時に爆風の中で逃げ切ったことを覚えているのでいいイメージです」


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 成績にムラがある宮本隼輔だが、ここではスピード上位の存在。今年初戦で好スタートを決めたいところだ。
 「前回の欠場は家事都合なので、体調とかは問題ないです。練習もボチボチやれました。去年は地元記念だけがいい成績でしたね。年間を通してずっと気を張っていくことは難しいので、締めるところは締めて、緩めるところは緩めて。豊橋が風がすごいのは知っていますよ」
 115期の原田亮太はA級1、2班戦で先行基本に立ち回り、しっかりと力を付けてS級に上がってきた。初の記念でもスタイルは崩さない。
 「9車立ては初めてですけど、初日は3分戦だし、そこまで難しく考え過ぎずにやってみたい。2車多くなるってだけですしね。今はレースで出し切ることが大事。結果が出なくてもしょうがないし、自分のレースをするだけです」


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取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は1月小倉で準V。決勝は地元の園田匠とワンツーを決めて状態の良さが際立っていたが、そこから中2日。追加での参戦で状態面が気になる。
 「追加の連絡を受けたのは小倉に行く前でした。走ってみないと分からないけど、ゆっくりしつつ練習もしたので大丈夫かなとは思います。サマーナイトの権利がかかっていたので、小倉は優勝したかったけど、園田さんとワンツーが決まって最高の形になった。きっちり勝負できていたし、小倉の調子はよかったですよ」
 今年初戦の1月四日市から中12日空いた坂本周輝は、充実した期間を過ごせた様子だ。
 「去年のクリスマスくらいから冬期移動して、いい練習ができたと思います。練習も息抜きもできたし、今回は仕上げてきましたよ。フレームも、練習で感触がよかったやつを持ってきたので今回はちょっと楽しみ」


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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 昨年の当大会の覇者である吉田敏洋(写真)が予選のメインに登場する。リラックスしたムードの中にも程よい緊張感を漂わせながらこう話した。
 「2、3年前くらいから豊橋でもちょくちょく練習するようになって、今回も直前は豊橋で練習してきた。いつも通り苦しい戦いになると思うし、連覇は全く意識していない。去年は去年、今年は今年。どこかで自力を出さないといけないと思っているし、その準備はしてきました」
 その吉田の前を回るのは皿屋豊だ。プレッシャーを力に変えて一走入魂の走りを披露する。
 「めちゃくちゃ緊張しています。吉田さんの地元ですし、気持ちが入りますね。自分は去年腰をおかしくしてから調子が悪かったんですけど、かなり練習量も戻ってきて調子も上向いてきた。初日はもちろん先行も辞さないつもりです」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は和歌山記念を完全優勝と最高のスタートを切った。抜群の仕上がりを見せていただけに、今節も目が離せない。
 「(和歌山が)終わってからしっかりバンクで練習してきました。今はみんなで一緒にモガくっていうよりも、自分の力を付ける練習をしています。前回、サドル周りのセッティングをいじって、最終的によかったので今回も変えずに来ました。豊橋は一昨年の全日本選抜競輪で走った時も嫌な重さは感じなかったですね」
 一昨年に当所で行われた全日本選抜競輪を制した清水裕友が、思い出のバンクに凱旋する。
 「今は取手での全日本選抜競輪に向けて、フレームやセッティングをいろいろと試している最中です。調子自体は変わらず悪くないですよ。豊橋は2年前のGIで優勝しているしもちろんいいイメージです」
 白星ラッシュの原田研太朗が不気味な存在。FI戦を3連続V、しかも12月防府の準決勝から目下8連勝中とあって勢いはとてつもない。
 「特に変えたことはないんですけどね。強いて言うなら地元で練習できるようになったことが大きい。バンク改修が終わって半年前くらいから地元で練習できるようになって、その成果が今出てきたんだと思う。風が強いのは小松島も一緒だし、あまり気にならない。(清水)裕友はいつも自信を持って仕掛けてくれるので、信頼して付いていきます」