『豊橋競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:9月4日


 開催2日目を迎えた豊橋競輪場開場60周年記念「ちぎり賞争奪戦(GIII)」。今日は準決勝進出をかけて行われた二次予選6レースと優秀競走「トヨッキー賞」を中心にお届けします。
 なお、本場では明日も引き続き先着1000名様に豪華商品があたるスピードクジが配布されるほか、伊藤克信さん・服部佳代子さんによるレース予想会「伊藤克信の総天然色・豊競予想劇場」が開催されます。さらにバラエティ番組で活躍中のお笑いグループ「インスタントジョンソン」によるお笑いライブステージもありますので、ぜひお誘い合わせのうえ競輪場へとご来場ください。


<5R>
   準決勝最初の切符を手にしたのは國村洋。富永昌久の仕掛けに乗って直線で鋭く伸びた。
 「富永はたいしたものです。僕が『行ってくれ!』と思ったドンピシャのタイミングで仕掛けてくれた。僕も準決勝Aに進めたのは久し振り。いやーうれしいですね」
 好気合いを見せるも直線で力尽きた富永昌久は4着。わずかの差で勝ち上がりを逃した。
 「うーん、何とか準決に乗りたかったんだけどね。それでも、勝つレースに徹して直線で力負けをしたのだから、結果は仕方ない。踏んだ感触も良かったですしね。この相手で力を出し切ってこの結果なら、良しとしましょう」


<6R>
高橋和也選手
高橋和也選手
   前日、後手を踏んで力を出し切れなかった高橋和也(写真)が面目躍如の好走を見せた。打鐘から主導権を奪うと巧みなペース駆けで2着に粘り、記念競輪初の準決勝へと駒を進めた。
 「昨日の事もあったので今日は絶対に先行しようと思っていた。吉原さんに粘られたのは予想外だったけれど、自分としては力を出し切れたし感触も悪くありませんでした。富永(益生)さんが敗退してしまったので、手放しでは喜べないけれど、初めて準決に進めたし、明日は胸を借りるつもりで頑張ります」
 1着に入ったのは直線で内を鋭く伸びた西岡正一。富澤に競り負け、一度は後方に置かれたが圧巻の強襲劇でゴール寸前に突き抜けた。
 「一角で前と離れてしまい終わったかと思ったけれど、諦めずに踏んだ甲斐がありました。絶対にコースが開くと思っていたので四角はじっくりコースを見極めていました。それにしても良く伸びてくれましたね」


<7R>
金山栄治選手
金山栄治選手
   徹底先行の金山栄治(写真)が本領を発揮。打鐘過ぎからハナに立つと、後方の競りをよそに巧ペースの逃走劇でまんまと押し切った。
 「上手くペースに持ち込めたし、これで準決A進出。最低でも順位決定戦までは確保できたことは大きいですよ。ただ、今日はすんなりの展開だし、もっと後ろを見ながら余裕をもった仕掛けが出来ないとね。こんなにしんどいって事は、まだ本調子ではないのかな?」
 2着入線は野村純宏との競りを制し金山のハコを死守した渡辺一貴
 「野村君は前日のコメントでは3番手競りだったのに、脚見せでいきなり僕の横に来たので、僕もスイッチが入りました(笑)。コンディション自体はボチボチという感じだけれど、何とかお客さんの期待に応えられて良かったです」


<8R>
合志正臣選手
合志正臣選手
   二次予選A一発目。度重なる落車で精彩を欠いていた合志正臣(写真)だが、この日は久々に『鬼脚』が復活。直線で内を鋭く伸びると、瞬く間に後続を引き離す圧勝劇を見せた。
 「(坂本)健太郎が中団狙いでなく佐々木さんの所に行ってくれたおかげで僕にも勝負権がありましたね。最後は小野君がタレた事もあるけれど、僕自身も車がよく伸びてくれました。昨日、今日と自分で仕掛けている事が良かったのかな? 3.79のギアの感触も徐々にわかってきた。少しずつだけど、確実に昔の状態に戻りつつありますよ」
 小野ラインの3番手からレースを進めた遠澤健二が志村太賀と共に2着同着。準決A進出を決め喜びの表情を見せる。
 「しゃくられてだいぶ脚を使ってしまったけれど、ギアをかけていた分、最後は伸びてくれました。ここまで来たら明日も乗り切って、何としても決勝に乗りたいね」
 一方、志村太賀は引き揚げてくるなり反省の弁が口を突く。
 「番手で粘るか迷ったけれど、結局引いたら中途半端なレースになってしまった。展開負けだから仕方ないけど、後ろの人に迷惑を掛けてしまったことは申し訳ないですね」


<9R>
梶應弘樹選手
梶應弘樹選手
   目まぐるしく前が入れ替わる激しいレースとなったが、大混戦を制したのは梶應弘樹(写真)。矢口啓一郎ラインから山田英明に切り替えると、直線で鮮やかに抜け出した。
 「後手を踏みたくなかったので追い上げも考えていたけれど、上手く山田君に切り替えることが出来ました。オールスターまではとにかくできるだけ競走得点を上げて、本番で少しでも上のクラスで戦えるようにしたいと思っているので、今日も最後はシビアに勝ちに行かせてもらいました。開催前に行った針治療のせいで昨日は少し脚が重く感じたけど今日は随分良くなっていたし、明日もさらに良くなると思いますよ」
 最後は交わされ2着となった山田英明も、連日好回転まくりを見せるなど動きの良さが目立つ。
 「桐山君が出切ってちょっとペースを緩めたので、イチかバチか仕掛けたら上手くハマりましたね。前回の高知から使っている85のギアも上手く噛み合っている。今日はライン2車で位置もなかったけれど、矢口さんや桐山さんを相手にしのげたのだから、この2着は価値がありますね」
 3着に食い込んだ小沼良は「山田君の後ろが離れているのが見えて切り替えようと思ったけど、梶應さんもその位置を狙っていた。無理に張り合っても勝ち目が無いので梶應さんの後ろを付いていくことにしました。余裕は全然なかったけれど、3着に入れたのだから結果オーライでしょ」


<10R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手 松本一成選手
松本一成選手
   石丸寛之(写真)が自慢の力強いまくり脚を存分に披露。軽快なピッチで先行した松本一成をゴール寸前で図ったかのように交わし1着をさらった。
 「落車を避けた影響で完全に仕掛けるタイミングが狂ったし、いざ仕掛けようようと思ったら、やる気満々の宗景君と目が合ってしまった。『一難去ってまた一難』って感じでしたよ。山崎君にも張られたけれど何とかしのげました。最後は少しタレてしまったけれど、惰性で何とか突き抜けましたね。僕は松本(一成)君が大の苦手。その彼をまくれたことには価値がありますね」
 最終ホームからカマした松本一成(写真)が直線で踏み直し、2着に逃げ粘った。
 「なるべく踏む距離を短くしたかったので、今日はカマシ先行の作戦だったけれど、良い競走が出来ましたね。脚も日毎に良くなっている感じ。久しく記念の決勝に乗っていないので、明日も何とか3着までに入りたいですね」
 石丸マークの前反祐一郎は4着で準決Aを逃した。レース後は自身のコース取りを悔やむ。
 「四角で山崎が石丸を張った時に空いたインコースに突っ込むべきでした。あのコースに入っていれば多分僕が1着だったはず。自分の甘さが出ましたね。石丸が1着で番手の僕が4着でしょ? 不甲斐ないですね」


<11R>
永井清史選手
永井清史選手
   優秀競走「トヨッキー賞」は地元の金子貴志と島野浩司が共に落車する大波乱となったが、レースを制したのは海老根恵太。先行した永井清史を豪快にまくりきった。
 「園田がイン粘りするのは全く想定外だったけれど、おかげで隊列が短くなったし、展開が向きましたね。体調が万全とは言えないけれど連日結果は出ているので悲観はしていませんよ。ただ、自分としては踏んだ感触は昨日のほうが良かったかな?」
 最後は海老根に交わされるも、2着に粘った永井清史(写真)は納得の表情でレースを振り返る。
 「海老根さんには行かれてしまったけれど、このメンバー相手にペース駆けで2着は悪くない。園田君の粘りもある程度覚悟はしてました。ただ、金子さんまで出切れれば、あとは(山口)富生さんがどうにかしてくれると思っていたんですけどね。金子さんの落車だけが残念です。僕自身は最後まで踏み切れているし、後ろも見えていた。脚も軽く感じます」
 永井ライン3番手も踏み出しに離れ6着に沈んだ山口富生だが、レース後はすぐに気持ちを切り替える。
 「仕掛けどころで(村上)博幸に良いブロックをもらって前と離れてしまった。だけど、結果的には離れたぶん、金子の落車に巻き込まれずにすんだし良い方向に考えます。地元戦の金子は残念な結果に終わったけれど、そのぶん明日も僕と永井で頑張りますよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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