『富山競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月31日

 富山競輪場で開催されている大阪・関西万博協賛・開設73周年記念「瑞峰立山賞争奪戦・ウィンチケット杯(GIII)」は、8月31日に3日目を迎えた。ファイナルをかけて争われた準決では、S級S班の新山響平が逃げ切り勝ちで決勝に弾みをつけた。連勝だった古性優作は2着で優出。二次予選で連係した石塚輪太郎と決勝で再タッグを組む。シリーズもいよいよ最終日、9月1日には33バンクのスピードバトルを勝ち抜いた9人による決勝が行われる。
 記念シリーズは最終日も、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。下条未悠選手、小林真矢香選手による地元選手トークショー、選手会富山支部によるチャリティーオークション、「ライちゃん組み飴」の先着プレゼント、レジェンド予想会、来場応募キャンペーン、「サイクルパーティー」、「ウォーターパーティー」、大阪・関西万博PRブースなどが予定されています。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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石塚輪太郎選手
石塚輪太郎選手

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 埼玉コンビが前団に構える。誘導との車間を空けた太田龍希が、7番手から上昇した藤井侑吾を阻んで青板バックで突っ張る。浮いた藤井が下げて、3番手に石塚輪太郎(写真)、5番手が菅田壱道の周回中と同じ隊列で赤板を通過する。後続を一本棒にして太田が逃げる。打鐘4コーナー付近で森田が車間を空け始めて、2コーナー手前で菅田が仕掛ける。ほぼ同じタイミングで石塚がまくり、けん制しながら森田も踏み出す。まくり合戦を制した石塚が直線で先頭に立ち、後続を振り切って1着。
 「関東勢の前受けは想定内だったけど、藤井君の後ろ攻めは想定外でした。(太田は)すんなり引いてくることはないだろうなって。(太田がそのまま突っ張って)番手が森田君なんで、自分のタイミングで行って合わされたらしょうがないなって。(まくって行って乗り越えたけど最終)3コーナー過ぎに森田が復活してきた雰囲気もあった。昨日(2日目)は長い距離を踏んで残れているし、今日は1着が取れているんで調子はいいと思います」
 6番手からまくった菅田壱道(写真)は、石塚に合わされながらもコーナーに突入。直線でもう一度、力を振り絞り2着に入った。
 「藤井君は(ラインが)3車だし、(前受けから)全開で突っ張るのかなっていうのもあった。それでスタートに集中していたんで、前に出て良かった。(周回中に自分たちが一番後ろだと)突っ張られる方になってしまうんで。展開が向きました。森田君も車間をだいぶ空けてたのがわかった。石塚君も(タイミングを)うかがっていた。それを出し抜いて、先にまくってやろうと思ってたけど。全員が同じタイミングになってしまった。あの位置を取って(仕掛けを)待ってしまったら、自分だけは3着に入れるかもしれない。けど、(内藤に)付いてもらった以上は、それなりの走りはしないとって思っていたんで、内藤さんを連れて来られて良かった」
 菅田マークの内藤秀久は、最終4コーナーで山本伸一を押し込んで直線では狭いコースを突く。外を強襲した山口拳矢との写真判定にタイヤ差で勝った。
 「もう菅田に付いていくことだけを考えていました。いつも通り本能のままに動いたんで、正直、覚えてない。菅田君は何回か連係があるし、責任あるレースをしてくれる。やる時はやるんですね。自分は思ったより疲労がたまってない。昨日(2日目)は引きずりまわされたけど、ケアの仕方が良かったのか今日が一番良かった」

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新山響平選手
新山響平選手

守澤太志選手
守澤太志選手
 松本秀之介が南潤を押さえて、そこを新山響平(写真)が仕掛ける。新山は赤板1センター過ぎに主導権を奪い、出切った北日本勢に吉田拓矢が追走。風を切る新山が軽快に飛ばす。茨城3車で出て、松本が6番手で最終ホームを迎える。新山の掛かりが良く、中団以降の選手に出番はない。直線で守澤太志が差を詰めて、吉田も2センター過ぎから踏んだが、新山が振り切った。
 「(松本が南に)突っ張られても、ゆるんだところを行こうと思っていました。でも(出切ってから)松本君が結構、踏んだので、突っ張られるかなって思ったんですけど。スピードに乗せることができたので、スピード差が生まれた。(打鐘付近は)上を走っても面白いかなって。ペースは一定にって思っていましたけど、風の影響だったりコーナーの入り方とかで均等にはいかなかったと思うんですけど。最後はいっぱいでフォームが崩れてしまったんですけど」
 番手の守澤太志(写真)は、2車のラインで後ろが別線。吉田との間合いを計って追い込んだが、8分の1輪及ばず。
 「松本君が先に切っても、南君が(松本を)突っ張っても、新山君なら行っちゃうだろうなって。それぐらいの脚力差を考えて付いていました。(新山が)残り2周ですごい踏んでいったので、かなり脚を使っているのかなって思ったんですけど強かったです。車間を空けて張って、本気で抜きにいったんですけど抜けなかったですね。昨日(2日目)は良くないなっていう感じだったので今日は修正したんですけど、まだ良くなると思う」
 北日本勢を俊敏に追いかけた吉田拓矢は、打鐘では3番手単独になったもののそこから仕掛けられない。茨城3車ラインだっただけに、こう振り返った。
 「南君がヤル気やる気なのかなって思っていたら、あっさり引いた。展開的に厳しいなって思って、(北日本ラインに)スイッチしていきました。あとはどこから仕掛けるかだったんですけど。(最終)バックで(新山が)タレて来るかなって思ったら伸びていった。後ろの先輩2人に申し訳なかったです。昨日(2日目)まではいいかなって思っていたんですけど、今日で打ちのめされましたね」

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井上昌己選手
井上昌己選手

古性優作選手
古性優作選手
 青板3コーナー過ぎに飛び出した青野将大が、先行策に出る。赤板で青野ラインが出切り、坂井洋が4番手、古性優作は6番手。2コーナーから纐纈洸翔が巻き返すも、青野が好スピードで逃げる。打鐘4コーナーで古性が内を押し上げて、結果的には諸橋愛をさばいて坂井の後ろで最終周回。浮いた纐纈は不発。坂井が2コーナー手前でまくりを打つ。青野の番手で井上昌己(写真)が、坂井をけん制。坂井に続いた古性は、井上と坂井の間を強引に抜けようとして失速。早めに追い込んだ井上が、古性らの追撃を退けた。
 「(青野は)すごいいいペースで行ってくれて、有言実行の先行でした。古性が(最終)ホームで来るかなと思ったけど。(坂井のまくりは)見えていた。でも、古性がその間を来たのはわからなかったですね。あとは(最終)4コーナーの下りに入って、外を下られたらっていうのもあって踏みました。(青野が)2周半行って付きバテするかなって思ったけど、なんとかなったし(調子は)悪くないですね」
 要所、要所でズレが生じたのか古性優作(写真)は、接触もあり2着まで。3走を終えての状態をこうジャッジする。
 「赤板くらいで纐纈君がカマシに行くなって思った。そこ(のライン)にスイッチして叩けたらなと。ただ、青野君の掛かりが良くて、纐纈君が止まった。坂口(晃輔)さんに降りられないようにしていたら、メグさん(諸橋愛)のところまで行ってしまった。(坂井がまくっていったので)その上を行こうと思ったけど、スピードが合う感じだった。それで(あのコースに)吸い込まれていった。脚があればあそこを行かなくてもいいし、日に日に悪くなっている。正直、精神的にもしんどい状態で入っているので、精神的な疲労がたまっている。それでどんどんパフォーマンスが落ちていっている」
 青野ライン3番手の香川雄介は、古性に締め込まれて直線で内を踏まされながらも3着で優出。青野をたたえる。
 「(青野が)強かったね。あとは(井上)昌己のタイミングでと。古性が間を差してきて危なかった。僕は展開一本。たまにはいい思いでもしないとヤル気をなくしてしまう。あとは少しでもいい着を取れるように」