『第13回大阪・関西万博協賛競輪in富山(GIII)レポート』 前検日編

配信日:6月11日
 富山競輪場で富山市合併20周年記念「第13回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」が、6月12日から4日間シリーズで開催される。33バンクを舞台に実力拮抗のメンバーが、白熱のバトルを繰り広げる。村田祐樹をはじめとした地元勢もV争いに加わり、シリーズを盛り上げる。前検日の6月11日は、選手たちが翌日からの戦いに備えて、それぞれが入念な調整を行った。
 GIII開催中は毎日、200名様に「富山銘店のお菓子」を先着プレゼント。大阪・関西万博PRブース、レジェンド予想会などが予定されています。富山競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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近谷涼選手
近谷涼選手
 今期S級にステージを上げた近谷涼(写真)は、初場所の1月立川記念を9674着。クラスの違いに戸惑った感もあったが、近況はS級にも慣れてコンスタントに連対。前回の大垣FIでは3日間、最終バックを取り、231着と成績をまとめた。
 「地元のGIIIは、選手になる前から走りたいっていう気持ちがあった。ただ、S級に上がれる力もなかったですからね。ロード競技から(競輪に転向して)うまくいかない部分もあった。(今期からS級で)最初はボロボロだったけど、少しずつだけど結果が出るようになって、地元のGIIIを迎えられた。自分でも成長を感じるし、まだ伸びしろもあると思う。(前回の)大垣が終わったあとに背中を痛めて、全プロ競技大会ではまだ痛かった。けど、いまはもう大丈夫です」
 朝倉智仁は、3月大垣以来のグレード戦。5月は4場所を消化して、今シリーズは中12日のローテーション。しかしながら、疲労残りが心配だ。
 「(5月は)ちょうどいい具合で4本を走った感じです。ただ、そのあとは練習しすぎたのかもしれない。ちょっと疲れがありますね。今回は部品とかいろいろ変えて、考えながらでした。それがいい方向に出ていると思いたい」


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 前回の全プロ記念は97着だった町田太我は、2週間以上空いた今シリーズに新車を投入。状態面も良さそうで、一次予選から期待できそうだ。
 「(前回のあとは)街道での練習と室内でもやってきました。青森の全プロ記念は体自体は問題なかったけど、フレームが良くなかった感じだった。それで今回から新車に換えます。サイズはほぼ一緒で、メーカーを変えてパイプの材質を硬めにしました。最近は腰痛も出ていないですし、走るのが楽しみでワクワクしています」
 近況一息の成績が続いている柿澤大貴は、前回の四日市FIを472着。2日目から自転車を戻して、感覚をつかんだ。
 「前回が悪かった。(橋本壮史のまくりに離れた)初日は自分のミス。フレームとかで迷っていたんで、2日目から元に戻しました。それまでは新しいフレームだったんですけど、結局、前に使っていたヤツに落ち着きました。練習もコツコツやっていて、直前の感じも悪くなかった」


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 安彦統賀は、直近の3場所の9走で確定板を外したのは一度だけ。前回の函館FIを327着と決勝にもコマを進めている。
 「(今回の追加は)函館の前に来ました。函館が終わってから、いつも通り練習してきました。手首を怪我して去年の9月に手術をした。(最近の好成績の理由は)それが良くなって気にならなくなったからだと。来期がA級なんで(積極的に)そういうレースをしていきたい。(A級だと)流れがなくなるので、(力での)勝負をしていかないといけないので」
 前回の地元、四日市FIは342着も感触がいまひとつだった伊藤裕貴は、変わり身がありそうだ。
 「前々回の岸和田は良かったんですけど、前回の四日市は疲労が出てしまって感じが良くなかったですね。ここに向けてはケアもしましたし、練習もできた。富山は成績も悪くない。(一次予選の竹内)雄作さんとは何度も連係がありますし、決められるように頑張ります」


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 3場所前の玉野FI、前々回の京王閣FIと決勝で連続失格と流れの悪い大川剛は、前回の四日市FIで2勝をマークした。
 「(玉野、京王閣と)連続で失格してしまった。ただ、前回の四日市で2勝できましたし、調子自体は悪くないのかなって思います。京王閣の決勝は、番手回りが2回目っていうのもあって、難しかったですね。今回はしっかりと自力で戦えるようにしたい」
 堀内俊介は、前回の函館FIを374着。準決では先行策に出るも、嘉永泰斗のまくりにシンガリに沈んだ。
 「(4場所前の静岡から)3場所連続で決勝には乗れていたんですけど、前回の函館はGIにも出るメンバーがいて脚力の差を感じました。甘くなかったですね。でも、自分の調子自体は上がってきていると思いますし、以前よりもスピードも出ている。それで成績はまとまってきている」


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 3場所前の函館FIで久々のV奪取を遂げた久田裕也は、続く岐阜FI、静岡FIでも好成績。一次予選のメンバーに同期を見つけて、気持ちを込める。
 「前回の静岡は、成績自体は良かった。けど、新車で走ったら重かったんで、今回はその前のフレームに戻します。同期の青柳(靖起)君とは久々の対戦だと思うんですけど、負けているイメージが強い。だから、今回は勝てるように」
 中2日とタイトなスケジュールの久米康平は、前回の別府記念7434着をこう分析する。
 「前回の別府は成績は悪かったですけど、自分の感覚自体は上向いてきている。ここで結果を出して流れを変えないといけないって焦ってしまった。それで道中で力みもあって、空回りしてしまった感じですね。(一次予選の)久田君とはバンクで会えば一緒に練習もしますし、強さも知っていて頼もしい後輩です」


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重倉高史選手
重倉高史選手
 一次予選は中部地区で一人になった重倉高史(写真)は、「自分でやるよりは」と九州勢の後ろを選択。近況の成績からは、地元でも強気にはなれない。
 「(3場所前の)弥彦くらいから全プロ競技大会とかもあって、(配分が)詰まりすぎていた。過去最高くらい詰まっていた。状態的には良くないし、(地元でも)なんともいえないですね」
 山口敦也は、ヒザの痛みもあり今シリーズが復帰場所。1カ月以上空いただけに、まずは一次予選での岩谷拓磨とのタッグに集中する。
 「(4月大宮での)落車の影響だと思うんですけど、右のヒザが痛くなって休んでいました。練習は10日ぐらいはやれたんですけど、久々のレースなので走ってみてですね。岩谷君とは久々の連係だと思う。ダッシュがいいので集中して頑張ります」


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飯野祐太選手
飯野祐太選手
 前回の四日市FIを251着の飯野祐太(写真)は、最終日に3番手まくりからラインの大槻寛徳とワンツー。しかしながら、課題は山積しているようだ。
 「難しいところがありますね。若い選手を相手に力勝負しないといけないっていうのもあるし、位置取り(で勝負)をしないとっていうのもある。番手の時は基本的に前の後輩が勝つように走ってくれれば、自分にもチャンスがある。だけど、(番手での)反応だったり判断が遅すぎる。それが多々ある。自分のなかでは物足りない」
 最終日に落車に見舞われた2月の奈良記念以来のGIIIとなる今シリーズ。近況FIで上々の成績を残している清水剛志は、来期のA級も見据えている。
 「2月の奈良で落車して、それの怪我が結構、大きかった。肩鎖関節をやってしまったのと、足の方の筋断裂ですね。それが良くなってきて、この調子でいければいいなっていうのがある。ただ、次がA級なんで、(そこでどう戦うかが)ネックになっている」


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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 谷和也と連係に「昔とは全然違うので、しっかりと付いていきます」と、気を引き締める稲垣裕之(写真)は、状態面でも上昇カーブを描いている。
 「自分のなかではだんだんと踏めてきている感じがあります。最近は徐々に感触が良くなってきている。(昨年、手術した股関節は)だいぶ時間が掛かったけど、もう気にならなくなっている。(記念を連覇している)ここは相性もいいですね」
 4月の地元、川崎記念では2日目以降を途中欠場。そこから日本選手権、玉野FI、全プロ記念と新村穣は、苦しい戦いを強いられている。
 「怪我をしたり、体調を崩したりがあって、無理して走ったらドツボにハマっている。(全プロ記念のあとに)また胃腸炎になったけど、しっかりと休めたのが良かったのか食欲とかも戻ってきた。成績にすぐに出るかはわからないけど、ちょっとずつ良くなってきた」


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櫻井祐太郎選手
櫻井祐太郎選手
 櫻井祐太郎(写真)は、ここ3場所で4勝。前回の取手記念でも一、二次予選を12着でクリアして、存在感をアピールした。
 「(近況の競走得点は)いい意味でこんなもんじゃないですかね。バックを取りにいく競走をしてから、点数も上がっていった。調子が悪い時は競走が小さくなっていて、それが吹っ切れた。(積極的な)こういう組み立てをしだして、結果的にいい方向にいった。練習でも(感触は)悪くない。けど、練習では弱いので(練習仲間に)ボロボロにやられています。弱い分、レースではいろいろと考えてやっている」
 今回は追加配分となる須永優太は、平塚記念、取手記念に次いで3場所連続でのG戦線。初日も櫻井の番手回りで、好目標を得た。
 「9車立てが連チャンしているのはいいですね。(前々回の)平塚のあとは空いていたんで、まとまった練習ができた。競技だけ全プロ競技大会を走って、そのあとの取手も悪くなかった。今回は新車ができたんで、それを使います。練習ではずっと乗ってたんで、あとは競走での感覚だけだと思います。セッティングもベースは出ている。スピードレースになれば(そのフレームが)いいかなと」


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村田祐樹選手
村田祐樹選手
 2班ながらも今シリーズは地元のエースとしてGIIIを迎える村田祐樹(写真)にとっては、一次予選は通過点。ただ、自身は気負うことなく自然体でこうコメントする。
 「(前回のあと)1週間ちょっと、ここに向けてできることをやった。前半は負荷をかけて、後半はスピードを意識してやってきました。あとは練習の疲れが残ってないといいなって。前回はめちゃめちゃいい感じではなかった。そのなかで重いなりに決勝に乗れたのは良かった。(目標というよりは)もう1本、1本ですね。(ホームバンクの富山は)走りなれているし、(バンク改修で)新しくなってガタガタが全然、なくなかった」
 追い込みに転向中の鈴木輝大は、一次予選で同地区の片桐善也の番手。今シリーズは少しでも競走得点をアップさせたい。
 「(逃げ、まくりの)決まり手を減らしている。単騎だと自力を出しちゃうところもあるんですけど。前に(目標が)いた方がいいですね。それで変わっていければ。練習もできているし、(調子は)問題ない。今回は点数を上げたい」


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 地元地区の今シリーズに照準を合わせてきた八日市屋浩之は、近畿勢の3番手を固める一次予選をまずは無難にクリアしたい。
 「練習はここに向けてしっかりやってきた。(前回の福井FIも)ここがあったんで練習をやっていたけど、気にせずに走れた。(今回のGIIIは)メンツ的にも勝ち上がりやすいし、決勝くらいはっていう気持ちもある。1個でも上のレースでって。普通に走れば戦えるっていうデキにはある」
 岸田剛は単騎になった前回の四日市FIをふまえて、こう口を開く。
 「前回の四日市は初日、2日目と良かったんですけど、決勝は慣れない単騎で難しかった。あらためて自分はラインがあってこそだなって思いました。(四日市が)終わってからはしっかり練習したので、徐々に疲れが抜けてくれば。ここ最近は仕掛けるポイントがつかめてきて、得意なパターンで仕掛けられれば1着が取れています」


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松本秀之介選手
松本秀之介選手
 松本秀之介(写真)は、日本選手権から今シリーズまで5場所連続で9車立てに参戦。それだけにレースでの感覚もつかめていそうで、初日特選は岡山コンビと息を合わせて別線一蹴を目論む。
 「9車立てが続くのはありがたい。上のレース(グレード戦)は全部、9車立てなんで。ただ、こういう開催の成績が、あんまり良くないんですよ。普通の記念だったりすると二次予選からは自分が本線にならない。自分はどうしても流れのなかで走りたいんで、別線に意識されてどうやっていくかですね。ダービー(日本選手権)くらいから体調が良くなって、脚的はまだまだ上げたい。(選考期間が始まっている)来年の(熊本の)全日本選抜に出られるように」
 弥彦、伊東とFIを連続優勝している野田源一は、その後に福井FI欠場のアクシデントも問題はなさそうだ。
 「連続で優勝できたんですけど、そのあとにちょっと腰痛が出てしまった。それで大事を取って1本休みました。そんなに脚は落ちていないと思います。富山はFIで優勝もありますし、GIIIの決勝で数少ない連対なかでも富山は記念で3着には入れているので苦手なイメージはない」
 前回の取手記念を3497着の佐藤一伸は、佐藤慎太郎、山崎芳仁、成田和也、渡邉一成と同県のタイトルホルダーとの同配分で意義のあったシリーズだった。
 「取手は前半の3日間が番手だった。準決は番手の技量不足だった。待っていればっていうのもあったし、自分の判断ですね。シリーズとしては、みなさんがいて、いろいろ聞いたりもすることができました。(取手では)新車を使ったりもしたけど、今回はダービー(日本選手権)の時の自転車です。前回の悪いってわけではないけど、ちょっとずつ変えてと思っている」