『富山競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:8月1日

 富山競輪場で開催されている開設74周年記念「瑞峰立山賞争奪戦(GIII)」は、8月1日に2日目が行われた。二次予選では、初日特選を制した犬伏湧也が連勝。地元からは重倉高史が4着で、一人だけ準決にコマを進めた。8月2日のシリーズ3日目には、決勝進出をかけて準決の3個レースで激しい戦いが繰り広げられる。
 記念開催中は毎日、先着でオリジナルグッズをプレゼント。市田佳寿浩さんによるレジェンド予想会、来場者限定の応募キャンペーンなどが予定されています。また、8月2日のシリーズ3日目には、地元選手のトークショー、地元の小嶋敬二選手のレジェンドトークショー、選手会富山支部によるチャリティーオークション、「どきどき!ウォーターパーク」、「わくわく!サイクルアスレチック」などもあります。富山競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 青板3コーナーで金子幸央が切って出て、その上を山根慶太が押さえる。3番手に金子が入り、和田真久留は赤板で5番手に追い上げる。前受けから7番手になった藤井侑吾(写真)は、2コーナー手前からスパート。和田も合わせて動くが、藤井が叩いて最終ホームでは中部ライン3車が出切る。4番手の和田は車間が空いて、8番手まくりの金子も前が遠い。詰める勢いで和田が2センターから追い込むが、藤井が後続を完封して逃げ切った。
 「無理に突っ張らずに引いてでした。(仕掛ける)順番が来るかと思ったけど、気持ち遅かったですね。(和田が)遅れ気味で来たんで引いたけど。もうちょっと上のクラスなら、そこは勝負しないといけない。思ったよりも車間が切れずに、(仕掛けが)ほぼゼロスタートみたいになった。それで後ろが粘られるかもしれないと思ったんで、3車出切れて良かった。昨日(初日)より長い距離だったけど、最後は踏み直せた。悪くない。(今回から)フレームを換えたんですけど、うまくマッチしている」
 直線で詰めた笠松信幸は、ハンドル投げに持ち込んだものの4分の1輪及ばず。
 「正直、(藤井)侑吾にお任せだった。流れで突っ張るのかなっていうのもあったんで、その辺を対応できるようにしていた。出切ってからは体感したことのないスピードの感じだった。でも、そこからタレるっていうのもあったんで、ちょっとだけ車間を空けた。(藤井に)踏み直された。交わせれば良かったけど、そんなに甘くない。でも、あそこまで詰められたんで、(感じは)悪くないと思います」

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道場晃規選手
道場晃規選手
 道場晃規(写真)、岩谷拓磨の順番で動いて、そこを外田心斗が押さえて赤板。3つのラインを送り出した志田龍星は、2コーナー過ぎから仕掛ける。志田が前をとらえるスピードだったが、外田と接触して、志田、外田、岩谷が落車。最終ホームでは小堺浩二が先頭で、隅田洋介、舘泰守、渡邉豪大になる。アクシデントを避けて立て直した道場は、5番手から空いた車間を詰める勢いで2コーナー過ぎからまくる。直線で前団をのみ込んだ道場が1着。
 「切って、切ってで、ジャンのところで詰まって内に差し込んでしまった。志田君の仕掛けにスイッチしようと思えばできたのに見てしまった。そのあとアクシデントがあって、避けてから(最終)ホームで行ければ良かったんですけど。様子を見てしまった。2コーナーで詰まったので渡邉さんも自力があるので踏んでくるかなって見ながらだった。昨日(初日)よりもいいと思います」
 道場とともに落車事故を外に避けた和田健太郎は、道場のまくりに続いて2着。
 「(打鐘で)なんで前で転んでいるんだろうっていう感じでわからなかったですね。とりあえず避けて、(最終)ホームでも余裕はありました。2コーナーからのまくりなので、このバンクじゃ抜くのは厳しいなって。(今回から新車で)セッティングをいじってだいぶ感覚もいい」

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月森亮輔選手
月森亮輔選手
 山口拳矢の上昇に、3番手の青野将大も合わせて動く。青野が出て、そこを赤板手前で押さえた小川三士郎が主導権。4番手で青野と山口の併走。伊東翔貴が後方で様子をうかがい打鐘を迎える。小川が絶妙なペースで駆けて、中団の決着がつかないまま最終周回。伊東が1センター過ぎからまくり、4番手外併走から山口も踏み込む。空けた車間を詰めながら月森亮輔(写真)が、山口をけん制して追い込む。外を青野が強襲するも、月森が抜け出した。
 「(小川が)めっちゃ、強かったです。勝手に残ってくれた。山口君が併走になっているのはわかった。それで(山口が最終)バックくらいで踏んできたんで、(警戒していたのは)そこくらいですかね。ラインに助けられているし、(調子は)悪くない」
 中四国勢のワンツー。赤板手前から2周以上駆けた小川三士郎が、2着に粘り込んで二次予選をクリアした。
 「(青野と山口で)踏み合ってた感じだった。そこを自分が出た時にはもう(別線を)出させないでと思ってた。赤板ではあんまり(脚を)使ってなかったので、もう一段階、上げたかった。けど、そこまで踏み上がらなかった。山口さんが外にいたのがわかったんで、行かれたら終わるなって。そこだけは気をつけて踏みました。月森さん、中村(昌弘)さんが付いてくれて、ラインのおかげですね。自分のペースでだと(別線に)行かれるんで、人に合わせながらモガかないと」

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村田雅一選手
村田雅一選手
 前受けの菊池岳仁が野田源一を出させず踏み込むが、ペースを落としたところを岸田剛が仕掛けて主導権を握る。菊池は4番手をキープして、野田は7番手に置かれて打鐘。2センターで外に持ち出した菊池だが、最終ホームで4番手に戻り、そのまま岸田が風を切る。同じくホームから踏み込んだ野田は、2コーナー過ぎに菊池に合わされる。菊池のまくりをブロックした村田雅一(写真)が、追い込んで1着。
 「(菊池が野田を)突っ張っても、野田さんが叩いても外に回せるように準備はしていました。結構、(岸田は)ハイピッチで切りにいった。もうちょっと流してもいいんじゃないかなって思ったんですけどね。コーナー、コーナーで踏み上がっていく感じでした。(最終)2コーナーぐらいから向かい風のところで来られてしまったんですけど、対応できて良かったです。(菊池を止めたあと誰かに)来られても差し回せるようにって余裕はありました」
 一度アクションを起こした菊池岳仁は、再度まくりにいくも村田のけん制で大きく振られる。それでも直線で伸びて2着に届いた。
 「全ツッパしようと思ったんですけど弱いですね。岸田さんが来るとわかっていて出られてしまっている。もう1回、行こうとしましたけど、結果出られていない。(最終)バック目がけていけましたけど、(野田に)引っかかっただけで、その分、進んだ感じです。昨日(初日)より今日の方が良かったですけど、内容がない」

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伊藤旭選手
伊藤旭選手
 板垣昴の上昇に合わせて、4番手から佐藤壮志も動く。佐藤が板垣を制して先頭に立ち、伊藤旭(写真)が続く。3番手が河端朋之と板垣の併走になる。そのまま打鐘を通過して、3コーナーで外の板垣をさばいた河端が3番手を取り切る。逃げる佐藤との車間を空けた伊藤がけん制するも、河端が最終2コーナーから仕掛ける。伊藤が詰めながら番手まくり。河端に前に出られるも、コーナーで合わせた伊藤が連勝のゴール。
 「(佐藤は別線を)中団でモタつかせて、いい感じで駆けていた。3番手に河端さんがいて、(佐藤)壮志もタレてきてたんで行かせてもらいました。あれを残せたら一番いいんですけど、それには技術、体力、すべてが足りてない。河端さんの勢いが良くて、自分はコーナーでどれだけ盛り返せるかだった。日に日に体の調子は良くなっている」
 瞬時の判断で3番手勝負を選択した河端朋之は、その位置を取り切ってまくった。
 「九州が先切りに来たんで、踏んで出させた方がいいかなと。作戦にはなかったけど、(3番手は)引けない場所だった。(3番手が板垣と併走になったけど)村上(博幸)さんと同期の重倉(高史)が付いていたんで、なんとか仕掛けようと思った。(伊藤)旭も振りながらで、僕も車間を切れなかった。それで無理やりの仕掛けだった。ただ、自分が仕掛けることで、後ろを連れてこられるんで悪くなかったと思います」

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松本貴治選手
松本貴治選手
 周回中は8番手になった松本貴治(写真)は、山崎歩夢に突っ張られて下げざるを得ない。しかしながら、そこから新村穣、赤板2コーナーから立部楓真と次から次へと山崎に別線が襲い掛かる。脚力を消耗した山崎の先行を最終ホーム手前から踏み上げた松本が、まくりでのみ込んだ。
 「一番嫌な並びになったんですけど、動かないことには始まらない。ジャンくらいで車間を切れていたんで、詰める勢いで行こうと思っていました。(踏み込んでいった感覚は)あんまり良くなかったですね。余裕がない。たぶん体の面の問題なのかなって思うので、ケアをしたい」
 後方に置かれた周回中の位置取りを、柏野智典はこう振り返る。
 「(スタートで)山崎君だけを見ていたら後ろになってしまった。自分のミスですね。山崎君が前なら突っ張りだろうなって、松本君もわかっていたと思う。あんまり脚を使わずにすぐに戻ってきた。ちょっとヤバいかなって思ったんですけど、(松本は)ジャンくらいから半分踏んでいる感じだった。ちょっと内側の選手というか、アクシデントが起こりそうな感じもしていてうまく追走できなかった。けど、あれは抜けないですね」

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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 3車の徳島勢が前団に構える。犬伏湧也(写真)が青板過ぎに踏み込んで、纐纈洸翔は山形一気の外で粘る。犬伏がそのままレースを支配して、赤板2コーナーで纐纈を弾いた山形が番手をキープ。今度は3番手で纐纈が止まるも、佐竹和也が踏み勝つ。纐纈は空いた4番手に降りて、伊藤信は5番手で最終ホームを通過。空いた車間を詰めて加速した伊藤がバックからまくるが、犬伏の掛かりもいい。迫る伊藤を犬伏が振り切った。
 「徳島3人だったんで、変に中団から攻めるより、正攻法から突っ張って決めたかった。先行1車みたいなメンバーだったので、しっかりとそこを意識しながらでした。(感触としては)重たい感じがあるので、もっと良くなってほしい。ただ、33バンクなんでカントを使いながら踏み込めたのは良かった。オールスターに弾みがつくように、(3日目以降も)しっかりと動きながら体をつくっていけたらいい」
 まくりで犬伏に4分の3車輪まで詰め寄った伊藤信が2着。
 「直前の雰囲気で(徳島勢が前の)あれが一番いいかなと。(犬伏が)下げてくれたら良かったけど、纐纈もそんなピッチじゃなかった。(もっと早く仕掛けて)まくれたら良かったけど、引っ掛かるピッチで行ける感じじゃなかった。合わされる感じだったので、最後は無理くり行った。踏んだわりにはいいかなって思います」