『富山競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:6月10日


 今日からいよいよ富山競輪開設56周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」が始まった。初日の今日は33バンクの富山競輪場を舞台に1レースから激しい勝ち上がり戦を展開。特選3個レースは石丸寛之、新田康仁に小嶋敬二が制し、明日の11レース「峻峰剱賞」に駒を進めた。
  今日はバンク内で第58回高松宮記念杯を制した小嶋敬二選手の優勝報告会が行なわれました。明日もサンバパフォーマンスなど様々なイベントが予定されています。明日も富山競輪場へ足をお運びください。



<1R>

 まずオープニングレースを制したのは白水洵となった。前受けから一旦車を下げ切ると、ジャンからカマして逃げ切った。
  「一旦、中団の3番(高田健一)が前を斬るような感じだったから、様子を見てから仕掛けました。出切ってからはペースで駆けられたけど、ライン3人で決めたかったですね。朝練習では重たかったけど、レースになってからは風もなく、バンクが軽かったから良かったです。最近は少しずつ成績が良くなってきたし、明日も頑張ります」


<2R>

安坂洋一選手
安坂洋一選手
   伊藤司の先行一車の2レースであったが、逃げたのは岡嵜浩一だった。伊藤司は七番手不発となり、安坂洋一(写真)が番手から抜け出して1着となった。
  「今日は先行でなくともある程度岡嵜さんが行ってくれるということだったけど、あんなに早く逃げてくれたんで恵まれました。どのくらいのスピードで後ろからくるのかなと、付いていてずっと不安でした。(残留のための)S級点は細かく計算はしていないけど、明日が勝負ですね。踏んだ感じは良いんで頑張りたい」
  安坂後位を確保した西本章秀が2着で二次予選進出。
  「伊藤君が先行なら番手も考えたけど、1番(岡嵜)の三番手もおいしいなって思ってたんです。願ってもない展開になりましたね。岸和田記念の補充を断って、練習してました。練習の成果が出たかな」
  バックドン尻に置かれた坂口卓士だったが、鋭く伸びて3着に滑り込み、二次予選に首の皮一枚つながった。
  「伊藤君がもっと早く踏んでくれれば良かったけど、全て前を任せていたから。最後は内が空いていれば楽だったんだけどコースがなかったからね。それでも中が空いたんで何とか大回りせずに突っ込めました」


<3R>
 3レースは全員がスタートけん制する展開になった。隊列がようやく青板で落ち着くと、赤板から増成富夫が上昇、しかし、その上をジャンで一気に叩いた川村晃司―川木敬大がワンツーを決めた。
  久々の予選勝利を飾った川木敬大は、「何があっても後ろ攻めだと川村さんに言われてたので、頼もしかったけど、(スタート牽制で)キツかったですね。今日は川村さんのおかげ。予選を通っても3着ばかりだったので良かったです」。
  逃げた川村晃司も、「いつも(富山は)重いけど、今日も重かった。でも練習はできてたので、先行できてよかった」と満足げにレースを振り返った。


<4R>
 4レースはジャンから松崎貴久が北沢育夫を叩いて出ると、番手の加藤渉がゴール前で交わす。勝った加藤は、「まくりでも良かったのに、あそこで行けるのは調子がいい証拠だね」と松崎を絶賛。地元で勝ち上がりを決めた松崎貴久も、ホッとした表情でレースを振り返る。
  「ジャンで行こうかなとは思ってたけど、たまたま北沢さんが僕を見てなくて良いタイミングになりましたね。練習ではいつも良いけど、競走になると5割減だったから、今回はキツ目にやってきたのが良かった。疲れもないし、明日からも頑張ります」


<5R>
 5レースは宮司周郎の先行に乗った宮越孝治が快勝。しかし、宮司を着外に沈めて表情は浮かない。
  「素直には喜べませんね。内海(雅夫)君は僕のところで粘ると思ったら引いたので、下げ切ってるもんだと思ってました。でも、中津(友臣)さんがドカされてたんですね。3コーナーで内海君がまくって来たと思って慌てて踏んでしまった。宮司さんにはこの借りを返さないといけないし、まずはここで結果を出せるように頑張るだけです」


<6R>
梅山英樹選手
梅山英樹選手
   6レースからは選抜戦。このレースは出入りの激しいレースになるが、最終的に主導権を握った古屋琢晶の番手から梅山英樹(写真)が鋭く伸びる。
  「前が踏んでるところを行ってくれたし、古屋君が強かった。僕は展開に助けられただけです。前々回の落車はあるけど、徐々に良くなってます。でも、今日はホントに展開です。久々に1着が取れて良かった」


<7R>
久米康徳選手
久米康徳選手
   7レースは鷲田佳史が先行すると、番手に松本大地が飛び付く。これを久米康徳(写真)がしのぐと、G前で鷲田を楽に差しきった。
  「粘られたけど落ち着いて走れたし、竹田(和幸)くんも終ったと思ったから、もう誰も来ないはず。残せると思ったんですけどね。併走で自分の脚の感じも分からなかったからダメだった。鷲田君を残したかったけどね」
  2着には地元の大庭正紀がしぶとく突っ込んだ。
  「前に踏むだけの余裕はあったけど、コースがどうかな? って思ってた。何とかコースが見つかりましたね。地元勢が良い流れで来てたからね。2着まで行って上出来。感じは良いですね」
  惜しくも4着に敗れた鷲田佳史は二次予選Bに。
  「少しタレましたね。でも、最低限の仕事はできたので」


<8R>
杉浦康一選手
杉浦康一選手
   8レースは浅井康太、山本健也で激しい主導権争いに。これを小泉俊也がまくるが不発、その上を番手の杉浦康一(写真)がまくり上げて混戦を制す。
  「小泉君は止まったと思ったので。印も付いてないし、ダメ元で行きました。後ろにいた藤森君は嬉しかっただろうけど、(穴になって)ファンは嬉しくないだろうね」
  2着の藤森茂樹は思いがけない好展開に笑顔が絶えない。
  「小泉が止まったと思って内を見てたんですけどね。杉浦さんのスピードが良かったから付いていきました。二次予選Aは久々ですね。今日は先輩さまさまです」
  山本を叩けず不発と思われた浅井康太だが、4コーナーから外を踏み3着に食い込む。
  「ダッシュがなくて出切れませんでした。それでも地脚だからか、最後は脚が戻ってきて3着に入れました。明日は自分のレースができるように頑張ります」


<9R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   9レースの特選からシリーズの主力が続々と登場した。このレースは佐藤友和が峠祐介を出させず主導権を握ると、これを七番手から石丸寛之(写真)が豪快にまくり節目の200勝を飾る。
  「嬉しいけど長かったですね。僕は100勝に時間がかかったから。1着だし調子は悪くないと思うけど、思った以上に車が出ましたね」
  2着には米澤大輔がきっちり食い下がった。
  「一本棒になってヤバイと思ったけど、石丸の動き出しも早かった。あのまくりに付いて行けたし、調子は良いと思いますよ」
  3着に入った島野浩司も明日の優秀競走へ進出。
  「(佐藤と峠で)モガき合いになると思ったけどね。3コーナーで石丸ラインに切り替えて、あとはどのコースを踏むかだったけど、最後は一杯一杯です。上手く乗り切れて良かったし、3着に入れて上出来です」
  石丸のまくりに屈した佐藤友和は、「出てからどれだけ粘れるかと思ったけど、脚を使ってて残れなかった。人気に応えられず申し訳ない。残り3日間で挽回するしかないですね」と明日以降の巻き返しを誓った。


<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   10レースは逃げる松尾淳に対し、中団は内に武田豊樹、外は新田康仁で併走に。武田に張られながら外併走を耐えた新田康仁(写真)が最後は豪快なまくりを決めてシリーズの好スタートを切る。
  「武田君にすんなり中団を取らせる訳にはいかないでしょ。追い上げは作戦通りです。当たられた時に口が空いたりしたけど、しのげたし意外に楽でしたね。疲れはあるけど、感じは良いし大丈夫です」
  2着に続いた松坂英司は新田のデキを絶賛する。
  「(武田に当たられた時)一瞬遅れたけど立ちこぎで追いついて休んでるんですよね。仕掛けてからも2、3コーナーに4コーナーでも、もう一度踏んでた。全然余裕なんだから新田さんが強かった。今日はホントに恵まれました」
  3着には松尾の逃げに乗った古田義明が。
  「どうですか? あのまくり止められましたか? 新田君を止めるか、番手を飛ばすか迷ってしまった。今日は行ってくれた松尾君のおかげ。感じは悪くないですね」
  一方、終始内に詰まった武田豊樹は6着に敗れた。
  「前が掛かってなかったから、外併走でも楽だったんでしょうね。少しずつ自分も自在性を出していかないといけないから、しっかり中団を取らないと。逆の立場なら同じことをするだろうし、新田君はさすがだね。内に詰まったけど、脚は良かった」


<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   最終11レースは小嶋敬二(写真)が後続を千切る圧巻のレースで地元ファンの絶大な人気に応えた。
  「中川(誠一郎)君は叩くだろうし、叩かれるとしんどかったね。でも、ずっと僕の外にいたし、前も良い感じで駆けてたから遅れるだろうと思ってた。遅れた時にすかさず行く準備だけはしていました。それよりあの展開で2着に来る浜ちゃん(浜口)はさすがですね。僕の調子は宮杯の頃と変わらないです」
  最終ホームで熊本コンビに締め込まれ、小嶋との連係が外れた浜口高彰だが、その後は冷静なレース運び。3コーナーで内から合志正臣をドカすと、小嶋を追った加藤圭一を捕らえ2着に。「良かったですよ。結果的に2着に入れて。ムリしてもおかしくなるし、合志がどのコースを踏むかを見て内からドカしました。僕の感じは悪くない。4日間このプレッシャーが続くだろうけど、頑張りますよ」
  逃げる和田健太郎から小嶋にスイッチした加藤圭一は浜口に交わされながらも3着キープ。
  「何も言わず任せたし、和田君が頑張ってくれた。もう少し早く小嶋さんが来れば和田君を番手に入れたりできたけど、あのタイミングだったし和田君の頑張りを無駄にしないためにも踏ませてもらった。落車明けだけど動けてるし、悪くないと思います」
  小嶋―浜口の分断に成功した合志正臣だが、「脚がなくて、(小嶋に)追いつけなかった」と6着に敗れた。
   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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