『富山競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月2日

 富山競輪開設67周年記念「瑞峰立山賞争奪戦」は9月2日に最終日を迎えた。平原康多、浅井康太に古性優作、山中秀将と好メンバーが勝ち上がった決勝戦を制したのは単騎の浅井康太。内から主導権を握った埼玉勢の後ろを確保すると、2コーナーまくりで6月久留米以来、通算23回目の記念優勝を飾った。
 なお6Rに行われたS級ブロックセブンは打鐘からカマシ先行に出た竹内翼が押し切りで制した。

決勝戦 レース経過

 スタートで各車がけん制してから、山本伸一-古性優作が誘導員を追って前団に構える。以下は、片折亮太-平原康多-宿口陽一、単騎の浅井康太、山中秀将-伊勢崎彰大-大塚英伸で周回を重ねる。
 山中が青板前から上昇して片折の横で併走。前受けの山本は2コーナーで誘導を降ろし、慌てて押さえに来た山中を突っ張る。山中が下げ切らずにいると、片折は近畿勢をすくい、赤板で主導権を握った。浅井も埼玉勢に続く。山本は5番手で、山中が7番手。打鐘、最終ホームと隊列は一本棒で通過。全開で駆ける片折に対し、4番手の浅井が2コーナーから踏む込む。番手まくりで応戦した平原を楽々乗り越えると、そのまま押し切ってV。平原は浅井を追いかけるも、差は縮まらず2着。山中は1センターから仕掛けたが、平原のけん制もあって3着までが精いっぱいだった。


浅井康太選手
浅井康太選手

 山中秀将にフタをされ続けた片折亮太が赤板ホームから内をすくって先頭に立つと、浅井康太(写真)も1センターで近畿コンビをすくう。「9番手にならないように」と走っていた浅井にとって4番手は絶好のポジション。2コーナーからまくると、合わせて番手から出てきた平原康多との争いに2センターで決着をつけた。
 「あれしかないと思っていた。平原さんが2コーナーで出なかったんで行くしかないと。いつもなら待つけど、モガき合って2、3着になっても力勝負をしようと思っていた。落車明けでも平原さんの調子はよさそうだし、出し切れたのは大きいですね」
 出し切ったオールスターの疲労から直前はなかなか調子が上がらなかったようだが、初日のまくりでその不安を払しょくした。自力に番手とメンバーに応じて戦い抜いたシリーズに「自在屋として評価できる」と浅井は胸を張る。それでも「80点ですね」と自己採点は辛口。そして「GIでだったら100点ですけどね」と続けた。次節は今月14日から高知競輪場で開催される共同通信社杯(GII)。「今後につながる走りはできた」と話す浅井が100点満点をつけるレースに期待だ。

 浅井のまくりに応戦した平原康多だったが、スピードが違い過ぎた。2センターで出切られると、もはや差し返すことは叶わなかった。
 「山中が前まで行くかと思ったけど、フタをされるのは予想外でしたね。でも、あいつ(片折)はあいつのレースをしたと思う。残りそうな雰囲気はあったし、浅井のスピードは合わせられる感じじゃなかった。強かったですね。いい経験ができました」

 埼玉勢が内から主導権を握ると、山中秀将は7番手に置かれてしまう。立て直して1コーナーから仕掛けたが、3着までが精いっぱいだった。
 「(片折を)フタしようとしたわけじゃなくて、山本さんが切らせてくれない感じだったので。そこを無理に叩くと関東勢に楽をさせちゃうなと思った。フタしてれば何か起こって、自分にとってチャンスになるかなと思ってたら山本さんが内を空けて大ピンチになってしまった。(最後仕掛けたのは)苦肉の策ですけど、3着で何とかですね」

 山本伸一は赤板ホームで内をすくわれたのが痛かった。浅井の仕掛けに続く形にはなったが、外の山中に伸び負け4着に。
 「前を取らされてしまった。山中君が来て、ここだけは突っ張ろうと思って。それで後ろがゴチャゴチャすれば面白かったんですけど、内を空けてしまってはダメですね。もったいなかったです。その後に何とか仕掛けたかったんですが、前に浅井君や平原君がいて厳しかったです。もう少し何かできればよかったです」

 とっさの判断で内から主導権を握った片折亮太だったが、ラインから優勝者を出すことはできなかった。
 「後ろ攻めがよかったけど、中団でフタをされてしまった。一瞬、空いた内を突いて前に出れたので、あとは行けるところまでと思って踏んでました。ラインから優勝者を出したかったんですが、自分の力のなさを感じました。いい勉強になったので、次につなげます」





次回のグレードレースは、9月6日~9日まで岐阜競輪場において、「開設69周年記念「長良川鵜飼カップ」(GIII)」となります。
今開催は、武田豊樹選手、桑原大志選手のS級S班2人をはじめ地元の竹内雄作選手、志智俊夫選手、吉澤純平選手、南潤選手強豪が参戦。
最終日の6Rでは、トルーマン選手が出走する「ケイリンエボリューション」が行われる。8月27日時点の出場予定選手データを分析した主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

プロスポーツ号外版(表)は"こちら"
プロスポーツ号外版(裏)は"こちら"