『施設整備等協賛競輪in松阪(GIII)レポート』 前検日編

配信日:11月13日
 第11回施設整備等協賛競輪in松阪が、「The Leonids Cup(GIII)」と銘打って松阪競輪場にて11月14日に4日制シリーズの幕を開ける。
 競輪祭直前のシリーズでビッグネームは不在も、活きの良い機動型が数多く参戦するだけに連日見応え十分の戦いが繰り広げられそう。地元からは1班の皿屋豊、西村光太ら総勢6名が参戦し、大会を盛り上げていく。
 GIIIシリーズの開催中毎日、お菓子のプレゼントと、松阪恒例の2=9肉キャンペーンに参加する抽選券を配布する先着ファンサービスがあるほか、豪華解説者が日替わりで登場する場内予想会、松阪の特産品が当たる未確定車券抽選会が予定されています。さらに14日には、地元の井田晶之選手、伊東佑晟選手によるスペシャルトークショーも実施予定です。松阪競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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上杉嘉槻選手
上杉嘉槻選手
 青森記念で落車した上杉嘉槻(写真)は、ひと月以上休んで前回の11月岸和田FIで復帰。復帰戦で3日間先行策を貫いた上での感触を、こう話す。
 「先行はできたけど、結果は後ろの先輩が援護してくれてのものだと思います。いまいちタイムが良くなかったんで、スピードが出てない感じでしたね。もともと鎖骨にワイヤーが入ってたんですけど、それが落車で曲がっちゃって。肩甲骨も痛めて、肋骨も痛かった。復帰して、レースに関してはもう痛みもなく走れました。不安があるとすれば、スピード面ですね。松阪は8月に(S級)初優勝したバンクですし、好きなバンクなんでイメージは良いです」
 福田知也は、10月川崎GIIIで、通算2度目のGIII制覇を達成。その後のFI開催は2場所続けて決勝を逃したが、前回の11月弥彦FI初日の伸びを見る限り、状態面の不安はなさそうだ。
 「川崎(GIII)は、本当にいろいろと噛み合って、前のおかげもあって優勝できた。でも、本当にたまたまっていうところが大きいですよ。(川崎GIIIの前に)セッティングもいじっていて、それが良かったのもあります。また微調整しましたけど、前回は踏めている感じがありました」


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 前回の11月弥彦FIで優勝した柿澤大貴だが、決勝は繰り上がりの1着で、素直には喜べない。ただ、前々回の10月函館FIから白星をコンスタントに挙げており、状態面は良さそうだ。
 「(前回は)末木(浩二)君があれだけ頑張ってくれたんで、番手まくりはしたくないタイプなんですけど、無駄にはできないと思って。結果は繰り上がりで優勝できましたけど、理想としては1着でゴール線を通過したかった。地元(支部)で、自分も気持ちが入ってましたね。最近は連戦が続いているんで、疲れを抜く感じでやってきました。今回は(GI組が不在の)こういうメンバーですし、一個でも上のクラスを狙っていきたいですね」
 鈴木薫は、青森記念の初日に1着。京王閣記念は一次予選で大敗したものの、その後の3日間で2勝を含む3連対。グレードレースで、徐々に存在感が増してきている。
 「練習内容をちょっと変えてから良くなってきましたね。インターバル系の練習にプラスして、団抜きみたいな、持久系の練習を取り入れるようになったんです。そのおかげで、道中のスピードに対応できるようになって、脚がたまるようになったと思います。1班の点数が見えてきたし、今回は点数を上げるチャンスだと思ってます」


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 追加で参戦する橋本優己は、直前の防府記念は大敗が目立っただけに、今節は巻き返しを狙う開催だ。8月の当所FIでは、準決敗退も2勝をマークしている。
 「追加を受けたのは3日前くらいですね。なんとなくここの追加が来ると思ってたので、準備はできてました。松阪は相性も良いと思うので。防府記念は、3日目からフレームを変えたんですけど、そっちのフレームはまだセッティングが出てなかった。今回は防府記念の2日目まで使っていたフレームに戻します」
 久島尚樹は、年始の落車が尾を引いて、なかなか成績が上がってこない。ただ、本人の口ぶりは明るく、そろそろ一発があってもおかしくない。
 「調子はかなり戻ってきていると思います。ケガの影響でずっと思うような練習ができなかったけど、最近はもう大丈夫。今は脚力を上げる段階なんで、練習量を増やしています。もう、今期はいくら頑張っても(S級)1班の点数は厳しいし、来期に向けて脚を上げようと思って練習しています」


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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 今期は優勝もあって乗れている上田尭弥(写真)だが、前回の11月武雄FIは一息。ただ、不調の原因は明確で、今節には本調子で臨めそうだ。
 「武雄は新車で行ったら良くなかったんで、今回は元のフレームに戻します。寸法も、材質も全部同じもので作ったんですけど、かなり重くて。伸びていかなかったんで、これは駄目だと思って今回から戻します。今年優勝した時もこのフレームでしたし、セッティングも良い感じのままずっと触ってないので、大丈夫だと思います」
 6月に股関節の手術に踏み切った稲垣裕之は、8月に復帰してから、時間と共に状態も徐々に戻ってきた。前回の11月岸和田FIは途中欠場したが、その影響はない様子。
 「前回は腰痛が出たんで欠場しましたけど、もう大丈夫です。股関節も、徐々にですね。医者からも、元の状態に戻るには5カ月くらいかかると言われていて、ちょうど今月で5カ月。やっと戻ってきたかなと。ウエイト練習も、可動域が限られてますし、乗車フォームも、できないフォームがある。手術してからセッティングも変えましたし、いろいろと試行錯誤しながらですけどね」


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伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 東日本大震災から、拠点を松阪に移している伏見俊昭(写真)にとっては、当所は地元同然の場所。最近はタテ脚も繰り出すなど、好調時の鋭さが戻っている。
 「自転車は伸びてくれていますね。ただ、前回(平塚FI)の決勝は、北井(佑季)君がいて、九州勢は嘉永(泰斗)君が番手まくりする展開で、さすがにかなり苦しかった。やっぱりGIクラスは違いましたね。でも、今回はGIクラスはいないんで。それに、前回はその中で勝ち上がれたんで、状態自体は悪くないです。松阪なんで、気持ちを入れて走りたいね」
 東矢圭吾は、九州期待の有望株。GI初出場だった寬仁親王牌での経験を糧に、レベルアップを誓った。
 「前回の佐世保は予選で久しぶりに1着が取れて良かった。ただ、仕掛けのタイミングで後ろに迷惑をかけてしまったのでそこは反省ですね。親王牌で初めてGIを経験して、みんな強くてまだまだだなと。自力で先行で戦っていくには、最後の末の甘さが課題でした。そこの力が付けばもう少し戦えそうな気がしました。9車立てのレースは走りやすい感覚がある。今年、奈良(記念)でこけて鎖骨が折れて、そこから感覚が変わった。でも、上位の選手はそれでも強いですからね。見習わないと。状態は上向きだと思います」


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 阿部拓真は、小田原記念、熊本記念と、記念開催で続けて決勝に進出。10月玉野FI、続く11月弥彦FIで決勝に進出しており、成績が急上昇中だ。弥彦の決勝で落車したが、本人は問題なしを強調した。
 「(前回の)落車は大丈夫です。最近、やっと噛み合ってきて、成績が良くなってきていただけに残念でしたけど。ただ、雨が降っていて、滑った感じになったので怪我はほとんどしていない。今回もしっかりと勝ち上がれるように。GIIIは初日が大事ですからね。今回も決勝に行きたいですね」
 新村穣は、前回の11月岸和田FIでフレームチェンジ。寬仁親王牌を走って、感じたものがあったようだ。
 「前回の前に、体調を崩してしまって、練習不足だった。前回はそれが出てしまいました。それと、フレームを前回から変えたんで、今回はそれを煮詰めていきたい。師匠(小原太樹)のフレームを借りてきました。松戸記念から新車を使ってたんですけど、そのフレームは取り回しやすい感じのフレームで、どうしても競走が小さくなってしまっていた。GIを走って、改めて自分の立ち位置を考えた時に、それじゃ駄目だなと。デビューして先行ばかりしていた時も、師匠からフレームを借りていた時期があったので、初心を思い出して、またここからやっていきたいです」


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 低迷していた太田竜馬だったが、ここにきて復調気配が漂う。10月高松FI、11月武雄FIと、直近の2場所は続けて優出。高松の準決は、先行で小倉竜二を振り切った。悩める天才が、息を吹き返してきた。
 「一時期、苦しいときもあったけど、少しずつですけど、良くなってきました。成績も上がってきてくれましたね。特別なことはしていなくて、コツコツとやっていたことがやっと身になっている感じです。まだGIで勝負できるような状態ではないけど、それでも自転車に乗っていて、力が入っている感じがある。結果も意識し過ぎず、自分のレースができている。前回から状態は変わらない。キープできている」
 夏場は勢いに乗っていた蕗澤鴻太郎だが、近況は失速気味。予選で敗退した前回の11月平塚FIの分を、今回は巻き返したい。
 「ちょっと最近良くないですね。原因としては(競走を)走り過ぎて、体が徐々におかしくなってきている感じだと思います。今回もしっかりと練習はしてきました。出し切ることを意識してレースをしていきたいですね」


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 地元の皿屋豊は気合十分。108点台を記録した前期と比べると今期の成績は物足りないが、得意の冬場に向けて状態を上げていきたい。
 「かなり疲れがあったんで、ここまではしっかり疲労を取ってきました。調子は上がってきていると思う。競輪祭組がいないですし、地元でこんなチャンスの開催はなかなかないと思う。一次予選くらいは自力で勝ち上がれないと、この先はない。しっかりラインで決められるように頑張りたいです」
 10月は丸々一カ月休んだ染谷幸喜は、前回の11月平塚FIで復帰して、371着。欠場理由をこう明かす。
 「子供が生まれて、家庭のことで10月は忙しかったんで、休ませてもらいました。家庭の雰囲気は良かったし、リフレッシュして。でも、脚はもう一回作り直さないとですね。平塚を走って、まずまずだったけど、また練習をしっかりやって脚を付けたい。皿屋さんは同期で、対戦は何回かあります」


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石原颯選手
石原颯選手
 FI戦で無類の強さを誇る石原颯(写真)は、今年5Vをマーク。40勝は、S級トップの数字だ。前回の11月佐世保FIは、システム障害の影響で2日目以降が中止打ち切りとなったが、そこでも初日に1着を取っている。
 「(佐世保は)正直感じが悪かったですよ。でも、中止になっちゃったんで、なんとも。終わってからは、充実してました。室内練習と、バンク練習をしっかりできました。まあ、でも、状態は走ってみてで。今回はちゃんと決勝に上がりたいですね。チャンスの開催だと思ってますし、一個、一個をしっかり走りたい」
 青森記念で落車した嵯峨昇喜郎は、今回が復帰戦。ケガは左鎖骨骨折と、決して軽傷ではなかっただけに、慎重な口ぶりで話す。
 「初めての骨折だったんで、不安はあります。でも、休んでばかりもいられないし、走りながら戻そうと思って復帰しました。プレートを入れてます。まだスタンディングでは落車する前みたいにはもがけないんで、ちょっとずつ戻していきたい。練習自体は、今月に入ってからちょっとずつできたので」


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久田裕也選手
久田裕也選手
 久田裕也(写真)は、9月小田原FIで落車して、京王閣記念で復帰。復帰はしたものの、ここ2場所は好調時の動きにはない。本調子ならば、争覇級の機動型なのだが、今節のデキはどうか。
 「調子は良くもないけど、普通くらいですかね。悪いわけではないので、もうちょっと成績を上げたいんですけど。体はもうほとんど大丈夫ですけど、落車で自転車が壊れて、新車がまだ届かないんですよ。練習用のフレームを使ってます。今あるものでなんとかしないといけないので、頑張りたいです」
 片折亮太が侮れない。前回の11月弥彦FIでは自力と、番手を使い分けて2勝を挙げた。過密日程に弱音を吐くが、ワンチャンスを生かせれば本線撃破も十分可能だ。
 「弥彦が終わって、中0日でミッドナイトの誘導が入ってて。体は疲れてますよ。本当は目標がいてくれたらありがたいけど、いなければ自分のやれることを精一杯やります。やれる事は少ないけど、そこ(仕掛けところ)は逃さないように」


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西村光太選手
西村光太選手
 地元のエース格は西村光太(写真)。前検日は、入れ込み過ぎることなく、リラックスムードで取材に応じた。初日は頼もしい目標を得て、勝機が拡大した。
 「GIがあったり、地区プロがあったり、ずっと配分が詰まってたんで、いつも通りの練習と調整をやってきました。僕なんて、FIでいっぱいいっぱいですから、地元GIIIといっても、一つ一つのレースをしっかり走るだけですよ。地元記念も何回も走ってますけど、気負い過ぎるのが一番よくない。そんなに考え過ぎずに走りたいですね。村田(祐樹)君とは、最近連係することが多いですね。まくりも、逃げも差してるんで、相性は良いと思います」
 村田祐樹は、10月富山FIでS級初Vを飾るなど、メキメキと頭角を現してきた。オールスター、寬仁親王牌とGIも経験した。
 「(GIを経験して)立ち回りや、組み立ての部分、トップスピードがもう少し良くなればなって思っています。その辺は日々、練習は頑張っている。今期は今の点数を維持するか、それ以上の点数で終わりたい。松阪は久しぶりですね。風は気になります。走って思い出したいですね。ジャンぐらいでは前に出るレースができれば」


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湊聖二選手
湊聖二選手
 今節の競走得点トップは湊聖二(写真)。前期は落車が多くて成績を落としたが、今期は見事に復調して安定感を取り戻した。初日特選は、久米康平との呼吸の合ったコンビネーションで混戦断ちを狙う。
 「前回(11月佐世保FI)が中止だったんで、終わってから10日くらい空いて。ゆったりして、練習して、状態はバッチリです。来年はGIに復帰したいし、そこを目標にして頑張ってる。タテの練習もしてるけど、今回は四国勢が多いし、出さない予定です(笑)。久米君とは、同県の中で一番連係が多いと思う。仕掛け所も分かるし、何も言わなくても大丈夫でしょう。松阪はめちゃくちゃ走りやすいし、相性も良いです」
 その久米康平は、10月地元FIで優勝と、好調ムード。ただ、その前の寬仁親王牌ではトップクラスとの力差を感じただけに、現状に満足はしていない。
 「間隔が空いた分、しっかりと練習ができた。親王牌はお話にならなかったですね。犬伏(湧也)にも離れたし、トルク不足を痛感した。ダメ過ぎてテーマがあり過ぎる。セッティングも改めて、乗り方も考えている感じですね。初日は細切れでチャンスはあると思う。湊さんにも迷惑をかけないように」
 京王閣記念では決勝に乗った鈴木竜士だが、直後の11月武雄FIで落車している。近況は自力にこだわっており、ここも長島大介の前回りを買って出た。
 「体は大丈夫ですね。状態としてはまだまだです。一走、一走、結果を出すことを意識して走っている。自力は飽きるまでやりますよ。前回から中6日で、5日間、練習した。京王閣に行ってバンクで練習しました。自転車は2台持ってきたけど、まずは前回と一緒のフレームを使う」