『施設整備等協賛競輪in松阪(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月15日

 松阪競輪場で行われている第11回施設整備等協賛競輪in松阪「The Leonids Cup(GIII)」は11月15日が2日目。初日に引き続き大荒れの1日になり、最終12レースでは落車、失格もあって3連単で30万円近い高額配当まで飛び出した。地元からは西村光太、皿屋豊の2人が苦戦しながら勝ち上がり。16日はシリーズハイライトの3日目で、決勝進出を目指し準決3個レースで激闘が繰り広げられる。
 GIIIシリーズの開催中毎日、お菓子のプレゼントと、松阪恒例の2=9肉キャンペーンに参加する抽選券を配布する先着ファンサービスがあるほか、豪華解説者が日替わりで登場する場内予想会、松阪の特産品が当たる未確定車券抽選会が予定されています。さらに週末はイベントが盛りだくさん。16日には、スギちゃん、ダンディ坂野のお笑いLIVE、クラウンロト&ハンナの大道芸ショー、競輪youtuberケイトリの特別予想会、三重高校ダンス部serious flavorのステージ、宝石探し・縁日ブース、美味しいグルメ大集合、競輪選手応援ブースが実施予定です。松阪競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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松坂洋平選手
松坂洋平選手
 誘導を残して引いた鈴木薫を、小西晴己が赤板過ぎに切る。中部勢に続いた久島尚樹は、3番手の鈴木の外で一旦脚を止めてから前を叩きにいくが、小西が突っ張って出させない。ペースが上がるなか、打鐘で仕掛けた新村穣は、久島が外に浮いた間を縫って前団を叩きにいく。一瞬車間が空いた松坂洋平(写真)だったが、コースが空くと新村を追いかけてリカバリー。最終ホームでは神奈川2車で前に出切る。軽快なペースで逃げる新村を、松坂は間合いを取って援護。ゴール前で交わした松坂が1着だった。
 「スタートけん制が入れば前からだったけど、なるべく前と、後ろはいやだなってところで。取れた位置から先行したいなって感じでした。結構ペースが上がってるなかで、新村君がシッティングで行ってくれて。ただ、8番(久島)が降りてきたのが見えて、そこで離れた。その後は追って、援護できたのは良かったです。中村(浩士)さんがいないのは分かったけど、後ろも離れていたし、ぎりぎりまで待ってから踏んだ。昨日(初日)は踏み出しに離れたりしているし、修正点はまだありますね」
 2日連続で先行策に出た新村穣が、2着に粘って準決に進出。
 「自分達だけがライン3車でしたし、どこからでも先行しようと思ってました。8番(久島)が(小西に合わされて)出られないのかなと思ったけど、もう一回行っていた。そこを見送っちゃうと、先行するタイミングがなくなるなと思って、あのタイミングで行きました。ホームで後ろに(松坂)洋平さんがいるのが分かって、1周は自分のペースでタレないように踏めました。まだ満足できる踏み直しじゃない。けど、今回は師匠から借りたフレームで、昨日(初日)セッティングをいじって、ある程度のところまではセッティングを出せたと思います」


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中井太祐選手
中井太祐選手
 前受けの中井太祐(写真)が、高橋晋也の上昇を突っ張る。高橋が4番手に降りて、外田心斗は、高橋の外で脚を止めて打鐘を通過。併走を嫌った高橋が車を下げると、外田は2センターからスパート。だが、番手の山本直が遅れを取って、稲垣裕之にさばかれてしまう。外田にハマった中井は、前との車間を詰めた勢いのままに最終3コーナーから持ち出して、直線で一気に抜け出して連勝を決めた。
 「スタートは取れたら前でしたけど、車番も悪かったので取れた位置からでした。赤板で突っ張ったのは、高橋君を後方におきたかったから。駆けるところまできたので、駆けないといけないなと。ラインにサポートしてもらいながらですけど。(稲垣に)迎え入れてもらった分、早めに仕掛けたいから詰めていった。キツいなかでも1着をとれたので、状態は良いと思う」
 稲垣裕之が2着。近畿勢が息の合った連係を見せて、ワンツーが決まった。
 「スタートが決まりましたね。中井君が、高橋君を突っ張ったのは凄いなと。位置も取ろうとしているなかで、積極的な動きがあってこそのあの展開ですから。先行意識はあったと思う。中井君が踏んでいるからこそ、山本君も離れたと思うので。うまく援護することもできた。ギリギリまで内を締めていたので、最後抜きにいったけど距離が足りなかった。初日に3コーナーで遅れて不甲斐ないレースだったので、セッティングを変えた。余裕があって乗りやすくなったので感触は上向き。サドルまわりをいじろうかと思う」


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岡崎智哉選手
岡崎智哉選手
 伊東翔貴が、長島大介を赤板過ぎに突っ張る。長島が踏みやめた上を、すかさず上杉嘉槻が仕掛けるが、伊東はこれも突っ張って打鐘手前からペースアップ。福田知也は踏み遅れて、岡崎智哉(写真)が3番手に降りる。自力に転じた岡崎は、2コーナー過ぎからまくりを放つと、北日本勢をあっさりと乗り越え、後続を突き放して1着を手にした。
 「レースメイクは上杉に任せてた。ただ、スコーンと出られるようなレースにはならないかなとは思ってた。(伊東に突っ張られて)ああなって、浮いた時に上杉の弱さが出ちゃうんで。フワッとしたんで、内をキメて、迎え入れる準備はしたけど、降りてこなかった。あれ以上バックを踏んで長島君に行かれるのも駄目ですし。どうあれ上杉と決めようと思ってたけど、意思疎通がちゃんとできていなかったのが反省点。セッティングをちょっといじって、失敗しました。明日(3日目)は戻すと思います」
 岡崎には上をいかれた佐藤和也だったが、2センターから前に踏み込んで2着をキープした。
 「(伊東が)頑張ってくれました。長島君を突っ張って、あとは中団にハマると思ってたんですけど、(伊東)翔貴のダッシュが良すぎたのか、(上杉も)突っ張り切っちゃった。緩めずに、メイチで駆けていたし、自分もいっぱいだった。あの感じじゃ残らないし、俺も早くスイッチしたかった。(岡崎が)1車で来てくれて良かった。脚が残ってなくて、最後はいっぱい。(岡崎に)追いつくっていうより、後ろに食われないように頑張りました」


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塚本大樹選手
塚本大樹選手
 前受けの嵯峨昇喜郎が、赤板過ぎに鈴木竜士の上昇を突っ張る。中団から7番手に下げた太田竜馬は、2コーナーの山おろしを使って加速すると、打鐘で嵯峨を叩いて主導権を握る。太田が隊列を一本棒にして最終周回。4番手の嵯峨は、バックからようやく仕掛けるが、前と車間を切った塚本大樹(写真)が小さく張って応戦。詰める勢いで抜け出した塚本が、1着をつかんだ。
 「前を取ったら突っ張りで、中団なら切ったところでいく感じだったみたいです。別線の2人が併走している感じのところで、太田君がいってくれた。ちゃんと仕掛けてくれましたね。太田君と、たぶん初連係だと思うので、どれだけ掛かっていくのかわからなくて。最後は踏んだところが下手でした。自分は追走していて楽だった。ここ最近の中では一番良いぐらいの調子です」
 太田ライン3番手の稲吉悠大が塚本に続いた。
 「恵まれました。太田君がやる気でしたね。仕掛けてくれたのでありがたかったですね。最後、突っ込んでくる人たちが多かったので、塚本君も気が抜けなかったと思う。自分も集中していたので。ジャン前のところで内に差したり、ちょこちょこズレがあるので修正したい」


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畑段嵐士選手
畑段嵐士選手
 7番手から村田瑞季が動きだすと、4番手から合わせるように久田裕也も上昇する。先頭の照井拓成は、赤板で踏んで両者を出させずにペースを上げる。一旦7番手に戻った村田は、2コーナーから再度踏み上げて、打鐘で先頭に躍り出る。久田は、打鐘2センターから反撃を開始。畑段嵐士(写真)がけん制するが、スピードの違いで乗り越えた久田が近畿勢をまくり切る。上を行かれた畑段は、村田から3番手内にスイッチ。2センターで湊聖二を内からドカしてコースを作った畑段が、久田の外を踏んで交わしてゴールした。
 「主導権を取ったところまでは良かったんですけど。久田君のスピードが、対処できない感じで来られた。そこからはもう苦し紛れ。1着は本当にたまたまだと思います。湊さんが詰まってる感じだったから、内から行けたんだと思う。状態自体は良くないです。なんとかって感じですね」
 快速を発揮した久田裕也が2着。今節は、本来のスピードを取り戻している。
 「中団からだったら、先切りしてと思ってました。でも、前が踏んだし、村田さんも引いたので、もう一回来ても、ジャンから踏み合いになるかなと。そうなったら、タイミングを見てカマそうと思った。詰まるところは昨日(初日)で分かったんで、タイミングは良かったと思います。でも、もうちょっと踏み直せたらワンツーだったと思うし、申し訳ないです」


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五日市誠選手
五日市誠選手
 前受けの板垣昴は、赤板で久木原洋を受けると、久木原を叩いた中部勢に3番手からすかさずにスイッチ。そして、板垣が打鐘過ぎに中部勢を叩いて、北日本の主導権となる。久米康平が3番手に追い上げて中団がもつれるなか、板垣が快調に飛ばして残り1周へ。五日市誠(写真)は、前と車間を切って後ろの反撃に備える。五日市はギリギリまで別線を引きつけながら車間を詰めていき、直線で抜け出して混戦を制した。
 「スタートは後ろよりも前かなと。ダメ元で出てみて、取れた位置からで後は(板垣に)お任せでした。ジャンで板垣君がいってくれたのがよかった。久米君が踏んで来る感じがなくて、なるべく引きつけようと。きついけど一杯一杯ではなかった。展開が向けば、勝負できる脚と調子かなと思う」
 皿屋豊は、久米にキメられて最終ホームで5番手に後退し、なかなか仕掛けきれない。西村光太は、最終2センターで内に切り込んで位置を上げ、直線は外のコースを鋭く伸びて2着に食い込んだ。
 「前中団からが良かったけど、スタートで削られて後ろからに。ただ、悪い展開ではなかった。皿屋さんも(勝ち上がりを)意識し過ぎたのか、バック踏んでいて、2センターでさすがに待てずに踏ませて貰った。自力選手には、自力選手のタイミングもあるとは思うんですけどね。余裕はありました。バンクが重くなって、スピード域が自分に近い感じになった。ここまできたからには決勝にいきたい」


<12R>

磯田旭選手
磯田旭選手
 片折亮太が7番手から早めに上昇を開始。先頭の村田祐樹は、赤板で突っ張ろうとするが、ここでアクシデントが発生。片折と接触した村田が落車してしまう。落車を避けた神田龍が先頭となり、ラインの笠松信幸と、西田雅志も打鐘で追い上げる。4番手に下げた片折は、態勢を整えて4コーナーからカマす。神田は3番手内で原田泰志と絡んで不発。磯田旭(写真)は、瀬戸栄作のまくりを引きつけてから、直線で片折を差し切った。
 「あの並びは想定内でした。村田君が突っ張るのは分かってた。(アクシデントがあってから)片折さんが冷静に、全部やってくれました。ちょっとだけ重い感じがする」
 2着入線の片折は、赤板過ぎに外帯線内に進入して、村田を落車させたとして失格。関東勢追走から、最終2コーナー過ぎにまくった瀬戸栄作が2着に繰り上がった。
 「村田君が突っ張ると思ってたんで、あの位置から、(最終)2コーナーから力勝負できればと思ってました。怪しい気がしたところで落車があった。避けられて良かったです。片折さんが駆けると思って、付いていったけど(最終ホームで)緩めちゃった。あそこで反応できていれば(阪本)和也とワンツーだったと思う。なんだかんだ自転車は進んでいるし、もっと気持ちを強く持って走りたい」