『松阪競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月24日

 松阪競輪場で開催されている大阪・関西万博協賛・開設74周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」は、1月24日に2日目が行われた。二次予選では、古性優作、郡司浩平、岩本俊介のS級S班3人が、後半を白星で締めて人気に応えた。また、松阪がホームの皿屋豊は連勝で準決に進んだ。1月25日のシリーズ3日目は、ファイナルをかけた準決で激しいバトルが展開される。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着ファンサービスとして、お菓子、肉キャンペーン抽選券をセットで配布。日替わりで豪華解説者が登場する場内予想会、未確定車券抽選会などが予定されています。また、1月25日のシリーズ3日目には、「コウメ太夫」、「坂本冬休み」らによるお笑いライブ、ダンスショー、選手会三重支部によるトークショー、ふれあい動物園、「美味しいグルメ大集合」などもあります。松阪競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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阿部力也選手
阿部力也選手
 赤板2コーナーで新村穣を脇本勇希が押さえて、そこを塩崎隼秀が打鐘3コーナーで飛び出して主導権。脇本が3番手に入り、木村直隆をさばいた新村が5番手を確保して最終ホームを迎える。タイミングを取った脇本が2コーナー手前からまくり、そこを新村、阿部将大が襲い掛かる。後方の阿部将は浮いて新村ラインに付け直す。3コーナー過ぎに前団をとらえた脇本をあっさり新村が仕留めて、付けた阿部力也(写真)が外に持ち出す。阿部力が楽に追い込んで1着。
 「新村君は後ろからだけど、自分のレースでしっかりと長い距離をいく感じだった。けど、みんな積極的でしたね。落ち着いて仕掛けてくれたし、(まくりが)届いているんで良かったんじゃないかと思います。(状態は)自分的には問題ない。しっかりと練習もできている。ハンドルまわりを微調整したけど、そこも悪いわけじゃない」
 後方からのまくりが外に浮いた阿部将大は、最終2センターで阿部力の後ろに降りて直線で再度、踏み込んだ。
 「塩崎君(のライン)に付いて行ければ良かったけど、内に差しちゃってた。それで無理やり行くよりも、ためてからになった。そこは(山田)庸平さんに申し訳ないですね。(まくった新村と)一緒に踏んでしまった。あれならもっと待ってからの方が、(山田と)ワンツーが決まったかなと。(状態は)悪くないです」


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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 赤板1センターで原田亮太が先頭に立つが、その上を太田竜馬が押さえて出る。原田が4番手に引き切った打鐘2センターで、小原佑太が7番手からスパート。先行態勢の太田もペースを上げて、最終ホーム手前で空いた中団に小原が入るが、そのまままくり上げる。岩津裕介のけん制を乗り越えて、小原、山崎芳仁(写真)でまくり切り、3番手の石川裕二と切り替えた岩津が併走。原田のまくり追い込みは不発で、山崎が岩津の中割りを警戒しながら差し切った。
 「(小原の)まくりか、カマシで付いていけるかどうか、そこは俺の勝負でした。(小原は)休むと思ったところで行って、(自分は)バックを踏んでちょっと遅れて(最終)1コーナーの登りで行った。これはダメなパターンって思っていました。岩津君のところは締め気味に押していきました。必死だったし、良かったか悪かったかわからない」
 連日、構えることなく早めの仕掛けが目を引く小原佑太が、振り返る。
 「原田君がフカすと思ったけど、太田君を出させる感じだった。それでかぶっているうちにって思って行きました。中団に入れれば休もうとしたけど、バックを踏んでも後ろもいることだし、そのまま行けるところまでと。良くはないですね。踏み直せていない。道中を考えれば楽になるかなとは思います。踏むところと流すところをVTRで見て確認して、踏み方の調整をしたい」


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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 打鐘で志田龍星が主導権を握り、地元コンビが続く。4番手に山本直が収まるが、後方の長島大介が3コーナーからインを進出。中団が長島と山本の取り合いで最終周回へ。4番手の決着がつかず、長島は1センター過ぎからさらに1車押し上げる。しかしながら、バック手前でキメた柴崎俊光が、3番手をキープ。山本は2センターから、外を追い込む。逃げる志田後位で車間を空けた皿屋豊(写真)は、後続を引きつけて直線で追い込んで連勝のゴール。
 「前も残せず、後ろも連れていけずで難しかった。ほかのレースを見ていても、今日(2日目)は先行が苦しい。風がバックからホームまで向かっている。それで先行屋は苦しい。自分もギリギリまで待ったんですけど。山本君が来ていたけど、長島君が来なかった。そこにはかぶらないようにっていうのもあった。できることはやったつもりだけど、残せないのは悔しかった。番手で余裕がありすぎて(感触は)わからない。でも、デキはいいのかなって思います」
 長島にすくわれて中団の外での併走を強いられた山本直にとっては、決して楽な展開ではなかった。それでも外を伸びて2着に入った。
 「ヤバい展開にはなったけど、ところどころでラッキーだった。(最終)バックのところで柴崎(俊光)さんが(長島を)キメたから、俺も休めた。その前の(長島に内をすくわれたところは)無警戒でした。でも、しのげたんで、(自分の状態は)いいような気がするんですけどね」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 地元、中部勢が、前団に構える。誘導との距離を取った村田祐樹は、坂本周輝を阻み主導権を渡さない。周回中から4番手にいた晝田宗一郎が、そのままポジションを確保。坂本が7番手に戻り、一本棒の隊列で打鐘を通過する。ペースに持ち込む村田に、最終ホーム手前から晝田が襲い掛かる。1コーナー過ぎに浅井康太(写真)が大きく外に張り、さらに晝田を2コーナー手前でブロック。外併走でこらえる晝田だが力尽き、坂本のまくり追い込みも一息。浅井が、勝機をモノにして人気に応えた。
 「坂本君が来たタイミングで突っ張れば、昼田君が来るなと警戒していました。あれで行かれたら1車行かせて、(村田を)迎え入れてでした。けど、追いかけて止め切れた。肩鎖関節をやってから昨年、一昨年はヨコの動きをやれていなかった。(肩鎖関節は)だいぶ感触がいいし、今年はそういうところで勝負しようと。番手を攻めたり、厳しいレースをしていってラインで勝ち上がるために仕事をしようと。今日(2日目)は各自が自分のやれることをやったおかげ。前回の取手から私生活でもしっかり歩けるようになって、感触と修正を最近はできているんで調子は悪くない」
 最終2センターで晝田を弾いてコースを確保した西村光太は、直線で外を踏んだ。
 「最高の結果でしたね。浅井さんが全部やってくれました。湊(聖二)さんがエックスで入ってくるのを気をつけていて、内を締めて追走すればなんとかなると思っていました。ローラーを乗りこんだので、昨日(初日)より全然、良かったです」


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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 松岡辰泰を突っ張った深谷知広がペースを落としたところを、金子幸央が切って出る。4番手になった深谷だったが、金子のペースを見極めて打鐘4コーナーから仕掛ける。深谷のダッシュに遅れた岩本俊介(写真)は、叩き切った深谷に追いついて2人で出切る。江守昇が連結を外して、3番手に金子。7番手の松岡が、2コーナー過ぎにまくりを打つ。金子とからんでスピードが鈍った松岡だが、直線で前の2人に迫る。番手から追い込んだ岩本は、タイヤ差で松岡を退けてS級S班初勝利を手にした。
 「(打鐘4コーナーの深谷の仕掛けは)シビれましたね。1回、態勢を崩してからすぐに行ったんで、その分、自分は反応が遅れた。なんとかでしたね。付いてからは、脚の余裕はあった。後ろを確認して、あおりながらできるかぎり最低限はやった。体調は変わりないし、練習疲れも取れてきてリフレッシュしてきている」
 深谷に突っ張られて脚力を消耗。後方に陥った松岡辰泰は、まくりでピンチを脱した。
 「スタートも取りたくて、取れなかった。2周のところも深谷さんを切れなくて、ムダ脚ばっかりだった。ただ、(初日に走り終わった)昨日から青柳(靖起)と一緒に(セッティングを)いじって、今日の朝の指定練習でポジションが出た。そこで一気に上向いた。それで落ち着いていこうと。ああいう混戦みたいになった方が、自分の持ち味が生きる。あとは深谷さんが行ったんで、それに付いていってからでした」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 安彦統賀が切って出て、赤板2コーナー手前ですんなり先頭に立った青柳靖起が主導権。郡司浩平(写真)は、一本棒に7番手で打鐘を迎える。波をつくりながらペースを握った青柳に、郡司は最終ホーム手前で反撃。合わせて踏み上げる青柳をねじ伏せて、4コーナーを先頭の郡司が佐藤慎太郎を振り切った。
 「青柳君が切ってからペースが上がると思ったけど、落ち着いてしまってタイミングを見て、見てになってしまった。あんなに流すとは思わなかったです。あんまりいいタイミングではなく、(仕掛けが)遅くなってしまった。その分、出切るのも遅くなった。(最終)バックを取る仕掛けのイメージだったのに反省です。自力の感触としては、前回に引き続き悪くない」
 佐藤慎太郎は郡司を半車輪まで詰めて、感触もまずまずのようだ。
 「(郡司に)しっかり付いていけましたし、悪くないかなと。強いところを見ているし、緊張はしていました。しっかり付いていかないとって思っていたのでホッとしています。(郡司は青柳が)流したところを行くとジャン先行になるし、確実に勝つにはいい作戦だったと思う。自分も悪くはないですね」


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古性優作選手
古性優作選手
 蕗澤鴻太郎、森山智徳、大石剣士と周回中の並び通りにラインが動いて、古性優作(写真)は7番手。打鐘過ぎに先頭に立った大石が先行策。4コーナーで外に持ち出した古性だったが、小休止してから最終1センターで再アタック。それでもさすがの加速力。古性が力の違いで前団を仕留めて、あっさりと勝ち切った。
 「今日(2日目)はある選手の乗り方とか、いろいろなことをイメージしていこうと。(打鐘)4コーナーからそのイメージで行ったけど、まったく出なくてヤバいなって。(最終)1コーナー過ぎてもう1回踏んだけど、スピードのノリも悪かった。掛かってなくて(山田に)絶対に差されるなって感じだった。自分のいまのトルク感なら、(打鐘4コーナーの)下りを使っていかないとっていうのがあった。結果、ジャン3コーナーから行ってれば出られたと思うけど、今日は課題をもってやた。それで後ろには迷惑を掛けてしまった。(現状の感触は)シンプルにGIじゃないので調整していない。調整をせずに記念を獲れるようにはしておきたい。そうしないとGIで調整をしてもっていうのがある。そのくらい底力を上げたい」
 2度目の古性の踏み出しにも危なげなく対応した山田久徳が2着。自身の感触を確かめるように振り返った。
 「(古性は最終)ホームで一瞬、行きかけたけど、なんかタイミングが合わなかったみたいですね。そのあとも自分は、ムダ脚を使わずに追走ができた。最後、抜きにいったけど、(古性が)強かった。まくり切るに向かって、トップスピードが上がっていった。自分もどのくらいかなっていうのがあったけど、想定通りです。(古性の仕掛けが)あの距離だったら(抜けない)。しっかりと追走はできたし、反応ができた」