『松阪競輪WTミッドナイト(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月10日

 松阪競輪場で開催されている「ウィンチケットミッドナイトGIII」は9月9日が2日目。短期決戦だけに、この日は準決が実施され、小原太樹、岩津裕介、立部楓真が1着で決勝への勝ち上がりを決めた。一方、初日特選でワンツーを決めた東口善朋、中釜章成の近畿コンビや新田祐大は準決で敗退。また、ガールズケイリンは、地元の竹野百香、新鋭・酒井亜樹がともに予選1、2を連勝して決勝進出を果たした。10日は早くも最終日で、8、9レースで男女それぞれの覇者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 なお、本場での車券発売やイベント、ファンサービス等はございません。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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竹野百香選手
竹野百香選手
 周回中に3番手の竹野百香(写真)は、前と車間を取りつつタイミングを取る。6番手の熊谷芽緯は、打鐘4コーナーからの仕掛け。最終ホームで反応して持ち出した竹野だが、すんなりとは出切れず、上を熊谷に行かれてしまう。加藤恵をまくった熊谷が、2コーナー過ぎに出切り、1車身ほど車間が空きながら竹野が追いかける。2センターで追いついた竹野は、スピードをころすことなく4コーナーで持ち出して、最後は鋭く熊谷を交わして連勝を決めた。
 「(熊谷が)だいたいジャンの4コーナーくらいのタイミングで来るのかなって思ってたんで、いつ来ても大丈夫なように準備してました。これ以上来ないなら、自分で行っても良いようにも準備してました。ホームで行こうとしたんですけど、加藤さんのダッシュがすごくて、なかなか出切れなかった。その上を(熊谷に)行かれて追いかける形になったんですけど、車間が空いた分スピードに乗れたのかな。でも、危なかったです。ここ最近では成績は良い方ですし、状態の割には結果が出ていますね」


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酒井亜樹選手
酒井亜樹選手
 半田水晶が前受けし、酒井亜樹(写真)は4番手で間合いを取ってタイミングを計る。半田は後ろを警戒しつつ、打鐘4コーナーで一気にスパート。2番手の長澤彩が離れるほどの踏み出しでペースを上げる。酒井は、前との車間を保ったまま最終周回に入り、詰めた勢いのままにバック手前からまくり上げる。吸い込まれるように加速していった酒井が、4コーナーでは半田をまくり切って1着を手にした。
 「(周回中は)半田さんと自分の位置関係を考えていました。昨日(初日)も、今日も自分の中でテーマを決めて走りました。車間の取り方を意識して、仕掛けていきました。半田さんが掛かっていたので、出切るのは苦しかったけど、乗り越えられて良かったです。脚の感じは悪くないです」


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小原太樹選手
小原太樹選手
 6番手の小川真太郎が赤板で上昇し、前受けの橋本優己は若干突っ張る素振りを見せたものの、1コーナーでは小川を送り出して3番手に収まる。2コーナーから踏んで小川を叩いた吉田有希は、打鐘3コーナーではスタンディングでペースを上げて先行態勢に入る。橋本は、吉田ラインが出切ったタイミングで巻き返す。小原太樹(写真)は、最終ホームで吉田と車間を切って態勢を整えると、1コーナーで橋本をけん制。橋本の勢いが鈍ると、今度は東口善朋が2コーナー過ぎに自らまくりを打つ。小原は、車間を詰める勢いで東口を合わせ切る。直線で追い込んだ小原が、吉田を交わして1着だった。
 「吉田君が頑張ってくれました。ジャンからハイペースにしてくれましたし、強かったです。(橋本が浮いても)東口さんは絶対飛んでくると思ってたし、そこに対応できるように車間を切って備えてました。(ラインの)3人で決まったのが嬉しいですね」
 吉田ライン3番手の永澤剛は、2センターで降りてきた東口を外にブロックして対応。直線は外を踏み込んで、2着に食い込んだ。
 「前の2人が頑張ってくれてたんで、自分も3番手の仕事をしようと。東口さんが降りてくると分かってたんで、先付けで対応できました。今回は落車したときのフレームを使っていて、前回よりは良いと思うけど。ラインのおかげですね」


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岩津裕介選手
岩津裕介選手
 後ろ攻めの青木瑞樹が、赤板過ぎに切る。前受けから中四国勢を送り出した中釜章成は4番手で車を下げず、中四国勢に続いた簗田一輝と併走になる。青木は、中団のもつれを確認してペースに入れ、打鐘4コーナーから踏み上げていく。最終ホームでも中団は併走のままで、岩津裕介(写真)は、青木と間合いを取って備える。簗田が、外併走から2コーナー過ぎに仕掛けると、岩津は車間を詰めた勢いで前に踏み込む。4コーナーを先頭で迎えた岩津が、そのまま1着でゴールした。
 「青木君は先行するっていう強い気持ちでした。気持ちが勝っているから、ああいう展開になるんでしょうね。初連係でどれくらい踏んでいるのかが分からなかった。(簗田を)もうちょい引き付けても良かったかな。理想は(ラインの)3人でゴール勝負ができれば良かった。(感触は)今日(2日目)は良かったですね。体も自転車も意識してやったら良い感じでした」
 高原仁志は、最終3コーナーで簗田に締め込まれるも、内から当たり返して踏み勝つ。岩津に続いて2着で決勝進出を決めた。
 「シリーズリーダーの(岩津の)後ろだったのが最大のポイントですね。(簗田が来て)また簗田かと思ったけど、悪かったら遅れて入られて終わっていたと思う。対処はできました。前回よりも自転車の感じは良かったし、セッティングも大丈夫でした」


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立部楓真選手
立部楓真選手
 立部楓真(写真)が、赤板過ぎに切って、片岡迪之が2コーナー過ぎに押さえる。前受けから下げた新田祐大が打鐘で叩くと、片岡は番手に飛び付く。隊列がもつれたところを、立部は最終ホーム手前から仕掛ける。反応した新田が踏み上げると、番手で併走した伏見俊昭と片岡は車間が空いて、立部が2コーナーで新田の番手にハマる。絶好のポジションを奪った立部は、4コーナーで外に持ち出すと、逃げる新田を直線で抜き去って1着。強敵を撃破して、決勝へと勝ち進んだ。
 「踏み上げたタイミングは、いいところで行けたと思います。番手に入ってからも余裕はあったんで、行けると思ったところでもう1回踏みました。最近は、選手になって一番練習をやっている。その自信を持って走れました」
 吉本卓仁が、立部を追って2着。九州の後輩との勝ち上がりを喜んだ。
 「片岡君が粘ってくれて、立部も良いタイミングで行ってくれましたね。立部も出切るつもりで踏んでたと思うけど、やっぱり新田のダッシュは強烈なんで。それで番手に入ってくれて、良い判断だったと思います。自分はとりあえず当たられないようにってだけで、そこまで締め込んでないし、付いていくのに集中してた。(決勝に)乗せてもらった感じですね」