『松阪競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月9日
 松阪競輪場で開設75周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪(GIII)」が、10月10日にスタートする。古性優作、郡司浩平、犬伏湧也、新山響平のS級S班4人をはじめ、渡部幸訓、武藤龍生、村田雅一、取鳥雄吾、松本貴治、園田匠らの実力がそろった。地元勢は浅井康太、皿屋豊、西村光太の1班を中心に、結束力を高めて、シリーズを盛り上げる。前検日の10月9日は、好天のもと、指定練習でバンクの感触を確かめる選手も多く、それぞれが入念な調整を行い、翌日からの戦いに備えた。
 記念開催中は毎日、お菓子をプレゼントする先着ファンサービス、場内予想会、未確定車券抽選会、グルメ大集合などが予定されています。また、10月10日の初日は、選手会イベント「サイクルクラブPRステージ」などもあります。松阪競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 近況、コンスタントに勝ち星を挙げている渡邉雄太(写真)は、底は脱したようで上昇ムード。前向きに先を見据えて、こう口を開く。
 「成績はちょっと上がってきました。(脚の感じも)ちょっと良くなっている気がする。(練習では)まだ微妙だけど、数値は上がってきている。(チームスプリントで優勝した)地区プロがあったんでカーボンでやっていた。(競輪用の自転車が)久々になるんで、今回はそこがどうですかね。点数が高かったころは、上が見えてこなかった。けど、100点くらいまで下がって、逆にモチベーションを高く戦えていると思います」
 前々回の青森記念では2日目に1位入線も失格の憂き目をみた竹内翼は、前回の武雄FIが774着。
 「(追加は前回の)次の日に来ました。(中4日で)変わりなく練習をしてきた。前回は着は悪かったけど、積極的に動けたところもあった。それまでは点数を気にして、小さいレースになっていた。そこを(基本に)立ち返って、先行だったり、まくりでも(最低、最終)2コーナーでは行くとかやっていかないと。失格をやってしまったんで、気持ちを新たにやります」


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 芦澤辰弘は成績こそ上がってこない近況だが、試行錯誤しながらトレーニング方法を模索。そのなかで競走得点は、105点台をキープしている。
 「(前回の富山の前は)結構、練習をして、それもあってあんまり自転車が出なかった。練習方法を変えて、固定系の練習を多くやりました。(今回は直前の)2日間、ゆっくりして疲れを抜いてきた。4、5日連続で(キツめの練習を)やった。まだ自分のなかでは探り、探りで半年くらいいろいろやっている。こういう練習をしたらどうだろうってやっているんで、いまはこんなもんだと思います」
 共同通信社杯は2日目からの補充だった松村友和は、3走して2度の確定板入り。続く前回の青森記念を2753着。
 「(青森のあとの)川崎の欠場は、追加を断ってのものなので状態に問題はないですね。一緒に練習をしている南(修二)の影響は受けているし、アドバイスをもらっている。(南の共同通信社杯の優勝は)うれしかったです。いまは追走するにも脚力がないと付いていけないし、タテへの脚は意識しています」


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栗山和樹選手
栗山和樹選手
 8月のオールスターでGIを初めて経験した栗山和樹(写真)は、前回の共同通信社杯で9486着。上位選手との力を痛感した。
 「(前回から)空いていたんで、しっかりと練習をやってきました。(9車立てでも)GI、GIIは全然違う。GIIIは比較的、走れているかなって思います。(初日も)仕掛けどころ逃さずに。(GI、GIIだと周りと)脚が全然違うし、車番も悪い。できることやっているけど、そのできることがGI、GIIだとできない。強い人と走るとその差が出ますね。自分の点数も上げていきたいっていうのもあります」
 伊藤裕貴は、前回の奈良での向日町記念を3256着。二次予選ではあっと言わせる大まくりを見せて、ラインの小堺浩二とワンツー。好配当をメイクした。
 「(3場所前の)平塚が良くなかった。それで(その次の)岐阜でいろいろ考えてやったら、奈良では動くようになった。セッティングっていうよりも、体の動きですね。ただ、奈良ではそこまで自信があったわけではないです。そのあとも、ここまでいい感じでこられた。まずはしっかりと勝ち上がりたい」


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 酒井雄多は、7月の弥彦FIでS級初優勝の一昨年6月の平塚以来のV奪取。その後も成績をまとめていて、パワーアップした身体が目を引く。
 「体重は2、3キロくらいですかね、増えました。乗り込みの練習を少なくして、モガきを多くした。それでウエートトレーニングをやる感じです。(今期優勝を含めた好成績は)転んでないのが大きい。だけど、(競走得点を含めて)もう一皮むけたい。105、106点くらいで壁になっている。そこを上げられるとビッグにも常に出られるようになると思うんで。(近況は)積極的に動けていると思うので、そこを着につなげていきたい」
 今年2月の当所FIを112着で準Vの川津悠揮は、直近の練習で好感触を得ているようだ。
 「(8月の)オールスターの少し前から調子が悪かったんですけど、練習での感じは良くなっています。もうちょっと結果を出せれば。松阪は今年の2月に走って1着、1着で決勝に上がれている。今回は記念だけど、決勝にいけたらいいですね」


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 前回の青森記念から今シリーズ、そしてGI初出場となる寬仁親王牌とグレード戦線が続く岸田剛は、京王閣記念で優勝した師匠の脇本雄太の走りに自身の気持ちをさらに込める。
 「今回はメンバーが強すぎますね。まずは初戦をクリアできるように。(福井が改修で)バンクが使えなくなったので街道がメインの練習です。この1年くらいは脇本さんのフレームを使っています。脇本さんは京王閣の決勝もすごい強かったし、自分ももっと頑張らないといけないですね」
 一次予選は山根将太に前を委ねる久米康平は、前回の奈良での向日町記念を5648着。メンバーを見据えて、前回をこう振り返る。
 「自力でやる準備もしてきたけど、目標がいるなら付けさせてもらいます。(競技大会の)地区プロがあったけど練習はできているし、感じは変わらずにいい。前回の奈良は、仕掛けるところを仕掛けられずに情けなかった」


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 京王閣記念から中3日と“普通”の選手にとってはタイトなスケジュールも、園田匠にとっては理想のローテーション。
 「(中3日は)ちょうどいい。成績も上がってきたし、強い選手とどんどんやっていかないと話にならない。(差し脚についても)だいぶ安定してきたんで、そこのめどがついた。記念をたくさん走らせてもらって、そこはプラスでしかない。なんでも前向きに考えていきたい」
 3場所前の奈良FIでS級初優勝を遂げた川越勇星は、その後の青森記念、大宮FIは未勝利だがコンディションはどうか。
 「(奈良で)S級初優勝をしたけど、状態は良くはないですね。ウエートトレーニングや、新しいジムなど、新しいことを始めたので体がキツい。落車で休んでいたので、自力の決まり手が減ったので自力を増やしていきたい。練習は、いいメンバーでやることができている」


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小堀敢太選手
小堀敢太選手
 7月に3場所連続の完全VでA級を卒業した小堀敢太(写真)は、初めてのグレードレースだった前回の青森記念の2392着に続くGIII。
 「(前回は)すごいいい勉強になりました。レベル的にはやっぱり違いましたね。道中、甘かったところもあったので、そういうところをふまえて練習をやってきました。(近況は)力が入らなかったところがあった。けど、その理由がわかって脱却できたと思う。疲れが抜けなくて、体が重かったんですけど、ケアをしてきていい感じだと思います」
 今シリーズが追加配分の原田研太朗は、京王閣2816着から中3日。展開に左右されるタイプだが、それを差し引いても一撃の魅力は十分だ。
 「(ここの追加は前回の京王閣が終わった)次の日くらいにきました。(競技大会の)地区プロの前検日だったので、練習もとくにやってなかった。地区プロはエリミネイションに出ました。(京王閣は)いい時もアカン時もあったけど、僕の場合は展開ありきなので。そこから上積みもないと思うし、地区プロで自転車に乗る時間もなかった」


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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 オールスターのあとに1カ月以上空いた吉澤純平(写真)は、復帰場所となった前回の青森記念が4345着。
 「(オールスターのあとに)練習の時に肉離れになった。でも、青森ではもう全然、大丈夫です。(青森記念のあとは)街道で結構、しっかりと乗ってきた。番手だったり、3番手もあるけど、練習では変わらずに自力が出るようにやっています。青森でも最終日に自力でやって任せてもらったんで、しっかりとできるように」
 窓場千加頼は、前回の奈良で行われた向日町記念が2991着。最終日に白星を挙げたが、到底、納得できるシリーズではなかった。
 「地元記念はさんざんでしたけど、一からコツコツ、頑張るしかない。(気持ちの)整理はついていますし、開き直ることもできた。以前に比べてパワーの数値が半分くらいですけど、また戻していけるように一から頑張っていきます」


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櫻井祐太郎選手
櫻井祐太郎選手
 3場所前の取手FIで今年2度目の優勝。前々回の共同通信社杯を3918着でビッグ初勝利も飾った櫻井祐太郎(写真)の充実ぶりが光っている。
 「(いまが)キャリアハイです(笑)。自分のなかでは先行でしっかりと戦っていきたいっていうのがある。けど、前よりもまくりが出るようになった感じはあります。(まくりは)最終手段ですね。道中で焦らずに踏めている。そういう脚の使い方が大きいんだと。落ち着いてレースができています」
 大槻寛徳は、前々回の共同通信社杯の2日目に1位入線も失格。それでも続く熊本FIを331着で、手ごたえを感じたようだ。
 「(失格だったけど)久しぶり3着以内に入れたし悪くなかった。(上位には入れて、いい意味で)あれで流れが変わったかなっていうのはあります。前回の熊本は、初日がめちゃくちゃキツかった。でも、(3日間としては)感触も良かった」


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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 ホームの松阪記念を自力でスタートさせる皿屋豊(写真)にとっては、3車ラインの先頭は納得の番組。2週間以上空いたゆとりのローテーションで好仕上がりで臨む。
 「(ここに向けて)しっかりとやってきました。(前回から)間が結構、空いたので、練習はしっかりとやってきた。ここに向けて万全で来ました。(シリーズ全体のメンバーを考えても)厳しいメンバーだし、まずは初日をしっかりとクリアしたい。自力でやった方が、自分でも堅いかなって思っています」
 前回の武雄FIでは、初日、2日目を続けてシンガリに敗れた伊東翔貴は、菅野航基と連結を外した最終日だったが追い込んで1着。
 「(前回から中4日で)疲れもあったんで、練習っていうよりは毎日、マッサージにいって体のケアをしてきた。(3場所前の)小倉で自転車を換えたんですけど、次の立川では戻しました。自転車の方は大丈夫です。体調的にも問題ないので、あとは(結果が)出てくれれば」


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 ここでは機動力上位の存在の取鳥雄吾は、一次予選で桑原大志とのタッグ。前回Vの桑原と2人で人気を集めそうだ。
 「前回(小倉FIを125着)はあんなもんでしょう。(決勝は)浅井(康太)さんが切ってくれれば良かったけど、位置取りもやっていかないと。あそこは引いてしまっても難しくなるところだと思う。(そのあと)ここまでは、いろいろと忙しかったけど、やることはやってきた。状態はいつも通りですね」
 磯島成介は前々回の地元、青森記念を2883着から、前回の函館FIが617着。
 「地元記念は、自分がトップバッターだったので、決めなきゃっていう気持ちでした。でも、それ以降が思ったように走れなかった。函館は結構、良かったです。青森記念から練習量を増やしていたんで、函館では疲れもあったんですけどね。自分は9車立てを走りたいので、(グレードレースが)続けば、続くほどいい」


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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 今年4月からS級S班に繰り上がった犬伏湧也(写真)は、前回の奈良での向日町記念を6131着。先行策でラインの佐々木豪を振り切り、S級S班初優勝を遂げた。
 「(前回は)内容も良かったんで、これを続けていきたい。(優勝して)ホッとしたところもあるけど、まだまだ(GIも含めて)これから続いていく。(グランプリ出場権の争いは)考えすぎてもいけないんで、自分のやれることをっていう思いです。でも、SSを維持できるように頑張ります」
 郡司浩平は、前回の青森記念で今年6回目のGIII優勝を果たした。賞金を加算して、今年の獲得賞金ランクも6位とグランプリ出場にも青信号。
 「(前回と)変わらずに来られたし、気持ちも入れて来られた。一昨日、(競技大会の)地区プロがあったけど、その練習をするわけでもなくいつも練習をしてきました。(松阪記念は2大会連続優勝で)走りやすいですね。1着は常に意識して走っています。取りきれるように、取りこぼしをしないようにと思っています」
 前回の共同通信社杯の決勝では失格を喫した古性優作だが、7月のサマーナイトフェスティバルでの落車後も高いレベルを維持している。しかしながら、自身はこうコメントする。
 「弱いんで、休む時間はないですね。(落車で怪我をした右肩鎖関節の脱きゅうは)しっかりトレーニングをしていた時に5日前に痛めてしまって、強度を抑えないと不安な時もありました。前回も(失格で)お客さんに迷惑を掛けているし、近畿では僕だけ今年活躍できていないので練習をするしかない。今年は精神的に苦しく、成績が出せていない。今年の一発目の和歌山で優勝できたけど、たまたまですし、力不足を感じています。練習でも手ごたえを感じていないし、これから上がっていけたらいいなと」