『松阪競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 前検日編
配信日:11月12日
明日から三重県松阪競輪場で開設60周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」が開幕する。競輪祭まで2週間以上と丁度良いスケジュールとなるため、S級S班が8名参戦する超豪華メンバー。地元からは岩見潤、柴崎兄弟らが出場し、4日間の激闘を繰り広げる。
開催中は毎日、ご当地グルメフェアや競輪予想会(3、8、10R発売中)、三重県選手会によるチャリティーオークションなどのイベントが開催されます。明日から始まる松阪記念をぜひ本場でお楽しみください。
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稲吉悠大選手
稲吉悠大(写真)
は前回の川崎F1でS級初優出。勢いに乗って今シリーズに乗り込んできた。
「10月小田原くらいから場所ごとに調子が上がってきてたけど、前回はたまたまですよ。でも準決勝で伊原(克彦)さんをまくれたのは素直に嬉しかったですね。疲れは残さないようにやってきたつもりです」
富弥昭
は2場所連続で落車しているうえに、続く前回の玉野F1は途中欠場。記念で予選スタートとなってしまった今シリーズは正念場だ。
「全くイケてないでしょ。練習もできてないしね…。でも、これが現状なのでしょうがないですよ。流れが変えられるように頑張ります」
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注目は6番車の
高田大輔
だ。昇級当初は苦戦したが、ここ3場所は面白いようにまくりが決まっている。
「4場所前の大垣F1からフレームを換えた。8月から上げた3.71のギアとそのフレームが合ってますね。腰痛がよくなったのも大きいです」
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豊岡哲生選手
豊岡哲生(写真)
は昨年大会で中川誠一郎のまくりに続いて準V。新車で臨む今大会も好成績が残せるか。
「周りにも(記念の決勝2着は)よく言われます。でもあれ以外はほとんど成績が良くないんですよね。新車にしたのは夏場ビュンビュン車が出てたのに、最近は出なくなったから。サイズはほとんど変わらないけど、ちょっと柔らかいのにしました。最近は相手に組み立てを読まれてやりにくいけど、もっとシビアに行くとか何かして打開しないとね」
丸山啓一
は1次予選も番手戦。最近は追い込みとしてのイメージが定着しつつある。
「(これからは追い込みと)言ってみるもんですね。最近は番組が変わった気がします。ただ今期は調子が悪くないのに、流れが悪い。戦法の転換期なので仕方がないけどね。今回はそれを吹っ切りたいし、松阪は去年も記念で11着だったからイメージが良いです」
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倉野隆太郎選手
倉野隆太郎(写真)
は三重出身。生まれ育った地で上位進出を狙う。
「奈良(共同通信社杯)では4回転がはまったけど、押さえ先行となるとキツい。だから今回は心のギアだけ4倍に上げて来ました(笑)。去年呼ばれたときも調子を戻すきっかけになった大会だし、育ててもらった場所なので恩返しの意味でも強いレースを見せたい。体調は良いです」
佐竹和也
はここ5場所で2回の優出。「ちょっと練習をやり過ぎたので、2、3日休んだ。まずは乗ってみてだけど、調子は上がってきてるのでいけるでしょう」と状態には自信があるようだ。
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梅澤謙芝
は地元記念を迎えてもリラックスムードだ。
「特に何も気にしてないですね。状態も特に悪くないし、あとは走ってみてどれだけやれるか。勝ち上がれば考えるけど、とりあえずはギアもこのまま(3.92)でいきます」
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10月の福井、観音寺にここと最近は記念の配分が増えている
筒井裕哉
。着以上の走りは見せているだけに、そろそろ準決勝の壁を突破したい。
「調子は変わらずだと思います。福井記念で何かつかんだ感じですね。ちょっと調子を落としてたけど、あの時に悪い頃の感じとは変わったなと思った。僕は器用な走りができるタイプではないので、明日からも力ずくの競走になるでしょうね」
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永澤剛
はF1での優出も多く、競走得点は104点を超えた。10月熊本記念最終日以来となる中村美千隆との対戦に「点数以上に脚はあるので、やりづらい」と話すが、1次予選で負けるわけにはいかない。
「脚はともなってないのに、点数が上がってるからビクビクです。前回から中2日なので直前は1日も乗ってない。疲れは大丈夫だと思います」
丸元大樹
は急きょ中村の番手という好ポジションが転がり込んできた。
「8月函館F1で決勝に乗ったけど、その後は100点付近でフラフラしてますね。状態は悪くなかったけど、ギアを試したりしてましたから。今回は配分が空いたので練習もしっかりやってきました」
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水谷好宏選手
水谷好宏(写真)
は9月函館F1でS級初優勝を飾ったが、次の場所で落車、失格。怪我は思ったよりも長引いているようだ。
「肋骨が折れてたみたいで、まだ痛みもあるからスタンディングとかの練習もできてない。状態は怪我をする前の半分くらいですね。きっかけがあれば戻ってくると思うけど…。今回はメンバーが良いので、勝ち上がって流れを戻したい」
鮒田博文
は初めて参加する地元記念に興奮気味だ。
「ずっと走りたい思っていたので全力で戦うだけです。緊張するけど、楽しんでいきたいですね。いつもと変わらない練習をやってきたし、体調は問題ないです」
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海老根恵太選手
函館記念を欠場した
海老根恵太(写真)
だが、ここから復帰。勝負の競輪祭へエンジン始動だ。
「練習中に肉離れみたいになった。治ってたけど、練習ができてなかったので函館は欠場しました。1週間休んで、一生懸命練習してきたけど、状態は上がり切ってないかな?って気はしてますね。メンバーも良いけど、まずは競輪祭につながる走りを4日間やっていきたい」
村上義弘
は前回の観音寺記念で復調のきっかけをつかんだはずだ。
「夏場はちょっと落ちたけど、それ以外はずっと良い状態をキープできてた。前回は(特選、優秀戦と)久々に1着を取れて、結果にも結びついてきたから良いでしょう」
柴崎俊光
はこのメンバーに入っても見劣りしないほどの力を付けた。
「前走後に体調を崩した。やれることはやってきたけど、どうなるか分からない。練習の感じとしてはイマイチかも。でも地元だしそんなことは言ってられないので頑張ります」
園田匠
は現在賞金ランク23位。これからは一戦、一戦が勝負になる。
「僕にとってはこれから一戦、一戦が勝負。捨てレースはないし、勝っていかないと離されるだけでしょう。少しでも競輪祭の結果次第ってチャンスを残したいし、それが今のモチベーションを支えている。調子は良いし、メンバーが強いほうが持ち味が出やすいと思う」
<10R>
平原康多選手
決勝進出こそならなかったが観音寺記念では復調気配を感じさせた
平原康多(写真)
。小嶋、村上ら観音寺と変わらぬメンバーを相手に、今回こそは決勝進出を狙う。
「今だから言えるけど、7月くらいから痺れが出たりしてた。すぐに治ると思ってたけど、奈良(共同通信社杯)の落車で検査したら頚椎ヘルニアだと言われました。薬を飲んだらよくなったし、ずっと自転車がマッチしないと思ってた原因が分かってよかった。状態は上向いてると思うし、競輪祭を前にこれだけのメンバーと対戦できるのは最後だから頑張りたいね」
鈴木謙太郎
は前回の千葉で2度目の記念優勝を飾ったが、さらに好メンバーの今シリーズは真価を問われる一戦となりそうだ。
「前回の決勝は流れに乗って走った感じだけど、展開に恵まれました。ここまでは予定を立てて練習をこなしたけど、3日残して予定が終わったので足りない気がしてさらにやってきた。もっと練習したいと思うってことは、もう少し上に行けるのかな?って気がするし、これからももっと練習を増やして上で戦いたい。このメンバーで勝ち上がれればいいけど、最近はバックが減ってるので内容も重視したいですね」
徐々にだが調子を戻している
石丸寛之
は「最近は日替わりで良かったり、悪かったりですね。ちょっとオーバーワーク気味だけど、昨日と今日で疲れは抜けると思う。まだ完璧ではないけど、だいぶ競走得点が上がったのが救いです」と現状を説明する。
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小嶋敬二選手
小嶋敬二(写真)
は前回の観音寺で今年の記念初優勝。今回は追加参戦となったが、勢いに乗って記念連覇も十分だ。
「前回は準優もだけど、展開が向いたね。でも、まさか一発ツモとは。自分でもよく優勝したと思う。最近は4日目に強いので、今回もとりあえず3日目を突破することですね。この追加で一宮記念、地区プロに競輪祭とスケジュールはタイトになったけど、なんとか乗り切りたい」
武田豊樹
は初日から小嶋と激突することとなった。
「上積みじゃなく維持する感じだけど、練習はそれなりにやってきました。メンバーは意識しないし、シリーズに対するテーマも特にないですね。レースを作って、しっかり走りたいというくらいで。状態は自分では変わってないと思います」
昨年は決勝3着で涙を飲んだ
岩見潤
。好メンバーがそろった今大会でも、当然狙うは3度目の地元記念Vだ。
「前回があんな感じで終わってしまったので、走ってみないと何とも言えない。でもやれることはやってきた。(萩原)操さんとも話をして『やれることだけはしっかりやろう』と話をした。あとは気持ちで走るだけ」
初のSS入りも視野に入った
大塚健一郎
は追加参戦。「疲れていないと言えば嘘になるけど、この(SS入りを狙う)チャンスを逃すと来年はないと思う。走れる限り、呼んでもらったからには少しでもチャンスを生かしたい」と静かな口調の中にも気合がみなぎっていた。
前回の一宮F1では準決勝9着の憂き目に遭った
吉本卓仁
は軌道修正して今シリーズに臨む。
「一宮で気になったところは修正してきたつもり。一宮よりは良いと思います。ここまで強いメンバーでやれれば自信になると思うし、楽しみです」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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