『松阪競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月9日
 松阪競輪場を舞台に開催されている開設65周年「蒲生氏郷杯王座(G3)」は、9日に2日目を迎えた。メーンの優秀「松阪牛賞」では、地元の柴崎淳がまくりで白星を挙げてスタンドを沸かせた。また、2次予選回りとなった浅井康太は当日欠場。神山雄一郎も4着に敗れ、SS班の2人は準決へとコマを進めることができなかった。10日の3日目にはファイナル進出をかけて、準決の3個レースで激しい火花が散らされる。
 本場では、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。開催中の毎日、『2=9⇒肉キャンペーン』、先着プレゼント(3日目は500人に『アニマルハンドタオル』)を行います。また、10日の3日目には、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」のショー、地元ダンスチーム「アミー」のダンスショーなども予定されています。ぜひ、松阪競輪場へ足をお運びください。
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松岡貴久選手
松岡貴久選手
 打鐘で竹村勇祐が勢い良く出ると前受けの藤田竜矢は踏み遅れて、4番手に松岡貴久(写真)がスッポリ。最終2コーナー手前からまくりを打つと、合わせて伏見俊昭が番手発進。松岡は落ち着いて伏見後位を奪取して、追い込みにチェンジして勝ち切った。
 「遅めだと(伏見が番手から)出るかと思ったから、自分では早めに行ったつもりだった。行った時に前にフワッとなって突っかかったし、思ったより出が悪かった。調子が悪い時にどうやって着に絡むかっていうレースをしていたんで、その経験が生きました。今日はだいぶいいけど、まだピリッとしないですね」
 松岡のまくりに伏見俊昭が、番手まくりで対応して2着。
 「(松岡)貴久に出られたら終わりですから。もうまくって来たのが見えたし、出て行くしかなかった。(竹村を)残したかったけど、引っ張り過ぎてもっていうのもあるんで」
 松岡をマークした安東宏高が、3着で準決進出。現状のデキををこう分析しながら振り返る。
 「(4番手に入って)あとは貴久が、いつ行くかなって感じでした。そしたら早めに行ってくれた。そこからは貴久本来のトリッキーな動きでしたね。自分もそういうのは嫌いじゃないんで。自分は1着を取れる脚がないのが現状なんで、1着を取れる脚を作っていきたい」

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渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 後続の隊列を確認しながら落ち着いてペース上げた上野真吾だったが、最終バックでスピードが鈍った。番手の渡邉晴智(写真)は、上原龍のまくりを最終3コーナーでブロックするとそのまま前に踏んで1着。引き揚げて来た渡邉が、反省の言葉を並べる。
 「焦ってましたね、追い込みとしては失格です。(上原が)止まるかなって思ったら、もう上野に差さってしまったんで。ああ…、っていう感じで踏んでしまった。勝ったのに恥ずかしい」
 目標の松岡篤哉は、最終ホームで一本棒の7番手。3コーナーで外に浮いて不発に終わったものの、笠松信幸はスピードを殺さずコースを縫って直線で鋭く追い込んだ。
 「(松岡は打鐘の)2センターで仕掛けていれば、(ラインで)決まっていましたね。そこから松岡が踏み出した時に、松岡の後輪が滑った感じがした。それで自分はもう内しかないと思った。伸びたっていうより、コースが空いただけです」
 シンガリの9番手から笠松を追った金田健一郎が、ベテランらしいソツのなさで3着。
 「俺の後ろは誰もいない、9番手だって…。松岡もタイミングがズレている感じがしたし、あれで松岡が行けるようなら自分がちぎれるって。いろいろなことを考えていた。もうそこからは笠松が切り込んでくれたおかげです」

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白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
 叩いて出た西村光太ラインを追った片寄雄己は、荒井春樹の外で3番手を併走。タイミングを取ると最終2コーナーからまくり発進。きっちり続いた白戸淳太郎(写真)が、ゴール寸前で片寄を交わして1着。遅まきながら、今年の初勝利を挙げた。
 「片寄は強かったです。もう僕なんか付かせてもらっているだけ。今年初の1着なんでよかった。前に迷惑を掛けないようにと思っているけど、まだ終始遅れている感じがする。(最終)1センターのところあたりは厳しく当たられたらまずかった」
 外併走を苦にせずまくった片寄雄己は、準決に備えて入念なケア。クールダウンの時間かけて息を整える。
 「まさか(周回中に)前になるとは…。自分が前でのレースは考えてなかった。そこから併走になったけど、荒井君だったんで。友定(祐己)君とだったらきつかったと思います。(当たられに)来られてもいいように構えていたし、楽に回れた。あとは2コーナーからバックを取る感じでいきました。ここに来る前にパーキンス(オーストラリア)が家に泊まりに来て、練習のメニューとかを見てもらったりしました。見習う部分がすごく多いし、すごくいい勉強になりました」
 直線強襲の友定祐己は、最終ホームをポイントにあげて振り返る。
 「判断ミスですね。最終ホームで5番(石塚孝幸)をどかすか、引くかを迷った。それでスピードに乗るのに時間がかかったけど、自分の感じは悪くない。せっかく(濱田浩司が)任せてくれたんで悔しい」

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吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 逃げた野原雅也を射程圏に入れて、吉本卓仁(写真)が4番手をキープ。後方から巻き返した鈴木庸之は吉本の後ろまで。吉本がタイミングを取ってまくって、久しぶりに先頭でゴールを駆け抜けた。
 「作戦通りというか、野原君がヤル気だろうし。あとは鈴木君とだけど、自分が中団を取らせてもらった。(鈴木の)影が見えたし、自分も踏んでそのままの勢いでまくっていった。自分が(山田の)前って言った以上は、(ラインで)決めたかった」
 吉本へのけん制は及ばず、東口善朋は鈴木を外に振りながら追い込み2着。
 「野原君が頑張ってくれたけど、(吉本は)止まるようなスピードじゃなかった。野原君には悪かったけど、池田(智毅)さんも付いているから、切り替えていった。自分の調子が悪いなかで、準決に乗れたっていうのは気持ち的には大きいですね」
 打鐘の4コーナーから無理やり仕掛けた鈴木庸之は、いったん吉本後位に割り込み離れながらも吉本を追って3着。
 「行くだけいって、あとは考えようと思っていた。そしたらあそこが空いていたんで。(山田が内から)復活してきたけど、ちょうど前(吉本)が行ってくれたからラッキーでした。我慢して踏めているから、調子も悪いとは言えないですよ」

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柏野智典選手
柏野智典選手
 池田勇人の突っ張りを警戒して早めに先頭に立った山本直は、肝の据わった走りで落ち着いてスローペースに落とす。最終ホームから徐々にペース上げて人気の関東勢をシャットアウト。2着に逃げ粘った。
 「(赤板の)あそこだけはと思っていた。(池田に)突っ張られるのは嫌だったんで。そこからは落ち着いていけました。いい感じだったし、このままの勢いでいきたい。(目標の決勝へは)まだなんで」
 池田、神山雄一郎らの反撃の芽を摘みながら、柏野智典(写真)が抜かりなく山本を交わして岡山ワンツー。
 「もうナオ(山本)が頑張ってくれた。ただ、ナオはもうちょっとスピードが欲しいですね。今日もこれは(池田に)まくられてしまうなっていう感じがあったんで。そこからは神山さんに入られたら嫌だし、神山さんコースを消しながら踏んだ」
 5番手で絶好かに思われた池田勇人だったが、思いのほか車間が空いて3着がいっぱい。
 「今日は突っ張るつもりだったんですけど。さすがに(山本と)2周をフルにモガいたら、残るもんも残らなくなってしまう。昨日に続いて難しかった…。そこからもスローから山本君が踏んだんで、車間が空きすぎちゃった。でも、感じとしては最悪のところは脱しているし、手応えがないわけじゃない。前々には攻めていけているし、もう少しだと思います」

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長島大介選手
長島大介選手
 急性腰椎ねん挫で、浅井康太がまさかの当日欠場。2次予選のトリは8車立。浅井を失って2車になった高久保雄介だが、一ノ瀬匠を警戒しながら、迷うことなく風を切る。労せずに3番手を手に入れた長島大介(写真)は、最終2コーナーからまくって高久保をとらえる。
 「(浅井の欠場があって)恵まれたところが大きいです。ちょっと力みながら(まくって)行ったんで、出はそんなに良くなかった。それでも出切れるかなっていう感じがあったし、自分の感覚は悪くないです。こういうチャンスをモノにできたんで、明日もそれを生かしたい」
 岩見潤のブロックを凌いだ松坂英司は、直線でマッチレースを演じた長島を交わして1着。
 「雰囲気的に(岩見はブロックに)来ないかなって、自分で決めつけていたところがあった。それで来られたんで、アッと思った。でも、僕まで出切れたし、あとは(長島と)どっちかが1着と思った。ここ最近ずっとモヤモヤしていたところもあったんで、よかったです」
 最終2センターであおりを受けながらも、一ノ瀬匠は7番手から大外を踏んで3着。
 「浅井さんのこともあるし、今日は運が大きい。レース内容は全然良くないけど、今日は(中村)良二さんが行けるところがあったらでいいって言ってくれたんで、気持ち的には楽でした」

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柴崎淳選手
柴崎淳選手
 赤板の2コーナーで佐藤友和が、柴崎淳(写真)の上昇に合わせて踏んで北日本勢が主導権。阻まれた柴崎は態勢を立て直すと、2センターから反撃を始めた川村晃司ラインを追いかけその上をまくって出る。抵抗する川村を直線半ばでとらえた柴崎が、白星で2日目を締めた。
 「川村さんはホームカマシとかが多いんで、自分がその上をって思ってたけど。行き切れるとは思わなかった。気負わずにいけたし、昨日よりも感覚は良かった。これで守りに入るとダメなんで、(準決も)後ろを信頼して行けるところをしっかりと逃さないようにしたい」
 初日特選とは逆で志智俊夫が2着の中部ワンツーも、志智は納得の顔。
 「みんなが前に踏んでいたけど、3コーナーに入った時は緊張しました。小野(俊之)君が(柴崎)淳をもってくるかなっていうのもあったんで。ワンツーでよかったです」
 山崎芳仁の上を川村、柴崎が次々と通過。山崎は佐藤から切り替えて両ラインをにらみながら直線で猛追の3着。
 「(川村の)スピードが全然違ったし、行かれてしまった。柴崎君も外にはずしてまくっていったし、どっちが行ってもいいようにしていた。(感じは)悪くないと思いますよ」
 3コーナーで佐藤をつかまえた川村晃司だったが、後続に飲み込まれて4着に沈んだ。
 「とりあえず行けるところまでと思っていきました。出ていっぱいだったし、調子自体はあんまり良くないのかもしれないですね」
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