『四日市競輪 ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月9日

 四日市競輪場で開催中の「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」は6月8日が3日目。シリーズも後半戦に入り、ガールズ、S級ともに準決勝で決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。ガールズ決勝は児玉碧衣、梅川風子に石井寛子らが激突する豪華メンバー。S級決勝は松本貴治、宮本隼輔が別線勝負を選択し、岡本総、山岸佳太との細切れ戦で覇を競う。
 最終日はイベント盛りだくさん。蓑田真璃選手によるガールズ選手トークショーやダンスチームユニット~i~によるステージ演技。三重115期、勝谷勝治選手の新人紹介など、さまざまなイベントが予定されています。ガールズ、S級決勝戦をぜひ本場でお楽しみください。

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小林莉子選手
小林莉子選手
 隊列に変化のないまま誘導員が退避すると、徐々にペースを上げる太田美穂を3番手から尾崎睦が叩いて主導権を握る。5番手の梅川風子は1センターから巻き返すが、合わせて尾崎後位から踏み上げた小林莉子(写真)が決勝進出一番乗りを決めた。
 「キツかったですね。連日、尾崎さんは積極策でタイムも良くてこのメンバーで乗り越えていくのは尾崎さんと思って後ろがほしかった。梅川さんはまくりだと思ったので。ホームでカマしにいく尾崎さんはすごい。梅川さんが来たのが見えて、乗り越えられると思ってダメ元で踏んだのがいい方向に出ましたね」
 最終ホームから果敢に逃げた尾崎睦が2着に粘った。
 「しっかりと自分のレースができているけど、抜かれましたね。最近では一番良く自分のペースで駆けられている。末の粘りがもう少し出てくれれば。自分のやってきたことが出せている。決勝はしっかりと1着が取れるようにリカバリーして体調を整えて自分の思ったとおりの走りができればと思う」
 1センターから好回転でまくった梅川風子だったが小林に合わされ3着まで。
 「タイミングを取らずに行ってしまってダメでしたね。いいタイミングで尾崎さんが駆けてペースになっちゃって、うまく自分のペースを作れなかった。自分のやりたいレースを尾崎さんにされた。反省が残る。今までの反省も含めて決勝は走りたい」

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児玉碧衣選手
児玉碧衣選手

石井寛子選手
石井寛子選手
 5番手の児玉碧衣が仕掛けのタイミングを待つと、2番手の中嶋里美が最終ホームから飛び出して主導権を握る。児玉碧衣(写真)は1コーナーから車を持ち出すとグングン加速。バックで前団をとらえ、後続をぶっ千切った。
 「ギリギリです。キツかった。バックが向かい風でキツかった。カマシに行こうと思ったけど、ナカジ(中嶋里美)が駆けたので、こうなるとまくりになるかなと。寛子さんに車間を切って見られてたので、これで行くと合わされるのかなと思った。寛子さんが出る前に前輪は出しておきたいと思ってた。決勝はいいメンバーがそろいましたね。サマーナイトに向けてしっかりと流れを作れるように。3日間走って徐々に良くなってきて、今日(3日目)もお腹に力を入れられて走れた。決勝はさらに良くなると思う。梅川風子は連日タイムを出していて、強いなと。でも前回勝っているので、明日(決勝)も負けません。自信を持って走れるように」
 中嶋後位からバックで合わせて踏み込んだ石井寛子(写真)だったが、児玉のスピードが違った。
 「脚は完敗です。強い。四日市バンクはすんなりと車が出ないですね。児玉はちょっと飛び抜けてます。今回、風子と一緒に走ってないけど、おそらく風子と同じぐらいの強さなのかな。サマーナイトに向けても児玉の強さがわかって良かった。男子より強いと思うので練習して対策を立てたい。対戦できて良かった」
 石井に続いた那須萌美が3着で決勝進出を決めた。
 「風が強くて、いっぱいいっぱいになってしまった。それもあったし、石井さんの後ろで何とか付いていった感じ。脚はいいと思う。(決勝は)グランプリみたいないいメンバーで走れるのは信じられないし、私は挑戦者なんで気楽に走ります」

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山岸佳太選手
山岸佳太選手
 山岸佳太(写真)が3番手の谷口遼平にフタをすると、阿部拓真が動いて打鐘前から先に先頭に立つ。そこを叩いた山岸をすかさず谷口が叩くが、坂上忠克をさばいて山岸は3番手に。直線抜け出す柴崎俊光の外を突き抜けた。
 「先行しようと思ったけど、ホームの追い風で(谷口が)来ると思って、番手に飛び付くくらいの気持ちで踏んだ。信頼してる(武藤)龍生と決勝に乗れたのが良かった。脚は悪くはないが、(3日間で)1回しか風を切れていないのでね。いろいろ試せる開催でもあるし決勝も総力戦でやりたい」
 武藤龍生は山岸を好アシストから追走して関東ワンツーを決めた。
 「(最近は)乗り方とかセッティングのアドバイスをもらってタテに出るようになった。今開催はメンバー的にもチャンスだと思っていた。前回の弥彦でダメだったから、今回でまた負けたら流れがなくなるから緊張した。山岸さんと一緒に勝ち上がれたし決勝もチャンスですね」
 地元のGIIIで決勝に進出した柴崎俊光は安どの表情を見せる。
 「ギリギリで勝ち上がれて良かった。誘導のペースも上がるし、フタをされるとも思っていなかった。後ろに山岸が入っていたのはわかったから、バックで遼平がタレてきたけど、早めに踏み上げていかないとと思って。FIの決勝も乗れてなかったのに、決勝に乗れて良かった。初日の1着が大きかった」

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松本貴治選手
松本貴治選手

北村信明選手
北村信明選手
 前受けから7番手まで車を下げた松本貴治(写真)は打鐘前に一度仕掛けをためらったが、思い直してすかさず仕掛ける。1コーナーで廣田敦士をとらえると、北村信明の追撃を振り切った。
 「2日目よりも踏み込みはしっかりとできて車が進んでいた。でも、流れるところがなかったですね。行けたから良かったけど、もっときれいに出れれば良かった。そこまで余裕がないと決勝ではどうかなって感じ。風が強いのをモロに受けましたね。最後も自分の中ではタレている」
 北村信明(写真)は松本にピタリと付け切ってワンツーを決めた。
 「余裕はあったけど、最後は踏み直された。付いていくことだけを意識していた。連日、強い自力型を付けてもらって感謝ですね。松本君が強かったです」
 鈴木裕を捨てて四国コンビを追いかけようとした伊勢崎彰大を岡本総がさばいて廣田を3番手に迎え入れると、ゴール前で廣田を交わして3着に。
 「キツかった。廣田君がいいレースをしてくれた。考えた中で一番いい展開になった。2番(伊勢崎)がきたのが見えて止まったのもわかったので、もう誰もこないだろうと。最後は判断が難しかったけど、踏ませてもらった。仕上がりは悪くないですね」

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阿竹智史選手
阿竹智史選手
 青板2コーナーから上昇した宮本隼輔を前受けの神田龍は誘導退避と同時に突っ張ろうとするが、これを力ずくで宮本が叩いて打鐘前から主導権を握る。宮本のペースは最後までおとろえず、別線の巻き返しをけん制しながら番手の阿竹智史(写真)が抜け出した。
 「突っ張られたら僕も一緒にと思ってた。(打鐘前1センターで中団にスペースが空き)入れる手もあったけど、宮本は入るような選手じゃないし、そこから伸びていった。たぶん2コーナーまで待ったんでしょうね。出てからどうかなと思ったけど、持ちましたね。すごいずっと踏んでたんで。僕は前のおかげです。状態も悪くないんで」
 神田の抵抗を力でねじ伏せた宮本隼輔は末良く2着に粘った。
 「神田さんは自分が踏んだとこに飛び付いてはまりたかったんだろうけど、そこには付き合わずにペースで踏んでた。それが中途半端でしたね。風も気になったし、後ろが阿竹さんじゃなかったら心が折れてたかもしれない。松本(貴治)さんは乗ってたんで、点数上位の阿竹さんだけでも(決勝に)乗せないとと思ってた。残ってるので踏めてたとは思うけど、タレすぎだなと思ったんでしっくり来てないです。自転車も流れないし、トルクだけで走ってる。自分の距離じゃなかったんでキツかったけど、3人で上がれて良かったです」
 神田マークの笠松信幸も直線迫って来たが、宮本ライン3番手の小岩大介が何とか3着を死守した。
 「ギリギリでしたね。後ろ見たら笠松さんがいたので、慌ててハンドルを2回投げた(苦笑)。恵まれたっす。今回はセッティングを変えてたけど、2日目でダメだなと思ったので、3日目は今までのハンドル、サドルに換えました」