『四日市競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月9日

 四日市競輪場で開催されている開設68周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、11月8日に2日目が行われた。ナイターで行われている今シリーズ。準決進出をかけて争われた二次予選A、Bでは、トリを務めた地元のS級S班、浅井康太が、坂口晃輔とのワンツーで連勝を飾った。9日の3日目は準決で熱戦が展開される。
 本場では開催中の毎日、抽選でオリジナルクオカード、場内利用券などが当たるスピードくじを先着順で、さらにヤクルトを配布します。グラビアアイドルの佐野マリアさんとガールズケイリンの元選手や現役選手によるトークショー、「選手会カフェ&サイクルタイムトライアル」、山口幸二氏による予想会などが行われます。また、9日の3日目には「おかずクラブ」のお笑いステージ、ベリーダンスのステージショー、地元グルメ屋台などが予定されています。四日市競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

山形一気選手
山形一気選手
 赤板で中団から先に切った片岡迪之だったが、関東勢が押さえた上を阿部拓真が出て主導権、結局7番手に陥った。しかしながら、片岡の動きが悪くなく最終ホーム手前からいったん中団まで追い上げて、外併走からのまくりで前団をとらえる。片岡の番手で好展開が巡ってきた山形一気(写真)が、きっちり抜け出した。
 「流れが回ってきて(片岡が)カマす形になった。自分は初日が不甲斐ないというか、悔しくて…。(初日は)変な迷いというか邪念があったんですかね。(2日目は)とりあえず付いていくことに集中した。(最終)ホーム過ぎくらいから余裕はすごくあって、バックでは自分でもまくれるくらいだった」
 「運しかないですね」とは、中四国ライン3番手から2着に入った久米良。準決にコマを進めて、ラインに感謝することしきりだ。
 「(阿部のラインを通過する)そこだけは気をつけていた。でも、片岡さんがスコーンって行ってくれたし、山形君も気を遣ってくれた。自分は付いてるだけだったけど、ここまできたら2着までに入りたいっていうのはありました」


<7R>

河村雅章選手
河村雅章選手
 北日本勢が切った上を長い金ヶ江勇気ラインが押さえて、単騎の吉原友彦まで出切る。金ヶ江の先行で河村雅章(写真)は、一本棒の8番手に置かれてレースが流れる。5番手から吉原が仕掛けると、同時に河村雅章も踏み込む。吉原は不発も河村は、前団をのみ込み直線で先頭に立ちゴールを駆け抜けた。
 「スタートは誰も出ないだろうなと思ったいたし、その通りになった。前を取ったらああなりますよね。早めに(仕掛けて)行きたかったけど、金ヶ江君も緩めていなかった。吉原さんがいい目標になりました。(まくって)出も良かった。調子は引き続きいいです」
 あおりを受けた山下渡だったが、ソツなく2着に流れ込んだ。
 「河村君のおかげです。どうあれ後方になるだろうと思っていた。前の状況は全然わからなくて、河村君の後輪だけを見ていました。厳しい2着権利の二次予選Bを突破できたし、しっかりと付いていけているので状態はいいと思う」


<8R>

山岸佳太選手
山岸佳太選手
 中部ラインを追った山岸佳太(写真)が、打鐘の4コーナーで主導権を奪う。3番手に飛び付いた篠原忍は大きく車間が空いて、別線を大きく離した山岸がそのまま逃げ切った。
 「篠原さんが出させてくれる感じだったので、自分は早めにペースに入れました。初日が終わってからセッティングをいじって、(2日目の)朝練で乗ってまたいじった。アップのローラーでも少しいじって良くなりました。でも、もう少しですね。末が甘くなってしまった。それでも初日より軽く感じたんで悪くないと思う」
 藤田大輔がまくりで関東勢に迫ると、乗った萩原孝之が外を伸びて2着に届いた。
 「あんなに前と離れていると思わなくて、届かないかと思った。でも、いい感じで伸びましたね。(最終)4コーナーであおりがあって、少しハウスしたけど、そのわりにね」


<9R>

嵯峨昇喜郎選手
嵯峨昇喜郎選手
 金子貴志が押さえたところを嵯峨昇喜郎が出て、諸橋愛、岡田征陽まで出切って主導権。早めに巻き返した石塚輪太郎は不発。村上義弘が最終2コーナーからまくりを打つが、諸橋がさすがの仕事ぶりで阻んで嵯峨を差し切った。
 「(嵯峨が)強かった、あれでレースの幅があると敵だったら嫌ですね。(別線をブロックして)仕事をするのは自分はいつものこと、当たり前ですから。それでタイミング悪いと前回みたいに失格するし、自分はいつもの感じだと思います」
 「むちゃくちゃ調子が良かったし、誰にも負けないと思った。諸橋さんは強いですね」と、内容のある2着にも嵯峨昇喜郎(写真)は、満足はしていないが充実した時間を過ごしている様子でこう続ける。
 「先行するには一番いい展開でした。諸橋さんはヨコもすごいし、安心していました。(石塚)輪太郎さんが来たのもわかったんで、そこを合わせて踏んだ。(1着が)欲しいですけど、すごく刺激になって楽しいですね」


<10R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 最終ホーム手前で伊藤裕貴が主導権を奪って、柴崎淳(写真)の追走。小松崎大地が襲い掛かると、柴崎が大きく外にけん制して佐藤慎太郎はインを突く。外に浮いた柴崎だったが、最終2コーナーから自力でまくり上げて勝ち切った。
 「(畑段嵐士が)振ってきたところは焦りました。(吉村和之が離れて)2車になっていたのはわかっていなくて、(小松崎をけん制して)内にこられた。そのあとはとっさの判断で(まくって)出ました。なんとかですね、キツかった」
 畑段が佐藤と絡んで、三谷将太は柴崎のまくりにスイッチして流れ込んだ。
 「(畑段が)頑張ってくれた、番手にもいったし。スタートで中部の後ろを取れなくて、畑段君がどうするのかなと思ったけどうまく組み立ててくれた。疲れましたね。ナイターはやっぱり得意じゃない」


<11R>

平原康多選手
平原康多選手
 打鐘過ぎに3車の近畿勢が主導権を握って、4番手は近藤隆司と平原康多(写真)で併走。前団の隊列が詰まったところを松本貴治が巻き返す。スピードの違いで出切った松本に園田匠。窓場千加頼はいっぱいで、車間が空いた稲垣裕之が前の2人を追いかける。近藤を制した平原は5番手から強襲。目の覚めるような脚で突き抜けた。
 「残り2周からずっと苦しかった。前を取らされた時点で余計厳しくなりましたね。なんとかしのいだ感じです。(最終ホームで)併走している時に(松本に)行かれたんでスイッチできなかった。稲垣さんも追い掛けていく感じでスピードも上がっていたから、下手なタイミングでいったら外に浮くと思った。タイミングを見計らってですね。あそこまでいけると思わなかったです」
 抜群のタイミングでカマした松本貴治は、園田を振り切って2着に残った。
 「初日より2日目の方がいい感じで仕掛けられた。展開も向いて(最終)ホームでベストのタイミングで(仕掛けて)行けました。でも、あの位置にいた平原さんに抜かれた。逃げ切らないとですね」


<12R>

坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 赤板の2コーナーで先頭に立った山田諒が、落ち着いてペースを握る。4番手に阿竹智史が入り、7番手の和田真久留も仕掛けられずに最終ホームを通過する。2コーナー過ぎから仕掛けた和田は不発。山田との車間を空けた浅井康太は、まくり追い込む阿竹との間合いを計って抜け出した。
 「(山田は)落ち着いて駆けてくれましたね。一瞬、(阿竹が)粘るかと思ったけど、もし粘られても自分がしのげばいいだけなんで。(山田が)いいペースだったし、頑張ってくれたおかげです」
 浅井マークの坂口晃輔(写真)は、最終4コーナー手前で外の阿竹を張って2着。「抜ける感じはなかったです。ゴール過ぎくらいがピークスピードだった」と、振り返って、こう続ける。
 「山田君も落ち着いて駆けていた。自分も後ろだけは気にしていた。浅井さんもラインで(勝ち上がって)決まるようにでしたね」