『四日市競輪ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月6日

 四日市競輪場で開催中の「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」は4月5日が3日目。ガールズ、S級ともに準決勝が争われた。ガールズは、小林莉子と石井寛子がともに3連勝で勝ち上がり。S級では、S班の平原康多と松浦悠士、地元の浅井康太が1着で決勝進出を決めた。6日の最終日には、2つの決勝戦の号砲が鳴らされる。
 なお、今シリーズもご来場の際は、マスクの着用、検温、手指の消毒、お客様同士のソーシャルディスタンスの確保等、感染症拡大防止のご協力をお願いいたします。

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南円佳選手
南円佳選手
 最後方から動いて先頭に立った南円佳を、最終1コーナーで成田可菜絵が叩く。2番手は内から南、小林莉子、細田愛未の3車で併走になるが、前との車間を詰める勢いでバックから小林がまくり出す。外の細田は力尽きて後退し、逃げる成田を直線でとらえた小林が白星を挙げた。
 「ホームで立ち遅れてしまいました。3車併走になって少し接触したけど、まっすぐ走れば落車はないだろうと。成田さんが勢い良くきて、ちょっと乗り遅れましたかね。今日(準決勝)のレースはちょっと参考にならない。無理やりまくっていかないと1着はないなって思っていました」
 南円佳(写真)は最終バックで遅れるも、小林の後ろに付き直して2着に入った。
 「キツかったですけど、諦めたらズルズルと後方になってしまうと思って。絶対に決勝戦に乗りたかったので落ち着いてしっかり考えて踏んでいきました。(初手で)後方に置かれたのもあって、先に動いてそこから考えようと思っていた。3日間走って調子は悪くないけど、最後にスカスカする感じはあります」
 最終3コーナーから南を追いかけた田中千尋が3着でゴールした。
 「信じられないです。まじで。ヤバイしか言えない。(勝ち上がれて)びっくりしました。脚は良い感じ。なんとか決勝に乗れて良かったです」

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永禮美瑠選手
永禮美瑠選手
 打鐘の2センターでハナに立った廣木まこが最終ホームから仕掛けてきた山本知佳に合わせて踏み上げると、山本の後ろに切り替えていた石井寛子は2コーナー手前からスパート。一気に先頭に躍り出ると、そのまま後続を突き放して快勝した。
 「包まれないで外に踏んでいけたので作戦はバッチリでした。今日(準決勝)は踏み出し重視で長い距離を行こうと思っていました。まだ改善の余地はありそうですね。3日間バックを取れているし、こんなに良い成績は久しぶりです。(感触は)思ったよりそうでもなかったので、修正してしっかり仕上げます」
 石井を追いかけるようにまくった永禮美瑠(写真)が2着に入った。
 「風が強いし初手は前の方からが良かったけど、みんな出てきたので中団からになってしまいました。こういう勝ち上がりになると焦って行ってしまいがちになるので、そこは我慢して走った。リカバリーはできているので、明日(決勝)も良いパフォーマンスができるように頑張りたいです」
 逃げた廣木まこが3着に粘って決勝進出を果たした。
 「風が強いし、前にいた方が勝ち上がれるなと思って動きました。落車があっての結果ですけど、人任せじゃなくて自分で動きたいと思っていたので良かった。昨日(予選2)も上がりタイムは悪くなかったし、自分の脚を信じて走れました」

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平原康多選手
平原康多選手
 赤板の2コーナーで中西大が小原周祐を叩いて先制。中西に合わせて踏んだ平原康多(写真)は4番手を確保すると、最終2コーナーから反撃に出る。番手まくりの稲川翔の上を豪快に飲み込んで、そのまま力強く押し切った。
 「(スタートけん制があり)本当は出たくなかったけど、出なかったら誰も一生行かないなと思って腹をくくりました。終始、休むところがないレースでしたね。でもそういうレースをしないと勝負権はないと思っていたので。ウィナーズカップの時の調子なら2コーナーから行けてなかったと思うし、ウィナーズカップから変えた部分もあって上向いている。良い方向に来ているのかなと思います」
 諸橋愛が平原に続いて関東ワンツーが決まった。
 「(平原は)ジャンで脚を使っているけど、あのまくりじゃ届かないですね。さすがです。気持ち良かった。自分の状態は昨日(二次予選)同様、変わらず。悪くはないと思います」
 最終ホームから仕掛けた小原周祐は不発となったが、諸橋の後ろに切り替えた香川雄介が3着に入った。
 「前々に行くってことで全部、小原に任せていました。無理やり行ってくれたけど、ちょっとあれは行けんわね。自分はそのまま切り替える感じになって、そこでもういっぱい。あとは稲川のところだけと思って、なんとかしのげました。(3日間走って)3日目が一番キツかった」

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浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板の2コーナーで鈴木庸之を押さえた小松崎大地に対して、後方の皿屋豊は打鐘からすぐさま反撃開始。最終1コーナーで小松崎を力でねじ伏せると、絶好の展開となった浅井康太(写真)が直線鋭く抜け出して地元記念の決勝へコマを進めた。
 「(皿屋が仕掛けようとした時に)ちょっとハンドルが持っていかれてましたね。焦りもあったのかもしれない。でも今日(準決勝)は昨日(二次予選)よりもスピードが良かった。小松崎さんをしっかり叩き切ってますからね。(最後は)鈴木(庸之)君のスピードが良さそうだったので、(タテに)踏ませてもらった。きっちり勝ち上がるのが大事だと思ったし、まずは勝ちにこだわった。それがオッズにも表れていたので。徐々に感覚が鋭くなっているし、踏み応えはある。一走一走を大事にしてダービーに向けていきたいです」
 最終2センターでまくってくる鈴木庸之を止めた守澤太志が2着に突っ込んだ。
 「(鈴木へのけん制は)自分のコースを作るための動きでしたね。初日はめちゃくちゃキツかったけど、2日目と今日(準決勝)は余裕があるので調子は悪くないと思う」
 同期の守澤の後ろを選択した福島武士が3着に入った。
 「選んだ位置が正解でした。持つべきものは同期ですね(笑)。風は強かったです。守澤君は落ち着いていたし、前の2人が頑張ってくれたおかげです。グレードレースの決勝戦は初めてなのでうれしいですね」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 後ろ攻めから動いた深谷知広が、打鐘の3コーナーで福永大智を叩いて主導権。深谷より先に福永を叩こうとした林大悟は外に浮いた状態で最終回へ。後方で脚を溜めた松浦悠士(写真)は2コーナー手前で林の内からまくり出すと、2センターの和田健太郎のブロックをものともせず、ゴール手前で深谷とらえて押し切った。
 「今日(準決勝)が一番、感じが良かったです。林の内に行くことは決めていたので、余力を見極めてどこから行くかでした。(和田のけん制は)もってくるタイミングでおもいっきり体重をあずけて、そこから加速して勝てました。初日、2日目はフォームが気になったけど、(準決勝は)ハンドルの持つ位置を変えたら体幹が入って良くなりました」
 松浦に続いた原田研太朗が2着でラインワンツーが決まった。
 「林君が浮いているのを見て、(松浦は)多分内から行くやろうなとは思ったけど、一回出させてから切り込んでいくスピードがすごかったです。しびれました。(和田がけん制してきた時は)うわって思ったけど、もう一回倒して前に進んでくれたので僕も行けました。(自分の状態は)スピード自体は出ているけど、力が乗り切らんというか。些細なことだとは思うけど、自分の感覚をまだちょっと直している段階です」
 逃げた深谷知広は3着で決勝にコマを進めた。
 「(スタートで)後ろを取れると思わなかったから、予定外のラッキーでした。あとは自分の距離を踏んだ感じ。自信があるところとないところが半々ですけど、結果的に良いペースで踏めました。感触は昨日(二次予選)より良いので、明日(決勝)もこの感じを残せるようにしたい」