『ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月4日

 ナイターGIII。四日市競輪場で開催されている大阪・関西万博協賛「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」は、4月3日に3日目を迎えた。準決では熾烈なバトルが展開され、地元の浅井康太、S級S班の守澤太志、新山響平の3人が1着で決勝に進んだ。また、ガールズケイリンの準決では、久米詩が無傷の優出。下条未悠が白星でファイナルに加速をつけた。いよいよシリーズも大詰め、4月4日の最終日には2つの決勝で見ごたえのバトルが展開される。
 シリーズ最終日の4月4日も、元中日ドラゴンズの藤井淳志さんのトークショー、山口幸二さんらによるトークショー、オリジナルクオカードなどが当たる三角くじを先着で配布などが予定されています。四日市競輪場では、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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久米詩選手
久米詩選手
 打鐘を過ぎて前受けの太田美穂が、そのまま先行態勢を取る。7番手の板根茜弥が3コーナーから上昇して前団に迫ると、太田もペースを上げて最終周回へ。板根は3番手付近の外でストップも、追った久米詩(写真)がその上をまくり上げる。スピードの違いで久米がとらえて、久米を追った高尾貴美歌が離れ気味に続く。久米に吸い込まれるように、高尾、山口伊吹まで出切り直線へ。久米が力で押し切って3連勝。
 「(太田)美穂さんが前を取った時点で、(自分は)まくりかなとは思いました。板根さんが私の隣りで止まらなかったので、勢いを使っていけましたね。(最終)バックを乗り越えるところはなんとかいけたんですけど、直線が長く感じました。最後まで踏み切れているし、脚は悪くないと思います」
 高尾貴美歌は、周回中から久米の後ろにポジションを取る。まくった久米の加速に遅れたものの、追いつくとゴールでは1輪差まで詰め寄った。
 「しっかり付いていけるように頑張りました。確定板に乗らないと(決勝は)厳しいのはわかっていた。展開に恵まれました」
 最終2コーナーで切り替えるように久米、高尾を追った山口伊吹は、2センターから外を踏み込むも3着。
 「(太田)美穂さんか(久米)詩がスタートで先頭に立つかなと思っていたので、自分は中団からかなと。ホームで板根さんが来て、詩が仕掛けてきたときに詩の2番手ぐらいまでいければ良かったんですけど。判断が遅れてしまった。連日迷っているなという感じで、判断を早くしたいですね。体調とか脚は日に日に良くなってきています」

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下条未悠選手
下条未悠選手
 前に構えた奥井迪は、機動力のある3番手の下条未悠(写真)、5番手の中野咲らの仕掛けを待たずにペースを上げて最終ホームを通過する。下条は最終2コーナー手前でまくりを打つ。逃げる奥井も合わせるが、下条のスピードが良く4コーナーでまくり切って1着。
 「ビックリです。自分でも驚きを隠せません。いつもだったら無理やり行って、合わされて浮かされるんですけど。先輩たちに落ち着いてって言われたのを思い出して、(最終)2コーナーくらいで進むならここかなって踏んだのが良かった。珍しく冴えてます。苦手な戦法でも、ちょっとずつ勝てるようになりたい。最後まで踏み切れたんで良かった」
 4番手で前の下条のまくりに食らいついた國村美留莉が2着。
 「マジでうれしいです。まさか確定板に入れるとは思わなかった。(下条は最終)ホーム前では動かなかったんで、奥井さんが前にいるからまくっていくんだろうと。付いてて良かったです。(状態は)悪くないかなと」
 3着で決勝に進んだ中野咲は、流れ込みを反省。悔いが残る準決になった。
 「まくりに行きたかったけど、ちょっと内に差してしまった。下条選手も掛かってたんで、全然進まなかった。それで付いたままになってしまった。その前も(最終)ホームで行こうと思ったけど、奥井さんが踏み上げていたんでまくり勝負かなと思ったんですけど」

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新山響平選手
新山響平選手

中田健太選手
中田健太選手
 赤板目がけて山田諒も勢いをつけて踏み込むが、前を取った新山響平(写真)が突っ張る。山田もやめず、2人の踏み合いで打鐘を迎える。新山のダッシュに諸橋愛が離れる。一度は竹内雄作が空いたスペースに降りるが、諸橋は内を進んで最終ホームで新山後位に取りつく。中部勢が後退して、6番手の鈴木裕がまくるが中団までで野田源一とからむ。直線で詰め寄る後続を退けて、新山が逃げ切った。
 「やっぱり2分戦だったので、(自分が)突っ張っても山田もやめずに来るんだろうなと。そこでどの程度力を出して、どこまでためられるでした。そしたら意外と残りました。初日にダメだったところを昨日(2日目)修正して、今日は(2日目と)変わらない感じですね」
 新山ラインで上位を独占。3番手の中田健太(写真)は、外を伸びてゴール寸前で諸橋を交わした。
 「僕が諸橋さんの前を回ることはないですけど、諸橋さんがハコで良かったです。僕が前でも同じことになってたし、諸橋さんは追っかけてくれる。それで内でも外でもいってくれるんで、安心して付いてました。(自分の後ろがもつれている感じもあったので)内だけは空けないようにした。(ラインの)3人で決めることを最優先に考えて、最後はあそこからならもう内に来る人がいないと思って外を踏んだ。昨日(2日目)まで体が変な感じがして、金子(哲大)さんのアドバイスで微調整したら、今日はいい感じでした」
 新山の強烈なダッシュに遅れた諸橋愛は、さすがのリカバリー力で新山後位の奪い返した。が、連結を外しただけに、言葉少なに振り返る。
 「(踏み出しは)後ろを確認した瞬間にっていうのもあったけど、純粋に自分の力がなかった。最近、感じが良かっただけに残念です。今日(3日目)は恵まれただけ、前が強くて助かった」

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浅井康太選手
浅井康太選手

成田和也選手
成田和也選手
 押さえに来た阿部拓真を金子幸央が突っ張りペースを握る。一本棒の7番手でタイミングを取った皿屋豊は、打鐘手前からスパート。金子幸もペースを上げて、皿屋にとっては苦しい流れ。金子幸の抵抗で皿屋が消耗し、浅井康太(写真)は最終2コーナーからまくりに転じる。金子貴志は阿部にさばかれ、浅井が後続を離して1着。
 「(皿屋を)金子(幸)君が合わせ切って苦しいレースになりましたけど、みんないいレースをしていましたね。成田(和也)さんはさすがだなと思いました。(シューズは)昨日(2日目)の感触よりも、今日の方が良かったですね。まだパワーがないなと感じたし、その欠点を見つけられたのは大きい。少しずつ上を目指していきたいですね」
 金子貴をさばいた阿部だが、浅井を追い切れない。阿部の余力を確かめた成田和也(写真)が、最終2センターから追い込んで2着。
 「(阿部が最終)バックぐらいでどうするのかなと思ってみていましたけど、2センターぐらいから合わされる感じだった。そこからの伸びは悪くなかったですね。連日の感じも問題ないと思います」
 成田に続いた庄司信弘は、ラインに感謝して汗をぬぐう。
 「(阿部)拓真がうまくやってくれましたね。攻める走りをしてくれたおかげで、自分にもチャンスが出てきたと思う。成田は(最終)バックで余裕がある感じだった。自分はしっかり付いていこうと」

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守澤太志選手
守澤太志選手

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 南潤を制して武田亮が主導権を握る。が、ペースは上がらず、4番手に収まった南が打鐘2センターから踏み込む。最終ホームで南が出切ると、武田は番手に飛び付いて藤田勝也を弾く。もつれたタイミングを、嘉永泰斗が逃さずにまくる。嘉永が逃げる南に抜群のスピードで襲い掛かる。久米良がわずかに遅れた隙を突いて、守澤太志(写真)が俊敏にスイッチ。南をとらえた嘉永を守澤が追い込んだ。
 「(武田が)まさか粘るとは思わなくて、(藤田を)上手にさばいてくれた。嘉永君が強かった分、久米(良)君の口が空いてラッキーでした。みんな(嘉永ラインが)付かれていたら、僕もチャンスがなかったと思う。今日(3日目)が一番いいけど、まだまだしっくりとこないところがあるんで修正したい」
 構えることなく最終1コーナー過ぎから踏み上げた嘉永泰斗(写真)がまくって優出も、守澤には感服する。
 「(守澤は)強いっすね。自分はタイミングのいいところで行けたんで、出切れればもう誰も来ないと思った。(南と武田で)モガき合いをするのかなっていうのもあった。焦ることもなく、冷静に走れました。感触自体は日に日に良くなっている。(レースの時の頭の回転に関しては)まだ7、8割くらいですね」
 近畿ライン3番手の渡辺十夢は、最終2コーナーで内に進路を取って守澤を追いかける。守澤を見失ったものの、しぶとく踏んで3着に入った。
 「前(藤田)がさばかれて下げてきた時に、もう(勝負権が)ないなって感じだった。けど、あきらめずに最後まで踏んだんで、なんとかつながりましたね。もうちょっとしっかり対応していれば、(最終2センターで)3車併走の形になることはなかった」