『ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月15日

 四日市競輪場でナイターで開催されている大阪・関西万博協賛「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」は、6月14日に3日目が行われた。ガールズケイリン、男子、それぞれの準決で見ごたえのレースが展開された。ガールズケイリンでは、畠山ひすいが3連勝で優出。また、男子では地元の谷口遼平が、二次予選からの連勝で決勝に進んだ。6月15日のシリーズ最終日には、ガールズケイリン、男子、それぞれの決勝が行われる。
 GIII開催中は、最終日の6月15日も様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「バーレスクTOKYO Fabulous Showgirl」によるパフォーマンスステージ、「池田貴広」BMXパフォーマンスステージ、スポーツ体験型イベント、オリジナルクオカードなどが当たる三角くじを先着で配布、ヤクルトを先着プレゼント。山口幸二さん、村上義弘さんらによる「トークショー・レース展望」などが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<2R>

渡部遥選手
渡部遥選手

高木佑真選手
高木佑真選手
 スタートを取った伊藤優里が誘導後位に収まり、渡部遥(写真)は周回中に追い上げて3番手の位置取り。打鐘で誘導が退避して、渡部は前と車間を取ってタイミングを取る。伊藤は後ろを警戒しつつ、徐々にペースを上げて4コーナー過ぎから先行態勢に入る。渡部は、車間を詰めた勢いのままに最終2コーナー手前からまくる。合わせて踏み直す伊藤を、バックでとらえて先頭。渡部を追走した高木佑真を振り切った渡部が、1着で決勝進出を決めた。
 「伊藤さんがSを取ったので、後方になるのはキツいと思って、中団に追い上げました。カマしても良かったんですけど、前が自力だし、後ろにもまくりが強い選手がいたので、見て、見てになりました。前が早めから駆けたので焦ったんですけど、落ち着いて目標にしてまくれました。風はなかったし、雨の時って意外とバンクが軽いので好きなんです。体はだんだん軽くなっているんですけど、いつもよりも1日多いので、なるべく疲れを抜きたいです」
 高木佑真(写真)は、周回中から渡部を追ってゴール前で詰め寄ったが2着まで。
 「村田(奈穂)さんも仕掛けは遅めだし、(最終)ホームで伊藤さんが踏んでくれて、展開がすごい良かったと思います。昨日(2日目)はセッティングがイマイチで、それを直して感じは悪くなかったです。ハンドルと、サドルまわりのセッティングを戻しました。重心を前の方に戻して、スタンディングは楽になったんですけど、座ってから力が入ってない感じがするので、ローラーに乗って修正したいです」
 6番手から最終バック手前でまくった村田奈穂は、逃げた伊藤との3着争いを制した。
 「後手に回りすぎました。渡部さんが私の方を確認しているのがわかったし、無理にいっても合わされると。それで渡部さんが行った上をいくしかなかった。前が掛かってたし、私は掛かってない感じで、悔しいですね。なんとか3着って感じだった」

<3R>

畠山ひすい選手
畠山ひすい選手

元砂七夕美選手
元砂七夕美選手
 打鐘3コーナーで、3番手から動いた杉沢毛伊子が先頭。いったん杉沢を送り出した平子結菜だったが、最終ホームでは2番手から叩き返して主導権を奪う。6番手に置かれた畠山ひすい(写真)は、1センターから強引に巻き返す。4番手の中野咲もまくりを打つが、畠山はその上をまくっていく。4コーナーの山おろしでさらに加速した畠山が、前をまとめてのみ込んで3連勝のゴールを決めた。
 「スタートは後ろからで、前が見える位置からと思っていた。仕掛けは遅かったですね。(仕掛けてからは)並んだ時点でいけるかなと思った。そこからは後ろに抜かれないように踏んだ。徐々に脚は良くなっている。今回は(優勝を)狙える位置にいるので勝ちにいくレースをしたい」
 元砂七夕美(写真)は、まくってきた畠山の後位に最終3コーナーでスイッチ。最後は大外を踏んで2着だった。
 「スタートは前はいらないかなって思ったし、取れた位置から自在でいこうと。畠山さんより前にいたくて、ジャンで(畠山を)押さえて。2日目みたいに鈴木(彩夏)さんとやり合うよりも、前にいて飛び付きの方がいいかなって。2日目の反省を生かして走った。(畠山に)乗り換えてからは脚に余裕があった。しっかりと踏めている感触がある。(3月豊橋で)落車して、次の開催からフレームを換えてそれがいい方向に出ている。4日間の開催が初めてなので、しっかりとケアして気持ちを切らさないようにしたい」
 平子結菜は、気風良い仕掛けで3着に粘り、地元でうれしい決勝進出を果たした。
 「思い通りの組み立ては、できたかなと思う。雨で後ろだと厳しいと思ったから、先行しようと(レースの)直前で決めた。(仕掛けるのを)待つと包まれると思ったから、思い切っていった。勝ち上がるには3着までに入るしかなかったので、なにがなんでも3着までと思って走った。最後まで踏めたと思う。調子は良くないけど、少しずつ良くなっていると思う」

<10R>

河村雅章選手
河村雅章選手

上田国広選手
上田国広選手
 赤板過ぎに栗山和樹が切って、中部勢に片岡迪之が続く。前受けから中部勢を受けた堀江省吾は、4番手内で片岡と併走になる。隊列が短くなり、打鐘で単騎の久保田泰弘が前を切りに動くが、栗山が突っ張って出させない。併走していた堀江だが、打鐘では後方に下げて、3コーナーから仕掛ける。最終ホームで栗山を叩き切った堀江の先行。番手の河村雅章(写真)は、簗田一輝に合わせて4コーナーで前に踏み込み、好展開を逃さずに1着を手にした。
 「後ろ攻めだと、切って最後方になるし、スタートは思いっ切り出てみてでした。ごちゃごちゃしてたんで、大丈夫かなと思ったところで、堀江君が無理くりいってくれて、すんなり出切れて良かった。正直、雨のしぶきがすごすぎて、後ろがどうなっているかはわからなかった。でも、あのスピードなら(最終)バックで誰か来ることはないなと。堀江君を残したかったけど、ライン2車だし、後ろも来ていたし、勝たないと頑張ってくれた意味がなくなると思って踏みました」
 栗山は堀江に叩かれて、内、外を単騎勢に来られた柴崎俊光は、連結を外す。しかしながら、柴崎は最終2コーナーで自ら踏み上げる。追走した上田国広(写真)は、3コーナーで簗田の後ろに降りるようにしてコースを確保し、直線で外を伸びて2着。
 「(柴崎)俊光がいってくれたおかげだね。内を狙いたくなるところだと思うんですけど、俺に気を遣ってくれたのか、外からいってくれた。もう、地元から1人は(決勝に)乗らないと格好がつかないと思った。俊光が頑張ってくれたし、1人だけでもと思って踏んだ。フレームを新車に換えて、ぶっつけで使ってみた。体の感じはイマイチだけど、フレームを換えて、流れが変わってくれた感じはする」
 打鐘で久保田泰弘の動きに乗った簗田一輝は、外併走から堀江のカマシに反応して関東勢にスイッチ。2センターで持ち出し、河村を追うようにして3着に入った。
 「堀江君にしろ、栗山君にしろ、突っ張りもあると思って中団を取った。すんなり出させたんで、中団、中団を回ろうと切り替えました。久保田君が切るかと思って、そこに付いていって、切って堀江君を出させるつもりだった。でも、栗山君が突っ張ったんで。中団で落ち着いてと思ったところで堀江君にカマされた。自分の脚質的に中団にいないと厳しいんで、そこにスイッチして、(最終)2コーナーで(栗山を)キメめて、単独で3番手に入れたのは良かった。ただ、山賀(雅仁)さんと勝ち上がれていないんで、ジャンのところで無理やり切っても良かったかもしれないです」

<11R>

野口裕史選手
野口裕史選手

中井俊亮選手
中井俊亮選手
 7番手の野口裕史(写真)が、青板から早めに動き出す。3番手の原田研太朗は、野口を外にけん制しつつ上昇。イン切りを狙った原田だが、脇本勇希が赤板で踏み上げたのを見て後退。野口が1センターで前に出て、受けた脇本が4番手、原田は7番手となって打鐘を通過する。野口が絶妙なペースで駆けて、最終ホームを一本棒で迎える。2コーナー過ぎからまくった脇本は、東龍之介のけん制を受けて不発。原田も後方で苦しく、ペースをつかんだ野口が、力強い逃げ切りで決勝のキップを手にした。
 「後ろから押さえて駆けようと。それで原田君を後方にして、脇本君が中団で、あとはどれだけ単騎の人たちを連れ込めるかと考えていた。(青板前の)道中で(嶋田誠也に)しゃくられたけど、そのまま出ようと。出てからはペースでって感じで、オーバーペースではなかったです。最近のなかでは一番かなって思う」 
 脇本が最終3コーナーで外に浮くと、中井俊亮(写真)は空いた内を踏み込む。東に伸び勝って、2着に入った。
 「脇本君にすべて任せていた。できることがあるかなと思っていたけど、脇本君が全部やってくれた。脇本君がしっかりと仕掛けてくれたから自分に勝機が出た。ただ、入っていく時の判断が少し早かったかもしれない。そこは反省です」
 脇本を止めた東龍之介は、中井に伸び負けたものの3着で決勝進出。
 「野口さんはスタイルが変わらないし、道中で(嶋田に)しゃくられても動じていなかった。同県の村上(直久)さんが後ろにいたし、自分はマークにこだわってやっているので、持ち場の仕事をやらせてもらおうと。野口さんと自分は勝ち上がれたけど、村上さんが勝ち上がれなかったので素直に喜べない」

<12R>

谷口遼平選手
谷口遼平選手

古賀勝大選手
古賀勝大選手
 鈴木薫が上昇すると、前受けの纐纈洸翔は、誘導を残したまま早めに後退。鈴木を赤板1センターで和泉尚吾が切って、勢い良く叩いた佐藤博紀が打鐘で先頭に立つ。7番手に下げ切った纐纈が、3コーナーから巻き返すが、前の佐藤もペースを上げて、さらに5番手から鈴木も合わせて仕掛ける。一番外を回された纐纈は苦しく、最終2コーナーでは柴田洋輔とからんで勢いがストップ。難しい判断を迫られた谷口遼平(写真)は、バックで自力に転じてまくり上げる。勢い良く前団をのみ込んだ谷口が1着だったが、纐纈との勝ち上がりがかなわず複雑な表情で振り返った。
 「(纐纈が)無理やりいってくれた。申し訳ないですね。自分がもっと落ち着ければ。別線のみんなで纐纈をどうにかしようって流れだった。合わされ気味に進んでいく感じで、一発くらった感じがしたんで踏んだんですけど。あれ以上待っても厳しいかなと思った。纐纈が頑張ってくれて、自分は余裕があったし、纐纈のおかげです。昨日(2日目)は栗山(和樹)君が頑張ってくれたし、連日前のおかげです」
 中近ライン3番手を固めた古賀勝大(写真)が、谷口に続いて決勝進出。
 「全部前の2人にお任せでした。(纐纈が)外で止まっちゃった。谷口君が自分で行ってくれて、自分はちょっと空きながらだったけど、反応はできたと思います。調子は悪くはないと思うけど、余裕はないです」
 和泉は、後方となって苦しい展開。9番手となった渡部哲男は、最終2コーナー過ぎに切り替えると、中近ラインを追いかけて3着に入った。
 「取れた位置から、流れに乗ってって感じでした。みんな叩くのが早かったし、先行するには距離が長くて、後手を踏んだけど、並び的にどうしようもなかったと思う。無理駆けはしてほしくなかった。一番後ろにいたので、状況は見えてました。内がゴチャついてたし、(谷口が)止まったら切り込むのもありだったけど、そのまま伸びていったので、流れに乗りました。最近のなかでは状態はいい方だと思います」