同一日程の富山GIIIとリレー形式で繋ぎ、四日市競輪場にてナイター開催で行なわれてきた大阪・関西万博協賛「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」も6月15日に最終日を迎えた。注目の男子決勝は野口裕史がいつも通りの先行策でレースを支配。番手を無風で回った梁田一輝がゴール寸前で抜け出してVを飾った。梁田のGIII優勝は、23年6月に向日町競輪場で行なわれた第7回施設整備等協賛競輪「京都向日町カップ」以来で通算2回目となる。また、ガールズケイリンは逃げた畠山ひすいをタイヤ差で交わして高木佑真が今年初Vをゲットした。
決勝戦 レース経過
号砲と同時に勢い良く古賀勝大が飛び出すも、谷口遼平が最内枠を生かして誘導員を追う。谷口-上田国広の地元勢が前を固め、3番手からが中井俊亮-古賀の近畿勢で、単騎の渡部哲男がこの後ろ。野口裕史-簗田一輝-東龍之介の南関勢が後攻めで、河村雅章が最後方。
青板の3コーナーから野口が上昇しようとするが、谷口が誘導員との車間を空けて後方の動きを警戒する。それでも赤板のホームストレッチ手前で中井が切りにいくと、谷口は突っ張り、地元勢の後ろに渡部、河村も切り替える。1回突っ張った谷口はペースを緩め、今度は野口が1コーナー付近でイエローラインの外側まで上がり、2コーナーの下りを使って先頭に立つ。谷口は4番手まで引き、2コーナー手前で内から上昇した中井とその外に渡部で6番手が併走。野口がペースを上げていき、最後方の河村がまくるも、2コーナーであおりを受けて中団まで。3コーナー過ぎから谷口が仕掛けると、2センター付近から簗田が前へと踏み込む。
直線半ばで野口を交わして先頭に立った梁田はそのまま後続の追撃を振り切って2度目のGIII制覇。簗田に続いた東が2着。3着には谷口の仕掛けに乗り、直線で簗田と東の間のコースを突いた上田が入った。

簗田一輝選手
前には徹底先行の野口裕史、後ろにはヨコの厳しい東龍之介。南関ラインの中核を任された簗田一輝(写真)は、勝って真っ先にラインへの感謝を口にした。
「野口さんと、東さんのおかげです。もう、(ラインとして)各々の仕事をするだけだと思ってました。前と、後ろがしっかりしているので、自分のことだけを考えることができました」
赤板で、中団からのイン切りを狙った中井俊亮を、谷口遼平が突っ張る。ペースが緩んだところで、野口が迷いなく叩いて出る。合わせて踏んだ谷口だったが、結局は中団に下げて、南関勢のペース。位置を狙われる覚悟を決めていた簗田だったが、絶好のポジションを、無風で回れることとなった。
「(飛び付かれるかどうかは)レースを走ってみないと分からなかったけど、頭には入れていました。東さんに、番手を任せてもらった以上は、絡まれても絶対に勝負しないといけないと思ってました。でも、野口さんの駆け方が上手で、(飛び付かれないような)そういうふうに駆けてくれたと思います」
野口の先行を、無駄にするわけにはいかない。この展開ならば、ラインから優勝者を出すことは最低条件だった。野口と間合いを取って、最終2センターから一気踏み。別線を横に並ばせることもなく、直線で抜け出して勝ち切った。
「4番手に、すんなり谷口さんがいたことは分かってました。四日市は、直線が長いですし、(踏むのが)遅くなると外を伸びてきてしまう。僕から人気になっていたのもあるし、初日は前を庇い過ぎてしまったのもあった。ラインで、東さんを連れ込むことを考えて、早めに踏み込みました」
23年6月向日町以来2度目のGIII優勝。簗田にとって23年といえば、競輪祭で決勝に乗った年だ。そこからのブレイクが期待されたが、度重なる落車によって、GI戦線から遠のいてしまった。ただ、この優勝が本格的な復調のきっかけになることは間違いない。
「(23年の)競輪祭の前も、落車をずっとしていなかった。自分にとって、ケガをしていないことが好調の要因だと思っています。まずはケガをしないように。野口さん、東さんとラインとして並べて、南関として強くなれたと思います」
今度こそ、GIの舞台に定着し、南関の一員として、ラインの力になる。苦しんだ時期を乗り越えて、復活の道を歩み始めた。
南関ライン3番手の東龍之介が2着。直線は、内から当たって来た上田国広との踏み合いを意地で制した。
「(前の2人に)連れていってもらって、脚も気持ち的にも余裕があった。最後は内いくか、外いくかの判断で外にいって、上田さんが入って来たのにも対処できた。みんながチャンスある形を野口さんが作ってくれた。昨日(3日目に)セッティングをいじって、乗る場所とかも楽な位置を見つけられた。今回の感触を継続して目の前のレースを頑張りたい」
上田国広は、谷口に乗って内のコースを選択。3着には入ったものの、地元Vの夢は果たせなかった。
「谷口君の判断で、中井君を突っ張るのか、出させて一発にかけるかって感じでしたね。脚を使って中団を取ってくれた。(谷口と自分の)どっちかが優勝と思っていたけど、谷口君も河村(雅章)君がきたから、出にくい所で仕掛けた感じになりましたね。もう少しサポートできれば良かったんですけど。自分も最短コースではなかった。東君に当たっちゃいましたからね。ただ、最短でも2着が精一杯だったかも。2人ともホームバンクだっただけに悔しいですね。気合は入っていたので。悔しいが大きいので、いつか晴らしたい」






青板の3コーナーから野口が上昇しようとするが、谷口が誘導員との車間を空けて後方の動きを警戒する。それでも赤板のホームストレッチ手前で中井が切りにいくと、谷口は突っ張り、地元勢の後ろに渡部、河村も切り替える。1回突っ張った谷口はペースを緩め、今度は野口が1コーナー付近でイエローラインの外側まで上がり、2コーナーの下りを使って先頭に立つ。谷口は4番手まで引き、2コーナー手前で内から上昇した中井とその外に渡部で6番手が併走。野口がペースを上げていき、最後方の河村がまくるも、2コーナーであおりを受けて中団まで。3コーナー過ぎから谷口が仕掛けると、2センター付近から簗田が前へと踏み込む。
直線半ばで野口を交わして先頭に立った梁田はそのまま後続の追撃を振り切って2度目のGIII制覇。簗田に続いた東が2着。3着には谷口の仕掛けに乗り、直線で簗田と東の間のコースを突いた上田が入った。

簗田一輝選手
「野口さんと、東さんのおかげです。もう、(ラインとして)各々の仕事をするだけだと思ってました。前と、後ろがしっかりしているので、自分のことだけを考えることができました」
赤板で、中団からのイン切りを狙った中井俊亮を、谷口遼平が突っ張る。ペースが緩んだところで、野口が迷いなく叩いて出る。合わせて踏んだ谷口だったが、結局は中団に下げて、南関勢のペース。位置を狙われる覚悟を決めていた簗田だったが、絶好のポジションを、無風で回れることとなった。
「(飛び付かれるかどうかは)レースを走ってみないと分からなかったけど、頭には入れていました。東さんに、番手を任せてもらった以上は、絡まれても絶対に勝負しないといけないと思ってました。でも、野口さんの駆け方が上手で、(飛び付かれないような)そういうふうに駆けてくれたと思います」
野口の先行を、無駄にするわけにはいかない。この展開ならば、ラインから優勝者を出すことは最低条件だった。野口と間合いを取って、最終2センターから一気踏み。別線を横に並ばせることもなく、直線で抜け出して勝ち切った。
「4番手に、すんなり谷口さんがいたことは分かってました。四日市は、直線が長いですし、(踏むのが)遅くなると外を伸びてきてしまう。僕から人気になっていたのもあるし、初日は前を庇い過ぎてしまったのもあった。ラインで、東さんを連れ込むことを考えて、早めに踏み込みました」
23年6月向日町以来2度目のGIII優勝。簗田にとって23年といえば、競輪祭で決勝に乗った年だ。そこからのブレイクが期待されたが、度重なる落車によって、GI戦線から遠のいてしまった。ただ、この優勝が本格的な復調のきっかけになることは間違いない。
「(23年の)競輪祭の前も、落車をずっとしていなかった。自分にとって、ケガをしていないことが好調の要因だと思っています。まずはケガをしないように。野口さん、東さんとラインとして並べて、南関として強くなれたと思います」
今度こそ、GIの舞台に定着し、南関の一員として、ラインの力になる。苦しんだ時期を乗り越えて、復活の道を歩み始めた。
南関ライン3番手の東龍之介が2着。直線は、内から当たって来た上田国広との踏み合いを意地で制した。
「(前の2人に)連れていってもらって、脚も気持ち的にも余裕があった。最後は内いくか、外いくかの判断で外にいって、上田さんが入って来たのにも対処できた。みんながチャンスある形を野口さんが作ってくれた。昨日(3日目に)セッティングをいじって、乗る場所とかも楽な位置を見つけられた。今回の感触を継続して目の前のレースを頑張りたい」
上田国広は、谷口に乗って内のコースを選択。3着には入ったものの、地元Vの夢は果たせなかった。
「谷口君の判断で、中井君を突っ張るのか、出させて一発にかけるかって感じでしたね。脚を使って中団を取ってくれた。(谷口と自分の)どっちかが優勝と思っていたけど、谷口君も河村(雅章)君がきたから、出にくい所で仕掛けた感じになりましたね。もう少しサポートできれば良かったんですけど。自分も最短コースではなかった。東君に当たっちゃいましたからね。ただ、最短でも2着が精一杯だったかも。2人ともホームバンクだっただけに悔しいですね。気合は入っていたので。悔しいが大きいので、いつか晴らしたい」






ガールズケイリン決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると平子結菜、高木佑真が飛び出したが、平子が誘導員の後ろに入る。道中は、平子、畠山ひすい、高木、元砂七夕美、村田奈穂、伊藤優里、渡部遥で隊列が一旦落ち着く。
6番手の伊藤が青板周回の2センターからゆっくりと上昇し、畠山を押さえる。フタをされた畠山は車を下げ、伊藤が2番手に入る。伊藤とともに上昇した渡部が、打鐘で誘導員退避のタイミングで先頭に出て後方の動きを警戒し、渡部後位は内に平子、外に元砂で併走となる。渡部が流しているのを見て、畠山が一気に仕掛けて、最終ホーム手前で主導権を握る。この動きに高木がぴったりと続き、渡部が3番手に収まる。バックでは渡部が前との車間を詰める勢いで仕掛けるも車の出は鈍く、2センター付近で外に持ち出した高木がゴール寸前で畠山を差し切ってV。畠山はペース良く駆けるも高木にタイヤ差交わされて2着。渡部が3着。

高木佑真選手
6番手から上昇した伊藤優里が、2番手の畠山ひすいにフタをする。畠山は車を下げて、打鐘で切った渡部遥が一旦先頭へ。渡部がスローペースのままでいると、畠山は5番手から2センターでカマす。最終ホームで出切った畠山を、高木佑真(写真)がピタリと追いかける。3番手に飛びついた渡部が、バックで持ち出すが、畠山の掛かりが良く進まない。2番手から追い込んだ高木が徐々に畠山に迫って、両者がほぼ並んだところがゴール。タイヤ差で差し切った高木が、今年初優勝をゲットした。
「(スタートで)良い位置が取れた。打鐘で(渡部と)合わせて(畠山が)出ていくと、また違った展開になったと思うけど、そこも(展開的に)良かったです。畠山さんが一番脚があるので、先行の後ろを綺麗に入れて絶好展開だったので、勝ち切らないとでした。昨日(3日目)セッティングを変えて、アップから感じが良くて、差せて良かった。昨日も(差せたか)わからなくて、今日も分からなかった。ファンの人に差したと言われたけど、わかっていなくて。良い展開が巡ってきて、勝ち切れて良かった。年に1回しか優勝できていないので、今年は2回目できるように頑張りたい」
カマシ先行でレースを支配した畠山ひすい。わずかにかわされての準Vだったが、負けて強しの内容だった。
「今日は中団からが良かった。自分のタイミングで仕掛けました。昨日の仕掛けが遅かったので、昨日より早く仕掛けようと思っていた。(最後の)直線が長かった。勝ち切りたかったけど、動く人が多くいる中で粘れたので。上で戦うには押し切れるようにならないと。また練習します」
渡部遥は力及ばず3着。悔しい結果となった。
「(後ろから)切るしかなかったです。思った通りに畠山さんが仕掛けてきたけど、(最終バックで自転車を)出すんじゃなかったです。緩んだのと、後ろから仕掛けてこられて被るのが嫌で仕掛けたんですけど、ためて(まくり追い込み)のほうが良かった。反省ですね。いつも(自転車を)出せなくて終わって反省するんですけど、今日は(自転車を)出して反省です。脚があればまくれると思うんですけど。いつも最終日に勝ち切れない。チャンスだったと思うからくやしいです」






6番手の伊藤が青板周回の2センターからゆっくりと上昇し、畠山を押さえる。フタをされた畠山は車を下げ、伊藤が2番手に入る。伊藤とともに上昇した渡部が、打鐘で誘導員退避のタイミングで先頭に出て後方の動きを警戒し、渡部後位は内に平子、外に元砂で併走となる。渡部が流しているのを見て、畠山が一気に仕掛けて、最終ホーム手前で主導権を握る。この動きに高木がぴったりと続き、渡部が3番手に収まる。バックでは渡部が前との車間を詰める勢いで仕掛けるも車の出は鈍く、2センター付近で外に持ち出した高木がゴール寸前で畠山を差し切ってV。畠山はペース良く駆けるも高木にタイヤ差交わされて2着。渡部が3着。

高木佑真選手
「(スタートで)良い位置が取れた。打鐘で(渡部と)合わせて(畠山が)出ていくと、また違った展開になったと思うけど、そこも(展開的に)良かったです。畠山さんが一番脚があるので、先行の後ろを綺麗に入れて絶好展開だったので、勝ち切らないとでした。昨日(3日目)セッティングを変えて、アップから感じが良くて、差せて良かった。昨日も(差せたか)わからなくて、今日も分からなかった。ファンの人に差したと言われたけど、わかっていなくて。良い展開が巡ってきて、勝ち切れて良かった。年に1回しか優勝できていないので、今年は2回目できるように頑張りたい」
カマシ先行でレースを支配した畠山ひすい。わずかにかわされての準Vだったが、負けて強しの内容だった。
「今日は中団からが良かった。自分のタイミングで仕掛けました。昨日の仕掛けが遅かったので、昨日より早く仕掛けようと思っていた。(最後の)直線が長かった。勝ち切りたかったけど、動く人が多くいる中で粘れたので。上で戦うには押し切れるようにならないと。また練習します」
渡部遥は力及ばず3着。悔しい結果となった。
「(後ろから)切るしかなかったです。思った通りに畠山さんが仕掛けてきたけど、(最終バックで自転車を)出すんじゃなかったです。緩んだのと、後ろから仕掛けてこられて被るのが嫌で仕掛けたんですけど、ためて(まくり追い込み)のほうが良かった。反省ですね。いつも(自転車を)出せなくて終わって反省するんですけど、今日は(自転車を)出して反省です。脚があればまくれると思うんですけど。いつも最終日に勝ち切れない。チャンスだったと思うからくやしいです」






次回のグレードレースは岸和田競輪「第76回高松宮記念杯競輪」が6月17日~22日に、「第3回パールカップ」が6月17日~19日の日程で実施されます。
男子、女子ともに勝ち上がり戦は東西対抗形式で、決勝まで東日本、西日本に分かれ、上位進出をかけて激しいバトルを繰り広げます。普段の開催では見られないようなメンバー構成となるので、新鮮味が感じられるシリーズです。優勝のゆくえは果たして?
6月9日時点の出場予定選手データを分析した、岸和田「第76回高松宮記念杯競輪」、「第3回パールカップ」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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男子、女子ともに勝ち上がり戦は東西対抗形式で、決勝まで東日本、西日本に分かれ、上位進出をかけて激しいバトルを繰り広げます。普段の開催では見られないようなメンバー構成となるので、新鮮味が感じられるシリーズです。優勝のゆくえは果たして?
6月9日時点の出場予定選手データを分析した、岸和田「第76回高松宮記念杯競輪」、「第3回パールカップ」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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